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2004年米国大統領選スレ

3278とはずがたり:2016/04/06(水) 19:35:58
>>3277-3278
?さらに興味深いのは外交政策である。共和党には、中東問題をはじめとする国際問題に対して積極的に関与すべきと主張する政治家が多い。ブッシュ政権で実施されたイラク戦争は、中東問題への過剰な関与がもっとも顕著な形で表面化した結果といってよいだろう。

?こうした積極外交は、実は民主党も同じである。ベトナム戦争を主導したのはケネディ政権だし、クリントン政権も旧ユーゴスラビアへの空爆を実施するなど、国際問題への積極的な関与を行っている。こうした外交姿勢は、現代米国においては、党派を超えた主流派的な価値観といってよい。

?歴代政権の中で唯一の例外がオバマ大統領である。オバマ大統領は、イラク戦争の処理という任務があったとはいえ、本質的には孤立主義的なスタンスが明確である。折に触れて、中東問題には関与せず、米国は単独でやっていけばよいという方向性を打ち出している。

?実際、オバマ氏はシリア問題に対しては頑なまでに積極関与を嫌ってきた。また史上最大規模の軍縮を行い、中東から多数の米軍を撤退させている。以前からある程度計画されていたとはいえ、沖縄に常駐する海兵隊の兵力を大幅に減らし、グアム撤退を加速させたのもオバマ政権である。


?実は、トランプ氏の主張にもこうした孤立主義的な傾向が見て取れる。トランプ氏は強い米国というイメージこそ語っているが、日米安保条約の見直しに言及したり、中東問題に無関心など、実際には積極外交は望んでいないように見える。こうした部分でもオバマ政権との共通点が見受けられるのだ。

米国はもはやエネルギーを他国に頼る必要がない

?一見、正反対に見えるオバマ大統領とトランプ氏にここまでの共通項が見出せる理由は、米国をとりまく地政学的な環境が大きく変わっているからである。

?米国は2014年、サウジアラビアを抜いて、世界最大の石油生産国に躍り出た。天然ガスなどを含めたエネルギー全体で見た場合、米国は近い将来、ほぼすべてのエネルギーを自給できるため、数字の上では中東の石油に依存する必要がなくなっている。

?現実には、米国は豊富な石油を輸出する方向性なので、中東からの原油輸入が途絶えることはない。しかし、数字上、一切の輸入が必要ないというインパクトは大きいはずだ。

?米国はかつて、欧州とアメリカ大陸の相互不干渉を主旨とする「モンロー宣言」を発し、長く孤立主義を続けてきたという歴史がある。世界の警察官を標榜し、世界のどこにでも顔を出して武力を行使する米国人の姿は、あくまでごく最近のものでしかない。

?エネルギーのすべてを自給することができ、世界最大の軍事力と経済力を持つ米国は、理屈の上では、他国に対して一切遠慮する必要がなく、国際問題を積極的に解決するインセンティブも少なくなっている。そうなってくると、暴言を繰り返すお騒がせ候補のトランプ氏と、リベラルな大統領であるオバマ氏の主張が実は似通っているというのも偶然の産物ではない可能性が高くなってくる。

?新モンロー主義ともいうべきこの流れが本物であるならば、ドルの垂れ流しや米国を中心とした安全保障体制など、これまでは「常識」だと思っていた価値観が通用しなくなる可能性は十分に考えられる。少なくとも、絶対にあり得ないと一蹴するのはもはやナイーブ過ぎる時代に入ったのかもしれない。


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