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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1421とはずがたり:2015/07/15(水) 13:24:50
>>1420-1421
WTOの精神とは自由貿易のルールを守り『国際貿易』を促進させることである。そのため、基本原則である「自由、無差別、多角的通商体制」の実現を図ってきた。自由貿易とは(関税の低減、数量制限の原則禁止)である。無差別とは(最恵国待遇、内国民待遇)であり多角的通商体制とは(保護主義的措置は許さない)ことを指す。

ところが、原則の実現はそう単純ではない。ルールを遵守するには「解釈の違い」もあれば「裏技」もある。国際貿易の裏舞台はまさに「貿易戦争」であり、もっと言えば「産業戦争」でもあり「資源戦争」でもある。今回の一連の問題は「レアメタル資源戦争」の特殊性を理解しないことから引き起こされたドタバタ劇だとも言える。

そもそも、 日本は世界一のレアアースの消費国であり、中国は世界最大の生産国である。たまたま中国の漁船が日本の尖閣諸島で衝突事件を起こし、海上保安庁が「漁民」を拿捕したことが発端になり、中国はレアアースの輸出禁止を行った。結果として、たった年間で12万トンしかない市場の90%以上を支配する中国は、輸出禁止の暴挙に出たのである。

当時、中国の政策を決定した官僚は素人でヒステリックな場当たり的な確信犯だった。従って、一時的にせよ市況が大暴騰することは必定だった。一方、「資源貧国」の日本はというと、大学教授などを利用して実現性に乏しいとしか思えない「南鳥島の夢の海底資源開発」などの情報をぶち上げるのが精一杯だったのである。

日本政府はレアアース開発の大予算を海外の資源開発に向けたが、それに乗ったのが大手商社や米国のモリコープ社、オーストラリアのライナス社だった。

私は「レアアース報道に潜むエネ庁と科技庁の温度差」(2013年4月10日)で、このままではモリコープ社が生産コスト割れとなり、同社が経営難に陥る危険性などを指摘したが、筆者は今がまさに、レアアースの歴史的な安値をつけている時だと確信している。

中国は「日中協調」か、再び「悪行三昧」か

また、「レアメタル、レアアース問題にはウソが多すぎる(同年4月24日)では、レアアースは日中関係の象徴であり、日本が環境技術(放射性物質の処理技術など)で協力する一方、中国も国内資源の安定的運用に加え海外のレアアース資源の開発を日本企業と協力しながら安全な開発に注力すればレアアース取引を安定化する事にもつながる」とした。

まさに、今レアアースの価格が最安値を付けようとしている時、日中ともレアアース産業の発展のために、真の知恵を出す時である。

さて、このあとはどうなるだろうか。中国がレアアースの輸出を停止した時、モリコープ社は値上がりを期待して増産体制に踏み切り、価格暴落の憂き目にあったわけだが、中国としては、中国以外の生産者を排除したいと考えるのは当然だ。

一方、価格下落に苦しむオーストラリアのライナス社も、今のレアアース市況が続くなら、遠からず銀行などに対するデフォルト(債務不履行)が起っても、何ら不思議ではない。

いやむしろ、両社ともいったんは「倒産」させて借金を事実上棒引きにして減資を行い、中国資本を含む他の企業による新たな経営に移行する可能性の方が高いのではないか、とも考えられるのだ。

これまでも、中国企業がモリコープ社とライナス社に出資するという噂は、マーケットでは出ては消えてきた。だが今度こそ「背に腹は代えられない」ので、両社の新経営陣が中国の資本を受け入れる可能性も皆無ではない。引き続き事態を注視して行きたい。


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