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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1423とはずがたり:2015/07/15(水) 14:20:58

FYMEの式典には李克強首相も出席しており、公式に認められた取引所とされている。中国はこれらのレアメタル資源では世界ナンバーワンの生産量と資源量を誇っており、レアメタルの国際市場では無視できず、その扱いに苦慮しているのが実態である。

さて、このあたりで、聞いたこともない元素名や数字が出てきたので嫌になった読者の方もおられるかもしれないが、ここからが本番なので、ぜひこのまま読破していただきたい。

今回、筆者は福建省厦門のFYME第2取引所の関係者と面談する機会があった。FYME関係者の設立の経緯や目的に関しての、主な説明は以下の通りだ。

「レアメタルは中国の国民経済の発展に不可欠な基本的な材料である。世界中のハイテク材料などとして幅広く使用されており、軍事分野などの戦略的な資源でもある。世界経済の観点からも、レアメタルの保護と利用が国家戦略、安全保障と開発に不可欠である。だが需給が安定せず価格が乱高下するため、秩序ある取り組みが必要だ」。

そこでFYMEは取引で国内の有名ブランドを選択し、第3者の承認を得て、品質と価値を保証し、品質検査機関と国有・商業銀行との戦略的協力を行いつつ、顧客に安全かつ確実な保証を可能にする取引所を設立した、というわけだ。常に顧客と社会の利益がFYME電子取引プラットフォームの権威、公平性・公正性を担保していると表明する。

ただし、レアメタルの取引の歴史を見ると、実はそう簡単なものではない。レアメタルの希少性は投機(スペキュレーション)と価格操作(マニュピレーション)が入りやすく、常にハイリスクとハイリターンの諸刃の剣である。私自身の40年近いレアメタル取引の経験からすると、公平性や公正性を維持することは、ほぼ不可能に近い。よって、FYMEの「宣伝文句」は、失礼ながら詐欺師の口上にも聞こえて仕方がないのである。

在庫をため込むFYME、拍子抜けした当局の回答

では、さて、FYMEの具体的な状況どうなっているのか。14種類のレアメタルのうち、インジウム、ゲルマニウム、タングステン、ビスマス、ガリウムなどの品種の取引量は増加に次ぐ増加の結果、今やその在庫量は全世界の市場でトップとなった。

これは私から見れば明らかにバブル状態だ。もしこれがLMEならば、先物市場が存在するので「空売り」(下落を見越して売りを立て、下がったところで買い戻して利益を狙う手法)も入って、行き過ぎを調整する機能を持っている。だがFYMEは一方的な現物取引だけなので、在庫は増加する一方になっているのだ。

直近で主な商品の現在の在庫量と(在庫目標、世界需要)は以下の通りだ。

 インジウム:3629トン(在庫目標5000トン、世界需要1340トン)
?ゲルマニウム:92トン(200トン、120トン)
?タングステン:2万9651トン(6万トン、6万9400トン)
?ビスマス:1万9228トン(2万トン、1万5000トン)
?ガリウム:197トン(200トン、340トン)
?アンチモン:1万8660トン(5万トン、14万トン)
?ディスプロシウム:149トン(5000トン、2800トン)
?テルビウム:4トン(1000トン、1400トン)

このような在庫量は、国家備蓄の規模といっても過言ではない。

例えばこの中でたった4年のうちにインジウムのFYME在庫は今や3600トンを超え、中国の8年分の生産量、全世界の5年分の生産量にまで達している。常識で考えて、明らかに異常な在庫量なのだがFYMEとしては「単にプラットフォームを貸しているだけでルール通りに運営しているので、異常とは思わない」との回答が返ってきた。

仮に国家の戦略的な発想からすれば、レアメタルは電子材料、機能性材料として正に軍需産業のアキレス腱であり、国家備蓄することは重要な意味を持つ。

だが、一般産業の面からすると、特定の国家が占有することで市場価格に操作性が起こり健全な市場を維持できなくなる側面もある。


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