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化学・薬品産業総合スレッド

2185荷主研究者:2019/03/03(日) 22:34:48

https://www.sakigake.jp/news/article/20190203AK0020/
2019年2月3日 秋田魁新報
秋田明治の建物:小坂鉱山の洋式工場(小坂町) れんが造りで存在感

1909年建設の電錬場。電解処理によって電気銅を製造する施設で、自熔製錬法の実施に合わせて増強された。現在も電解工場として使われている=小坂町の小坂製錬

1904年建設の旧小坂鉱山工作課原動室。屋根に取り付けられた小屋状の開口部から作業場に電力を送った

 藩政時代に始まる小坂鉱山(小坂町)の最盛期は、1900年代初めから第1次世界大戦までの十数年とされる。1900(明治33)年、経営する藤田組(現DOWAホールディングス)がそれまで製錬できなかった黒鉱から効率的に金属を取り出す自熔(じよう)製錬法の開発に成功し、生産量が飛躍的に伸びたのがきっかけだ。06年には主力の銅に金、銀を合わせた生産額で全国一に。露天掘りも始まり、最盛期には3千人超が採鉱に従事した。

 生産、従業員ともに急速に拡大したこの時期はまさに建設ラッシュだった。小坂鉱山事務所(05年)や康楽館(10年)など、明治を代表する木造の洋風建築物が相次いで登場した一方、製錬所などの産業施設ではれんがを用いた洋式工場が次々に造られた。04年建設の旧小坂鉱山工作課原動室(小坂町赤煉瓦(れんが)にぎわい館)もその一つだ。

 2014年に康楽館などが並ぶ明治百年通り沿いに移築され、カフェとして活用されている。骨組みに木材を用いた木骨れんが造り平屋建てで、延べ床面積は約95平方メートル。壁面は木骨に沿って赤いれんがが組み合わされ、まるで文様のようだ。

 工作課は鉱山や製錬所で使う資材や道具を作る部署で、原動室には隣接する作業場に電力を送るための発電機などが置かれた。屋根の骨組みは部材を三角形に組んだトラス構造。町教委の安田隼人さんは「近代より前の和小屋組みでは屋根を支えるため内部にも柱が必要だが、トラスを組めば荷重が分散され、広い空間を確保できる。このため工場にはよく用いられた」と説明する。

 「近代日本の洋風建築」(藤森照信著)によると、れんがとトラス構造は幕末に移入された洋式工場の特徴。明治期にかけて世界遺産の富岡製糸場(群馬県)など近代化を支えた多くの洋式工場に採用された。当初は外国人技術者が手掛けたが、後に日本人も建築技法を習得、れんがも各地で製造された。町教委によると小坂にも「れんが場」があり、最盛期の建築需要を賄ったとみられる。

 小坂鉱山の名を高めた黒鉱。だが市況の悪化に伴い、1990年代に黒鉱を産出する国内の鉱山は全て閉山となった。製錬の主原料は、鉱石から廃基板などのリサイクル原料に転換。DOWA子会社で製錬事業を行う小坂製錬には2007年、リサイクル対応炉が整備された。

 新たな工場が並ぶ中、構内で独特な存在感を見せるのがれんが造りの電錬場(非公開)だ。最盛期の1909(明治42)年に建てられた洋式工場。トラスの改修や一部増設は行われたが、れんが積みの壁面やアーチ窓は当時のままという。このクラシックな工場は今も現役で電気銅を製造、新しい時代の製錬業を支えている。


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