したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

2004年米国大統領選スレ

2309とはずがたり:2015/03/16(月) 17:34:21

 韓国についての演説部分は20行以下だったが、日本に関する部分のうち15行ほどは、イスラム過激派「ISIS」(いわゆるイスラム国)による日本人人質殺害事件についての慰めや助言の言葉だった。同盟相手である日本との特別な絆や、日本の国際平和への貢献への言及はほとんどなかった。
>>2308-2309
 第3は、尖閣諸島に関する同盟国らしくない言辞だった。尖閣諸島の問題についてシャーマン次官は次のように述べていた。

 「私たちは近年、日本が施政権を保つ一方で、中国がかつての中華体制の一部だと主張する尖閣諸島をめぐる緊迫した状況を見てきた。日本は中国の急速かつ不透明な防衛強化を警戒している。中国側は、日本の防衛政策のいかなる変化にも神経を尖らせている」

 以上の発言は、米国としての自主的な立場をつゆほども述べていない。「尖閣諸島を日米安保条約の適用範囲とする」という米国の重大な政策にも触れない。

 尖閣諸島はかつて米国が施政権を保ち、沖縄とともに日本に返還した。その際、日本の領有権までも暗黙に認めていた。しかしそうした経緯は完全に無視されている。

 しかもオバマ政権は尖閣問題に関して「現状を非平和的な方法で変えようとする試みには強く反対する」という立場を表明しているのに、中国側が日本の尖閣領海に一方的かつ頻繁に侵入してくる事実もまったく無視しているのだ。

 シャーマン演説も、尖閣問題に関して米国はまったくなんの関係もない第三者である、という姿勢であり、同盟国らしい対応は影も形も見せていないのである。
オバマ政権にとって日米同盟とは一体なんなのか

 第4は、シャーマン次官の中国に対する宥和的な言辞である。

 同次官がこの演説で最も熱心に説いたのは、米国の中国に対する関与政策だった。「米国の対中政策は、ニクソン政権からオバマ政権まで一貫して、関与することの重要性を保ち続けることだった」「米中関係は成熟するにつれ、両国の指導者たちが率直に意見を述べ合う能力を身につけた」という調子である。

 中国の人権弾圧や自由の抑圧についても触れていたが、「米国側はこれらの問題を提起するが、それは歴史上、人権を尊重する国のほうがより繁栄するからだ」と決して強い口調の非難ではなかった。

いま東アジアにおける国際緊張の最大要因ともなっている中国の大規模な軍事力増強に対しては、米国としての批判はなにも述べなかった。前述のように「日本が警戒している」というだけで、まったく他人事というふうなのである。

 このあたりにも、「中国に対してはとにかく対立や非難を避ける」というオバマ政権の基本路線が露わとなっていた。そして、中国の歴史的な規模の軍拡と野心的な領土拡張に対して日本側が少しでも防衛力を強化しようとする動きに対しても、米国にとっては無関係であり、どちらかといえば好ましくない事態のような反応を見せていた。

 要するにシャーマン演説は、米国が日本の同盟パートナーであり、中国の危険な軍事攻勢に日本と共同で対応する、というような構えを感じさせないのである。「オバマ政権にとって日米同盟とは一体なんなのか」という疑問さえも沸き起こってくる。

 オバマ政権の残り任期は1年10カ月ある。日本としてはまだまだ同盟相手として依存し、さまざまな協力を仰ぎ続けなければならない。その相手の対日政策、対中政策には、歴代の米国の政権とはかなり異なる、こうした特異性があることを改めて認識しておくべきだろう。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板