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2004年米国大統領選スレ

336千葉9区:2008/12/09(火) 01:03:25
 ●「うそ泣き」報道に怒り

 「性差の壁は、なぜ人種の壁ほど深刻に扱われないのか」。米国の著名な女性解放運動家、グロリア・スタイネム氏は今年1月8日、米紙ニューヨーク・タイムズのコラムでこう書いた。報道や世論が黒人のオバマ氏に甘く、女性のクリントン氏に厳しいという内容で、賛否両論を招いた。

 コラムを書いたきっかけは、ニューハンプシャー州の予備選(1月8日)だった。前日の7日、選挙で劣勢が伝えられたクリントン氏は集会で突然涙ぐみ、一部メディアが「うそ泣き」「最高司令官が務まるのか」と激しく批判したからだ。

 事前の世論調査に反し、クリントン氏はオバマ氏に小差で勝利した。今年1月からのすべての選挙を分析したウィスコンシン・マディソン大のチャールズ・フランクリン教授は、同州予備選で「クリントン氏が過小評価された」と結論付けた。

 「女性有権者からメディアへの怒りの声が殺到し、直前に一気に追い上げたのが勝因だった」。クリントン氏の大統領夫人時代のスピーチライターで、今回の選挙で広報担当を務めたリサ・マスカティン氏は取材に、そう明かしている。

 クリントン氏に対しては、このほかにも選挙中「米国民は毎日女性が老いていくのを(テレビの)目の前で見たいか」といった個人攻撃的な報道が目立った。米NBCテレビのディレクター、チャック・トッド氏は「批判はクリントン氏が招いたもので、米メディアが公平さを欠いているとは思わない」と話す。クリントン氏は選挙中、ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れた(96年)際に「銃火をかいくぐった」と発言。後日ウソと分かるなど、資質が問われたこともあったからだ。

 ●「女性問題」控えた

 一方で、選挙を機に米社会における女性差別の現状や課題を論じる報道はわずかだった。米国の女性労働者の平均賃金は男性の8割程度に過ぎず、女性の「不公平感」は強い。

 コラムニストのニコラス・クリストフ氏は米紙ニューヨーク・タイムズで「クリントン氏が女性の問題について演説すれば議論を深めるきっかけになる」と提唱。だがクリントン陣営は「女性であることを利用していると批判されると考えて控えた」(マスカティン氏)という。

 ◇「白人男性」記者、問題提起にためらい−−トッド・ギトリン・コロンビア大教授(ジャーナリズム、社会学)
 コロンビア大のトッド・ギトリン教授(ジャーナリズム、社会学)に、大統領選報道について聞いた。

 今回もこれまでの大統領選報道と変わらず、大半は陣営の戦術や誰がレースに勝つかといった内容に終始した。

 初めて黒人や女性の本格候補を迎え、報道ぶりも注目されたが、米メディアは「黒人」や「女性」をどう扱うべきか確信が持てなかった。候補者について黒人だとか女性だと言及すること自体歓迎されないという雰囲気があり、自ら問題提起することがメディアの義務かどうかも判然としなかった。

 大半のメディアは従来通り、陣営がきっかけを作らない限り、自ら問題を提起しない方針を取った。つまりオバマ氏の人種にもクリントン氏の性別にもメディアとして独自にはこだわらなかった。オバマ氏はそれで得をした。彼も人種の違いを強調されたくなかったからだ。クリントン氏も戦争をしている米国の大統領として、女性であることは不利と考えた。だが一部メディアは服装や声のトーンなど、男性なら話題にもならないことで攻撃した。クリントン氏と個人的に敵対する記者がいるせいもあるが、総じて米メディアは人種問題を扱う時のような注意深さで女性の問題を扱っていない。

 メディアは米社会の「黒人」「女性」の問題にも自ら切り込まなかったが、記者らの多くが白人男性であることと無縁ではない。例えば今回、もっと記者や編集者の中に黒人や女性が多く、会社の中で有力な立場にあれば、彼らの感性が結集され、黒人や女性の問題を積極的に取り上げただろう。

毎日新聞 2008年12月8日 東京朝刊


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