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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1783とはずがたり:2017/10/31(火) 19:35:15

2006年5月、神戸製鋼は神戸、加古川の2製鉄所が排出するばい煙測定データを改ざんしていたと発表した。大気汚染防止法の基準値を超える窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を排出していたにもかかわらず、地元自治体に報告する測定記録を書き換えたり、データそのものを送らなかったりするなど「かなり悪質だった」と、当時市長として対応した樽本氏は振り返る。

当時、神鋼がまとめた報告書によれば、入力されたデータを自動的にグラフ化するためのペンが基準値を超えようとすると、担当者がペン先を持ち上げて記入しないようにしたほか、手入力で実際とは異なるグラフを書き込んでいた。

神鋼は、今回の製品データ改ざんでは顧客を、11年前のばい煙データ改ざんでは地域を欺いていた。

樽本氏は06年、ばい煙データ改ざん問題で謝罪のため市長室を訪れた水越浩士社長(当時)に「こんなことをしていたら、いつか手痛いしっぺ返しをくらいますよ」と忠告したという。加古川市にとって、同製鉄所は地域最大の事業者だ。財政面でも雇用面でも大きな影響力を持つ。事業がうまくいってもらわなければ困る。「よかれと思って話したつもりだが、教訓として受け取ってもらえなかったのだろうか」と残念がった。

だが、神鋼の不祥事はその後も続いた。09年には加古川製鉄所と高砂製作所(兵庫県高砂市)、長府製造所(山口県下関市)で、労働組合が推薦した地方議員候補7人に対する選挙経費の一部肩代わりが発覚。政治資金規正法に抵触し、当時の犬伏泰夫社長と水越会長が辞任した。

不祥事を引き起こすたびに、法令順守(コンプライアンス)を誓う神鋼。しかし、兵庫県内の自治体で神鋼との調整業務を長く担当したある幹部は「神鋼はすぐに裏街道を探して、近道を走ろうとする。それが体質ではないか」と言い切った。

<業界下位の焦り>

問題となっている品質データ改ざんは、業界の商慣行である「特別採用(トクサイ)」を悪用したことが明らかになっている。

神鋼関係者によると、鉄鋼製品でもアルミでも納入先企業が求める寸法や強度などの規格(協定仕様)に合致しているかどうか、出荷時に工場で検査する。規格から外れていても、使用目的に対して不足が生じない場合は「特別採用」、「トクサイ」と称して顧客に通知し、了解を得たうえで出荷する。

自動車メーカーや鉄道会社などは、今回のデータ改ざんについて「今のところ納品された製品の安全性に問題はない」としていることから、本来は「トクサイ」だった可能性もある。

しかし、神鋼は規格に合っていない場合でも、検査証明書(ミルシート)を書き換え、規格通りの製品として出荷していた。

「『勝手トクサイ』をやってたっちゅうことやな」。神戸製鉄所に勤務していた神鋼OBは、こう指摘した。

トクサイ制度そのものは法令に反するものではなく、製造業で広く使われている。歩留まりを上げる努力はしているものの、わずかに規格から外れる製品は発生する。それを救済するのがトクサイという商慣習だ。

それにもかかわらず、神鋼はデータを改ざんした。別の神鋼OBは「データを書き換えるというのは意図があり、悪質性を感じる」と語った。

一方で、先の神鋼OBは現役時代を振り返り、「トクサイを出すのは、始末書を出すのと同じような感覚。気軽にできるもんではなかった」と打ち明ける。上司はもちろん、顧客も手続きの煩雑さを嫌がる。「どこかで『この程度なら』という気の緩みが生じたのかもしれない」と推し量る。

鉄鋼メーカーの中で、最も多角化が進んでいる神戸製鋼。ただ、主力の鉄鋼部門の年間粗鋼生産量は、トップの新日鉄住金の4200万トンはもちろん、2位のJFEスチール2800万トンにも及ばない業界3位の720万トン規模に留まる。

それを自動車業界向けでトップシェアを誇るアルミ事業のほか、95年の阪神大震災後に取り組んだ神戸製鉄所での発電事業、建設機械などの他事業で補う構造だ。ただ「アルミ以外は、どの事業も業界3番手クラス。競争力は決して高くはない」(証券アナリスト)のが実情だ。


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