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鉄鋼・非鉄金属スレッド

2267とはずがたり:2021/10/17(日) 21:17:26
>>2266
“世界初” 二酸化炭素10%以上削減に成功
通常、「高炉」は一度動かすと、基本的に止めることはありません。

ただこの試験高炉は少し違います。およそ1か月間、24時間連続で操業し、炉内の温度や成分の計測を続けています。

そして1か月間の操業を終えると、炉内に残った物質の成分なども詳細に分析。そのサイクルを繰り返し、どうしたら実用化につなげることができるか、さまざまな検証を重ねているのです。

担当の野村さんによると、この高炉のサイズで10%以上の二酸化炭素削減に成功したのは、世界で初めてなのだそうです。

実用化に課題山積
試験高炉のオペレーションルーム
ただ試験用の高炉での実験では成功したとはいえ、実用化には課題も多く残っています。

1つ目の課題は、「温度」です。

水素を使って鉄鉱石を還元する場合、炭素のように温度が上がらす、高炉の熱が奪われてしまうそうです。このため、水素の量を増やすと、思うように鉄鉱石が溶けないのです。鉄鉱石をドロドロに溶かさないといけないのに、できない。こういうことだそうです。

具体的にどのような工夫をしているかは機密保護の観点から明らかにすることはできないということですが、試験高炉では、原料の投入量、水素を吹き込む量やタイミングなど、最適なバランスについて、研究開発を進めているということです。

2つ目の課題は「大きさ」です。

実用化にあたっては、試験高炉を数百倍の規模に拡大しても、同じように還元を進めなければなりません。試験高炉の炉内の容積は12立方メートル。実際に生産が行われている大型の高炉の炉内の容積はおよそ5000立方メートルと、その差は実に400倍ほど。

プロジェクトでは、2030年ごろまでに1号機を実用化し、高炉設備の更新を行うタイミングを踏まえて2050年ごろまでの普及を目指しています。

そして、3つ目の課題は「費用」です。

日本製鉄1社だけで、今回の技術を含むカーボンニュートラルのための研究開発費として5000億円規模、実用化のための設備投資には4兆円から5兆円規模の資金が必要だとしています。”重厚長大産業”と呼ばれる産業だけあって、その費用もケタ違いです。

仮に技術そのものが確立できても、同じ製品にかかる製造コストは現在の倍以上に上昇する可能性もあり、課題は山積みともいえます。

鉄鋼業界の脱炭素化 日本がリードできるか
海外に目を転じると、中国やヨーロッパのライバルメーカーも脱炭素に向けた製鉄技術の開発に力を注いでいます。

将来的には、脱炭素に対応できていない鉄鋼製品は、顧客である自動車や家電メーカー、建設会社などにとって、将来的には“使えない”素材になるおそれもあります。日本製鉄は、脱炭素の取り組みは、会社の生き残りをかけた最重要課題だとしています。


日本の鉄鋼業界は、世界規模で進む脱炭素の動きをリードし続けることができるのか、注目していきたいと思います。

経済部記者
藤本浩輝
平成17年入局
山口放送局など経て経済部
現在は鉄鋼など素材業界と金融業界を担当


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