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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1796荷主研究者:2017/11/12(日) 11:33:02
>>1795-1796 続き

 「高炉は生き物」と話すのは、元製銑部長の矢場田武さん(73)=神戸市西区=だ。炉の中に鉄鉱石と石炭を放り込むと、8〜10時間は外から手を加えられない。品質の良い鉄を作るには、炉内の温度や圧力に細心の注意を払う。「われわれは高炉の内部を診る内科医のような役目なのです」

 巨大な高炉の下部にある出銑口から高温の鉄が流れ出る。防熱着で体を守りながら、鉄の誕生に立ち会う仕事は「炉前(ろまえ)作業」と呼ばれる。

 「とにかく熱く、独特の硫黄臭が漂う。先輩は流れる湯の上を軽々と飛び越えるし、こんなところで働けるのかと不安だった」。10月末に高炉の停止を見届けた黒田勝さん(60)=加古川市=は、75年の入社当時を思い起こす。

 先輩の岡田紀久雄さん(71)=神戸市中央区=は「みんな個性が強いが、厳しい作業に臨む職工の誇りを胸に5、6人のチームは結束力が強かった」と振り返った。

 95年の阪神・淡路大震災では、緊急停止した高炉の中で鉄が冷え固まった。最悪の事態の中、黒田さんら社員のチームワークで内部の鉄をかき出した。当初の見込みを大幅に短縮し、2カ月半で復旧させた。

   □

 3日午後、神戸製鉄所で高炉休止式が開かれた。長年の操業を支えた協力会社などから250人が出席した。川崎博也会長兼社長が見守る中、宮崎庄司常務執行役員神戸製鉄所長が休止命令を出すと、所内にサイレンが大きく鳴り響いた。

 日本の高度経済成長とともに歩み、兵庫の重工業を引っ張った神戸製鉄所の高炉は58年10カ月の歴史を閉じた。検査データ改ざん問題で会社が揺れる中、神戸の高炉魂は加古川製鉄所に引き継がれた。

 【高炉】 石炭を蒸し焼きにしたコークスと鉄鉱石を投入し、熱風を送って銑鉄を取り出す装置。溶鉱炉とも呼ばれる。巨大な炉内では温度や圧力などを細やかに調節する必要があり、早くからコンピューターによる制御が進んでいる。銑鉄は鋼板や線材へと加工される。

 【鉄鋼大手の変遷】 1970年3月、八幡製鉄と富士製鉄が合併し、新日本製鉄が発足した。2002年9月、日本鋼管(NKK)と川崎製鉄が経営統合し、JFEホールディングスを設立。2012年10月、新日本製鉄と住友金属工業が経営統合し、新日鉄住金が発足した。


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