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自公保観察スレ
1124
:
とはずがたり
:2005/05/01(日) 09:39:35
郵政法案閣議決定:何ともむなしい「勝利」
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050428k0000e010005000c.html
郵政民営化法案をめぐる小泉純一郎首相と自民党内の反対派の勝負は、初めから決まっていたように見える。
政治家になって以来四半世紀も改革への執念を燃やし続け、これを旗印”に3度の国政選挙、2度の自民党総裁選で信任を受けた”確信犯の最高権力者に、解散を恐れる議員たちの半端な手続き論や倒閣論がかなうわけがない。
郵政票はかつての100万が30万に目減りし、逆に800万票を誇る公明党が連立のよしみで自民党を支援してくれる構造が確立している。自民党にとって特定郵便局は、何が何でも守らなくてはならない対象ではなくなっている。
反対派にできることは、党議決定までの時間をひたすら引き延ばすだけで、その間孤立無援の首相が強大な抵抗勢力と戦う、という毎度おなじみの演出が施されることになった。その芝居もようやく第1幕を閉じた。連休後国会論戦第2幕が始まるが、多分観衆も少なく、流れも変わらない。政権とって4周年。その直後の閣議決定だけに首相の完勝である。
ただし、国民にとってはむなしさの残る観劇だった。
何よりも、自民党内のゴタゴタで、この時期に政権与党として本来責任を持って議論し、結論を出すべき多くの懸案がないがしろにされた。「韓流」や「経熱」に浮かれ政治的働きかけを怠ってきたアジア外交の空洞をどう埋めるのか。公的負担が膨らむ一方の年金、医療、介護をどうやって持続可能な制度に切り替えるのか。何よりも、国債、地方債合わせ750兆円に膨らんだ借金をいつ誰が返済するのか。
いずれも、明日では間に合わない、と政治がネジリ鉢巻きで立ち向かうべき課題であり、国民から権力を託された政治にしかできない仕事なのである。
もちろん、郵政民営化の意義を否定するものではない。いずれ立ち行かなくなる郵貯、簡保の将来を見極め予防的な対応策を取る、という構えはいいし、ほぼ歴史的役割を終えた350兆円の官業金融を市場原理の規律でもって縮小・効率化させる方向性は正しい。
しかし、道路公団民営化、三位一体改革と全く同様に改革は終盤で失速した。採算の取れない道路はこれ以上作らない。地方分権推進のため大胆に財源移譲する。そして、今回は郵貯・簡保の郵便事業からの完全切り離し。いずれも肝心な部分が後退するのだ。
それにしても情けないのは民主党だ。どうして自民党の失態を突けないのか。より抜本的な代替案を対置できないのか。自民内の反対派と同じく、解散忌避症候群に陥っていなかっただろうか。
今の永田町には首相の民営化論を上回る意志と戦略はない。そこに問題の根っこがある。(政治部長・倉重篤郎)
毎日新聞 2005年4月28日 7時05分
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