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鉄鋼・非鉄金属スレッド

1366荷主研究者:2015/02/01(日) 12:41:55

http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201501/0007681915.shtml
2015/1/23 12:48 神戸新聞
消えゆく火 神鋼高炉の20年(上)止まった心臓 「3カ月で復旧」命じられ

阪神・淡路大震災直後の高炉。足元では燃料を入れるサイロが横転した=神戸市灘区灘浜東町(神鋼提供)

犬伏 泰夫(いぬぶし・やすお) 1944年徳島県生まれ。大阪大経済学部卒。67年に神鋼入社。主に営業畑を歩み、鉄鋼事業本部販売管理部長などを経て04年から約5年間社長。14年から阪神国際港湾会長。

池田 辰雄(いけだ・たつお) 1945年滋賀県生まれ。京都大工学部卒。69年神鋼入社。一貫して技術畑。神戸製鉄所技術部長などを経て00年に製鉄所長。02年に常務執行役員。11年から兵庫工業会会長を務める。

 阪神・淡路大震災で、神戸製鋼所の神戸製鉄所(神戸市灘区)にある高炉が止まった。高温の鉄鉱石から鉄を取り出す高炉は、製鉄所のいわば心臓だ。戦後の製鉄史で例を見ない異常事態だったが、2カ月半で操業を再開。「復興の象徴」といわれた。しかし震災から18年後の2013年、高炉の廃止が決まる。震災当時、同製鉄所と営業部門の幹部だった2人の神鋼マンの証言から、高炉の20年を振り返る。(高見雄樹)

 神戸製鉄所の高炉を17年度に廃止して、取り壊した跡地に火力発電所を造る−。

 13年5月、神鋼はこう発表した。1959年に最初の高炉が稼働。重厚長大の街・神戸を象徴し、最盛期には3基がそびえた高炉も今は1基だけ。光景に慣れ親しんだ周辺住民からは「寂しい」と惜しむ声が上がった。

 発表の席上、神鋼幹部は強調した。「判断が遅れ、神鋼全体が傾く方が地元に対して情けない。生き残りのために(高炉廃止の決断は)今しかない」。不況に加え、中国メーカーの増産で世界的に鉄が余り、神鋼は赤字に陥っていた。

 しかし実のところ、高炉の処遇は1980年代からの課題だった。小規模でコストがかさむため、規模の大きな加古川製鉄所(加古川市)への集約などが検討された。だが議論の末、高純度の鉄を生み出せる高炉は競争力の源泉になる−と存続が決まった。そこへ阪神・淡路が起きた。



 「部長、はよ出てこんと高炉が傾いてますよ!」

 95年1月17日午前8時半。神戸製鉄所技術部長、池田辰雄(49)は取り乱した部下からの電話に、神戸市須磨区の自宅を自転車で飛び出した。地下鉄は止まり、車も渋滞で動かなかった。途中、長田区で倒壊家屋からの救出に加わり、午前10時半、製鉄所にたどり着いた。

 高炉は傾いてはいなかった。だが、停電で止まっていた。鉄鉱石から取り出したばかりのどろどろの銑鉄(せんてつ)が炉内で固まれば、取り除くのは難しい。高炉に1200度の風を送るストーブ「熱風炉」も停止していた。熱風炉が急に冷えると、熱湯を入れたガラスのコップのように内部のれんがが割れる。

 高炉が断末魔を上げている−。たとえ戦争で爆撃を受けても運転を止めるな、とたたきこまれてきた池田にはそう映った。「一巻の終わりや」。ぼうぜんと立ちすくんだ。



 同じころ、販売管理部長の犬伏泰夫(50)は東京にいた。この日、神戸本社での会議に出る予定だったが、下りの新幹線は動いていない。あきらめて東京駅近くの東京本社に入った。

 テレビに映し出される神戸の街に、社内は騒然としていた。しかし、電話はつながらない。「製鉄所や神戸本社が無傷であるわけがない。どうなってるんや」。犬伏はオフィス内をうろうろするしかなかった。

 間もなく、取引先から続々と電話が入る。神鋼の鋼材から車の部品などを作るメーカーだ。先方は「大変ですね」と気遣いながらも、今後も鋼材を生産できるのか探りを入れてきた。だが、現地の状況が分からない犬伏は答えようがなかった。



 震災2日後の19日、製鉄所と東京本社を結ぶホットラインができた。情報一元化のため、神戸は池田、東京は犬伏が窓口になった。

 その翌日、池田は上司の製鉄所長から呼ばれた。「おい、3カ月で復旧や」。池田は耳を疑った。同僚たちと復旧には5カ月はかかると見積もっていたからだ。所長は3カ月以上休むと、取引先が他社製品に切り替えると踏んでいた。

 「所長の思いも分かる。でも、そんなんむちゃや」。ほかの部長たちもいきり立った。(敬称略、肩書きと年齢は当時)


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