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鉄鋼・非鉄金属スレッド

329片言丸 ◆MACDJ2.EXE:2006/09/03(日) 17:09:29
「レアメタル」輸出 中国が規制の動き
FujiSankei Business i. 2006/9/1
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200609010028a.nwc

 中国の資源保護や国内販売を優先する動きから日本企業の先端技術に欠かせないレアメタル(希少金属)の安定確保に影響が出始めている。レアメタルはハイブリッドカーや液晶パネルに不可欠な材料だが、希少なだけに世界的に生産量や生産国が限られる。中でも中国への依存度が高いのが特徴で、産業界も防衛策を迫られている。

 (上原すみ子)

 レアメタルの中でも特に中国への依存度が高いのが、タングステン、レアアースなど4品目。タングステンは自動車部品を切断したり削るのに必要な超硬工具に使われ、レアアースはハイブリッド自動車の駆動モーターやハードディスク駆動装置(HDD)向けの永久磁石の保持力を強化するのに最適とされる。インジウムは液晶パネルに、アンチモンはプラスチック、ゴムに添加される難燃助剤に使われ、いまや産業界には欠かせない鉱物資源に位置づけられる。

 中国国内需要の拡大は、原油、銅など世界のあらゆる商品市況を押し上げる撹乱(かくらん)要因になっており、産業界に必要なレアメタルもその例外ではない。

 需給逼迫(ひっぱく)だけではない。中国政府の資源ナショナリズムの高まりを背景に、将来的には中国がレアメタルも輸出規制に動く可能性も高まっている。

 すでに事実上の輸出規制に動いている品目もある。タングステンは昨年に続き今年1月、輸出振興のために輸出すると税金が還付される増値税(付加価値税)の還付率を引き下げており、実質的な輸出規制に踏み切ったといえる。 

 このまま放置すれば産業界への影響が避けられないと、経済産業省資源エネルギー庁も対応に乗り出した。6月、レアメタルなどの鉱物資源も石油や天然ガス同様に資源戦略の一環だとする報告書をまとめ、安定確保に向けた探鉱開発や備蓄の強化を提言。これに加えて、レアメタルに変わる代替材料開発やリサイクル推進にも乗り出す計画だ。

 この資源戦略研究会には、ハイブリッド自動車で世界の先端を行くトヨタ自動車、液晶パネル世界シェアトップのシャープ、レアアースを使う磁石メーカーの信越化学工業など日本を代表するメーカー幹部が顔をそろえ、「現状のままだと中国が輸出規制に転じた場合の代替材料が確保できない」と危機感をあらわにした。

 一方、安定確保に向けて中国国内で鉱山などの上流部門に投資できるかといえば、資源保護の観点から難しい。例えば外資はレアアースの探査、採掘などに参入できないほか、精製や分離工程も制限業種に位置づけられている。 

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構は先行して、昨年からこの問題に取り組み、今春にはタングステンなどの代替調達先を求め、ベトナム、カナダに調査団も派遣した。従来は価格が低迷していたため、カナダなどでは生産を休止したところもある。今後は、価格上昇を背景に再開できる可能性もあり、実現できれば有力な代替地になる。

 レアメタルは少量輸入で、原油や銅などスケールメリットが物をいう商社の仕事にはなじまないと消極的だった大手商社も関心を高めている。最大手の三菱商事は4月、非鉄金属本部内に非鉄事業開発ユニットを立ち上げ、レアメタルの研究に乗り出した。

 だが、石油や天然ガス同様に鉱山や権益確保に動くかと思いきやそう簡単ではないという。

 レアメタルは「技術動向の行く方次第で需要が激減するため、簡単には投資できない特性がある。まずは今後の先端技術動向を見極めるほか、代替技術開発などの提案につなげたい」(三菱商事非鉄金属本部三輪純丈次長)と新機能も模索している。

 丸紅経済研究所の柴田明夫所長は「レアメタルも石油や銅など他の資源同様に需給逼迫が予想され、中国以外の調達先の確保や代替技術開発を急ぐ必要がある」と警鐘を鳴らしており、中国の資源保護が本格化する前に官民で先手を打つ必要がありそうだ。


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