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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1426とはずがたり:2015/07/15(水) 14:22:27
>>1425-1426

FYMEの顧客は23万社の登録者数を数えるが、個人会員がその70%(約15万人)にものぼる。一方、LME(ロンドン金属取引所)は前出の通り、参加企業は40社の契約企業である。正に似て非なるものである。

「無知な大衆」からカネを巻き上げている?

単氏は当初こそ、レアメタルという特殊な商品を売買する取引所を世界で初めて設立した野心家という評価を受けた。だが、公正で公平な市場を達成すると表明していた単氏の言葉とは裏腹に、FYMEを舞台にして行われた取引は投機そのものだった。投機取引が膨らんだことで、過去1年間でレアメタルの国際価格は4割以上も値上がりした。

確かに単氏は、先物取引の経験をいかんなく発揮、商品と金融の橋渡しをした天才的な経済人なのかもしれない。だが、複雑なレアメタル取引で、「無知な大衆からカネを吸い上げる詐欺師」というレッテルを一部ではられている。

ではなぜ一見、FTMEの上場には支持が集まり、成功したのだろうか。今回の株バブル崩壊と、一足先に起きた不動産バブルの崩壊とあわせて考えて見るとよくわかる。

つまり、中国の空前のカネ余り現象の中で土地、マンションなどの価格が暴落するなか、一部のカネは株式や債券や商品に向かった。だから成功したのだと見ることができる。

すでに東洋経済オンラインでも触れてきたが、2014年の銅価格の急落事件や青島の融資詐欺事件などでわかるように、中国のマーケットでは、規則やルールが如何に整備されていないかがわかる。

だが、前回の記事で触れたように、レアメタルのマーケットでも似たようなことが結局起きている。

FYME会員数23万人の中の7割は個人会員であり、レアメタルの何たるかも知らずに投資している人が多い。

本来ならば相場が弱ければ気配値が下がるべきなのだが、売買ができないために、FYME価格は高止まりしたままだ。実質的な取引停止状態からFYMEに対する信用は急激に低下、レアメタル全般に対する不安が市場全体に広がっている。

今のFYMEの総在庫額は約7340億円という規模にまで膨らんでいる。中国以外の世界では、FYMEを無視して取引がなされるかもしれないが、結局は莫大な在庫が市場を押し下げる心理要因として働くことは言を待たない。

すでにレアアースのバブルは崩壊、世界のレアアース企業である米モリコープは経営破綻した。

中国は国家ぐるみで価格を操作し、業界を投機市場にしてしまったといっても過言ではない。

今や、混乱は、レアアースだけでなく、インジウム市場やタングステンといったレアメタル市場にまで広がりつつある。次はこのレアメタル関連の中から、破たんに追い込まれる企業が出てくることは必定である。


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