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鉄鋼・非鉄金属スレッド

2239荷主研究者:2021/06/05(土) 18:34:42

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00595983?isReadConfirmed=true
2021/4/22 05:00 日刊工業新聞
ニュース拡大鏡/新日本電工、「素材・環境」拡大へ拠点を選択・集中

新日本電工が出資するマレーシアのパータマフェロアロイズの拠点

合金鉄生産、徳島に特化

 新日本電工は「素材と環境」を旗印に拠点の選択と集中、電子部品の増強を進める。粗鋼生産減少をにらみ、合金鉄の国内生産を徳島工場(徳島県阿南市)に特化する一方、焼却灰の溶融固化処理、低炭素型の海外製品を伸ばす。電気自動車(EV)、第5世代通信(5G)向け部品材料は生産能力を40―50%増やす。2030年度に二酸化炭素(CO2)排出量の13年度比30%超削減を掲げつつ、環境負荷の低い製品群で収益を拡大させる。(編集委員・山中久仁昭)

【新中計スタート】

 新日本電工は日本製鉄系企業。鉄鋼副原料となる合金鉄の生産を祖業に、各種素材・部品や環境事業を手がける。21年度からスタートした3カ年の中期経営計画は、23年度の連結売上高を20年度比11・1%増の600億円、経常利益を同1・9倍の60億円、株主資本利益率を同3ポイント増の8%とした。

 実現するキーワードは「鹿島再構築」と「成長・新規分野の拡大」だ。まず合金鉄事業では、鹿島工場(茨城県鹿嶋市)での生産を21年中に打ち切り、徳島工場に集約する。固定費削減と集中生産のメリットを引き出す。

【優位な方残す】

 年産能力は鹿島が8万トン、徳島が22万トン。青木泰社長は「国内粗鋼生産が年1億トンに戻るのは難しい。(2拠点あれば)電力代、諸コストで優位な方を残す」と冷静な判断を下した。

 鹿島は今後、関東地域の廃棄物資源化需要をにらみ、焼却灰溶融固化処理拠点に特化する。22年稼働に向け4号溶融炉を整備中で今後の増設も検討する。

 東京23区などでは廃棄物の埋め立て余力が厳しく、路盤材などに再活用できる溶融固化が注目される。ここで活躍するのが、合金鉄生産などで培ってきたCO2排出が少ない電気炉の操業技術だ。

 一方、同社が25%出資するパータマフェロアロイズ(マレーシア)のシリコンマンガンなどを拡販するパータマは生産に必要な電力をすべて水力発電に負っており、低炭素をより一層実践するサプライヤー。“環境にやさしい合金鉄”は市場でインパクトがある。

【最高額投資】

 さらに成長をけん引しそうなのが電子部品材料だ。ジルコニアや酸化ホウ素の生産能力を増強し、二次電池用の正極材受託生産も拡充する。これらを含め全社で設備投資に3年間で150億円、研究開発に20億円と、ともに過去の中計期間で最高額を投じる方針だ。

 祖業は生産を最適化する一方で、同社は「脱炭素化やデジタル化などを成長機会としてとらえる」(青木社長)。「素材×環境」を軸に、社会ニーズに応える新規事業を多面的に追求したい考えだ。

(2021/4/22 05:00)


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