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地域綜合スレ

4757名無しさん:2015/05/31(日) 12:32:30
スレ違いぽいですが

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150530-00050107-yom-sci
日本全国で揺れ、「異常震域」か…小笠原沖地震
読売新聞 5月30日(土)21時43分配信

 30日夜に小笠原諸島西方沖で起きた地震で、全国の広い範囲が揺れたのは、規模が大きかったことに加え、震源が極端に深かったのが主な原因だ。

 中でも関東地方の揺れが強かったのは、海底下のプレート(岩板)を伝わって地震波が減衰せずに届きやすい場所にあったためだとみられる。気象庁は、遠い地域に強い揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる現象だと説明している。

 気象庁によると、震源は深さ約590キロ・メートルで、太平洋プレートと呼ばれる巨大な岩板の内部だった。東京大地震研究所の古村孝志教授によると、日本列島やその周辺の海では、複数のプレートが複雑に重なり合っている。太平洋プレートは最も深い位置にあり、フィリピン海プレートなどの下に沈み込んで、日本列島の地下深くまで続く。

 谷岡勇市郎・北海道大教授(地震学)は「海のプレートは陸のプレートに比べて固く、プレートの中を伝わる地震波が弱まりにくい」と指摘する。関東へ達した地震波は、震源からまず太平洋プレートに沿って、より沖合の浅い方へ向かった後、このプレートと接する別のプレートに伝わるという経路をたどり、あまり減衰しなかったとみられる。

 過去には、2013年9月に東京都の鳥島近海の深さ約450キロ・メートルでマグニチュード(M)6・8の地震が発生、北海道から関東にかけて広い範囲で最大震度4の揺れを記録した。また、07年7月に京都府沖の深さ約370キロ・メートルで発生したM6・7の地震でも広い範囲で揺れ、震源から離れた北海道で最大震度4が観測された。

最終更新:5月31日(日)1時18分

4758とはずがたり:2015/06/03(水) 16:11:22
<北関東>群馬県

2015.6.2 07:07
合併問題で桐生市長がみどり市に任意協設置を再要請
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1224160558/

4759とはずがたり:2015/06/03(水) 16:11:51
<北関東>群馬県

2015.6.2 07:07
合併問題で桐生市長がみどり市に任意協設置を再要請
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1224160558/4685

4760とはずがたり:2015/06/04(木) 19:12:53
<近畿>大阪府中河内郡・南河内郡

アツイなぁ♪
個人的には八尾にもう一寸大きくなって欲しかったってのはあるけど,南河内から国分を迎えて布施・河内・枚岡・八尾・柏原・国分で新政令都市だ♪ヽ(´ー`)/

柏原市内の誕生 〜町村合併から市制施行まで〜
http://mobile.city.kashiwara.osaka.jp/docs/2014082700091/?doc_id=1626
2011年4月19日

 昭和31年(1956)、柏原町と国分町が合併して成立した新しい柏原町は、昭和33年(1958)10月1日、市制を施行。ここに「柏原市」が誕生した。 それから50年余。ここで、改めて柏原市誕生の歴史をひも解いてみることにしよう。それは、昭和史のドラマである。

1 市制実現に向けて 合併への模索
【昭和24年(1949)7月〜昭和29年(1954)1月】

 第2次世界大戦終戦直後、強烈なインフレの嵐が吹き荒れ、急激な都市整備の必要性ともあいまって、全国の都道府県や市町村は、財政危機に直面していた。昭和20年代後半には、多くの市町村が赤字財政だったといわれている。当時の中河内郡柏原町も例外ではなかった。

 このような状況をなんとか打開しようと、昭和28年(1953)10月1日、町村合併促進法が施行され、町村合併が積極的に促進されることになった。市 町村の、行政能力の充実化、運営の能率化、基盤の強化などによって、地方財政を立て直そうというわけだ。いわゆる、「昭和の大合併」の始まりである。

 それ以前から、現在の柏原・八尾市域でも合併の話はあったが、「話」の段階に留まっており、まだ本格的に動き出してはいなかった。合併に向けて本格的、具体的に動き出したのは、促進法施行以降のことである。

 さて、それでは、どのような形で合併するのだろうか。その一つの「回答」が、八尾市と柏原町、国分町、南高安町、志紀村、高安村、曙川村、三野郷村の1市3町4村(8か市町村)が合併するという案(合併推移図1)、八尾市が昭和24年(1949)7月から周辺の町村に呼びかけていた形態である。当時の柏原町では、大阪市の東部地域を一体とした合併こそ、町を活かす唯一の発展策と考え、八尾市の呼びかけに応じていた。

 ところが、昭和28年12月になって、大阪府から「むしろ柏原町を中心とした新市建設の方が理想的である」との勧告が為された。「柏原町を中心とした新市の建設」、なんとも魅力的な響きである。柏原町を中心に、南高安町、志紀村、曙川村の4か町村が合併して、新しい市を作るのである。(合併推移図2) そこで、柏原町は、この案の実現、つまり柏原町を中心とした合併、そして市制施行に向けて、積極的に活動を開始した。昭和29年(1954)1月20日 のことだった。このとき、八尾市と合併するという柏原町の従来の方針が転換されたのである。それは、昭和28年12月23日に八尾市とともに「市制研究会」を発足させた直後のことだった。

 一方、当時の南河内郡国分町では、志紀村とともに、八尾市の呼びかけに対し「保留」の意思を示していた。
2 合併計画の挫折

(1)【昭和29年(1954)1月〜3月】

 「八尾市とは合併せず、新市の建設を目指す」という柏原町の方針転換は、八尾市や周辺の町村にとって、不可解以外のなにものでもなかった。なにしろ、それまで柏原町は、八尾・柏原を中心とする大阪市東部地域の一体的合併を積極的に進めていたのだから。 八尾市は、しかし、従来の方針を進め、物流、交通、政治、文化の中心地である、総合中堅都市の建設を目指した。

 ここに、柏原町と八尾市、二つの合併構想という対立する構造が現れたのである。このため、他の町村では、自らの態度を保留せざるを得なかった。

 柏原町は、昭和29年(1954)1月12日から開催された「市制研究会」(八尾・柏原を中心とする合併を目指す研究会)の会合を欠席し、周辺町村に新 市建設懇談会の設置と参加を打診するとともに、類似の例だと思われる鳥取県倉吉市に質問状を送るなど、新市建設に向けての調査、研究に取り組んだ。併せ て、大阪府への陳情も活発に行った。

4761とはずがたり:2015/06/04(木) 19:13:10
 ところで、なぜ、柏原町は、八尾市との合併方針を転換したのだろうか。当時の陳情書から推測すると、「(八尾市と合併すると)人口12万あまりの大都市 になり、財政力も一応安定するが、中心への最遠距離が4〜5キロとなり、行政の末端への浸透が困難となって、結局、周辺部は放置される恐れがある」から、 というのが理由のようである。中心が八尾市の方に移ることを懸念したのだろう。

 しかし、その後、柏原町にとっては、予想外の事態が出来することになる。そのことには、当時の柏原町の誰もが、まだ気づいていなかった。

3 合併計画の挫折

(2)【昭和29年(1954)4月〜昭和30年(1955)4月】

 昭和29年(1954)4月24日、大阪府町村合併促進審議 会から示された、町村合併計画案(答申)は、柏原町にとって、冷水をあびせられたような内容だった。なんと、柏原町は、どことも合併せず単独でやっていく 形になっているではないか(合併推移図3)。八尾市は、南高安町、高安村、曙川村、志紀村と合併する。他方、国分町、道明寺町、藤井寺町、古市町、駒ヶ谷村、西浦村、埴生村、高鷲村が合併する。柏原町の合併相手は、なし。

 これは、逆に言えば、柏原町は独立の自治体として発展できる適正規模を持った町であると認定されたようなものである。しかし、果たして、そのとおりなの か、それでよいのか。柏原町は、今後どうすべきなのか、簡単に結論が出せる問題ではなかった。実際、南高安町などからは、八尾・柏原を中心とする合併に参 加するのか、しないのか、「11月20日までに回答されたい」と、態度を明確にすることを迫られているほどである。これに対して、11月19日に出された 柏原町の回答は「まだ確たる回答をする段階には達していない」だった。

 このうえは、やはり、八尾市と合併するしかないのか。客観的に見て、それが最良の選択肢かと考えた柏原町は、再度、八尾市との合併に傾きかけた。ところ が、今度は、「編入(吸収)合併」か「対等合併」かで、また、新たな議論が沸騰してきたのである。昭和30年(1955)2月4日、八尾市が、「編入(吸 収)合併とする」「合併時期は昭和30年4月1日」「調整に手間取るときは、その区域をひとまず合併からはずす」などと提示してきたのだ。当初は、「対等合併」で了解していたはずだったのにもかかわらず。

 これに対し、柏原町は、あくまで、当初の方針どおり、国分町や志紀村も含めた対等合併で臨むことにした。

 しかし、そうこうしている間に、昭和30年4月3日、八尾市は、編入合併に賛成した南高安町や高安村、曙川村と合併。かくして、柏原町は、取り残されることとなってしまったのである。 孤立した柏原町の前には、赤字解消問題が大きく横たわっていた。

4 柏原・国分両町の合併 新しい柏原町の成立
【昭和30年(1955)4月〜昭和31年(1956)9月】

 そのころ、南河内郡国分町では、道明寺町や藤井寺町などとの 合併に賛成、反対、さまざまな意見があって定まっていなかった。八尾市との合併に失敗した柏原町では、国分町、道明寺町、志紀村との合併を主張する意見が あった。しかし、このころ志紀村は、八尾市への編入を望んでいた。そして、道明寺町の望む方向は、藤井寺町などとの合併だった。 合併すれば大きな事業もできるし、人口が増えれば地方交付税の交付率も上がる。赤字解消と教育や文化、衛生など、公共施設の整備を望む柏原町にとって 「合併」は魅力だった。こうした事情は、国分町でも同じだったようだ。合併促進法の期限、昭和31年(1956)9月30日も迫っていた。

 こうしたところから、実現可能な最良の選択肢として、柏原町と国分町との合併が一気に具体化して行ったのである。(合併推移図4) 昭和31年8月18日、柏原町・国分町合併促進協議会設立。同日、具体的協議開始。そして、8月27日には、一致を見た意見の内容が両町議会に報告され た。柏原町では、全会一致(18名全員賛成)で、即日可決・承認。国分町でも賛成多数(賛成15、反対1)で9月2日に可決・承認され、同日付けで大阪府 に対して合併申請書が提出された。

 これを受けて、9月22日付けで、大阪府知事の決定通知。次いで、9月30日付けで官報に告示され、柏原・国分両町の合併による、新しい「柏原町」が成立したのである。昭和31年9月30日、この日は、合併促進法の最終日だった。 ちなみに、従来の名称は中河内郡柏原町と南河内郡国分町だったが、合併により成立した新しい柏原町は「中河内郡柏原町」である。両町議会で、9月13日、国分町域の中河内郡への所属が決議され、翌日、大阪府に陳情されていたのだった。

4762とはずがたり:2015/06/04(木) 19:13:41
>>4760-4762
5 財政再建と都市建設を目指した柏原町

 ともに財政赤字で苦しむ柏原町と国分町は、合併直前、国の方針に従って、それぞれ財政再建計画を策定、国の承認を得ていた。柏原町が承認を得たのは昭和31年(1956)9月29日、国分町が承認を得たのは、それより少し前、8月15日のことだった。

 合併で成立した新しい柏原町の、当時の累積赤字は、全部で3,600万円。これを政府債800万円と公募債2,800万円を借り入れ、利子の一部補給も受けて、昭和38年度(1963)までに再建しようという計画である。地方財政再建促進特別措置法の適用による。

 再建初年度である昭和31年度には、再建についての特別措置条例を制定、行政整理(行財政改革)に取り組んでいる。しかし、合併に伴う物件費は、膨れ上 がったようだ。翌、32年度(1957)には、消費的経費の削減に努めるとともに、職員の希望退職を募るなど人件費の抑制にも努めている。税金の滞納整理 や完納促進も積極的に行われた。納税組合が設立されたのも、このころのことである。

 併せて、「合併による五箇年計画の実現」も市制実現のための最重要課題だった。道路の新設や改修、社会福祉施設や教育施設の充実、病院の拡張、雁多尾畑 簡易水道の新設・・・。これらの事業が、柏原、国分、堅下、堅上、それぞれの地区で計画されていた。国庫補助や起債、それに昭和33年度(1958)から は、新設された都市計画税などが、その財源に充てられた。昭和30年(1955)12月28日には、町全域が都市計画区域となり、都市計画も策定されてい る。

 また、合併後最初の町議会議員選挙が、昭和32年(1957)9月15日に行われ、30名の新しい議員が誕生した。投票率は、83.1パーセントだった。 ちなみに合併前後の町長は、次のとおりである。
(敬称略)

  旧柏原町長=森田桂治郎、旧国分町長=小松一之輔 合併後の新しい柏原町の町長=青木四郎 また、当時の一般会計の規模は、昭和31年度が約1億8,000万円、32年度が約1億6,700万円(いずれも決算)だった。ちなみに、現在、平成24年度の一般会計予算(当初予算)は約226億5,000万円、市議会議員の定数は18である。

6 市制施行要件改正の陳情
【昭和31年(1956)9月〜昭和33年(1958)4月】

 従来、市制施行のための人口要件は、「3万人以上」と、地方自治法に規定されていた。ところが、町村合併法施行後の昭和29年(1954)9月17日には、「5万人以上」と改正されていた。 柏原・国分の両町が合併して成立した新しい柏原町の人口は、3万3,000人余りにすぎない。つまり、地方自治法の規定に従う限り、「柏原市」には、なれないのだ。

 しかし、当時、全国約500市のうち、253市が5万人未満だった。

 柏原町は考えた。「まず、3万人以上で市制を施行し、そのうえで市としての充実を図ればよいのではないか。全国、半数以上の市が、実際にそうしているのではないか」と。

 こうしたところから、柏原町は、全国の人口3万人以上の町村、62か町村に呼びかけて、地方自治法人口要件改正運動を起こしたのである。

 昭和32年(1957)2月から町長など町の理事者や町議会議員が一丸となって再三上京、62か町村の先頭に立って国への陳情を繰り返した。

 そのかいあって、昭和33年(1958)4月、ついに国会で地方自治法の一部改正が実現。人口要件は、従来どおり「3万人以上」で、よいこととなった。
 しかし、それには、条件が付いていた。

7 市制施行、柏原市の誕生
【昭和33年(1958)4月〜10月】
 「人口3万人以上」で市制を施行できる要件、それは、昭和33年(1958)9月末日までに市制施行を申請する場合に限る、というものだった。改正法の施行は、昭和33年4月5日。もはや期限まで半年もない。

 そこで、柏原町は、4月10日に臨時町議会を開会、即日可決の後、直ちに大阪府に申請した。これを受けた大阪府でも府議会の議決を経て、市とする旨、決定、通知した。中河内郡柏原町を柏原市とする決定である。昭和33年6月20日のことだった。市とする期日は、昭和33年10月1日。

 かくして、ここに「柏原市」が誕生したのである。 初代市長には、町長だった青木四郎氏が選出された。

4763名無しさん:2015/06/07(日) 20:39:16
<近畿>大阪府

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150606-00043528-gendaibiz-soci
関東人は大阪を知らない!東京と違う大阪のデフォルトとは?
現代ビジネス 6月6日(土)6時1分配信

「文明探偵」を産んだ街─大阪

 (文・神里達博)

関東人は、大阪を知らないことを、知らない
 早いもので、大阪に住んでもう3年になる。

 私は7歳から、ずっと関東に暮らしてきた。親戚もほとんどが首都圏在住で、関西にはまるで縁がなかった。そんな私が40を過ぎて大阪に赴任することになり、当初はかなり戸惑った。

 そもそも純粋な関東の人間は、関西のことをよく知らない。いや、知らないことを、知らない。特に「大阪」は穴場だと思う。

 東京の人間は、種々の「謀略」により、「京都を消費したい」という欲望にしばしば突き動かされる。しかし大阪への関心は、京都に比べるとかなり薄いと思う。そういうこともあり、関西に縁がない人間の「大阪のイメージ」は、一般に乏しい。

 私の場合は特に酷く、「通天閣」「道頓堀のグリコ」そして「吉本」で終わっていた。実のところ今だって、大阪について知っていることは非常に少ないと思う。たぶん、旅行者に毛が生えた程度だろう。

 しかしそれでも、私にとっての大阪は、想定外に刺激的だった。少し、エピソードを述べたい。

 まず、大阪に来て最初に驚いたのは、「看板」であった。東京の街で見かける看板は、「横文字」と「若い女性」が多い。しかし大阪の看板は「日本語」と「オッサンの絵」が多い。いや、実数はそれほど多くないのかも知れないが、パンチの効いたオッサン(社長? の漫画で自社を直接アピールするような、そういう類の看板を結構見かける。

 オッサンと言えば、あるタクシー運転手の話。彼は交通警察に捕まっていた(「捕まっていたこと」は確かである、「交通切符」らしいものが見えたから)。しかし警察官は苦虫をかみつぶしたような顔で、黙って腕を組んで突っ立っている。対する運転手は、猛然と喋る。いや、警官に激しく「説教」をしているようだ。身振り手振りで熱弁を振るい、最後に彼はこう言い放った。

 「しゃあないわ、もうラチあかんわ、今日のところはこの辺で勘弁したるっ!」

4764名無しさん:2015/06/07(日) 20:39:38
>>4763

禁止されない限り、何をやっても良い街
 要するに大阪は自由な「リパブリック」であり、伝統的に「市民社会」なのだ。だから、この「不幸な警察官」の例からも分かるように、大阪で「行政」に携わるのは大変なことだろうと推察する。

 実際、リベラルな雰囲気はそこかしこに埋め込まれている。例えば、妙に禁止の張り紙が多い。最初は意外と自由ではないのかな、と思ったのだが、ほどなく自分の誤解に気づいた。

 東京は「許可されていないことは、やってはいけない街」である。だが大阪は逆で、「禁止されない限り、何をやっても良い街」なのだ。デフォルトが違う。その意味では大阪は米国に似ているかもしれない。そう、アメリカに行くと大阪弁がよく耳にとまるのは気のせいか。

 地下鉄の中で起きた小さな喧嘩を、すぐに仲裁するオッサンが現れた時も驚いた。

 「社長、分かるでぇ。疲れ切って帰ってきてやで、肘が当たればアタマにも来ますわ、ほんま」「せやけどな、車内で喧嘩ができるんも幸せなことやでぇ。自分、東京で働いてましたが、地下鉄混みすぎですわ、いつ痴漢にされるか分かりまへん。小心者やさかい地下鉄乗ったら、いっつも万歳ですわ!」と両手を挙げる。車内の誰もが笑う。いつもこう上手く行くわけではないだろう。しかし少なくとも、東京よりはずっと市民社会的だと思う。

 この他、道ばたでよく見かける「飛び出すな! 坊や」の看板のこととか、「ちちんぷいぷい」のこととか、なぜか関西には「アレ」が全く無いこととか、「宮本むなし」と「がんこ」のこととか、まだまだ言いたいことは沢山あるが、また別の機会に譲ろう。

 ともかく私は大阪に住んで、とても心が軽くなった。そして、大阪がある限り、この国も捨てたもんじゃない、と思える(などと大阪人に言うと例外なく、自虐的なツッコミで応えてくれるが)。こんな明るい気持ちになれたのは何年ぶりだろう。

 そうやって、前向きなマインドで読書人の雑誌「本」に連載をさせていただき、このたび『文明探偵の冒険―今は時代の節目なのか』(講談社現代新書)にまとめることができた。本書の中身は大阪と直接の関係はないが、「文明探偵」が誕生したのは、間違いなく、自由な大阪の空気の御陰である。

 (かみさと・たつひろ 大阪大学特任准教授、科学史)
読書人の雑誌「本」2015年6月号より

 * * *

 神里達博・著
『文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか』
講談社現代新書 税別価格:800円

 さまざまな暦、占いといったちょっとアヤシイ領域から、科学的方法論の限界、私たちの時代認識の本質まで、文明探偵が縦横無尽に駆けめぐる愉快な知的冒険の書! 

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神里達博

4765とはずがたり:2015/06/09(火) 10:39:06
大阪は吉本のイメージが強くなりすぎて本来は谷崎の細雪的な上品な上方の商家的な文化が無くなったか見えなくなったのが残念ですね。仔細に見えれば残っているけど一地方に成り下がった大阪のそういう面は中央で取り上げられなくて从って日本中に知られて無くて残念である。

一方京都は天下一品と餃子の王将に代表されるこてこての庶民の街なのになんか上品だと思いこまれていて始末の悪いことに京都人もそう思ってお高くとまっている様な所がある。
昔は貴族,今は坊さん(と学生)の金はあって閑も有る上流階級(学生は閑は有るけどカネは無い)を支える労働者階級の街だという自己認識から始めるべきである。

おっさん・おばちゃんの街と思われてる浪速にも上流階級はあって公家の都だった京都にも労働者は居て同和問題も残存し,詰まりは歴史の長い畿内は階級社会だという俺の規定である。
神里氏の指摘によると関西の,少なくとも大阪の階層社会にも分厚い市民社会が根付いている様である。中世には日本の先進地帯として住民自治(まあ国人の地下検断だったり堺の商人による自治だけど)が発達した関西の底力なのかもしれない。

4766とはずがたり:2015/06/09(火) 22:43:37
<東海>静岡県
なんで静岡市と浜松市の扱いが違うんだ?

県庁機能5圏域分割私案 静岡県知事、地域会議で提案へ
http://www.at-s.com/news/detail/1174203305.html
(2015/6/ 9 08:15)

 川勝平太静岡県知事は8日の定例記者会見で、県庁機能を5圏域に分割して市町を下支えする私案を、人口減少対策を協議する各圏域の「地域会議」で提案する考えを表明した。「県庁機能を移すという方向性を出したい。地域会議の一番大きなテーマになる」と述べた。
 「静岡型県都構想」として県主導で行政一元化を進める静岡市のほか、志太中東遠、東部、伊豆北部、伊豆南部にそれぞれ県庁機能を分け、市町を支援する考えで、「石川嘉延前知事のときから長い検討を踏まえている」と語った。
 各圏域に県の拠点を新たに整備するとし、どのような機能を移すかは「地域によって違う」と指摘した。
 浜松市については北部の天竜区を当面は支援するものの、基本的に独立して行政運営すべきとの認識を示した。
 志太中東遠は静岡空港を中心にした圏域づくりを想定し、県庁機能の移転先の選定を進めていると説明。伊豆は各市町の首長が歓迎の意向を示しているとし、伊豆中央部で県庁機能の移転先の具体的な要望も受けていると述べた。
 地域会議は人口減少克服、地方創生に向けて県が本年度に策定する「地方人口ビジョン」「地方版総合戦略」に圏域ごとの課題を反映させるため、伊豆半島、東部、中部、志太榛原・中東遠、西部の5圏域に本年度設置した。

静岡県知事の県都構想、静岡市長が批判 「思いつきの域」
http://www.at-s.com/news/detail/1174201013.html
(2015/6/ 2 08:35)
 静岡市の田辺信宏市長は1日の定例記者会見で、同市と県の行政を一元化するとして川勝平太知事が掲げた「静岡型県都構想」について、「思いつきの域を出ない。まともに論ずるのもばかばかしい」と批判し、「柳に風で受け流すことにする」と議論にも否定的な姿勢を示した。
 川勝知事は県都構想で、行政トップを1人に集約する▽静岡市長は市担当の副知事に就く▽区長の権限を強める「総合区」を導入する―などを提案している。
 田辺市長は「事前に(市側に)全く説明がなかった。本気で実現を目指すなら政治プロセスとしても違う」と指摘。川勝知事が今秋に予定されている県、静岡、浜松両市の首長会談(G3)で意見交換する意向を示したことにも「断固拒否する」と強調した。市の人口が70万人を切った段階を目安にしていることには「市として70万維持という困難な課題に全力で取り組もうとしている。県が広域行政として下支え、応援してくれることを期待したい」と述べた。

4767とはずがたり:2015/06/17(水) 08:50:41
<九州・沖縄>佐賀県神埼地区

神埼市長「合併議論を」・吉野ケ里町長「時期尚早」
2015年06月04日 08時36分
■神埼市長、当面は静観の構え 議会に働き掛け求める
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1225012585/4893

4768とはずがたり:2015/06/17(水) 16:27:04
<東海>静岡県
東部は三島と沼津(順不同だけど明らかに沼津が格上)を核に政令指定都市造る動きもあったし伊豆も地域的纏まりあるけど志太榛原・中東遠は可成り地域的に無理がある。
中東遠の内磐田や袋井は浜松の勢力圏内だし志太榛原の内焼津や藤枝は静岡の影響力が強い。
けど県を政令市の集まりにして二重行政を解消してゆくってのは俺の大阪に対する意見などと被るし興味深い。

「暴論ではない」と「県都構想」打ち出した知事
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150609-OYT1T50026.html?from=yartcl_outbrain1
2015年06月09日 10時27分

 静岡県の川勝知事は8日の定例記者会見で、県と静岡市を一体的に運営することで、二重行政の解消を目指す「県都構想」について、県内を五つの圏域に分けて進めていく考えを改めて強調した。

 知事は、静岡、浜松両市長と毎年秋に実施している「県・政令指定都市サミット(G3)」で、この問題を提案する考えだ。

 この日の会見で知事は、五つの圏域について、静岡市、浜松市、志太榛原・中東遠(島田市、袋井市など)、東部(沼津市、三島市など)、賀茂(下田市、西伊豆町など)といった具体例を示したうえで、「県の権限、財源、人材をおろしていく」と強調した。

 県内を五つの圏域に分ける考え方は、10年以上前に石川嘉延前知事が提唱した「政令県構想」が下敷きにある。現在政令市となっている静岡、浜松両市のほか、三つの圏域に市町村の「広域連合」を作って県の権限を移譲するもので、県は2010年まで国に提案してきた経緯がある。

 川勝知事は、こうした考え方も参考に県都構想の議論を進める方針で、「思いつきや暴論ということではないと理解して頂きたい」と強調した。

 その中で静岡市については、最終的な活用策が決まらないJR東静岡駅の市有地問題などを例に挙げ、「同じ場所に、(県と静岡市という行政が)二つあるのは、市民のためにならない」とし、一体的な行政運営の実現に改めて意欲を示した。田辺信宏市長が1日の記者会見で、「思いつきの域を出ていない乱暴な議論」などと反論したことについては、「聞く耳を持たないというのは間違っている」と不快感を示した。

 県都構想は、市役所の業務に県職員が関わり、市と県の一体化を県主導で実現させる考え方。大阪都構想が先月、大阪市の住民投票で否決されたのを受け、川勝知事が打ち出した。知事は静岡市の人口が70万人を割り込んだ時点で、構想を進める判断材料とする方針で、区長の権限強化や県が静岡市を直轄化して、行政のトップを1人にするといった構想を披露している。

 ただ、知事の構想実現には、法整備や住民の合意、他自治体の首長の賛同などが必要となるとみられ、ハードルは高い。

4769とはずがたり:2015/06/27(土) 15:05:40

そもそも離島へばらまき続けていて今の惨状なのに更に屋上屋を重ねてどうするつもりだ( ゜д゜)、 Peッ
>住民の生活支援などを充実させる。

国境付近の有人離島保全へ 議員立法の要項まとまる 中国の海洋進出にらみ
http://news.goo.ne.jp/topstories/politics/631/0ed3b51d57fb20c7d2f0627394cfbd47.html
(産経新聞) 06月26日 17:53

 自民党は26日、領土に関する特命委員会などの合同会議で、中国の海洋進出などをにらみ、国境に近い離島の無人化を防ぐための有人国境離島保全・維持特別措置法案の要綱をまとめた。与野党各党に賛同を呼び掛け、今国会に法案を提出し早期成立を目指す。

 法案は、国境離島での土地の買い取りや自衛隊施設の設置など、国や自治体の関与を強めることが柱。礼文島(北海道)や佐渡島(新潟)、屋久島(鹿児島県)など8都道県の計71島を特に対策が必要な「特定有人国境離島」に指定し、住民の生活支援などを充実させる。

 国が離島振興法の指定対象としている約250の島のうち約1割が平成62(2050)年に無人になる可能性があるとされている。

4770とはずがたり:2015/07/03(金) 18:54:39
大阪府肝いりの彩都への誘致を蹴って元々大阪地盤の武田薬品が首都圏に研究所造ったように民間は東京圏にないと良い人材集まらないかの様な現状があるけど,公的研究所は筑波がそうだったけど地方移転(当時の筑波はど田舎)しやすいやろね。

小金井に本部のある情報通信研究機構や立川にある国立極地研究所,国分寺市にある情報通信政策研究所,とか知らないけどまだまだ都下に研究所ありそうだけど地方移転推進しよう♪

地方創生:移転第1号 酒類総合研究所事務所を東広島市に
毎日新聞 2015年06月30日 19時31分
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1354356742/1947

 政府の「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・安倍晋三首相)は30日、独立行政法人酒類総合研究所東京事務所の機能を東広島市の研究所本部に移転することを決めた。昨年末に閣議決定した「地方創生総合戦略」に基づいた移転第1号となる。研究所は酒類の品質分析や鑑定を行う酒類の研究機関で、東京事務所では経験の浅い杜氏(とうじ)を対象にした講習や広報誌の編集などを行っている。移転時期は未定。【前田洋平】

4771とはずがたり:2015/07/30(木) 14:22:46
道州制特区の拡大検討へ 自民推進本部が了承
共同通信 2015年7月30日 12時50分 (2015年7月30日 12時51分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20150730/Kyodo_BR_MN2015073001001172.html

 自民党道州制推進本部は30日、党本部で総会を開き、先行モデルとして北海道で実施している「道州制特区制度」の他地域への拡大を検討することを了承した。道州制導入までの手続きを定めた「道州制推進基本法案」については、国会提出に向けて国民の理解促進に努めることで一致した。総会の開催は昨年4月以来、1年3カ月ぶり。
 佐田玄一郎本部長は総会後、記者団に「地方の反対もあって基本法案を直ちに提出できる環境にはない。特区を全国で使えるようにして風穴をあけ、道州制の必要性を訴えたい」と強調。複数の都道府県がつくる広域連合などに特区を適用できるよう、制度改正を検討する考えを示した。

4772とはずがたり:2015/08/05(水) 16:58:53
<近畿>大阪府

「ノーサイド」一転、橋下氏と自民が激しい応酬
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150724-OYT1T50127.html?from=yartcl_outbrain1
2015年07月25日 20時42分
大阪都構想が頓挫した住民投票から2か月。

 一時は「(敵・味方がなくなる)ノーサイドにしたい」と、対話に前向きだった橋下氏と自民党だが、24日は激しい応酬を繰り広げた。

 橋下市長「大阪会議は都構想の対案だと、規約で明示すべきだ」

 花谷充愉・自民党府議団幹事長「住民投票で終わった話を持ち出してどうするのか」

 橋下氏は「対案でなければ、無駄な議論をするだけのサロンになる。やる必要はない」と主張。松井一郎知事も、「アリバイ作りで会議をやるなら、席を立ったらいい」と言い放った。

 これに対し、「無駄な二重行政はない」と訴えてきた花谷氏は「対案と明記する必要はない」「会議を邪魔しに来ているのか」などと反発。堺市の竹山修身市長も同調した。

4773とはずがたり:2015/08/05(水) 16:59:04
<東海>静岡県

知事の「県都構想」に市長「一緒にやる気ない」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150724-OYT1T50018.html?from=yartcl_outbrain1
2015年07月24日 10時47分

 静岡県と静岡市の二重行政を排除するとの理念で川勝知事が打ち出した「県都構想」を巡り、知事と田辺信宏市長が23日、市役所で会談した。

 構想の実現に向けて協力を呼びかけた知事に対し、市長は「一緒にやる気はない」と拒否した。「市のカタチ」を守りながら発展の道筋を描くのか、抜本的に変えることで新風を巻き起こすのか――。注目されたトップ同士の会談は物別れに終わったばかりか、二重行政解消に向けた本質的な議論も深まらなかった。

 知事が今年5月にこの構想を提唱し、2人が公式に議論したのは今回が初めて。田辺市長はこれまで「思いつきの域を出ていない」と批判していた。知事が具体的な制度設計を進めるには市長の協力が不可欠だけに、方向性がどこまで一致するかが焦点になっていた。

 会談で知事は、政令指定都市になってからも市の人口減少に歯止めがかからない点を踏まえ、「政令市の力の源泉は人口」と指摘。構想を打ち出した背景について、「(静岡市の)力がだんだんと弱っていくとき、どういう形で連携ができるかだ」と背景を説明した。

 そのうえで現在の葵、駿河、清水の各区を財源や権限を与える特別区に移行させるために必要な大都市地域特別区設置法を改正するアイデアを示し、「新しい試みを一緒にやっていただけるとうれしい。少なくとも検討することでどうか」と協力を求めた。

 これに対して市長は、第3次総合計画で掲げた「人口70万人の維持」に向け、県と連携する重要性は認めつつも、「方向性が違うと感じざるを得ない」と反論。

 知事の考えを「実現が不透明な法案の制度論を議論するより、市民は70万人維持に向けて地域経済の活性化をどうするかに期待している」と切り捨て、「制度論ではなく実質論で県と市が連携すべきだ」と訴えた。

 知事側からの働きかけで実現した今回の会談は、市役所の静岡庁舎(静岡市葵区)で約45分間続いたが、互いに相手の発言を遮るといった感情的な衝突もあった。結局、県と静岡市における具体的な二重行政の課題など本質的な議論は深まらないまま終わった。

 昨年成立した改正地方自治法では、道府県と政令市は来年度から、二重行政解消などに向けた「調整会議」を設置し、政策を協議することが義務付けられる。

 こうした制度を使って二重行政をどう解決するのかが問われる中、トップ同士にしこりが残れば、議論の停滞は必至で、「政策を議論する県と市の職員の士気が低下する」(首長の一人)との指摘もある。

 ◆「二重行政の解消」各地の首長が掲げる

 都道府県、市町村といった階層の異なる行政府が同じような事務を重複して行い、無駄な行政コストが増えるのが二重行政の問題点だ。大阪市の橋下徹市長が実現を目指した「大阪都」構想と同様、道府県と政令市を一本化し、二重行政の解消を図る考え方は、各地の首長が打ち出している。

 愛知県の大村秀章知事と名古屋市の河村たかし市長らによる「中京都構想」、新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長が取り組む「新潟州構想」などだ。

 これらは二重行政の解消や強い大都市を目指すものだが、実現には法改正などのハードルも高く、検討段階にとどまっていることも多い。

 東北大の河村和徳准教授(政治学)は「住民に対する具体的なメリットが見えず、経済政策や防災対策などの議論が不十分。二重行政の解消は現在の制度上でも可能で、本当に進めるならば県の役割をもう一度見直すべきだ」と指摘した。

4774名無しさん:2015/08/23(日) 15:13:00
<東北・北海道>福島県

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150821-00010016-minyu-l07
「村民税」超えた!3億円目前 湯川のふるさと納税大幅増
福島民友新聞 8月21日(金)11時58分配信

 村への納税寄付者にコメ1俵(60キロ)を贈る湯川村のふるさと納税制度の寄付金額が20日までに2億7000万円を突破し、3億円に届く勢いを見せている。村は締め切り期限までの日数を表示するカウントダウンボードを設置するなど31日の締め切り直前まで熱心にPRしている。

 20日までの村の集計では、寄付者7018人で寄付金額は2億7068万5011円になった。このほか、クレジット決済の申し込みがあり、寄付金額はさらに増える見込み。

 4月18日から申し込みを開始し、初日から問い合わせが殺到した。現在も窓口や郵便振替などで対応が続いている。昨年度の寄付金額約1億900万円や村民税収約1億4000万円も優に超える寄付金額に大塚節雄村長は「ぜひとも3億円にまで到達して村の農業振興につなげていきたい」と期待を込めた。

 同村のふるさと納税制度は、コメの食味ランキングで「特A」の評価を受ける村産コシヒカリ1俵(60キロ)を3万円以上のふるさと納税寄付者に贈る。本年度は寄付金額に応じコメ2俵(6万円以上)も選ぶことができる。新米収穫後の10月上旬に順次発送する。

福島民友新聞
最終更新:8月21日(金)11時58分

4775とはずがたり:2015/08/27(木) 13:38:11
<近畿>

2015.8.13 10:15更新
【大阪会議】
わずか2回目で流会〝空中分解〟 堺市長と自民、共産の欠席で定足数満たさず
http://www.sankei.com/west/news/150813/wst1508130034-n1.html

 「ポスト大阪都構想」の役割を担うと期待され、13日招集された大阪府と大阪市、堺市の首長と議員による「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の第2回会合が流会した。会場となった大阪市役所には大阪維新の会と公明党などの委員が集まり着席したが、竹山修身堺市長と自民党、共産党が欠席したため、出席委員の数が定足数(各自治体10人のうち7人以上)を満たさず、会議が成立しなかった。

 会議は3自治体の首長と議員各9人の計30人の委員で構成。この日は堺市の出席者が6人に止まった。大阪府と大阪市はともに7人が出席、規定を満たした。

 大阪会議は、維新が提唱し5月の住民投票で反対多数となった都構想の対案として、自民が設置を主導した。しかし7月の初会合は大阪会議を都構想の対案と規約で位置づけるか否かで物別れに終わった。第2回をめぐっても、議題を何とするかをめぐり各党で立場が分かれ、自民は早々に欠席の方針を打ち出した。

2015.8.13 15:30更新
【大阪会議】
「死滅」「殺す」の殺伐モード…自民「橋下市長らが会議を殺しにきた」
http://www.sankei.com/west/news/150813/wst1508130058-n1.html

 2回目の大阪会議の流会が告げられた13日午前10時ごろ、欠席した自民は7人の委員全員が大阪市役所8階の市議団控室で今後の対応を協議していた。取材に応じた花谷充愉(みつよし)府議団幹事長は、橋下氏の言葉に「大阪会議は死滅したのではなく、市長らが殺しにきた」と反論した。

 花谷氏には、大阪会議の規約を成立させるため、橋下氏ら提案の議題を優先するなど譲歩案を示してきたという思いがある。市役所で待機したのも、「規約作りの協議に切り替わる可能性がある」という理由からだという。柳本顕市議団幹事長も「こんな光景を見せられ、府民市民はうんざりしている」と非難した。

 同じく欠席した、堺市長の竹山氏はこの日午前、会議に備えて予定を入れず“夏休み”を取得。「今後、今井豊会長(維新)には各会派の主張について事前に調整していただき、大阪の発展・成長のために実りある議論ができる場となるよう努めてほしい」とのコメントを発表した。

2015.8.12 16:27更新
【大阪会議】
13日開催の第2回会合 自民市議団欠席へ「改正案無視して招集」と反発 公明は出席
http://www.sankei.com/west/news/150812/wst1508120071-n1.html

 13日の開催が通知されている大阪府と大阪市、堺市の首長や議員による「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の第2回会合について、自民党の大阪、堺両市議団は12日、府議団に続いて欠席することを決めた。

 一方、公明党は同日、出席する方針を決めた。他会派の対応次第では、大阪維新の会と合わせて定足数(各自治体の委員7人以上)を満たし、第2回会合は成立する可能性がある。

 自民側は会議を円滑に進めるため、規約の改正案などを大阪会議会長の今井豊府議会議長(維新)に提出したが、「検討することなく、一方的に会合を招集された」などとして、欠席を決めた。

 共産党の大阪市、堺市の委員計2人も欠席する方針。

4776とはずがたり:2015/08/28(金) 09:39:45
<中国・四国>山陰広域

224 名前:チバQ[] 投稿日:2015/08/24(月) 21:59:55
http://yukan-news.ameba.jp/20150824-31/
最下位争いの島根vs鳥取選挙区統合で遺恨深まる過去の因縁!
2015年08月24日 06時00分
提供:週プレNEWS

人口や過疎度、チェーン店の進出状況などにおいて(細かすぎる)最下位争いを展開してきた島根と鳥取。

スターバックスの初出店バトルが今年3月に終結(島根の勝ち)したのも束の間、次なる火種が勃発した!

7月末、1票の格差の是正を狙う改正公職選挙法が成立し、来年夏の参院選から島根、鳥取両県の選挙区が統合されることになったのだ。

鳥取県鳥取市の農家が怒りを露(あらわ)にする。

「同じ選挙区つったって、鳥取の端から島根の端まで車で7、8時間かかるんだぞ? 津和野(つわの・島根最西端の町)の候補がウチまで訪ねてきたとこで、『アンタ誰?』って話でしょ。もし万が一、島根の候補に投票しなきゃいけなくなったら人生初の棄権だわ」

島根県出雲(いずも)市の会社員も困惑の表情を浮かべる。

「屈辱ですね。だって、ひと昔前まで、鳥取県民と島根県民が結婚しただけで後ろ指さされるような土地柄だったんですよ? 相いれないです」

なぜここまでの拒否反応を示すのか。山陰の成り立ちに詳しい郷土史研究者が語る。

「実は、1876年(明治9年)から81年(同14年)の5年間、鳥取は島根に併合されていたという歴史があります。その間、鉄道がないため移動は馬、船、徒歩の三択。官庁や議会が松江市に移った鳥取市の経済や治安は悪化、荒廃しました。さらに、鳥取東部の議員が松江へ向かう途中に落馬、死亡するという悲劇まで起こったんです。明治期の『統合』を鳥取県民は深層心理で根に持っています」

また、昭和50年代に起こった「もうひとつの統合」がさらなる亀裂を生んだ。地方紙記者が説明する。

「1975年(昭和50年)から77年(昭和52年)まで、夏の高校野球の島根代表と鳥取代表は“山陰代表”でひとくくりにされていました。甲子園出場をかけた王座決定戦で、選手以上に熱を帯びていたのが両県から選出された審判です。自分の県代表をひいきし、ボール球をストライク判定するなどやりたい放題。山陰代表は3年間とも島根になりましたが、この泥仕合は両県の溝をより深めました」

そして、今回の公選法改正によって「平成の統合」が訪れようとしている。

「島根と鳥取は高齢化、産業の衰退など抱える問題は一緒です。また全国でもまれですが、民放が2県1波で銀行も2県1行。要するに一心同体なんです。その事実と向き合わない限り、対立は永遠にやまないでしょう」(地方紙記者) 【関連記事】

4777名無しさん:2015/08/30(日) 13:03:32
<九州・沖縄>沖縄県

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150826-00000011-okinawat-oki
クラゲに刺され病院に行くつもりが…宜野湾市職員ら機転、台湾の子救う
沖縄タイムス 8月26日(水)15時51分配信

 【宜野湾】沖縄観光中、11歳の娘がクラゲに刺され病院に行くつもりが宜野湾市役所に着いてしまった台湾の家族を、同市市民課の宮城正樹さん(31)と同課委託職員の佐久原清さん(40)が男性市民と協力して病院に送り届けた。無事台湾に帰った家族から市役所にお礼の手紙が届き、宮城さんらは「名前も告げず去った市民の方にも手紙の内容を伝えたい」と願っている。
 家族は父母と娘の3人で、7月21日夕、北谷町内のビーチで娘がクラゲに刺され全身に腫れが出た。病院に連れて行こうとレンタカーのカーナビに病院の電話番号を入れたが、ナビが不調だったらしく市役所に着いてしまった。
 宮城さんと佐久原さんが英語でこうした事情を聞き出し119番して浦添市内の病院に搬送してもらった。
 レンタカーで救急車を追うがたどり着けるか不安がる父親に、そばで見ていた男性が道案内を買って出て先導。男性は処置開始を見届け、父親の駐車場代も払って去ったという。
 手紙ではこうした3人の親切に感謝の言葉がつづられ、「もし台湾高雄に来た際にはぜひ連絡を」と記されている。宮城さんらは「特別なことをしたわけではないが、無事だったと知り安心した」と笑顔を見せた。

4778とはずがたり:2015/08/30(日) 18:41:27
医薬経済
「地方創生」の空虚さと既視感
http://www.risfax.co.jp/beholder/beholder.php?id=487

 ビジョンや総合戦略を見ると、人口減少社会の到来を直視している点など画期的な面もあるが、盛り込まれている政策は既視感が満点である。

 例えば、総合戦略は全体で60ページを超えているが、「枯れ葉も山の賑わい」と言わんばかりに、地方に関連する施策をほとんど網羅しており、在宅を中心に医療・介護を提供する「地域包括ケア」にまで言及している。

 新規施策に関しても、「どこかで見たネタ」(国土交通省関係者)ばかりである。例えば、国の相談窓口のワンストップ化と施策のメニュー化については、小泉純一郎政権期以降の「地域再生」で以前から実施されており、企業の地方移転促進も2007年に制定された「企業立地促進法」の考え方と大して変わらない。

 政府機関の地方移転についても、バブル期の地価高騰対策として推進または検討された経緯がある。この時は多極分散型形成促進法を基に、出先機関や特殊法人が首都圏近郊に移転し、首都機能移転も注目を集めた。特に後者については、国会等移転法に基づいて移転候補地まで絞り込んだにもかかわらず、国会で議論がストップした。今も法律が生きているにもかかわらず、新しく何をやると言うのか。

 施策の有効性も疑問であり、最もバラマキ色が強いのは2014年度補正予算に絡んだ施策である。

 同年度補正予算では「地域住民生活等緊急支援のための交付金」として4200億円(需要喚起型2700億円、地方創生先行型1700億円)が計上されており、需要喚起型は商品券などのバラマキに繋がっている。

 もう1つの地方創生先行型も「先行型」とは名ばかり。国が例示している施策はUIJターン向け助成や中小企業の販路開拓支援、観光振興など既存施策の延長線に過ぎない。

 そもそもバブル期の「ふるさと創生」に始まり、構造改革特区法や地方再生法など地域活性化策は間断なく実施されており、「新たな知恵を出せと言われても無理」(総務省幹部)というのが霞が関の本音だ。

 施策の「縦割り」構造、地域特性を考慮しない「全国一律」の手法、効果検証を伴わない「バラマキ」…。国の総合戦略は既存の地域関連施策について反省点を列挙したが、地域や民間の知恵を結集すべき分野であるにもかかわらず、旧態依然としたトップダウンで進めようとしていることに無理がある。「異次元」という掛け声とは裏腹に、今回も既存施策を切り貼りした一過性のブームで終わりそうな気配である。

4779とはずがたり:2015/09/11(金) 11:08:12
地方の過疎だしお隣の国の話しだし此処へ。

>また本人が同意すれば無料で精管切除(パイプカット)手術を受けて兵役を免除された。
其れは兎も角そんな事迄やったんか。。

消える田舎町 韓国の場合
http://www.asahi.com/articles/ASH8C3HRMH8CULPT002.html?iref=com_fbox_d1_02
ニューヨーク・タイムズ・ニュースサービス2015年9月10日17時55分

 韓国江原道ノゴクの住民は、このところ町の施設が毎年のように消えていくのを見てきた。数年前、郵便局がなくなった。警察署もとうになくなった。銀行もなくなった。ノゴクはかつて5千人以上の人口を抱えていた。けれど、若者が大量にいなくなり、町はほとんど空っぽになった。

NYタイムズ 世界の話題
 韓国で、地方の村や町で若者が急減している。ノゴクも若者流出の波をもろにかぶり、今は小学校の廃校に直面している。学校は若者たちの活力を養う象徴的な施設だが、地元小学校のたった一人の児童、チョン・ジョンス(12)が来春卒業してしまえば、廃校となる。

 「ここら辺から通える児童はもう誰一人いなくなってしまった」。小学校の唯一の教諭、イ・ソンキュンはサクラの古木に囲まれた草だらけの運動場に目をやりながら、そう語った。「若い者たちはみんな仕事をしに町に出ていった。そしてそこで結婚した」

 ノゴクはソウルから東へ約177キロ、韓国では典型的な田舎町の一つだ。緑の丘陵地に挟まれた狭い平地に沿って16の農村集落があり、ジャガイモや豆類、トウガラシを作っている。町の中では、よく手入れされた家の庭にカキやアンズの実がなっている。が、よく見れば韓国の急速な工業化にともなう傷痕――大変革の高波にのみ込まれ、放り出された姿をさらけだしていた。

 小学校の現状はその代表的な残骸だ。

 朝鮮戦争(1950年〜53年)の後、焼き畑農業で細々と暮らしていたノゴクの農民たちは、子どもたちを貧困と重労働から解放するには教育しかない、と考えた。ノゴクに限らず、どこの親でもそう考えるようになった。

 子どもたちを毎朝ノゴク小学校に送り出した。遠いところだと片道約8キロの道を通学した。

 やがて、子どもたちは高等教育を受けるために都会に出た。あるいは働きに出た。70年代以降、田舎の若者たちは都会に大量流入した。安くて勤勉な労働力として経済成長の担い手となったのだ。

 ノゴク小学校を卒業した多くの若者たちは、韓国南部沿岸部の造船所で溶接工や塗装工として働いた。稼ぎは、両親がノゴクの丘陵地帯でどれだけ骨折って働いても想像できない額だった。

 この若年層の大量流出は、60年代から始まった政府の産児制限キャンペーンと重なった。産児制限は90年代まで続き、ノゴクでは予備役訓練に招集される既婚者には避妊具が配られた。また本人が同意すれば無料で精管切除(パイプカット)手術を受けて兵役を免除された。韓国の出生率(合計特殊出生率、一人の女性が一生に産む子供の平均数)は70年で4・5だったが、2014年は1・2まで落ちた。これは世界でも最低レベルの一つだ。この間、小学校児童数も半分以下に減り昨年は270万人になった。

 この人口動態の直撃を受けたのがノゴクのような田舎町とその学校だった。韓国では1982年から今日まで3600近い学校が廃校となり、その大半は田舎の町だった。そうして今日、多くの村々がゴーストタウンの様相に変貌(へんぼう)した。家々は崩れかかり、かつて子どもたちの歓声で騒がしかった学校は草だらけの廃虚と化し、窓ガラスは壊れたまま、壊れてなくてもクモの巣に覆われているばかりだ。

 ノゴクでは町の中心部に残っていた唯一の店が、取材で訪れていたさ中の午後、閉店した。「ここに残っているのは老いぼれて、役に立たない者だけだ」と農民のペク・ゲヒョン(55)は言い、たとえ話をしてみせた。「もし、ここで子連れの若い女にでも出会ったとしたら、おれたちはきっと絶滅危惧種でも見ているような感じがするだろうな」

4780とはずがたり:2015/09/11(金) 11:08:32
>>4779-4780
 そのノゴクも60年当時、5387人が暮らしていたのだ。このうち2054人は12歳以下の子どもたちだった。最新の政府の国勢調査は2000年だったが、ノゴクの人口はわずか615人、14歳以下は17人だった。最年少者が小学校の最後の児童となるジョンスというわけだ。ジョンスの父は52歳、ノゴク町ホルサンニ集落で一番若い妻帯者である。小学校では5年前から入学児童は一人もいなかった。今年春、2人の6年生が卒業し、彼が唯一の児童になったのだ。

 ジョンスは「学校全部を独り占めできるなんてすごいだろう」と言った。眼鏡をつけた彼は恥ずかしがり屋で、将来は獣医師になりたいと話してくれた。

 学校生活の中で一番の思い出は?と聞くと、ジョンスは「イ先生とした卓球」と答えた。

 一方のイ先生は、学校を独り占めできるということは無論ジョンスにとって良いことに違いないけれど、学校生活を共に過ごした同級生が一人もいないというのは後々になっても良いことではないだろうと心配している。

 「昨年までは、児童も何人かいて、よくミニサッカーで遊んだ。それも今はできない」。休み時間になると、ジョンスは先生と紙飛行機を飛ばし合っている。

 韓国では、多くの人びとが都市近郊に広がるドミノのような高層住宅に住んでいる。そして都会に暮らしながら、地方の衰退を嘆いている。地方の学校が次々と消えてゆくのは、幼少時代のきずなを育てた地域文化がなくなってしまうことでもある。

 だからなのか、故郷を離れて何十年たっても、都会に流れ着いた人たちは「トンチャンフェ」という学校時代の同窓会を通じて強く結びついている。このきずなは非常に強く、政治家たちが選挙活動に利用しているほどだ。

 ノゴクの農民ペクは、小学校の草だらけの運動場を指さして「ひどいもんだ」とつぶやいた。彼も卒業生の一人だ。「わしが通っていたころは、300人もいて駆け回っていた。草なんて生える暇もなかった」

 1990年、ノゴク小学校は創立60周年を迎え、卒業生たちがためてきた金でゾウとライオンの像を建て、「未来に、世界に夢を」と記した記念碑を寄贈した。そかし、それから99年までの間に児童数は急速に減り、近くの町ギュンドクの小学校の分校に格下げされた。いま校内の記念碑はさびついたバスケットボールのリングや滑り台、サッカーゴールを見渡しながらさびしく立っている。

 イ先生によると、学校を運営するには年間1億ウォン(約1100万円)かかるという。「1人の児童のためには仕方がないとは言えないよ」。住民の一人キム・ボクヒュン(71)はそう言った。

 キムは小学校の前で鉛筆やガムやおもちゃを売る駄菓子屋だったが、客がなく数年前に店を閉めた。今では道端に置いた椅子に座って、時々通り過ぎるバスやトラックを日がな一日眺めている。

 地方では、「学校を救おう」と近隣地域から子どもたちを運ぶバスを運行したり、児童をもつ夫婦に無料で家を提供したりするキャンペーンを展開する町も出てきた。けれど、ノゴクでは無理だ、と自治会長の一人キム・ジョンシク(58)は言った。

 「ここに来て住んでくれる者など一人もおらん。出ていく者ばかりだ」。キムの息子たちも全員都会に出ていった。「いい学校、いい仕事、そしてショッピングモール。なにもかも都会に集中している。若い者たちをひきつけるものに逆らうことなんてできはしないよ」。キムはあきらめている。(抄訳)

(Choe Sang Hun)

4781とはずがたり:2015/09/14(月) 13:00:37
<近畿>
良くある記事だけど。

尼崎の市外局番、大阪市と同じ「06」のワケは…
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/ASH937CY6H93PIHB03R.html
05:41朝日新聞

 尼崎市は兵庫県なのに、なぜ電話の市外局番が大阪市と同じ「06」なのですか? 尼崎で働いていて、いつも疑問に思います。(芦屋市 アルバイト女性 30代)
     ◇
 「これはよく尋ねられる質問ですね」と話すのは、尼崎市立地域研究史料館職員の西村豪さん(40)。

 県内の市外局番は、西宮市が主に「0798」、芦屋市が「0797」、神戸市が「078」……と、ほとんどが07系。尼崎がなぜ、大阪市、豊中市、吹田市などで使われている「06」なのか、不思議に思う人が多いのでしょう。

 「尼崎は大阪の一部ってことじゃないの?」という冗談を、記者も何度か聞いたことがあります。

 真相はどうなのでしょう。西村さんによると、理由は「地元産業界の要望の結果」なのだそうです。

■大阪との連絡重要

 尼崎は明治時代から多くの企業が工場を置く産業の街として栄えました。こうした企業にとって、事務部門や取引先がある大阪との連絡は何より重要です。

 例えば尼崎紡績(現ユニチカ)は、尼崎がまだ電話利用可能区域に入っていなかった19世紀末、自前で大阪から電線を引っ張って電話を開設したほどです。

 20世紀に入ると、尼崎にも電話が普及し始めます。ただ、当時の市外通話(異なる電話局管内への通話)は、交換手に通話先を告げても、なかなかつながらないことが多く、大阪との連絡は大変不便だったようです。もちろん、料金も市内通話より高額でした。

 さらに、町村合併を重ねた尼崎市の中には、尼崎局、伊丹局、西宮局など複数の電話局の管轄区域が混在し、市内から市内へ電話をかけるにも市外料金が必要という、ひどい状況に陥ってしまいました。

■1954年に編入実現

 このため戦後間もなく、「市内全域を一括して大阪局の管轄区域に編入させてもらおう」という声が地元で高まります。

 市や商工会議所による日本電信電話公社(現NTT)への陳情の末、編入は1954年に実現。その8年後、全国的に市外局番が整備され、尼崎を含む大阪局管内に「06」が割り当てられたというわけです。

 54年当時の新聞を見ると「市外通話の約6割を占めていた大阪との通話が従来の14円から7円になる」とメリットが紹介されています。92年刊行の「尼崎商工会議所八〇年史」も「その後の尼崎の産業経済活動に大きく貢献した」と編入を高く評価しています。

■タダではなかった

 もっともこの編入、タダではありませんでした。電電公社は当時、条件として「2億円余りの電信電話債券の引き受け」を市側にのませました。管轄区域の再編などに伴う工事費の地元負担という意味合いです。

 県内では異彩を放つ「市外局番06」。その裏には、阪神工業地帯の中核を担った「工都尼崎」の歴史が隠されているのです。(宮武努)

4782とはずがたり:2015/09/23(水) 16:22:52
<近畿>
二階が云うとただの土建ばらまき構想に堕してしまうのが残念だ(;´Д`)

<自民党>近畿メガリージョン形成へ 大阪都構想に対抗
毎日新聞社 2015年9月16日 18時43分 (2015年9月16日 20時21分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20150916/Mainichi_20150917k0000m010025000c.html

 自民党の近畿選出国会議員で作る近畿ブロック両院議員会の二階俊博会長らは16日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相に近畿の新幹線ネットワーク充実を求める決議書を手渡した。新幹線の充実で首都圏に匹敵する都市圏「近畿メガリージョン」を形成するとしており、大阪維新の会の「大阪都構想」に対抗する狙いがある。決議書は、早期の北陸新幹線の大阪延伸や、2027年の東京?名古屋間開業を目指すリニア中央新幹線について同年に名古屋?大阪間も同時開業することなどを求めた。

4783とはずがたり:2015/09/23(水) 18:43:37
<九州・沖縄>福岡県

市への昇格なるか 福岡県那珂川町、5万人突破へ正念場
http://www.asahi.com/articles/ASH9N149LH9MTIPE01P.html
大久保忠夫
2015年9月23日11時55分

 福岡県那珂川町が市昇格をめざして最後の追い込みに入っている。カギは国勢調査で人口5万人を突破すること。住民基本台帳では18日現在5万93人だが国勢調査は減ることも予想される。町は確認を徹底することで、住民基本台帳からの落ち込みを防ごうと懸命だ。

 1956年に3村合併で誕生した那珂川町は福岡市のベッドタウンとして成長し、国勢調査による人口増加率が3回連続で県内1位になったこともある。90年にJR博多南駅が開業しさらに増加したが、伸びが鈍化。ここ数年は5万人前後で一進一退が続く。

 町は2012年、人口増加策推進員として元会社員の三宅真仁さん(60)を緊急雇用。町をPRする町内ツアーを企画したり、固定資産税相当額を5年間で最大100万円補助する住宅取得奨励補助を打ち出したりした。機運を盛り上げようと、「50000」と大書した市制施行PRユニホームや、「市になろう」ののぼり旗もつくった。

4784とはずがたり:2015/10/17(土) 15:43:58
<東海>静岡県

知事の県都構想、静岡市長「特別自治市」で対抗
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151016-OYT1T50104.html?from=yrank_ycont
2015年10月17日 14時02分

 静岡市の田辺信宏市長と浜松市の鈴木康友市長が16日、浜松市役所で会談し、県から事務・権限の移譲を受け、県と政令指定都市の二重行政を解消する「特別自治市」の実現に向け、引き続き取り組むことを確認した。

 二重行政の解消を巡っては、川勝知事が静岡県と静岡市を一体的に運営する「県都構想」を提唱し、田辺市長に協力を呼びかけている。

 会談後の記者会見で、田辺市長は「県都構想を実現する政治プロセスが不透明だ。基礎自治体が優先の時代の中で、特別自治市を目指す」と改めて協力の考えがないことを強調。その上で「(知事が県都構想を市民に説明する)広聴会が終わった後、知事から感想を聞きたいし、ぜひ2人で話し合いたい」と呼びかけた。

 一方、県都構想の議論について、鈴木市長は「二重行政の解消は、県都構想か特別自治市か二つに一つ。しっかりと県と(静岡)市で話し合う必要がある」と述べるにとどめた。

 会談には、徳川家康の没後400年を記念した関連事業で連携する愛知県岡崎市の内田康宏市長も途中で参加。日本の文化や伝統を伝えるストーリーを認定する文化庁の新事業「日本遺産」について、家康をテーマにして3市が連携し認定を目指すことで合意した。

2015年10月17日 14時02分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

4785名無しさん:2015/10/18(日) 14:37:42
>>104は10年以上前ですが今日的な話題ですね。。。

<大都市制度・都市自治体>
>>233>>608>>1936>>2092>>3861>>3874>>4170>>4671

「国と地方の協議の場」の現状の地方側出席者は、
地方六団体
(全国知事会、全国市長会、全国町村会、
全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会)。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date3&k=2015101600698
都市3市長会と年内にも協議=政府

 指定都市市長会の林文子会長(横浜市長)ら都市部の3市長会の代表者は16日、菅義偉官房長官、高市早苗総務相と相次いで会い、3市長会と政府による定期的な協議の場を設置するよう要請した。これに対し菅長官と高市総務相は、協議に一度応じる考えを示した。3市長会は年内の開催を目指して日程を調整する方針だ。
 菅長官は同日午後の記者会見で、「まさに現場の声を一番よく知る市長で、政府としてもそういう(協議の)機会は必要だ」と述べた。
 3市長会は、指定都市市長会のほか中核市市長会と全国施行時特例市市長会(旧全国特例市市長会)。現在は法定化された「国と地方の協議の場」があるが、地方側出席者は全国知事会や全国市長会など6団体と定められ、都市自治体特有の課題について政府と話し合う場はなかった。3市長会は今後、定期的な協議の場の設置を目指す。 (2015/10/16-17:36)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E4%BE%8B%E5%B8%82
特例市

中核市との区別を無くそうという意見が中核市市長会と全国特例市市長会の双方から出されており、これらの問題を取り扱う国の地方制度調査会側も前向きな姿勢を見せた[1]。その結果、2014年(平成26年)5月23日可決・成立の改正地方自治法(当該部分の施行は2015年4月1日)により、特例市制度が廃止されるとともに、中核市の人口要件を「20万人以上」に緩和し双方を統合することとなった。なお、改正法施行の時点で既に指定されている特例市(「施行時特例市」と呼ばれる)を対象とする経過措置として、従来の特例市の事務権限を引き続き保持するとともに、前述の改正法施行後5年間(2020年4月1日まで)に限り、人口が20万人未満になっていたとしても中核市に移行できるものとしている。

4786名無しさん:2015/10/18(日) 14:41:11
>>4785

<大都市制度・都市自治体>

http://www.sankei.com/politics/news/150518/plt1505180020-n1.html
2015.5.18 09:53
【大阪都構想】
否決で…横浜市「特別自治市に邁進」名古屋市は「中京都構想、影響ない」

 政令指定都市(政令市)は平成24年成立の大都市地域特別区設置法により、政令市と隣接市町村の人口が200万人以上で、住民投票で過半数が賛成すれば特別区設置が可能になっている。要件を満たすのは横浜や名古屋など全国10市。要件を満たす政令市や、政令市を抱える自治体は、住民投票をどのように受け止めたのか。

 「自らの自治体の未来を決める、大変重要な選択であったと思う。市としては、横浜に最もふさわしい制度である『特別自治市』の早期実現に向けて、今後も邁進(まいしん)していく」。全国20政令市の中で最大の人口を抱える横浜市の林文子市長は17日、住民投票の結果を受け、こんなコメントを発表した。

 横浜市は、県と市の間にある二重行政解消などの手立てとして「特別自治市」への移行を目指している。現行の政令指定都市制度を見直し、市行政に関係する全ての仕事と税収を県から譲り受け、事実上、県から“独立”する構想だ。

 ただ、神奈川県の黒岩祐治知事は「二重行政は(県と市が)コミュニケーションを取っていけば解決できる」との立場。17日も「大阪都構想は、大阪市域における地方自治制度の問題。本県の状況は、大阪市域とは大きく異なっており、この結果が本県に影響するものとは考えていない」と、林市長とは微妙な温度差を感じさせる談話を出した。

 「中京都構想」を訴える名古屋市の河村たかし市長は17日、「(否決により)現状維持になることが寂しい」とし、中京都構想は「大阪都構想とは内容が違うので(大阪での否決の)影響はない」と述べた。

 愛知県の大村秀章知事は「大阪市民が府と市の在り方について議論を尽くした上での結果であり、今まで取り組んできた橋下徹市長に深く敬意を表したい」とコメントした。

4788名無しさん:2015/10/18(日) 16:39:19
<東北・北海道>福島県

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151015-00010007-jisin-soci
ハチに刺されたらドクターヘリ?“福島棄民”の実態
女性自身 10月15日(木)6時2分配信

 福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」の仮設住宅には、避難指示が解除されて4年たった現在でも、川内村の旧・緊急時避難準備区域の住民、113戸・228人が暮らしている。うち約70%が60代以上の高齢者。しかもこの仮設も、’17年3月で打ち切りが決定した。

 この仮設で夫と暮らす久保田稔子さん(80)は、こう話す。

「戻れるなら戻りたいよ。でも、そう簡単ではないの。4年半も家を離れているから、修理せんと住めんけど、業者が混み合っていて、なかなか修理の順番が回ってこんし。それに、うちに戻ったら店も病院も遠くなる。お父さんも私も車の運転はできないし、若い者は、もう戻らんから」

 もともと川内村には、大きな病院や商業施設などはなかったため、原発事故前は隣接する富岡町や大熊町まで出向いていた。しかし現在、富岡町も大熊町も避難指示が継続されており、すべては閉鎖。解除のメドも立っていない。

 川内村には、やっと診療所ができたが診察科目も日替わりで、年配者には心もとない。実際に、川内村の遠藤雄幸村長は、村内で手当てを受けられず、ドクターヘリで救急搬送されたことがある。記者の問い合わせに、川内村の職員が答えてくれた。

「震災後、そういう事実はありました。ハチに刺されたか、魚のアレルギーだったかは忘れましたけど……」

 自らも川内村で被災し、今もこの仮設に住みながら、生活に困窮するお年寄りを支援すべくNPO法人を設立した志田篤さん(67)は言う。

「川内村でも、国の復興予算を使って企業誘致をしたり、老人ホームやコンビニ、温水プールをつくったりして、人を呼び戻そうとしています。それは結構なことですが」

 ここにきて原発事故特有の問題にぶつかっているという。それは……。

「地域コミュニティの崩壊です。若い世代は、低線量被ばくの影響を心配して避難先から戻りません。となると、企業を誘致しても働き手が確保できないし、地域の消防活動を担う人材がいない。また、高齢者だけの生活になることで、いざというときに面倒を見る人がいない、など問題は深刻です。国は安全だと言いますが“低線量被ばく”は前例がない。仮設を打ち切るから、村に帰れと言われてもむずかしい」

 安倍政権はいまでも、原発再稼動を進めている。また事故が起きたら、同じように棄民が出るだろう。“犠牲の連鎖”を早く止めなくてはならない。

4789とはずがたり:2015/10/27(火) 13:00:41
<九州・沖縄>沖縄県名護市
久辺村としてでも分村すりゃええねん。流石の安倍ちゃんも其処迄は出来ないか。分村する場合名護市全体での承認と沖縄県議会の承認が必要なんだっけ?

辺野古の周辺3区、名護市通さず振興費…菅長官
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151026-OYT1T50098.html?from=yartcl_outbrain1
2015年10月26日 21時50分

 菅官房長官は26日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画を条件付きで容認する同県名護市辺野古周辺の地元3区長と首相官邸で懇談した。

 菅氏は移設に反対する名護市を通さず、今年度から3区に振興費を直接支出する方針を伝えた。地元住民が移設を容認している点を強調し、移設に反対する名護市の稲嶺進市長らをけん制する狙いがあるとみられる。

 懇談会に参加したのは、名護市の辺野古、豊原、久志の「久辺くべ3区」と呼ばれる地域の3区長。いずれも地元の振興を条件に移設を容認する立場だ。政府は在日米軍再編への協力に応じて自治体に「再編交付金」を支給している。だが、移設反対の稲嶺氏が2010年に市長就任後、名護市は交付金の受け取りを拒否したため、3区内の事業に充てられることはなかった。

2015年10月26日 21時50分

4790とはずがたり:2015/11/01(日) 18:59:56
限界集落盛り上げプロジェクトも結構だが,住みもしない部外者が盛り上がって集落を本当は畳みたいけど畳めない様な雰囲気にしては駄目だと思う。4世帯8人ではねぇ。。

2015.10.12 07:06
洲本・竹原地区を盛り上げ 小水力発電の電力で音楽会
http://www.sankei.com/region/news/151012/rgn1510120016-n1.html

 洲本市が龍谷大学(京都市)と連携して活性化を目指している洲本市竹原地区で11日、農業用水を利用した「小水力発電システム」で生まれた電力を使った音楽会が開かれた。シイタケの収穫体験も行われ、参加した約40人が「秋」を満喫した。

 同市と龍谷大は市内4カ所で「域学連携事業」を展開。このうち、住民が4世帯8人まで減少した「限界集落」の竹原地区では、再生可能エネルギーの拠点化による地域再生を目指している。

 その手始めとして今年2月、同地区内に設置されている農業用水路にパイプをつなぎ、その高低差を利用して水車を回転させる「小水力発電システム」を設置。生み出される電力120ワットを、街灯や防犯カメラなどに使っている。

 この日は、同地区の観光農園で、「秋の竹原まつり」と題したイベントを開催。豊かな自然の中で行われた音楽会では、龍谷大の学生ら5つのグループや個人がジャズ演奏などを披露した。同市の会社員、大小島藍さん(29)は「ホールなどと違って、自然の中で聞く音楽はとても良かった」と話していた。

4791名無しさん:2015/11/01(日) 20:13:43
<近畿>大阪府大阪市

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151031-00000001-wordleafv-soci
初期国勢調査周知に「大大阪」の芸能人が活躍してた!?
THE PAGE 10月31日(土)12時53分配信

 大正後期から昭和初期にかけて、都市改造で高揚期を迎えた大阪市。大阪人たちは誇らしげに「大大阪」と呼んだ。大大阪時代の大阪のにぎわいが、国勢調査と大衆芸能にかかわる研究を通じてもうかがい知れる。多くの芸能人たちが行政の要請に応じて国勢調査の啓発活動に活躍していた事実が、改めて浮き彫りになったからだ。研究者が収集してきたSPレコード・コレクションの中に、新たな知見が埋め込まれていた。

浪曲師が名調子で国勢調査物語を語って聞かせる
 研究者は、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター特別研究員の大西秀紀さん。大阪で生まれ育ち、日本レコード文化史の研究に打ち込む。研究調査の一環として、戦前に発売されたSPレコードを多数収集してきた。

 5年ごとに実施される国勢調査が今月実施されたが、大西特別研究員は自身のSPレコード・コレクションの中から、初期の国勢調査にかかわる作品をピックアップ。作品の内容を詳しく分析するとともに、当時の新聞記事などを丹念に読み直し、レコード発行の経緯や国勢調査時の状況などを検証。研究成果を所属する同大学日本伝統音楽研究センターのセミナーなどで発表してきた。

 国勢調査が初めて実施されたのは1920年(大正9)。以来、5年ごとに簡易調査と大規模調査を交互に実施。第20回の今年は10月、簡易調査が実施された。大西特別研究員の研究対象になったのは、20年と30年の国勢調査時に発売された国勢調査啓発レコードだ。

浪花節宣伝隊が活躍し東京へも遠征
 1920年の国勢調査では、国勢調査啓発のSPレコードが2枚確認されている。人気浪曲師初代京山小円の「浪花節 国のしらべ」、同じく2代目吉田奈良丸の「浪花節 国勢調査」だ。どちらも渋い名調子で国勢調査の意義を訴え、調査項目などを説明している。

 当時の大阪は、都市の可能性と課題が入り乱れるカオス状態にあった。明治維新直後の混乱から立ち直り、東洋のマンチェスターと呼ばれるほどの近代的商工都市に転身。新たなチャンスを求めて、多くの労働者が地方から移り住んだ。

 半面、繁華街のきらめきやざわめきとは裏腹に、社会政策の立ち遅れや急激な人口増加に伴う住宅難などで、光と影が際立つ。船上や路上で暮らす人たちが多いこともあり、行政が市民の生活実態を正確に把握しにくい状況にあった。初めての国勢調査を成功させるには、まちの隅々まで事前の啓発活動の徹底が不可欠だった。

 「当時は浪花節という芸能が勢いのあった時代、とりわけ庶民に人気が高かった。そこで大阪府が浪花節親友派に国勢調査啓発の協力を要請。親友派は浪花節宣伝隊を結成して浪曲師たちを国勢調査の説明会に派遣し、参加者を集めて調査啓発にひと役買った」(大西特別研究員)

 庶民は浪曲師の名調子聞きたさに、国勢調査説明会の会場へ。待ち構える浪曲師たちは、得意の演題を始める前に、まくらとして国勢調査ものを演じた。さらに新聞が国勢調査まくらを紙面に掲載したため、説明会に行けない庶民にもまくらの内容が伝わった。

 浪花節宣伝隊のいわゆる客寄せ効果は高かったようで、宣伝隊は請われて東京へも乗り込んだ。宣伝隊奮戦のシンボルが、人気浪曲師によるSPレコードだった。大西特別研究員調査による小円「浪花節 国のしらべ」の主要部分を紹介しよう。

 『国勢調査に文明の 花さまざまの有様を 八つの事柄現して 男女に区分けして 結ぶ縁の夫婦仲 一つ所帯の親や子の 何日の生まれか名はなんと 故郷いずこぞ今住める』
 確かにだれにも分かりやすい内容といえそうだ。

4792名無しさん:2015/11/01(日) 20:14:12
>>4791

AKB風の女性人気グループによる国勢調査コントも
 それから10年後の1930年、時代は大正から昭和へ。第2回目の大規模調査時に発売された7枚セットの「国調レコード」が、貴重な史実を刻み込む。兵庫県尼崎市の特許レコード製作所で製造。レコードの芯(しん)にボール紙を使用したもので、軽くて落しても割れにくい。録音内容は多岐に富む。

 「初回の国勢調査で、浪曲が啓発に効果を発揮した実績をもとに、大阪府は2回目の大規模調査の実施にあたり、浪曲師だけではなく、さまざまな分野の芸能人の協力を得て啓発活動を展開しようとした。レコード1枚目は国勢調査の主旨説明で、府知事自身が吹き込んだ。そのうえで、2枚目からはレビュー、漫才、小唄・都々逸(どどいつ)、浪花節など、多彩なジャンルの芸能による啓発作品で構成されている」(大西特別研究員)

 国調レビューを演じているのは白鳥座歌舞劇団で、女性だけのレビュー団として人気を集めていた。女性団員演じる国勢調査員が立ち寄ったレストランの店員や客たちに、国勢調査の内容を教えるコント仕立ての歌謡劇だ。レコード2枚4面を使い、録音時間は約12分と長い。

 「今ならAKB48などに相当する人気女性グループが、国勢調査をテーマにコントを演じるわけですから、注目度が高かったはず。国勢調査の対象となる10月1日午前零時、夜勤で留守にする場合、どう申告したらいいのかなど、きめこまかく説明している。録音時間に制限があるため少し早口になっているものの、息が合っているので十分けいこを積んだ労作だ」(大西特別研究員)

『主は我がまま 私は気まま 国勢調査は有りのまま』
 漫才は横山エンタツ・花菱アチャコの名コンビが担当。随所に笑いを織り込みながら、軽快なテンポで国勢調査の勘どころを押さえていく。大西特別研究員によると、エンタツ・アチャココンビによるレコードデビュー作の可能性が高いという。

 小唄「国調都々逸」を披露するのは南地力松。大阪の代表的花街のひとつ南地の芸妓で、多くのレコードを吹き込んだ人気歌手だった。都々逸の一節は次の通り。

 『主(ぬし)は我がまま 私は気まま 国勢調査は有りのまま』今でも十分通用するようなユーモアとエスプリを併せ持つ。「浪曲は説明会の顧客動員に活用し、レビューで調査の内容までをしっかり説明する。それぞれの芸能の持ち味を生かした展開を工夫していたと考えられる。多様なジャンルの芸能に精通した総合プロデューサー的人材が、プロジェクトを動かしていたのかもしれない」(大西特別研究員)

4793名無しさん:2015/11/01(日) 20:14:35
>>4792

関西一円に点在していたレコード会社
 浪花節宣伝隊からオール芸能大応援団へ。サポート態勢の充実には大阪の世相も反映していたのではないか。1925年4月1日、大阪市は第2次市域拡張を行い、人口は241万4804人に増加。当時の東京市を抜いて人口日本一に輝き、世界第6位の大都市になった。新聞も「歓声みなぎる大大阪」などと報じている。

 翌26年御堂筋の拡幅工事着手、27年大阪市営バスが運行開始、28年ジャズの「道頓堀行進曲」がヒット。29年には阪急百貨店が開業し、四ツ橋に文楽座が落成して、30年の国勢調査を迎える。大大阪時代は色鮮やかな都市文化が花開いた時代だった。

 「7枚セットの国調レコードには、他にもシリーズがあった可能性がある。国調落語があってもおかしくないし、ジャズのヒット曲『道頓堀行進曲』にちなんで『国調行進曲』が作られても不思議ではないと、想像してみるのも楽しい」(大西特別研究員)

 レコード文化黎明期の舞台は、東京だけではなかった。関西でも大正から昭和初期にかけて、多くのレコード会社が点在し、レコードを世に送り出していたという。

 「神戸、京都、大阪、奈良、西宮、尼崎など、関西各地でレコード会社が設立され、さまざまなレコードが録音されていた。芸能による国勢調査啓発活動が関西のレコード文化を背景に実現した半面、関西のレコード産業は経営的には長続きしなかった。大大阪は素晴らしい時代だったが、大阪は過去を大事にしない、過去を振り返らないまちになってしまったのではないか。外国人観光客は安らげる場所を求めて日本へやってくる。文化を大切にするという観点から、大大阪の時代をとらえ直したい」(大西特別研究員)

 はつらつと技芸を競い合う芸能人たち。その多様な「芸能力」を、独自の企画力で活用しようと試みる行政。芸能と行政をつなぐレコード産業。大大阪時代の国勢調査を通じて、活力にあふれ奥行きの深い大阪の姿が浮かび上がってきた。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)

4794名無しさん:2015/11/14(土) 19:02:57
<首都、副首都>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151112-00000006-wordleaf-pol
「副首都」をめぐる考え方 首都・東京はどう見るか
THE PAGE 11月12日(木)18時0分配信

 大阪・橋下徹市長は、先月の新党「おおさか維新の会」立ち上げ会見で、再び「大阪都構想」の実現を目指すと同時に、「副首都」をつくることを打ち出しました。橋下市長は以前から「東京と大阪、2つのエンジンで日本を成長させる」と語り、都構想でも同様の主張をしています。この会見では、新たに副首都という聞き慣れない言葉が飛び出してきました。現在の日本では「首都」の定義は明確になっていませんが、一般的に東京が日本の首都と解されています。東京都は、副首都についてどう見ているのでしょうか?

日本全体の経済活性化
「現段階では、副首都がどのような制度設計になるのかが不透明ですので、東京都が橋下市長の掲げる副首都構想に何かを述べることはありません」

 東京都政策企画局はこう語りました。ただ日本経済の活性化という観点からは大阪が盛り上がることを歓迎します。「東京都は地方都市とも共存共栄を目指しています。橋下市長が提唱する『東京と大阪、2つのエンジン』といった考え方で、日本全体が発展し、経済が活性化することは東京にとってもいいことだと考えています」。

首都機能のバックアップ
 橋下市長の会見でいきなり飛び出したかのような副首都ですが、その発端は阪神大震災までさかのぼります。阪神大震災では大阪・神戸を中心に大きな被害が出ました。大阪・神戸といった大都市が震災で壊滅的な打撃を受けると、都市の機能や経済が一時的に停滞してしまい、食料品の物流機能や電気・ガス・水道といった生活インフラも停止してしまいます。それをきっかけに、混乱が起きます。

 首都直下型地震はいつ発生してもおかしくないといわれています。東京には国会議事堂や霞が関の官庁群などの政治の中枢が集積し、多くの企業が本社を置いています。東京で大震災が起きれば、阪神大震災とは比較にならないレベルの被害や混乱が起きと予想されています。

 そうした想定から、関西圏に一部の首都機能を移転させて東京と同様の機能をもたせればリスクヘッジになる――。一般的に副首都には、災害に備えて首都機能をバックアップするという考え方が根底にあるといえます。

4795名無しさん:2015/11/14(土) 19:03:21
>>4794

近隣の9都県市で連携強化
 こうした首都機能のバックアップという考え方自体は、都も必要なことだと考えており、近隣都県との連携を強化しているといいます。

「東京都は周辺の県や政令指定都市で構成される9都県市で防災力を強化するなど、さまざまな分野で連携しています。これらの県や政令市には国の地方合同庁舎や民間の大規模施設も多く立地し、これらを代替拠点として活用すれば首都機能をバックアップすることは可能です。仮に首都のバックアップ機能を遠方の都市に移転させることになれば、その移転費用は莫大になるでしょう。移転に費用を投じるよりも、国際競争力を高めるために空港機能や三環状道路などインフラを整備し、防災体制を強化することにお金をかける方が有効だと考えています」(同)

 バブル期、東京の地価が高騰したこともあり、政府は“飽和状態”にある東京を少しでも緩和させようと首都移転を検討。国会でも『国会等の移転に関する法律』が成立しました。しかし、具体的に首都移転候補地は選定されることなく、現在に至っています。

 しばらく、首都移転の議論は棚上げされていましたが、東日本大震災が発生してから少し状況は変わっています。国会議員を中心に首都のバックアップ機能を地方都市に持たせようと検討する動きも見られます。首都機能をめぐる動きは果たして国民的な議論になるでしょうか?

(小川裕夫=フリーランスライター)

4796名無しさん:2015/11/21(土) 17:39:09
>>4785

<大都市制度・都市自治体>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000050-mai-pol
<大阪ダブル選>「二重行政」他都市でも
毎日新聞 11月20日(金)13時53分配信

 ◇19政令市長で13市長が「感じる」と回答

 22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選では、府市の類似事業が「無駄な二重行政」なのかも論争の的だ。毎日新聞が大阪市を除く全国19の政令市長と、政令市のある14道府県の知事にアンケートを実施したところ、13市長と5知事が「二重行政を感じる」と答えた。各地で知事と市長が協議の場を設けたり、新たな都市制度の導入を模索する動きが出たりするなど、大都市行政のすみ分けは全国でも課題になっている。

 各知事・市長に質問を送り、今月上旬までに全員から回答を得た。愛知県の大村秀章知事のみ全ての設問で無回答だった。

 「道府県と政令市で二重行政があると感じているか」との質問に、「感じている」と答えた市長は19人のうち13人。横浜市の林文子市長は「私立幼稚園の設置認可や二級河川の管理、医療計画の策定などで存在し、事務・権限が分断されている」と主張。「現行の政令市制度では解決できない」として、権限と財源を市に一元化する「特別自治市」制度の早期創設を訴える。

 これに対し、知事で「二重行政を感じる」と回答したのは5人。静岡県の川勝平太知事は「美術館や文化会館、図書館などで県と静岡市が同一・類似の施設を整備しており、一体運営や集約化で質の高い運営ができる」と指摘。静岡市を三つの特別区に再編する「県都構想」を提案する。だが、静岡市の田辺信宏市長は「目指す方向性は基礎自治体の権限、財源の充実強化」としており、両者の考えは対立している。

 二重行政を話し合いで解決しようとする自治体も目立つ。京都府の山田啓二知事と京都市の門川大作市長は「実務者レベルでも協議を進めてきた」とそろって強調。中小企業への融資や動物愛護センターの設置運営など具体的な連携効果が出ているとした。

 また、政令市長に必要と考える都市制度を尋ねると、10市長が「特別自治市」と明言した。「各政令市の特性に応じた多様な制度を選択できるようにすべきだ」(熊谷俊人・千葉市長)など、地域の実情や独自性を尊重すべきだとした市長も6人いた。来春から導入が可能となり、区長の権限を強化する「総合区」制度については名古屋、新潟両市長が「検討中」とした。

 ダブル選の主な立候補者のうち、大阪維新の会の候補は「府市の二重行政が成長を阻害してきた」として「大阪都構想」への再挑戦を目指す。総合区には否定的な立場だ。

 一方、自民党の推薦候補は「同じような事業があっても全て無駄とは言えない」とし、「大阪戦略調整会議」で協議していくべきだと訴える。総合区は中央、西成両区で先行導入する方針だ。【まとめ・小林慎】

4797とはずがたり:2015/11/22(日) 21:30:29
<大阪ダブル選>「二重行政」他都市でも
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/politics/mainichi-20151120k0000e010256000c.html
11月20日 13:53毎日新聞

 ◇19政令市長で13市長が「感じる」と回答

 22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選では、府市の類似事業が「無駄な二重行政」なのかも論争の的だ。毎日新聞が大阪市を除く全国19の政令市長と、政令市のある14道府県の知事にアンケートを実施したところ、13市長と5知事が「二重行政を感じる」と答えた。各地で知事と市長が協議の場を設けたり、新たな都市制度の導入を模索する動きが出たりするなど、大都市行政のすみ分けは全国でも課題になっている。

 各知事・市長に質問を送り、今月上旬までに全員から回答を得た。愛知県の大村秀章知事のみ全ての設問で無回答だった。

 「道府県と政令市で二重行政があると感じているか」との質問に、「感じている」と答えた市長は19人のうち13人。横浜市の林文子市長は「私立幼稚園の設置認可や二級河川の管理、医療計画の策定などで存在し、事務・権限が分断されている」と主張。「現行の政令市制度では解決できない」として、権限と財源を市に一元化する「特別自治市」制度の早期創設を訴える。

 これに対し、知事で「二重行政を感じる」と回答したのは5人。静岡県の川勝平太知事は「美術館や文化会館、図書館などで県と静岡市が同一・類似の施設を整備しており、一体運営や集約化で質の高い運営ができる」と指摘。静岡市を三つの特別区に再編する「県都構想」を提案する。だが、静岡市の田辺信宏市長は「目指す方向性は基礎自治体の権限、財源の充実強化」としており、両者の考えは対立している。

 二重行政を話し合いで解決しようとする自治体も目立つ。京都府の山田啓二知事と京都市の門川大作市長は「実務者レベルでも協議を進めてきた」とそろって強調。中小企業への融資や動物愛護センターの設置運営など具体的な連携効果が出ているとした。

 また、政令市長に必要と考える都市制度を尋ねると、10市長が「特別自治市」と明言した。「各政令市の特性に応じた多様な制度を選択できるようにすべきだ」(熊谷俊人・千葉市長)など、地域の実情や独自性を尊重すべきだとした市長も6人いた。来春から導入が可能となり、区長の権限を強化する「総合区」制度については名古屋、新潟両市長が「検討中」とした。

 ダブル選の主な立候補者のうち、大阪維新の会の候補は「府市の二重行政が成長を阻害してきた」として「大阪都構想」への再挑戦を目指す。総合区には否定的な立場だ。

 一方、自民党の推薦候補は「同じような事業があっても全て無駄とは言えない」とし、「大阪戦略調整会議」で協議していくべきだと訴える。総合区は中央、西成両区で先行導入する方針だ。【まとめ・小林慎】

4798とはずがたり:2015/11/23(月) 21:26:14
10年以上放置された駅前に、年間80万人
オガールプロジェクト(1) 公ができなかったから民がやる
http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20150216/435677/
黒田 隆明【2015.2.18】

4799とはずがたり:2015/11/26(木) 19:30:04
<近畿・東海>三重県名張市・奈良県山添村葛尾

>この事件の舞台は「三重県名張市」となっているが、一部は奈良県山添村にかかっていることだ。事件の起きた集落は、二つの県にまたがっていた
調べると葛尾http://map.goo.ne.jp/map/latlon/E136.3.52.875N34.38.58.667/zoom/8/と云う聚落らしい。

事件は三奈の会という集まりで起きたそうだが三重と奈良に分かれたけどと云うことのようだ。
http://wiki.chakuriki.net/index.php/%E5%90%8D%E5%BC%B5%E5%B8%82
名張事件も謎ではあるけど葛尾が分かれた理由も知りたい所。

まあそれは兎も角俺もゴルフ場は農薬まみれで宜しくない施設だとは今でも思っている。農薬散布量減ったと云ってもどの位なんだろうねぇ。。

名張毒ぶどう酒事件とゴルフ場建設反対運動
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20151006-00050189/
田中淳夫 | 森林ジャーナリスト
2015年10月6日 11時8分配信

10月4日、名張毒ぶどう酒事件の「犯人」とされた奥西優が、43年にわたって確定死刑囚のまま収監され続けていたが、執行されることなく89歳で死亡した。

この事件では、集落の宴会で女性用に出されたぶどう酒に、農薬が混入されて5人が亡くなっている。だが奥西死刑囚には、常に冤罪の疑いが語られ、また再審請求も繰り返され続ける特異な経緯をたどる。
彼の死によって事件を振り返る報道が多くされたので、ここでは深く語らない。ただ以前、現役裁判官にこの事件を振った際に、概要も知らなかったのに驚いたことがある。それほど歴史の彼方になっていたのか、と思った次第だ。

ここでは事件から私が連想した、まったく別の話をしたい。
まず知っていただきたいのは、この事件の舞台は「三重県名張市」となっているが、一部は奈良県山添村にかかっていることだ。事件の起きた集落は、二つの県にまたがっていた。そして山添村と言えば、別の事象で有名になったことがあるのだ。

毒ぶどう酒事件では5人の死者のほかにも12人の女性がぶどう酒を飲んで急性中毒を起こしている。その中には妊婦もいた。
幸い彼女はお腹の子供とともに無事助かった。しかし、この事件が元で彼女の家族は農薬の毒性の恐ろしさを知る。そのため農家であったが、農薬に対する強烈な拒否反応を持つようになった。彼女の夫・浜田耕作さんはその後有機無農薬栽培に切り替え、米作と養鶏を組み合わせた農業に取り組んだ。また生まれた子供たちが健康に育つように玄米菜食を実行した。

4800とはずがたり:2015/11/26(木) 19:30:28
>>4799-4800
この家族の生活が一変するのは、成長して大学生になった長男が村内にあるグリーンハイランドカントリー倶楽部にアルバイトをするようになってからだ。彼は、そこで大量の農薬を目にした。それは芝生の病害虫対策として散布されていた。
これを聞いた浜田さんは、猛然とゴルフ場反対運動に取り組み始める。毒ぶどう酒事件に端を発した農薬への恐れがゴルフ場へとむけられたのだ。

それまで村内には3つのゴルフ場があり、もう一つ建設中だった。とくに反対運動はなかった。むしろ雇用の場などを提供してくれる「緑の企業」として歓迎されていたそうだ。
だが、さらに2つのゴルフ場建設計画が進んでいた。その一つは、浜田さんの地所と隣接していたという。しかもゴルフ場の位置するのは、村の水源地に当たる。そのため大量の農薬散布と水源地の破壊を理由にゴルフ場反対運動を起こしたのだ。

それは全国でくすぶっていたゴルフ場建設反対の機運に火をつけた。呼応するゴルフ場計画地に関わる人々や運動家、そして研究者たちが山添村に集まった。農薬というキーワードは、漠然と抱かれていたゴルフ場に対する反感に火をつけた。山添村に続け、が合い言葉となった。かくして山添村は、ゴルフ場反対運動のメッカとなったのだ。

その後、山添村には建設中だった一つのゴルフ場ができて4つになったが、計画されていた2つは建設が止まり、事実上の中止となった。

私自身は、一つの村に6つもゴルフ場があるのはあまりにも多すぎるから、反対運動が起きたのも仕方ないと思っている。また当時のゴルフ場が農薬を大量散布していたのも事実だろう。
ただ、農業も農薬を大量に使っていた時代である。農家がゴルフ場建設の反対理由に農薬を持ち出すのはどうも納得が行かなかった。しかし、毒ぶどう酒事件が農薬に対する強烈な忌避感を生み出していたとしたら……。

ゴルフ場=農薬まみれというイメージが定着した裏に、こんな事情があったことは頭の片隅に置いておいてほしい。

ちなみに現在のゴルフ場の農薬使用量は、当時の10分の1以下まで減ったといわれる。いまや農地より少ないと言われるほどだ。場内を調査すると、絶滅危惧種の動植物がたくさん見つかり、里山の自然の隠れ家になっているという指摘もある。一方でゴルフ人口は減り続け、余剰ゴルフ場は全国に500を越えるといい、リストラが課題になっている。

……なんとも不思議な因果である。

4801とはずがたり:2015/11/30(月) 13:59:46
<近畿>京都府相楽郡

精華って名前が人工的で気に喰わなかったけど中学校由来だったとわ。
因みに相楽は「そうらく」で,「さがら」と云う訓みもあるだが「さがなか」と訓む地名もあり不思議に思ってたが神社由来だそうな。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E8%8F%AF%E7%94%BA%E7%AB%8B%E7%B2%BE%E8%8F%AF%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1
精華高等小学校[編集]
1896年(明治29年)、狛田村・稲田村・祝園村・山田荘村・相楽村組合立精華高等小学校が開校した。「精華」は教育勅語の「国体の精華」(日本の国の最も美しい美点)という一節からとられた。尋常小学校卒業後、村を出ずに進学できる精華高等小学校は地域に歓迎された。しかし、校舎の建て替え経費の問題もあり、1920年(大正9年)、組合は分離・解散し、精華高等小学校は閉校している。
精華中学校の創立[編集]
戦後の学制改革により、新制中学校が設立されることとなった。地域にあって、家から通う新制中学校は、戦前の精華高等小学校を連想させた。村の中心的世代である40代、50代の多くが精華高等小学校卒であり、二度目の組合設立の大きな牽引力となった。それに、組合は川西村・山田荘村・相楽村の3村で組むことになり、精華高等小学校と同じ範囲であったため、新制中学校は「精華」の名前を継承することとなった。戦後の学制改革により、学校教育を律するのは戦前の教育勅語から日本国憲法と教育基本法に変わったが、「精華」と言えば、かつて地域の村々が協力し、共同で運営した学校の名前であったため、新制中学校にも採用されることとなった。
1949年2月、京都府自治制度調査委員会によって出された町村合併の試案によると、相楽郡の合併の組み合わせはいずれも新制中学校の区域に基づいたものであった。相楽郡北西部では精華中学校の区域である川西村・山田荘村・相楽村の3村の合併が検討された。最終的に相楽村は木津町との合併を決定し、川西村・山田荘村の2村合併となったが、ともに精華中学校を運営している仲間の村々ということが強く意識され、1951年4月、精華中学校の名を由来とする精華村が誕生することとなった。それに伴い、組合立精華中学校は精華村立精華中学校へ改称し、木津町と合併した相楽村の生徒は木津中学校へ通うこととなった。

〈相楽〉地名と神社、同じなのに違う読み
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/121220/wlf12122011010011-n1.htm
2012.12.20 11:00 (1/2ページ)[難読地名辞典]
 京都府木津川市にあるJR片町線(学研都市線)西木津駅から南西に数分歩いたところに、相楽神社がある。同市が木津町など相楽郡3町の合併で発足し、現在も同郡に精華町などが残ることから、郡の今の呼び名である「そうらく」神社だと思っていた。(篠田丈晴)

 だが、大いなる思い込みだった。「さがなか」と呼ぶ。神社名もさることながら、所在地は相楽清水(さがなかしみず)で、近くにある新興住宅地「相楽台」も「さがなかだい」なのである。言い訳になってしまうが、平城・相楽(へいじょう・そうらく)ニュータウンのイメージがあまりにも強かった。郡の呼称だけ「そうらく」なのだ。

 それでは、「さがなか」の語源は何か。真偽はともかくとして、古事記や日本書紀に興味深い説が述べられている。

 垂仁天皇の后に召された丹波道主(たんばのみちぬし)の4人の娘のうち、美しくないとの理由で都から国に送還された円野比売命(まどのひめのみひと)がそれを恥じ、途中の「山代国之相楽」で木の枝に取り懸(か)かって首をつって自殺しようとした。それで、そこを名付けて懸木(さがりき)といった。のちに、「さがらか」「さがなか」と訛(なま)ったのだという。

 さて、相楽神社である。創立の時期は定かではないが、江戸時代までは八幡神社と呼ばれていた。だが、明治10年に『延喜式』神名帳に相楽郡一座「相楽(さからかの)神社」と明記されていることがわかったため、社名を改めた。室町時代初期に造営された本殿は国の重要文化財である。

 また、同神社から西北に数分歩くと、藤原百川(ももかわ)公墓がある。平安遷都を成し遂げた桓武天皇の擁立に尽くした藤原式家の百川の墓と伝わる小さな塚だ。夫人とともに葬られたとされ、桜の木に囲まれて2つ並んでいる。

4802とはずがたり:2015/12/01(火) 13:43:29
膨大で転載挫折してたが非常に示唆深い。再び転載に挑戦。

この記事に関しては都道府県という区分には正統性がないと思っている(俺の卒論の背後のテーマでもあった)けど木下さんも指摘していて心強い。

>都道府県も市町村も国の出先も、「補助金をもらっていない民間団体の取り組みについて知らない」という現実です。

>ある意味で、おカネをもらいにくる民間とは接点があるものの、補助金もらわずに成果を収めているような地域での本当の取り組みの人たちとは、接点がないのです。

>何より問題なのは、「失敗した情報」は伝わらない、ということです。当然伝える側は自分たちが損する情報など、上にはあげるはずがありません。…結局のところは、都合の良い補助金を使って、なんとなく成果が生まれたような感じのところを、事例にまとめるしかないわけです。

安倍首相の地方創生は、すでに失敗している
明治維新以来の「伝言ゲーム」が地方を滅ぼす
http://toyokeizai.net/articles/-/55351
木下 斉 :まちビジネス事業家 2014年12月09日

地方創生は安倍政権の大きなテーマですが、別に安倍政権とは関係なく、みなさんも素朴な疑問をお持ちではありませんか?そもそも、これまでも歴代の政権はいろいろな地域活性策を打ってきたはずですが、なぜこうした活性策は、ことごとく失敗してきたのでしょうか。

ひとことでいえば、時代に合わなくなった昔の組織を温存したうえで、政策を実行しているからです。つまり、インターネットも高速道路も新幹線もなかった時代、明治維新政府が樹立したような都道府県・市町村というツリー構造を温存したまま、情報を集めて、その情報をもとに政策を立てて、都道府県・市町村を経て民間に実践させるからです。

このような旧来型の組織構造では、問題が次から次へと加速度的に細分化して深刻化する今の時代には、課題解決を図るのは不可能です。

都道府県単位での社会構造は、すでに崩壊している

私は県庁所在地を「明治維新利権」と冗談で言っています。というのも、各都道府県単位に行政拠点をおいて、それぞれを管理する仕掛けは、事実上崩壊しようとしているからです。

従来は、その都道府県ごとに置かれた県庁所在地に、官庁だけでなく、都道府県単位での民間企業の支店やら営業所やらの中枢が置かれ営業活動をしていました。つまり、行政も産業もそこに集まり、名実ともに県庁所在地がその都道府県の中心部であるという時代がありました。

しかし、これも1970年以降は中心部にあった県庁や市役所も郊外に移転、さらに新幹線と高速道路が開通したことで「民間企業の支店などは複数都道府県で1つずつ」、といった形で統廃合されています。もはや、「都道府県単位でうんぬん」というのは事実上、地域をコントロールできるわけでも、地域の中心部であるわけでもなくなってしまっています。

例えば、山形市は完全に高速道路によって仙台市に組み込まれてしまっていて、行政拠点の近くに民間が47都道府県全部に支店や営業所を置くという時代は、すでに終焉を迎えています。新幹線によって、これは東北全域に見られ、ますます影響は強まるばかりです。

東北だけの話ではありません。こうした構造は、九州であれば福岡市に、中部であれば名古屋市にと、業務機能から商圏さえもどんどん統合されていっています。国の出先機関さえ北海道、東北、関東甲信越、中部などで1つずつなのですから、実質的に都道府県ごとでできることは、どんどん少なくなってきています。

さらに、インターネットの登場によって、今度はこのような都道府県の事実上の経済圏統廃合が加速しているわけですから、いつまでも昔の構造を国が踏襲して施策を打ち込んでも、無理があるわけです。

情報収集でも「三重苦」、正確な政策立案は不可能

無理というのは、情報を集めるうえでも、事業を実行するうえでも、両方の意味でです。

地域活性化の情報を集めるのにあたって、ほとんどの場合、活性化事業で成果をあげているのは民間です。すると国は、都道府県や国の出先機関に「地方にいい事例はないか」と聞きます。都道府県は市町村に聞いて、市町村は普段から補助金を出している地元の民間団体に聞き取りに回ったりします。

4803とはずがたり:2015/12/01(火) 13:43:58
>>4802-4803
国の出先機関も、過去の補助金支給実績のある民間団体に聞いて回ります。こうして集まった情報を、今度は上(都道府県や、国)に戻していくわけです。

ここで3つの問題があります。

まず1つは、こんな伝言ゲームをしていたら、伝わる情報も伝わらない、という話です。しかも毎度、実践者ではない役人のフィルターが入りますから、事例の概要や分析について、偏りがどんどん生まれていってしまいます。それが2度、3度と重なっていくわけですから、上に行く頃には・・書いているだけで、うまくいかないのがよくわかりますよね。

「え、それって間違いでしょ」という事例紹介が普通に行われていたりするわけです。まあ、本人は見たことも聞いたこともないことを、人から聞いた情報だけで政策の資料にするわけですから、当たり前です。

もう1つの問題は、都道府県も市町村も国の出先も、「補助金をもらっていない民間団体の取り組みについて知らない」という現実です。

実際に、「商店街での成功事例◯◯選」といったものを国が企画してやった時も、都道府県・市町村・国の出先機関などが調べて行ったのですが、驚くほどに、補助金をもらっている取り組みばかりでした。ある意味で、おカネをもらいにくる民間とは接点があるものの、補助金もらわずに成果を収めているような地域での本当の取り組みの人たちとは、接点がないのです。

そして3つめ、何より問題なのは、「失敗した情報」は伝わらない、ということです。当然伝える側は自分たちが損する情報など、上にはあげるはずがありません。民間も、市町村も、都道府県も、国の出先機関だって当たり前です。結局のところは、都合の良い補助金を使って、なんとなく成果が生まれたような感じのところを、事例にまとめるしかないわけです。

事実、今年の9月9日、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」が、今までの地域再生関連政策の総括を求める安倍総理の指示に基づいて、各省庁に失敗事例について聴取すると、過去の政策の失敗を告白したところは「ゼロ」であったといいます。

つまり、どの省庁も「どれも失敗していなかった」と解答したわけです。「これは失敗作でしたということは言いにくい」と石破地方創生相も認めていますが、このように、都合の悪い情報は集まらず、都合のよい情報ばかりが集まってしまうわけです。

こうしたなか、今年、私たちのエリア・イノベーション・アライアンスで過去の中心市街地活性化における失敗事例をまとめた『あのまち、このまち失敗事例集?「墓標シリーズ」』http://areaia.jp/item/aia_text/review_mook-995.phpは大変な反響を得ました。

中でも驚いたのは、財務省主計局の主計官が私たちのレポートを読んで、「自分たちのつけていた予算が、このようなことになっていたとは知らなかった」と話していたことです。もう明治維新以降の都道府県・市町村・国の出先構造では、地方の実態は霞ヶ関には届かず、正確な政策立案は不可能であることを痛感させられた時でした。

旧来の枠組みで考えず、民間の取り組みから考えよ

こんな状況で作られた政策に乗っかったらどうなるかは、いうまでもありません。

地方再生政策が軒並み失敗してきた背景には、上述のように、個別の事業内容が悪い云々以前に、もはや国からの伝言ゲームをベースにした構造で政策が作られ、さらに上から下へと予算が流される形で成果を残すなんてこと自体が、「無理じゃないのー?」ということなのです。

実は、地域での取り組みは、民間が、農業、林業、漁業、地方の中心部の再生などを含め、さまざまな分野で新しい仕掛けを始めて、成果を収めてきています。これを政策に活かすためには、直接的に国が地方事業に手をいれるのか、もしくは地方が自由に事業に取り組む権限を与えるほかないと思います。

「まち・ひと・しごと創生法」にかかれているような、国による基本戦略、都道府県による基本戦略、市町村による基本戦略のような流れ作業では、もう事態は改善しません。

今回の地域創生は、まずは、この構造での情報収集、事業実施から離れて、戦略や事業実施を先進的な民間の取り組みに基づいて考えなおす、いいタイミングであると思います。

4804とはずがたり:2015/12/01(火) 13:49:58
親譲りの口先野郎め,云うだけなら誰も(利権まみれの自民党議員の大半は云えもしないんだけど)云えるし与党内にいるんだからちゃんと実行せえ。

小泉進次郎政務官は、ハードボイルドだ!
補助金に頼らない、本物の地方創生とは?
http://toyokeizai.net/articles/-/48985
ぐっちーさん :投資銀行家

…(小泉進次郎政務官が)地方創生担当の内閣府大臣政務官として、われわれがやっている「オガールプロジェクト」をぜひ見たい、ということで、9月24日に岩手県紫波(しわ)町にお越しになったのです(筆者はプロジェクトの金融アドバイザー)。

補助金一切使わず、1年目から税金を納め大成功

われわれのやっているオガールプロジェクトは、補助金を一切使わず、すべてリスクマネー(株式)と民間ファイナンスで調達をし、地代も紫波町に払い、固定資産税も払い、さらに公共物である図書館の経営をまかなった上で利益を出し、1年目から税金を納めているという目覚ましい成果になっています。

日本中でこれをやれば、補助金を一切使わずに地方に雇用を生み(オガールだけで100人の雇用を生みました)、さらに納税額も増えるというまさに夢のような話なのですが、この補助金を使わない、という点が多くの国会議員の方にはひっかかるようで、実はそこをよく無視されるのです。

しかし民間ではあたりまえのこういう話、つまり人に頼らず、身銭を切ってリスクをとって事業を進めるということこそが、ソリューションであるにもかかわらず、どうも地方では何でもとにかく補助金をもらえばそれでいい、ということがまかり通るのです。

国会議員にしてみると、それで地方の有力者が手なずけられ、票が固められるならそもそも自分の金ではないし、たやすいものであり、そこには妙な「ギブアンドテーク」といいますか、「魚心あれば水心」的な日本独特の妙な助け合いが存在する、というのが地方における現実なのです。

考えてみると、元をただせばこれはわれわれの税金なのですから、こんな使い方をされてはたまらないのですが、今再び、これをやろうとしているのが現実です。

小泉政務官が紫波町に視察に来ることになったワケ

特に東北地方は、震災復興と言いさえすれば補助金が付く、という傾向があるために、ワタクシの眼から見ると全く必要がない無駄な事業に補助金が投入され、本当に必要な所に全くお金がいっていない、という矛盾だらけのことが普通におきてしまうのです。

しかし、これだけ政府債務が巨額になっており、しかも過去50年にわたり巨額の地方バラマキをやったあげく、その時に作ったハコモノの維持管理費に耐えられず地方自治体が倒産に瀕している、なんて場所が日本全国にそこらじゅうあるわけです。そして、結局地方再生どころか、地方から都市への人口流出は未だに止まっていないのです。

4805とはずがたり:2015/12/01(火) 13:50:16
>>4804-4805
効果があればまだしも、今までのバラマキを今回も続けたところで、何ら効果が上がらないことは、既に何年にもわたって実証されてきていることで、それを続けることは単なる税金の無駄遣いになることがはっきりしています。にもかかわらず、そんな過去を忘れて、また地方にバラマキをしようとしているという現政権の姿勢には、ほとほと呆れてしまうのです。

そこに今回地方創生担当の政務官になられた小泉氏がお越しになることになったわけです。われわれの、「これまでのバラマキを繰り返してはならない」という危惧と、実際に起きている紫波の実績が小泉政務官にわかって頂けるかどうか、かなりガチな議論となったわけです。

言いたいことをはっきり言う、ハードボイルド政治家

…彼は、ほぼ毎週、復興担当政務官としても、被災地をまわり(この日も紫波町をあとにし、そのまま同県の釜石に向かいました)、それでも週末は地元の横須賀に帰って活動をするというのですから大したもんでしょう。
そしてわれわれのディスカッションが終わった後、小泉政務官がおっしゃった話は結構すごい内容でした。地方創生政務官としてはかなり踏み込んだ発言をしたのではないかと思うのです。

要約しますと・・・

「日本全国すべての地方が、これからの時代生きていけるとは思っていない。生きようと行動する地方は生き続ける。そして、生きようと行動すれば必ず規制にぶつかる。何もしないところは規制にぶつかることすらない。われわれができることは、その規制を取っ払うこと。学校が廃校になっても、補助金で建てられたからといって、自由に使えないという規制がある。廃校を転用すれば、税収が上がる可能性があるのに、逆に税金で維持している。そんな建前だけの規制を取っ払うのが我々の仕事であると強く認識した」

みなさまいかがですか?

これまでの自民党にはいなかったタイプの政治家だと思われませんか??われわれは、別に自民党の支持基盤でもなんでもありません。ただ、たくさんの政治家とお話をしてみて、こういう話をする政治家はいなかったな、とつくづく思うのです。まして地方創生担当の政務官という立場になると、なかなかここまでは言えません。

そうなのです。投資は民間で十分できるのであり、国に頼る必要はそもそもない。ホントに必要があるとするとそれは、地方創生ではなく、弱者を救う社会保障なのです。

そこを勘違いしている人が多すぎるわけですね。そしてばらまくことが地方経済活性化の対策だ、なんて勘違いしている政治家がそこらじゅうにいます。実際「アンチ自民党」で政権を取ったはずの民主党に、そういう政治家が多くいたのにはびっくりしたのですが、それが現実だったわけです。

政治家が本当にできることとは?

しかし小泉氏が言うように、政治家が本当に力を発揮できるのはばらまきではなく、まさに改革が必要な時に、それを邪魔をする古い規制をとっぱらうことであり、こればっかりは、つまり規制を撤廃することは民間にはできません。

繰り返しますが、投資は民間でいくらでもできますが、規制撤廃は政治家にしかできない。そしてまさにそのさまざまな規制こそが、地方再生の障害になっている、ということを何度も申し上げてきたわけです。…

4806とはずがたり:2015/12/01(火) 14:00:00

>「税収が減ったから、公共施設を減らしていく」。これは、成熟化や人口減少で税収の伸びが見込めない地方自治体などからすれば、一見すると、まともな意見です。…(しかし)昨今、求められているのは、単に収入に基づいて公共施設を減らすことだけではありません。むしろ、「何でもかんでも税金で」という前提に囚われている、公共施設のあり方自体を、変えてしまうことであったりします。

>オガールプロジェクトをすすめるにあたっての大前提は、「行政にお金がないなら、民間開発に切り替えて、金融機関から資金調達して公共施設と民間施設両方の開発を進める」という方針です。紫波町の行政・民間の協働チームはあきらめずにプロジェクトと向き合います。民間金融機関から資金調達をするためには、「貸したカネが金利をつけて返ってくる」「投資した案件が、継続的な仕組みで稼いでくれる」という見込みがなければ、出してくれません。知恵を絞って、従来の発想から抜け出た斬新な図書館をつくることになり、「年間でのべ10万人以上は訪れてくれる」という仮説を立てました。図書館は公共性のある施設ですが、民間的な視点からすれば「大きな集客装置」と見立てることができる、と発想を転換したのです。年間10万人以上がやってくる施設の内部に店を出せるのであれば、出したい人はいます。それなら、主要施設部分である図書館は無償で開放しつつ、そこを訪れる人達に、カフェやクリニックや生鮮食品の販売をする民間テナントから家賃や管理費を集めて、そこで稼ごうと考えたわけです。

>多くの自治体で「公共施設」と「民間施設」を一緒に建てる開発は行われています。しかし、そのほとんどが失敗しています。これはひとことでいえば、公共施設開発の手法を用いて、民間施設を一緒に建ててしまうからです。「マーケットの厳しい目」のチェックを事前に受けるほうが、「プロジェクトの持続可能性」を見るうえで、極めてまともな現実的な問題と向き合うことになるわけです。「儲け主義」うんぬんではありません。むしろ、返済可能な施設というものは、財源が減少していく地方にこそ、求められる重要な客観的評価です。

>オガールプラザは、金融機関からの投融資を決めるため、開発前にテナント募集の営業をするのに、実に18カ月もの時間をかけています。すべてのテナントが決まるまで、開発はできなかったからです。ただし、その結果として、貸し出す床面積すべてのテナントを、事前にすべて確定できました。さらに、実は重要な見直しも行っています。当初の基本設計が過大であると判断し、計画の途中で当初の「鉄筋コンクリート造3階建て」の施設を取りやめ、より安価に建設できる木造2階建てに変更しました。こうした計画の途中での抜本的変更などは、従来の行政主導型の開発では、事実上極めて難しいのです。

>公と民が協力する図書館と言えば、最近では、佐賀県・武雄市の「武雄市図書館」(蔦屋書店?武雄市図書館)が有名です。同図書館は、武雄市がCCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)に指定管理委託をして(つまりお金を払って)図書館を運営しています。しかし紫波町の「オガールプラザ」は「その先」を行っています。つまり、民間企業であるオガールプラザの運営会社と入居テナントが、紫波町に家賃や固定資産税などを逆に支払っているのです。紫波町からオガールプラザへは、一切の委託料や補助金などは出ていません。

リアルな地方創生は、補助金に頼らない
小泉進次郎も絶賛した、岩手のオガールとは
http://toyokeizai.net/articles/-/56603
木下 斉 :まちビジネス事業家 2014年12月24日

前回(12月9日)のコラム「安倍首相の地方創生は、すでに失敗している」(〜明治維新以来の「伝言ゲーム」が地方を滅ぼす〜)>>4802-4803には、かなり大きな反響がありました。「従来の組織を温存したままで実行する地方活性策は、うまくいかない」「民間に任せよ」ということを指摘したわけですが、問題意識をもっておられる現場の方々などからも、「言いたかったことを言ってくれた」というお話を、多数頂戴しました。

では、「従来の組織」にとらわれず、「新しい発想や仕組み」で「民間に任せている」、地方創生のリアルな現場はないのか。実はあるのです。代表的なのが、私も参画している岩手・紫波(しわ)町の「オガールプロジェクト」(参考記事「小泉進次郎政務官は、ハードボイルドだ!〜補助金に頼らない、本物の地方創生とは?)>>4804-4805なのですが、今回はこのオガールを題材に、読者のみなさんと考えていきたいと思います。

公共施設は、すべて税金で作らなければダメなのか?

「税収が減ったから、公共施設を減らしていく」。これは、成熟化や人口減少で税収の伸びが見込めない地方自治体などからすれば、一見すると、まともな意見です。

4807とはずがたり:2015/12/01(火) 14:00:28
実は、こうした発想は「公共施設はすべて税金で作り、税金で維持しなくてはならない」、という前提にたっています。しかし、人口が減り、地方内需も細っていく昨今、求められているのは、単に収入に基づいて公共施設を減らすことだけではありません。むしろ、「何でもかんでも税金で」という前提に囚われている、公共施設のあり方自体を、変えてしまうことであったりします。

実は、そんなことをやってのけてしまったのが、岩手県の紫波町なのです。東京から新幹線と在来線で3時間ほど。人口は約3.4万人。盛岡市と花巻市に挟まれた、農業が主力産業の小さな小さな町です。

紫波町はもともと財政基盤が脆弱だったにもかかわらず、1997年にさまざまな公共施設と住宅を集約するため、町の中心部の駅(紫波中央駅)前の土地11.7ヘクタールの駅前を、28.5億円もの大金をかけて購入します。

しかし、あとから振り返ると、この年が税収のピークでした。翌年からは減収となってしまい、開発計画がすべて頓挫してしまいます。つまり土地を買ったら、建てようと思っていた施設建設の予算がなくなった、というまったく笑えない状況に陥ったわけです。そして、その土地は開発できずに、日本で最も費用がかかる高い「雪捨て場」として、10年来活用されていました。しかもこれを決定した町長は選挙で負けて退陣してしまいます。

この状況だけ見たら、もはや誰でも諦めてしまいそうな悪夢のような話です。万事休す、です。

しかし、このあとに就任した町長(藤原孝町長、当時)をはじめ、関係者は諦めませんでした。購入したその土地を「役所が開発するのを諦め、民間に任せて開発することを、公民連携事業として推進する」という決断をし、紫波町公民連携基本計画を策定。そのプロジェクト名は「オガールプロジェクト」と名づけられました。すなわち、塩漬け同然で雪捨て場だった土地を、カフェやマルシェ(市場)、子育て支援施設、図書館、運動場、ホテル、さらには先進的なエコ住宅の分譲までを行うという、一大再生プロジェクトです。この公民連携の考え方は、2014年2月に就任した熊谷泉・現町長や、職員の皆さんに共有されています。

「民に任せる?」「行政の仕事放棄だ!」当初は非難続出

オガールプロジェクトをすすめるにあたっての大前提は、「行政にお金がないなら、民間開発に切り替えて、金融機関から資金調達して公共施設と民間施設両方の開発を進める」という方針です。

しかし「そんな開発形式は聞いたことがない」、地元からは「行政がやるべきことを放棄した」「そんなうまい話は無理だ」、といった反対論が続々と出てきました。

紫波町の行政・民間の協働チームはあきらめずにプロジェクトと向き合います。民間金融機関から資金調達をするためには、「貸したカネが金利をつけて返ってくる」「投資した案件が、継続的な仕組みで稼いでくれる」という見込みがなければ、出してくれません。

前出のように、紫波町は人口3.4万人にすぎません。しかし、プロジェクトを進めるにあたっては、発想の転換がありました。その象徴がプロジェクトの中核施設「オガールプラザ」にある図書館です。

知恵を絞って、従来の発想から抜け出た斬新な図書館をつくることになり、「年間でのべ10万人以上は訪れてくれる」という仮説を立てました。

ここからが大事です。図書館は公共性のある施設ですが、民間的な視点からすれば「大きな集客装置」と見立てることができる、と発想を転換したのです。

誰も来ないような立地には店を出したくないですが、年間10万人以上がやってくる施設の内部に店を出せるのであれば、出したい人はいます。それなら、主要施設部分である図書館は無償で開放しつつ、そこを訪れる人達に、カフェやクリニックや生鮮食品の販売をする民間テナントから家賃や管理費を集めて、そこで稼ごうと考えたわけです。

こうして、図書館を中心とした情報交流館(中央棟)と、サンドイッチするように民間事業棟(東棟・西棟)がくっついた、一体的な公民合築施設「オガールプラザ」のモデルが開発されました。オガールプロジェクトの中核をなす施設ですが、プロジェクトの全体は、まだまだ奥行きのある話なので、別の機会にまたご紹介をしたいと思います。

なぜ自治体主導で施設を開発すると、失敗するのか

ここまで「オガールプラザ」の話を書いてきましたが、これまでも、多くの自治体で「公共施設」と「民間施設」を一緒に建てる開発は行われています。しかし、そのほとんどが失敗しています。これはひとことでいえば、公共施設開発の手法を用いて、民間施設を一緒に建ててしまうからです。

4808とはずがたり:2015/12/01(火) 14:00:54
>>4806-4808
どういうことでしょうか?例えば、自治体と政府による開発と、民間と金融機関などによる開発には違いがあります。この違いは、とても重要です。

皮肉なことに、「マーケットの厳しい目」のチェックを事前に受けるほうが、「プロジェクトの持続可能性」を見るうえで、極めてまともな現実的な問題と向き合うことになるわけです。「儲け主義」うんぬんではありません。むしろ、返済可能な施設というものは、建設費の捻出さえ難しく、維持費にかけられる財源が減少していく地方にこそ、求められる重要な客観的評価です。

本当は行政のほうが持続可能性と向き合わなくてはならないはずが、従来の自治体・政府の手法では、「開発できる予算さえあれば、作ってしまう」わけです。もちろん、すべて民間資金でできるとは言いませんが、施設全体のあり方を考えるうえで、最初に「厳しい現実」と向き合ったほうが良いのではないでしょうか。

オガールプラザは、金融機関からの投融資を決めるため、開発前にテナント募集の営業をするのに、実に18カ月もの時間をかけています。すべてのテナントが決まるまで、開発はできなかったからです。ただし、その結果として、貸し出す床面積すべてのテナントを、事前にすべて確定できました。

さらに、実は重要な見直しも行っています。当初の基本設計が過大であると判断し、計画の途中で当初の「鉄筋コンクリート造3階建て」の施設を取りやめ、より安価に建設できる木造2階建てに変更しました。

これで圧倒的に建設費が抑制できるようになり、結果的に図書館部分についても、役所が主体で建てる標準的なプランよりは数億円も安くなりました。

こうした計画の途中での抜本的変更などは、従来の行政主導型の開発では、事実上極めて難しいのです。

武雄市とは真逆の、オガールの図書館の発想

今回は、「オガールプロジェクト」の中核をなす「オガールプラザ」にある、図書館の話を中心にしてきましたが、公と民が協力する図書館と言えば、最近では、佐賀県・武雄市の「武雄市図書館」(蔦屋書店?武雄市図書館)が有名です。同図書館は、武雄市がCCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)に指定管理委託をして(つまりお金を払って)図書館を運営しています。

しかし紫波町の「オガールプラザ」は「その先」を行っています。つまり、民間企業であるオガールプラザの運営会社と入居テナントが、紫波町に家賃や固定資産税などを逆に支払っているのです。紫波町からオガールプラザへは、一切の委託料や補助金などは出ていません。

オガールプラザに入居した民間テナントである、カフェや居酒屋、マルシェや学習塾、クリニックなどでは多数の雇用が生まれています。さらに紫波町図書館は安価に建設された図書館ですが、当初の計画を大きく越えて年間10万人ではなく、30万人を超える人が来館し、巨額の開発予算を投じた盛岡駅前の県立図書館に引けをとらない貸出冊数を誇るようになっています。

地元の主力産業である農業関連の書籍のラインナップも素晴らしく、図書館内では勉強会も頻繁に行われています。中高校生も多く来館して、夕方にはフリースペースを使っています。従来は利用を「吸い取られていた」、盛岡市や花巻市からさえも、逆に利用登録をもらえるようになりました。

これは、地元の民間人が高い「パブリックマインド」をもち、町長はじめ議会も民間を信頼し、さらに自治体職員が手続きを含めて自治体法務と向き合って結実したプロジェクトだからこそできた成果と言えます。

地方創生を考えるとき、「地方は弱っているから、政治や行政の力でどうにかしてもらおう」といった話が出てきがちです。しかし、それではうまくいかない、というのがこれまでの地域再生政策の結果だと思います。単に助けてもらうのでは、再生はないのです。

何より、いつまでも国から地方へと権限移譲などといって、「主導権」と「税金」を奪い合ったりしているのは、もう諦めたほうがよいように思います。むしろ、地方で民間が金融機関と向き合い、知恵を絞って「公共施設や経済開発をセットにした、新たなプロジェクトを開発する」ほうが、よほど可能性があるということです。

4809とはずがたり:2015/12/01(火) 14:08:01
>では、なぜ補助金をもらうと、地方に活力が生まれないのでしょうか。タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。

>たとえば商店街が、国の予算などを使って大手代理店などに外注して、格好のいいポスターをつくってもらったり、大規模なイベントをやったところで、一度やったらもう終わりです。しかも、その予算は地方雇用の代理店の社員の「給与の足し」になり、利益は東京にもっていかれるだけです。

地方の為みたいな顔してばらまきして本当は東京が甘い汁吸う為にやってんだな。

>逆に言えば、すべてとは言わないまでも「利益を出せないような活性化事業は、すべて止めてしまう」くらいの、思い切った意思決定が必要なのです。

>民間主体で利益と向き合わないと、出口はない。しかし、普通に儲けが出るのであれば、税金をもらってまで、活性化事業なんてやらなくていいじゃないか、と。
>地域活性化に取り組むという名目で資金が流れ、その一回しのシステムの中で食っている人たちにとっては「税金での地域活性化」は不可欠です。しかし地域全体においては、その効果は全く波及しません。「成果を出している事業は、補助金に頼らない」というより、補助金に依存した段階で、もはや「衰退の無限ループ」にハマってしまうわけです。

>そもそも行政は、利益を出すことなど、やったことがないし、そんな目的で作られていません。政治も同様で、分配の内容やルールこそ決めることができても、稼ぎを出す集団ではありません。つまりは、民間が立ち上がるほか、地方が活力を取り戻すなんてことはないのです。

なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか
地方創生に必要なのは、「おカネ」ではない
http://toyokeizai.net/articles/-/57362
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年01月07日

「シャッター通り」を活性化しようと、いたずらに補助金を投入しても衰退が進むだけだ。それはなぜなのか?
前回のコラムでは、「リアルな地方創生は補助金に頼らない」>>4806-4808ということを書きました。

では、なぜ補助金をもらうと、地方に活力が生まれないのでしょうか。今回はその基本原則について取り上げたいと思います。

タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。

安倍政権が、地方創生を目玉政策にする以前から、地方には莫大な予算が、さまざまな名目で配分されてきました。しかしながら、成果がまったくでない。なぜ何兆円もの資金を、地方の活性化目的に配分しても活性化しないのか。

その理由は、結構シンプルです。つまり「利益」を出さない、いや税金を使う=「利益を出せない」事業ばかりだからです。

中央からカネを送っても、1サイクルで終わる地方活性化

地域活性化は、単なる「所得再配分」では達成できません。
東京より地方のほうが割をくっている、だからその分を、再配分しようと配ったとしても、それだけでは地方は活性化しません。

なぜならば、配ったその途端に、その事業に必要な各種経費として消えてしまい、それで終わりだからです。「1サイクル」(1回転)しか、経済が回りません。その経費の一部が人件費として各地域の人に配られるならば、まだましですが、地域の外などに外注してしまえば一度来た予算は、別の地域にいってしまいます。なんといっても問題は、一度使ったらそれだけで終わりです。もう2度と同じような効果を生み出すことはできません。

4810とはずがたり:2015/12/01(火) 14:08:22

たとえば商店街が、国の予算などを使って大手代理店などに外注して、格好のいいポスターをつくってもらったり、大規模なイベントをやったところで、一度やったらもう終わりです。しかも、その予算は地方雇用の代理店の社員の「給与の足し」になり、利益は東京にもっていかれるだけです。

公共施設の開発でも、大規模な建設事業は、大手ゼネコンが取得して、下請けくらいは地元企業へ分配されるでしょうが、やはり、地域内経済でみると、そのわずかなおカネが一回し(ひとまわし)されるだけで終わりです。地方活性化事業に予算を出すことを「砂漠に水を撒く」とか「カンフル剤」といったものに例えられたりするのは、これが所以です。

つまり、問題は「一回しで終わってしまうという、構造そのもの」にあります。

「利益」と真正面から向き合わない、「予算型活性化事業」

地方に必要なのは、一回しで終わらない、一度資金を入れたらそれをもとに、地域内経済を取り込んで回り続けるエンジンです。

投資した金額をもとにして利益が生み出されて、はじめて継続的に市場が生まれ、その市場を相手にした事業で、人が雇用され、彼らが地域でさらに消費を生み出していくという「好循環」が求められているわけです。

もし、継続する事業があれば、立ち上げに投じた資金も、1回だけの金額だけで終わらず、毎年雇用を生み出し、利益を生み出し、さらにその地域を活性化させる「再投資」を地域内で行うことができます。そうしていくうちに、エンジンはさらに強化されて、地域内経済だけでなく、地域外経済も対象にした事業に発展していく可能性があります。これが地域の発展につながります。

では、地域の衰退とは何でしょうか。それは、経済問題に端を発しています。

「仕事がない」→「仕事がないから人もいなくなる」→「人もいなくなるから、ますます仕事がなくなっていく」、という負の循環をいかにして断ち切るかしかありません。

そのためには、利益を生み出す事業と向き合わなくてはなりません。

その際、「利益を出す」というと、搾取的な発想をする人がいるわけですが、それは大間違いです。誤解を恐れずに言えば、そもそも、利益が出ないというのは、誰もその事業に対価を支払たくないと思うような内容の可能性があります。恐喝や詐欺をするのではなく、真っ当な事業で利益を出すためには、効率的なやり方をしていかなくてはなりません。

利益が出ないようなことばかり続けていると、前出のように、地域の経済がいつまでたってもプラスにはなりません。いくら資金を投入しても、常に減るだけでプラスにならない、循環もしていかない、足りなくなったらさらに投入せざるをえないという構造になり、活性化とは程遠い状況になります。

地域活性化が「公共性がある→補助金を出す→利益は出していけない」という概念に基づいてしまっていては、限界があります。これでは難しい。

行政が関わった途端に、官民両方が根から利益は出ない、出していけないという固定観念も未だ強いです。とある自治体の研修で「金儲けを考えるいやしい民間が嫌だから、役所にきた」と、言われたことがあったりもします。民間は民間で「地域活性化は利益が出ない、行政の仕事」だなんて普通にいってしまったりします。

税金を用いた活性化事業の限界は、利益を出してはいけない、出せないという、その資金の性質と諦めで縛られてしまっているわけです。

4811とはずがたり:2015/12/01(火) 14:08:36
>>4809-4811

逆に言えば、すべてとは言わないまでも「利益を出せないような活性化事業は、すべて止めてしまう」くらいの、思い切った意思決定が必要なのです。本当に活性化を目指すのであれば、です。

単に人が集まることや、メディアに取り上げられることでも、一過性の経済効果を謳うことではダメなのです。「地域で資金を回し続けるエンジンを作り出すこと」、すなわち「しっかり利益を出すこと」でしか、地域の持続的な活性化なんて不可能なわけですから。

民間主体で利益と向き合わないと、出口はない

しかし、ここで矛盾がありますよね。

普通に儲けが出るのであれば、普通に地域の個人や銀行から資金調達をして、取り組むことが可能ではないか、と。税金をもらってまで、活性化事業なんてやらなくていいじゃないか、と。

まさに、そこです。

地域活性化に取り組むという名目で資金が流れ、その一回しのシステムの中で食っている人たちにとっては「税金での地域活性化」は不可欠です。しかし地域全体においては、その効果は全く波及しません。「成果を出している事業は、補助金に頼らない」というより、補助金に依存した段階で、もはや「衰退の無限ループ」にハマってしまうわけです。

地方創生に必要なのは、資金調達が可能な事業開発であり、民間が立ち上がって市場と真正面から向き合い、利益と向き合って取り組むことが必要です。成果をあげているのは、民間が立ち上がり、事業を推進している地域ばかりです。

そもそも行政は、利益を出すことなど、やったことがないし、そんな目的で作られていません。政治も同様で、分配の内容やルールこそ決めることができても、稼ぎを出す集団ではありません。つまりは、民間が立ち上がるほか、地方が活力を取り戻すなんてことはないのです。

逆にいえば、民間が「そんな損することなんか、わざわざやってられないよ」、「やはりリスクは行政に負ってもらわなくては」などと言い出して、地元での事業開発に取り組むことを諦めたら、再生することは基本的にないとも言えます。

「地域活性化は政治・行政の仕事だ」、などと本気で思ってはいけません。それこそ、地方衰退のスパイラルに根本的に犯され、「衰退の無限ループ」から逃れられないのではないでしょうか。

4812とはずがたり:2015/12/01(火) 14:18:04
>補助金が必要なほど資本力がない生産者・加工者のグループであるにもかかわらず、強豪の多い商品市場に参入し、埋没してしまう

>、「売れる最終的な商品像」から原材料を選択するのではなく、「地域資源だから」といって、地元にある原材料から商品を考えてしまう

>「技術頼み」になっていて、「果たして、それは価格に転嫁することが可能なものなのか」を、考えていない

>背景には、特産品開発が、「地方の生産者」「加工者」「公務員」が中心となった「協議会組織」が中心となっていて、肝心の消費地の販売者や消費者の関与が希薄、という大きな構造問題があります。

>そのため,価格を決める場合も「コスト積み上げ型」であることが多く見られます。結果として、平気で「超高価格」になったりします。そうすると、なんと、商品が高価格になったときの解決方法として「東京や、海外にいる富裕層に販売しよう」という話になったりします。商品自体が富裕層に向けたものではない特産品を、単純に高値にするだけで「目の肥えた富裕層」に、売れるはずはありませんよね。

>「協議会組織」の会議の行方によって、価格決定がブレるわけですが、その理由は、商品化の意思決定を行う際、責任者が合理的判断で行うのではなく、「協議会に参加する人たちの合議」を基本としていることにも起因しています。

>地方自治体からの依頼などを受けて、特産品の取り扱いをした販売店などは、そのようにブレまくる地方の特産品開発に振り回されて疲れ果ててしまった経験を少なからず持っています。

>例えば「突然の値上げ」はまだましなほうかもしれません。最悪の場合には年度末になって予算がつきてしまい、急に製造終了をされたり、販売委託をしていた場合などは、「補助金減額」を理由に、急に支払いが中断されたりすることもあったりします。
>「予算事業の世界の理屈」は、普通に商売をしている販売店にはまったく通用しません。そのような対応をしていると、販売店に「二度と取引したくない」と思わせてしまうのです。

>特産品開発に必要なのは「予算」ではなく、「営業」です。
>営業力を持った販売店が最初から連携し、販売できる商品を、生産者と共に作り上げていく。決まった数の販売を契約で約束してくれるため、生産者にとってはリスクも少なく、販売店が商品企画から実際の顧客でのモニタリングもするため、受け入れられればすぐに販売に結びつく。そして販売実績に基づいて、徐々に製造数を増加させていく。最初から行政予算が入っていないからこそ、すべてが「自然の流れ」となり、無理なく継続できるわけです。

特産品で地方創生ができるという「幻想」
自治体がからむプロジェクトは失敗だらけ
http://toyokeizai.net/articles/-/60862
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年02月17日

予算型の「特産品開発」の問題点は?

さて、今回のコラムでは、国や自治体などが支援を行っている「特産品」の問題点について考えてみたいと思います。

ある地域が「自分の地方を活性化したい」という場合、「特産品」の開発は、よく「切り札」のように言われます。「わがまちの名産をつくろう!」 という取り組みにも、さまざまな予算支援が行われています。

例えば「六次産業化」(農業や水産業などの一次産業が、加工(二次産業)や、流通・販売など(三次産業)にまで乗り出すこと)、「農商工連携」、最近では「ふるさと名物」なんて言葉も出てきており、実にさまざまな省庁や自治体が、特産品開発支援をしています。

では、なぜ特産品開発を行うのでしょうか。それは、地元の原材料を加工した特産品を作って、販売まで手掛けることができれば、原材料のまま販売するよりも格段に儲かる、という論理です。

例えば、ゆずをそのまま出荷するよりも、ゆずを絞ってポン酢に加工すれば、価格もあがり利益もとれます。もちろん、この論理自体は間違ってはいません。

しかし、特産品を作れば売れるのかと言えば、そう簡単にはいかないのです。

4813とはずがたり:2015/12/01(火) 14:18:17

小売店の売り場をみればわかる通り、特産品だけでなく、さまざまなメーカーの商品が競合になります。そのため、商品を作ったはいいが、「全く売れない」どころか、「そもそも売り場さえ確保できない」ということも、ごく普通に起こります。

そのような中でも、特産品開発の予算はどんどん拡充されがちで、”予算がつくから”商品を作っている、という場合も出てきてしまっています。

地元の物なら必ず売れるのか?特産品開発の「幻想」

こうした予算型の特産品開発では、「売れないもの」がどんどん生みだされてしまいます。それには、3つの問題点があります。

1つ目は、商品です。

商品自体が成功商品のコピー、もしくは「流行」に左右されてしまいがちです。例えば、ジャム、ジュース、カレーのように、過去に他の地域で成功してコピーがしやすいものであったり、お酢のように、その時の「はやり」のものだったりします。補助金が必要なほど資本力がない生産者・加工者のグループであるにもかかわらず、強豪の多い商品市場に参入し、埋没してしまうのです。

2つ目は、材料です。

なぜか根拠がないのに「自分の地域のものが日本一うまい」、などの「勘違い」を前提にしてプロジェクトが進められたり、「従来は生産過剰で、捨てていた材料を使う」などということもあります。つまり、「売れる最終的な商品像」から原材料を選択するのではなく、「地域資源だから」といって、地元にある原材料から商品を考えてしまうのです。

3つ目は、加工技術です。

「新技術を導入すれば、売れる」と勘違いしてしまうのです。例えば、新たな冷凍技術を導入すると意気込んで、高額の製造設備を導入するまではいいのですが、結局、小売店側から、「冷凍は冷凍だから、一段落ちるね〜」などと言われて、二束三文に買いたたかれ、設備投資の分が、まるまる損になったりします。

つまり、「技術頼み」になっていて、「果たして、それは価格に転嫁することが可能なものなのか」を、考えていないのです。

しかも、最も深刻な問題は、こうした商品、材料、技術の「3つの選択」をする場合、結局、具体的な商品像が曖昧なために、整合性がないことです。

その結果、例えば「地元の玉ねぎを使った焼酎」とか、「変な色の野菜を使ったカレー」とか、「売れる」「売れない」以前のレベルのものが大量発生したりします・・。私は、今まで地方に出かけていった際に、こうした「売れないもの」を何度も試食したことがありますが、「どうしてこんな商品が出てくるんだ」と、大変苦々しい気持ちになります。

では、どうしてこのような商品が、次から次へと出てくるのでしょうか。背景には、特産品開発が、「地方の生産者」「加工者」「公務員」が中心となった「協議会組織」が中心となっていて、肝心の消費地の販売者や消費者の関与が希薄、という大きな構造問題があります。

つまり、基本が「作ってから売りに行く」という流れのため、初期の段階では販売者・消費者は、あまり声をかけられません。

そのため、価格を決める場合も、原材料費、加工費、流通費等を計算し、生産者や加工者がほしい利益を上乗せして割り出す、「コスト積み上げ型」であることが多く見られます。結果として、平気で「超高価格」になったりします。

もちろん、合理的な理由で高価格になっていれば良いのです。しかし、経費の積み上げだけで高価格になっただけというのは、「作り手」の勝手な都合であって、売ってくれる側や、買う消費者側にとっては受け入れられない話です。販売者も消費者も不在のままです。

4814とはずがたり:2015/12/01(火) 14:18:41
>>4812-4814
そうすると、なんと、商品が高価格になったときの解決方法として「東京や、海外にいる富裕層に販売しよう」という話になったりします。ウソのような本当の話です。商品自体が富裕層に向けたものではない特産品を、単純に高値にするだけで「目の肥えた富裕層」に、売れるはずはありませんよね。

特産品開発に必要なのは「予算」ではなく「営業」

一方で、「高すぎて売れないのでは」と弱気になると、補助金を使って、各種経費を補助で減額して、見せかけの「安値」で販売をしたりするケースも後を絶ちません。そして、補助金が切れたら普通に値上げをします。当然、売れなくなります。

「協議会組織」の会議の行方によって、価格決定がブレるわけですが、その理由は、商品化の意思決定を行う際、責任者が合理的判断で行うのではなく、「協議会に参加する人たちの合議」を基本としていることにも起因しています。

地方自治体からの依頼などを受けて、特産品の取り扱いをした販売店などは、そのようにブレまくる地方の特産品開発に振り回されて疲れ果ててしまった経験を少なからず持っています。

例えば、前述のような「突然の値上げ」はまだましなほうかもしれません。最悪の場合には年度末になって予算がつきてしまい、急に製造終了をされたり、販売委託をしていた場合などは、「補助金減額」を理由に、急に支払いが中断されたりすることもあったりします。

「予算事業の世界の理屈」は、普通に商売をしている販売店にはまったく通用しません。そのような対応をしていると、販売店に「二度と取引したくない」と思わせてしまうのです。

このような中、実は「特産品」を開発する際に、参考になるケースがあるのです。

「東京八百屋の会」という組織があります。東京都内の小さな「3軒の八百屋さん」が集まったものですが、実は、補助金ゼロで、「自分たちの販売力」をもとに、生産者と連携した独自の「特産品開発」が行われているのです。

具体的に、どんなことをやっているのでしょうか。2014年に行われたのは、それぞれの八百屋さんの店舗で30人×3=90人の「お客様モニター」を募集して、試作品を試食してもらうことです。

それを通じて商品を決定。その後は各店舗が「販売数を約束」(これが大事です!)して、生産地に発注、売れ行きに応じて、追加で発注をしていくという方法です。

第一弾で高知の生産者と連携して作った「ミョウガの茎・ピクルス」は販売も絶好調。需要に対応しきれないほどになっていました。

つまり、特産品開発に必要なのは「予算」ではなく、「営業」です。

「東京八百屋の会」のように、小さな店舗グループでも、確実な営業が可能だからこそ、自前で生産地と連携すれば特産品開発が可能なのです。

営業力を持った販売店が最初から連携し、販売できる商品を、生産者と共に作り上げていく。決まった数の販売を契約で約束してくれるため、生産者にとってはリスクも少なく、販売店が商品企画から実際の顧客でのモニタリングもするため、受け入れられればすぐに販売に結びつく。そして販売実績に基づいて、徐々に製造数を増加させていく。最初から行政予算が入っていないからこそ、すべてが「自然の流れ」となり、無理なく継続できるわけです。

従来のように、「予算の力」で進める「内輪受けの商品開発」と、身勝手な取引を要求することばかりが先行する方法ではなく、これからは営業が先を走り、市場と向き合いながら確実に改善を繰り返して販売数を増加させていく、「当たり前の商品開発」が大切です。

現在のやり方は、地方を活性化するどころか、地方の信用をなくしかねない方法になってしまっています。営業と向き合った、地方の繁栄につがる特産品開発が、求められています。

4815とはずがたり:2015/12/01(火) 14:27:37
予算主導の商品開発も酷かったけどこの話しも酷い。

>従来から、自治体の地域活性化分野の業務といえば、施設開発もコンサルタントを入れ、商品開発もコンサルタントに頼み、委員会の事務局もコンサルタントが取り仕切る、とまぁ、コンサルタントと呼ばれる「人」や「会社」に、なんでもかんでも外注されてきました。

>そもそも、国や自治体の地域活性化については、全国各地で入札(プレゼンによる競争)が行われています。驚くことですが、落札が終わってから、落札に成功したコンサルタントがヒアリングに行って、別の成功地域から方法を教わっています。それ自体が、かなりおかしな話です。

>地域活性化の分野では、役人だけでなく、コンサルタントの方々が現場に「ヒアリング」で訪れます。地方創生で注目されている地域には、「どうやったら良いのか教えてください」、というヒアリングが殺到しています。
>しかも、ヒアリングに来るコンサルタントの多くは、基本的な知識もないこともしばしばです。まして、自らのリスクで投資して、地域で事業を立ち上げた経験がある方などは皆無に近いのです。

>地域で事業ができる才能がある人なら、そもそも自分で仕掛けます。案件を受託してからヒアリングなどには行きません。つまり、こうした「名ばかりコンサルタント」に任せた段階で、プロジェクトの失敗は、偶然ではなく必然になる、と言えます。
>そもそも、成功地域の当事者でさえ、そのままのやり方が「日本全国全ての地域」で通用するなどとは思っていないでしょう。ましてや、多少の資料と話を聞いただけで別のコンサルタントがやるなんて、無理なのです。
>コンサルタントは、自治体からは相当額のコンサル委託料をもらっているのに、結局、現場の実行部隊にはわずかな謝金だけ、もしくは一銭も支払わないこともあります。大手でさえ、そんな「フリーライド」(ただ乗り)を平気にやってのけます。

地方を滅ぼす「名ばかりコンサルタント」
「パクリの再生計画」に自治体の未来はない
http://toyokeizai.net/articles/-/62102
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年03月03日

地方創生で発生している「コンサルタントバブル」

さて、今回も地方創生を考えるうえで、重要なトピックを採り上げたいと思います。コンサルタントの問題です。現在、地方創生に関しては、政府の基本計画である「まち・ひと・しごと総合戦略」があり、それに基づいて全国の都道府県や市町村のもとで、具体的な政策の策定が進められています。

この戦略策定に、自治体の多額の予算が投入されており、自治体からの「怒涛の外注」に、コンサルタントの手が足りないという話をよく聞きます。

従来から、自治体の地域活性化分野の業務といえば、施設開発もコンサルタントを入れ、商品開発もコンサルタントに頼み、委員会の事務局もコンサルタントが取り仕切る、とまぁ、コンサルタントと呼ばれる「人」や「会社」に、なんでもかんでも外注されてきました。

しかし、現状を見ればわかるように、そんなやり方をしているからこそ、地域は衰退を続けています。「地域の将来の行方」をコンサルタント任せにしてしまっては「結果」は見込めないのです。

では、なぜコンサルタントに任せても地域は再生しないのでしょうか。

地域活性化の分野では、役人だけでなく、コンサルタントの方々が現場に「ヒアリング」で訪れます。地方創生で注目されている地域には、「どうやったら良いのか教えてください」、というヒアリングが殺到しています。

4816とはずがたり:2015/12/01(火) 14:27:50

補助金を使った「劣化コピー」で、地方は衰退する

そもそも、国や自治体の地域活性化については、全国各地で入札(プレゼンによる競争)が行われています。驚くことですが、落札が終わってから、落札に成功したコンサルタントがヒアリングに行って、別の成功地域から方法を教わっています。それ自体が、かなりおかしな話です。

しかも、ヒアリングに来るコンサルタントの多くは、基本的な知識もないこともしばしばです。まして、自らのリスクで投資して、地域で事業を立ち上げた経験がある方などは皆無に近いのです。自分が経験したこともない、わからないのに、なんとなく仕事だからやっているという姿勢で、どうやって地域を再生できるのでしょうか。

コンサルタントの中には、成功地域からもらった資料を流用し、成功地域と同じことをやりませんか、と営業をする人がいます。「実はあれは私がやった」、と嘘をつく人さえいます。

地域で事業ができる才能がある人なら、そもそも自分で仕掛けます。案件を受託してからヒアリングなどには行きません。つまり、こうした「名ばかりコンサルタント」に任せた段階で、プロジェクトの失敗は、偶然ではなく必然になる、と言えます。

そもそも、成功地域の当事者でさえ、そのままのやり方が「日本全国全ての地域」で通用するなどとは思っていないでしょう。ましてや、多少の資料と話を聞いただけで別のコンサルタントがやるなんて、無理なのです。

問題は、それだけではありません。コンサルタントは、自治体からは相当額のコンサル委託料をもらっているのに、結局、現場の実行部隊にはわずかな謝金だけ、もしくは一銭も支払わないこともあります。大手でさえ、そんな「フリーライド」(ただ乗り)を平気にやってのけます。

しかし、地域活性化分野では、補助金という「裏の手」があります。

「パクリ」レベルのひどい企画でも、補助金を使うことで、見た目だけ、似たような「偽物」の計画は作れるのです。

ただし、悲しいことに偽物は偽物でしかありません。予算を使って成功地域と類似した商品開発をしても実際は、ほとんど売れません。似たような施設を開発しても、経営危機に陥る施設が少なくありません。

事業は「見た目」ではなく、「プロセス」であり、目に見えない仕組みが大切なのを、理解していないのです。

結局、成功地域の取り組みとは似て非なる「劣化コピー」を補助金頼りに作れば、失敗して負の遺産となり、地域をさらに衰退させてしまいます。現状では、そのような悪質なコンサルタントが野放しになっています。

これまで述べたように、悪質なコンサルタントの問題もありますが、そもそもコンサルタントに任せると、以下の3つが邪魔をし、地域での事業に成果がでません。

コンサルに任せた時点で失敗する「3つの理由」

① 需給の不一致=必要なのは、客観的助言ではなく、主体的な実行

そもそも地域を活性化させるのに必要なのは、客観的な助言ではなく、主体的に問題解決のために知恵を出し、実行することです。いくら正しい助言をしたとしても、それを実行できるチームがなければ、何の役にもたちません。

4817とはずがたり:2015/12/01(火) 14:28:09
>>4815-4817
つまり主体ではない人間が、横から客観的なスタンスで助言をしたところで、それは全く地域での取り組みで役に立つどころか、むしろ実行の邪魔になることさえあります。地域での事業には客観的分析ではなく、主観に基づく決断と実行が重要なのです。

地域が再生に必要としていることと、コンサルタントにできることの需給が、不一致なのです。

② 主体性の不在=自治体の基本姿勢は「他力本願」

計画や事業を、コンサルタントに任せてしまう地元側にも問題があります。

何か詳しい人に任せれば、「わからない問題が一気に解決する、もしくは面倒なことが整理されて前に進む」と勘違いしている人がいます。そのような他力本願の姿勢こそが、地域衰退の問題の一因とも言えます。

地元側の数名の小さなチームでもいいから、自分たちで事業を立ち上げるために資金を出しあい、必要な実行を行い、様々な壁を超える覚悟を決めなければ、どんなに優秀なコンサルタントを雇っても、何もできません。

③ 責任が不明確=税金だから、「結果三流」でも誰も困らない

コンサルタントは計画や業務遂行を担っているものの、任された範囲で業務はやっても、その結果に責任をとれる立場にはありません。

頼まれたことは手続きにそってきちんとやります。これは一流です。しかし、手続きだけしっかりしているものの、活性化するという意味での結果は三流だったりします。

普通なら、結果が出ない場合、民間会社なら最悪の場合倒産です。しかし、コンサルタントへの依頼する財源が、「税金」であることが多いため、誰もその責任を問わないのです。むしろ、制度に従い、地元によく来てくれて、融通がきく便利なコンサルタントが良くて、成果を出す、出さないは「二の次」になってしまったりするのです。

自分たちで考え、行動する「自前主義」がまちを変える

昨年12月24日のコラム「小泉進次郎も絶賛した、岩手のオガールとは=リアルな地方創生は、補助金に頼らない」>>4806-4808でも触れましたが、岩手県紫波町の公民連携基本計画やPFI仕様書は、自治体職員が自分たちで調べ、自分たちで考え、策定しています。

職員たちが考えて不慣れでもいいから、考えぬいて独自にプランを作成するのです。自分たちで必死になって策定したからこそ、それをしっかり実行していくことにも力がはいります。

私自身も、仲間と事業に取り組む地域で、最初に予算をもとにコンサルタントを招いて計画を立ててもらったことはありません。わからないなりに、自分たちで地元の状況をもとに考え、自分たちで出せる資金を出資し、事業を立ち上げ、細々とでも継続するため努力しています。

地域の行政も民間も、コンサルタントなどに任せず、自分たちの頭で考え実行することが、地域活性化における基本であると思います。必要な専門家の方にはその時々に助けてもらえばいいのであって、そもそもの計画や業務を任せてはいけません。

地方創生については、何でもコンサルタントに依頼する習慣を一度止めてみませんか。各地域が「自分たちで考え、やっていこう」と決めれば、まちはそれぞれのやり方で、小さくとも前進していける可能性を秘めていると思います。

4818とはずがたり:2015/12/01(火) 14:39:08

道の駅は皆公共事業だと思ってると思うし結構儲かってそうなんだけどもっと事態は深刻のようだ。

>道の駅は基本的に、自治体が事業主体となって、施設そのものは税金によって開発されていきます。作った施設を、指定管理制度を活用した第3セクターなどに任せて経営してもらうというモデルが主流です。
>もし、普通に民間が事業として施設を開発するならば、施設整備の初期投資部分の回収も含めて、施設運営の売上げから捻出するのが常識です。しかし、道の駅のほとんどは、初期投資は税金で作られています。
>したがって、「その部分」については、稼ぐ必要がないという前提になってしまいます。そのため、事業計画の段階から、あまり売上げがあがらなくても「成立する」というような環境になってしまいます。

>「立派なものを支援して作ってあげて、その後も大して儲からなくてもいいような仕組みになっているので、楽だからいいじゃないか」と言われたりするのですが、その過剰投資を税金で賄って、その後「楽になる」ということが、実際は経済を活性化するうえで、関係者の生産性を下げてしまう

>売上げの面で目標が低くても、事業が一見成立するようになり、一方、経費面では過剰投資のツケが運営にまわって割高なコストで薄利になってしまう。この「ダブルパンチ」によって、道の駅事業は、表向きは人がそこそこ来ていたとしても、地元で大きな利益を産んで、再投資がされていく、という理想的なサイクルにつながっていないことが多くなっています。

なぜ道の駅は儲からなくても店を出せるのか
地方活性化とは名ばかりの「産直販売施設」
http://toyokeizai.net/articles/-/58373
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年01月20日

さて、今回は全国各地にある「道の駅」をとりあげたいと思います。

この施設を一度でも訪れたことがある方は、結構いるのではないでしょうか。では、道の駅は誰が作っているのでしょうか。「民間業者が、普通に地元の特産品などを買える便利な商業施設として営業している」、と思っている方も多いと思います。

しかし、実は、道の駅の約8割は行政が設置しているという、立派な公共事業の一つです。

そのため、売上げを伸ばしていこうという努力が足りなかったり、そもそも立派な建物すぎてコストが高かったり、さらには「破綻しても行政が事業主体だから、行政任せ」という状況になっていたりしているのです。今回は、道の駅が「おカネを継続的に生み出すエンジン」になっているのかどうか、検証してみましょう。

熾烈な「道の駅」競争、「負け組駅」は地域の重荷に

道の駅は、1993年に建設省(現・国土交通省)によって認定制度がつくられ、当初は103カ所からスタートしました。現在は全国に1040駅(2014年10月10日)もの道の駅が、点在しています。これだけできれば、さまざまなところで取り上げられるような、儲かっている道の駅もあれば、完全に失敗してしまっている道の駅もあるのです。

道の駅は、「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域の連携機能」、という3要素を持つことが期待されています。とはいえ、実態としては、ほとんどがロードサイドの商業施設として、地域の商品を販売したり、観光拠点にしたりという、地域活性化効果を狙っているものばかりです。つまりは、経済の活性化、消費の喚起を大きな目標として経営されているのです。

そうすると、結局のところ、消費者が「わざわざ行きたい」と思えるような運営をするかどうか、に成否がかかってきます。当然ながら顧客にとって別に利用したくないような施設であれば、経営的には成り立ちません。行政が関わるのでいたずらに公共性を意識して、情報発信だの、地域の連携だの、という要素を謳うものの、実態としては、道の駅自体は、やはりマーケット(市場)にさらされているのです。

4819とはずがたり:2015/12/01(火) 14:39:29

私は、東京と地方を行ったり来たりの毎日ですが、最近は地方で車に乗っていると、「これでもか」というほど国道沿いなどに、次から次へと道の駅が出てきたりするところもあります。当初は「トイレ休憩などもできる貴重な場所」といったように、存在感もありましたが、昨今ではコンビニの多くも、公共性を謡うことが集客につながるとわかってからは、綺麗なトイレを開放していたり、地方の特産品も売っていたり、と競合が激しくなる一方です。

そのため、実際に経営不振に陥り、赤字が続く道の駅が出てきています。これが普通に民間でやっていれる商業施設であれば、「すべてがうまくいくもんじゃないよね、それが当たり前だよね」で済みます。しかし、自治体が関与して税金で建てた施設が、失敗してしまえば、地域の重荷になってしまう事態に発展します。

実際に「このままだと経営破綻しそうだ!」となって自治体が特別予算を組んで実質的な救済に乗り出したり、はたまた閉鎖するという事例も出ています(ここでは大手新聞社が報道している「道の駅」のニュースを参考に挙げておきます)。

もちろん、道の駅は、その他のさまざまな政策なども考えれば、「産直で地元の付加価値生産をあげよう」という趣旨は、評価できます。

しかし、「成功しているように見えるもの」にも、行政が主導することで、構造的には地域全体に与える問題もあったりします。では、こうした「経済活性化」という名目で行政が施設整備を税金で行い、その施設運営を民間に委託して実施することで生じる問題点は、どこにあるのでしょうか。

「初期投資ゼロ」がもたらす「大きな歪み」とは?

道の駅は基本的に、自治体が事業主体となって、施設そのものは税金によって開発されていきます。作った施設を、指定管理制度を活用した第3セクターなどに任せて経営してもらうというモデルが主流です。

もし、普通に民間が事業として施設を開発するならば、施設整備の初期投資部分の回収も含めて、施設運営の売上げから捻出するのが常識です。しかし、道の駅のほとんどは、初期投資は税金で作られています。

したがって、「その部分」については、稼ぐ必要がないという前提になってしまいます。そのため、事業計画の段階から、あまり売上げがあがらなくても「成立する」というような環境になってしまいます。立派な施設を税金で作っておカネはかかっているのに、経営上、売上げのハードルが楽になる、という歪んだ状況がここに生まれます。

一見すると、「立派なものを支援して作ってあげて、その後も大して儲からなくてもいいような仕組みになっているので、楽だからいいじゃないか」と言われたりするのですが、その過剰投資を税金で賄って、その後「楽になる」ということが、実際は経済を活性化するうえで、関係者の生産性を下げてしまうわけです。

結局、地方の生産性が上がらないのは、「損益分岐点が歪んだ形で、通常より低い水準で容認され、生産性は低くても維持可能な環境そのもの」にあります。運営を任された第三セクターなどの、売上げ向上・改善に向けての努力があまり行われなくなり、自ずとその地域に本来生まれるはずの利益が小さくなってしまうのです。

「ゼロよりはいいだろ」、と言われればそうかもしれません。しかし、普通に事業規模に対応した初期投資を皆で行い、より高い利益を生み出そうとして売上げの水準を上げていこうという「サイクル」の先に、活性化があるのです。

何も高いリスクをとることだけを奨励しているのではありません。しかし、「リスクが低く生産性をほとんど考えず、ソコソコでいいよね」という経営環境を求めているのであれば、それは活性化とは程遠い状況になってしまいます。

しかも、事はそう簡単ではありません。「初期投資がゼロ=売上げを上げる努力が怠られがち」だけなら、まだましかもしれません。実は、経費面でもマイナス効果を生みます。

4820とはずがたり:2015/12/01(火) 14:39:40

どういうことでしょうか。行政が中心となって最初に立派な施設を建設するため、普通の民間事業では到底建てられないような施設になりがちなのです。数億円の施設はザラで、場合によっては温浴施設などと一緒に整備して20億円以上かけているようなケースもあります。こうした過剰投資は、税金だからこそ可能なのです。それらは結果的に、自治体の財政負担=市民の負担、国の支援=国民の負担、という形で成立しています。

過剰投資をすると、施設の維持費も「ハンパない」

行政が計画する施設は、商業施設としては過剰な内容になりがちです。また必ずしも運営者が設計するわけでもありません。あくまで設計は設計、開発は開発、運営は運営というカタチが多く、いざ運営する側からすると、不便も多かったりするのです。

さらに過剰投資した施設の維持費は、カタチには見えにくいものの、実際は、運営で生まれる利益から捻出したり、もしくは自治体が予算を立てて維持しています。結果として、経営的にはせっかくの売上げからも高い施設維持費が差し引かれて一段と薄利になったりします。もちろん、自治体が予算を新たに組めば、その分、財政は悪化するわけです。

一般に、施設を建ててから解体するまでの「ライフサイクル全体のコスト」は、建設費の4〜5倍かかると言われており、決して馬鹿にできません。このような、見えないコストが事業の利益を蝕んでいるわけです。

売上げの面で目標が低くても、事業が一見成立するようになり、一方、経費面では過剰投資のツケが運営にまわって割高なコストで薄利になってしまう。この「ダブルパンチ」によって、道の駅事業は、表向きは人がそこそこ来ていたとしても、地元で大きな利益を産んで、再投資がされていく、という理想的なサイクルにつながっていないことが多くなっています。

さらに、まだ問題は隠されています。「事業主体が行政である」という、初期段階からの依存構造が発生してしまっています。

結局、道の駅の事業主体は自治体です。

そのため、施設の運営を委託された業者や産直施設への納入者は、事業主体としての意識が希薄になりがちです。結局、最終責任は自治体なわけですから。「行政の事業を受けて施設を経営している」、「誘われたので、産直施設に商品を納入している」、という「受け身の姿勢」を生み出す構造も大きな問題になります。

初期投資だけでなく、経営が行き詰まれば行政に救済を求める。さらに、産直市場での売れ行きが悪ければ「わざわざ出荷しても、どうせ売れない」と、農家は商品さえ持って行かなくなってしまう。こうなると、ますます経営は悪化します。

今まで道の駅の構造を見てきましたが、これを前々回のコラム「リアルな地方創生は、補助金に頼らない」>>4804-4805で取り上げた、岩手・紫波町のオガールの施設と比べてみましょう(オガールは「道の駅」ではありませんので、お間違えのないように)。

オガールの商業施設の一つである、「紫波マルシェ」は、ひとことでいうと、産直市場+肉屋、八百屋の複合業態です。普通に市中銀行から借り入れをして施設整備をして、立派に黒字経営されています。これらは、全体の事業計画から逆算し、建物は坪あたり40万円未満という低い建設費と、初期の農業者の加入登録制度などによって、成功しています。

実は、補助金などをもらうと、地元産品の比率を一定以上にするなどのルールがあり、冬場になると、商品がほとんど地元でとれないので売り場が閑散としてしまうような産直市場もあることを、皆さんはご存知でしょうか。

しかし、紫波マルシェは完全に自前でやっているため、そういう制約もありません。冬は九州などからも仕入れを行い、売り場の充実を図ることで、年間を通じて安定的な経営を実現しています。これは、施設を開発し、その運営を担い、事業責任をとるのが「オガール紫波株式会社」である、と明快でかつ一貫しているからと言えます。

4821とはずがたり:2015/12/01(火) 14:40:05
>>4818-4821
地域で経済を生み、生産性を高めていくのは行政ではなく、民間です。逆に、民間が「なんでもかんでも行政に金を出してもらおう」という姿勢でいる限り、その地域が活性化することはありません。また、行政も「税金で手助けすれば、地域で楽に事業ができる」という過信を持つと、支援なしに事業に取り組む人が地域からどんどん少なくなり、生産性が下がって、ますます衰退を招くことを認識しなくてはなりません。

「民間主導の行政」は、実現できるか

本来、商業施設などをつくる場合は、トイレなどの公共機能部分は行政が整備するにしても、その脇という優位な立地を活かして、事業を考え、利益から逆算して施設規模を計算し、資金の調達をして経営するのが基本です。

もちろん、私も地方において自分たちで投融資をして事業に取り組んでおり、すべてのケースで事業がうまく行くわけではなく、環境面で難しい場所があることも重々承知しています。しかしながら、「難易度が高いから不可能」なのではなく、また、「都会と同じやり方」ではなく、別の工夫をして、事業を成り立たせるよう、努力しています。

簡単にいえば、都市部なら「坪当たり100万円」を投資して施設の整備ができるような事業でも、地方だと坪30〜40万円、つまり民家とほとんど同様の建築費で整備をしなくてはならない、などというケースはザラにあるのです。

場合によっては、それでも無理で、最初はテントなどを張ったマーケット形式で事業を始めていくこともあります。私のような者から言わせれば、道の駅のように都会同様の立派な施設を地方に作るのであれば、税金が必要になってしまうのは当然です。

地方創生を貫くテーマであり、これからも何度も繰り返すと思いますが、地方の活性化は「おカネがないからできない」のではなく、「知恵がないからできない」のです。

かつては私自身も関わったプロジェクトでは、まず初期の段階で行政支援を仰ぎ、そのうえで事業にとりかかったこともありました。しかしながら、すりあわせをしていくと、どうしても民間の事業ルールと行政の計画との間にはズレがあり、結果として成果も小さくなってしまうことが過去何度もありました。

だからこそ、最初は本当に大変なのですが、民間でできることを考え抜いて実行することこそ、しっかりと地に足の着いた経営ができると思って取り組んでいます。

何でもかんでも行政が支援をしていると「支援もないのに頑張れない」という依存心がますます強くなり、普通の市場では戦えなくなってしまいます。正常な民間の力がどんどん失われていってしまうのです。

道の駅に似たような産直業態でも、民間でしっかり利益をあげている商業施設もあります。しかし、一度「行政支援」を前提として道の駅を出店してしまえば、そのような芽は摘んでしまうことにもなりかねません。

地方では、民間で事業を起こしてくれるめぼしい人がいないから、「まずは先行投資などで行政が頑張る」という話は一見理解を得られやすい話です。しかし、行政が頑張れば頑張るほど、民間は行政に依存してしまうという矛盾があります。これが地方創生事業における難しさでもあり、一番の大きな問題でもあります。

見た目では分からない、一見民間の事業活動なのに、実際は行政支援が行われ、それが見えないカタチで地域の生産性を低下させているという矛盾、その一例が道の駅だと思います。今一度、公共としての役割、民間としての役割についてしっかり線を引き、一定の緊張感をもった連携ができるか、が問われています。

【参考URL】道の駅の全国リスト(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/road/Michi-no-Eki/list.html

4822とはずがたり:2015/12/01(火) 15:05:58

>右肩上がりの時代なら、事前に計画も立てやすく、計画どおりいかなくても、結局、拡大する経済と財政のおかげで、事後的に問題は解決されました。「拡大する社会」では、いかに迅速に正確にまじめに供給する、というのが計画の基本です。需要は当たり前に増加するのですから、考える必要はほとんどありません。
>しかし縮小する社会においては、これが逆転しています。需要がそもそも先細るため、単に供給をまじめにルールに沿って行ったとしても、需要と一致しません。恐ろしいのは、初期の計画で失敗すると、後に需要はますます細るので、ほぼ再生不能になってしまうのです。

>計画段階こそ、最も情報量が足りない
>取り組みを進めていく中で、得られた情報をもとにして、執行する規模や内容をどんどん変更していきます。そうすることをする時期と基準を、初期に定めておく必要があります。場合によっては撤退を決断することも躊躇なくやれるよう、初期に撤退基準を設けておく必要があります。
>従来の計画論で重要視された「一貫性」などは、無意味です

>予算を獲得するための計画策定をすると、予算獲得自体が目的になり、「タテマエ」としての計画をたてることになります。
>組織的に決定された計画は、その後数年にわたり、その組織を縛り続けることになります。
>無理矢理でも計画をもとに補助金や交付金を獲得し、その資金をもとにして事業に取り組んでしまうのです。そして結果は言わずもがな失敗し、地域に大きな禍根を残していきます。

>”合意”を優先すると、未来は二の次になる
>縮小する社会では、優先順位をつけて実行する必要がでてきます。しかし、真っ向正面からそのようなことをやっては、合意はとれません。
>現在の地域に住む人達にとっては「総論賛成各論反対」になり、各論で合意形成を行うことは事実上、極めて困難になります。
>解決策の一つは、意思決定者こそ皆の合意で決めるものの、各論に関してはその責任者に一任して取捨選択をしていく方法です。代表制民主主義や株式会社の取締役会と同様です。

合意形成してはだめなんだなぁ。それにしても地方はこれから行政ではなく経営の時代になるな。

なぜ地方は厳しい現実を直視できないのか
「建前だけのバラ色計画」が地方をつぶす
http://toyokeizai.net/articles/-/64736
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年03月31日

今回のコラムでは、地方創生にあたって、「形ばかりの『タテマエ計画』をつくることが、いかに地方にダメージを与えるか」ということをお伝えしたいと思います。

地方創生については2014年末に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定され、今後5年の目標や施策、基本的な方向性が国から提示されました。それを受け、各地方自治体でも「自らの総合戦略」を発表しています。

なぜ自治体は非現実的な計画を平気で出すのか

3月3日のコラム「地方を滅ぼす『名ばかりコンサルタント』」>>4815-4817でも触れましたが、他の地域をパクったような計画や、実効性のない計画は、その自治体を疲弊させるだけです。残念ながら、各地域の”戦略”をウォッチしていると、正直首をかしげたくなるものがいくつも見かけられるのです。

例えば、先日発表された京丹後市(京都府)の”戦略”には「驚き」の声があがっています。なぜかというと、人口がV字回復するというシナリオに沿って、計画が立てられているからです。京丹後市の「まち・ひと・しごと創生」に関する「総合戦略」(移動しちゃってるけどこの辺https://www.city.kyotango.lg.jp/shisei/shisei/tihousousei/documents/vision_270302_3.pdfか?)をご覧いただくとよくわかります。

4823とはずがたり:2015/12/01(火) 15:06:09

「地方創生」は、そもそも地方の人口問題を発端にスタートしました。それゆえ、地方自治体として国に提出する計画が、人口減少を前提としていては、理屈が通らないのかもしれません。

しかし、同市の人口は約5.9万人(2010年の国勢調査)です。国立社会保障・人口問題研究所では2060年には2.6万人程度まで減少すると予測しているものを、一気に7.5万人にするという計画をたてているのですから、あまりに非現実的とも言えます。

このような「都合」と「願望」をもとに全国の計画を積み上げていけば、日本の人口が計画上は2億人を突破してしまうという笑えない話になりそうです。これは今に始まったことではありません。このような野心的な目標を設定し、無謀な開発を行った結果、その都度計画は失敗に終わり、ツケは計画を立てた主体(地方自治体)に残されてきたのです。

この連載でも指摘してきた通り、地方活性化事業をすればするほど、負債が拡大し、衰退が加速するのです。では、なぜこのような事態は繰り返されるのでしょうか。

よく地域活性化事業の失敗では「ヒモ付き予算」などが問題視されます。事業を実行するおカネがつくかわりに、自由にそのおカネが使えないことで事業がうまくいかないという批判です。

しかし、一番の問題はおカネとヒモ云々ではありません。そもそも、従来型の「計画行政」が通用しなくなったにもかかわらず、未だに従来通りのやり方をしているので、深刻な問題を引き起こしています。

「供給」ではなく、「需要」がカギを握る

右肩上がりの時代なら、事前に計画も立てやすく、計画どおりいかなくても、結局、拡大する経済と財政のおかげで、事後的に問題は解決されました。「拡大する社会」では、いかに迅速に正確にまじめに供給する、というのが計画の基本です。需要は当たり前に増加するのですから、考える必要はほとんどありません。

役所が主導して基本計画をたて、しっかりルールに沿って乱開発を制限しながら都市整備する。それさえすれば、民間がビルを立てたり、店をひらいたり、工場を建設したりしたわけです。ひとことで言えば、供給に需要が従う時代でした。

しかし縮小する社会においては、これが逆転しています。需要がそもそも先細るため、単に供給をまじめにルールに沿って行ったとしても、需要と一致しません。恐ろしいのは、初期の計画で失敗すると、後に需要はますます細るので、ほぼ再生不能になってしまうのです。

だからこそ、最初に需要の確保を行い、その実需に沿って、実行する事業の規模を最適化するという、従来とは「全く逆のプロセス」が計画論の基本になります。こうした「需給逆転」は、地方における社会構造の前提を大きく変えています。このような前提にたち、計画のあり方を見直していく必要があるのです。

さらに、将来が不透明な縮小時代において事前に計画をたて、皆が合意し、成果を残すには3つの限界があり、それぞれに対応しなくてはなりません。ではどんな限界があるのでしょうか。

(1) 計画段階こそ、最も情報量が足りない

初期に予見できる情報には限りがあります。何事もプロセスを踏んでいくごとに情報量が増していき、的確な意思決定ができるようになります。つまり計画段階とは、最も情報量が少ない段階です。

そのため、取り組みを始めた段階で得られている情報では、「そもそも正確な計画などできない」、と最初から諦めることが大切です。


取り組みを進めていく中で、得られた情報をもとにして、執行する規模や内容をどんどん変更していきます。そうすることをする時期と基準を、初期に定めておく必要があります。場合によっては撤退を決断することも躊躇なくやれるよう、初期に撤退基準を設けておく必要があります。

従来の計画論で重要視された「一貫性」などは、無意味です。今回の地方創生でも、目標設定を数字などで出すだけでなく、数年間のプロセスで示し、この時期にこれが未達成の場合には修正する、もしくは中止する、といった修正・撤退要件を入れておくことが大切です。

4824とはずがたり:2015/12/01(火) 15:06:34
>>4822-4824
(2) 予算獲得が目的化し、計画は”タテマエ”になる

予算を獲得するための計画策定をすると、予算獲得自体が目的になり、「タテマエ」としての計画をたてることになります。

時に「これはあくまで予算をもらうための建前(タテマエ)ですから」という言い訳がされます。しかし、組織的に決定された計画は、その後数年にわたり、その組織を縛り続けることになります。無理矢理でも計画をもとに補助金や交付金を獲得し、その資金をもとにして事業に取り組んでしまうのです。そして結果は言わずもがな失敗し、地域に大きな禍根を残していきます。

建前論を防ぐためには、各事業の責任を明確にすること、その責任を、個人や組織で負い切れる範囲で実行する必要があります。建前論が言えるのは、自分が責任をとる気がないからです。計画に基づいて執行される各事業の責任の所在は誰にあるのか、を明確にし、その人・組織が成功した時、失敗した時の取り扱いを初期に契約で決めておく必要があります。

(3) ”合意”を優先すると、未来は二の次になる

計画策定においては、よく「地域の人たちで合意しなくてはならない」という話が出てきます。拡大する社会であれば、なんでもプラスの話ばかりすればよかったものの、縮小する社会では、優先順位をつけて実行する必要がでてきます。しかし、真っ向正面からそのようなことをやっては、合意はとれません。

現在の地域に住む人達にとっては「総論賛成各論反対」になり、各論で合意形成を行うことは事実上、極めて困難になります。合意することを優先するあまり、計画はすべて現状で地域に合理的な結論となっていきます。予算獲得のための計画というのはその一つです。

解決策の一つは、意思決定者こそ皆の合意で決めるものの、各論に関してはその責任者に一任して取捨選択をしていく方法です。代表制民主主義や株式会社の取締役会と同様です。

一例を挙げましょう。昨今は空き家などを活用して、店舗にしたり、ゲストハウスにしたりという「リノベーション事業」の取り組みなどが全国各地で実行されています。人口減少のなか、地方創生では非常に重要な取り組みです。

その中でも、失敗するケースは従来型計画の方法です。多くの人達を入れた協議会で、「立派な計画」をたてて、それをもとに自治体が補助金を出して立派な改装工事を行ったものばかりです。

「縮小社会型」で成功しつつある、北九州市小倉地区

一方、成功するケースは、最初に営業活動をしながら実需に沿って計画を修正していきます。すなわち、入居する人たちが支払い可能な家賃を調査しなおして再設定したりして、十分に投資回収ができるよう、改修工事の水準を見極めています。資金も民間の投融資を中心としており、ちゃんと稼ぐシステムとなる仕掛けをしています。

例えば、北九州市小倉地区で展開されている取り組みでは、北九州市を中心に「北九州小倉家守(やもり)構想」を産官学横断で立てつつも、あくまで概要という位置づけを示したうえで、個別プロジェクトは民間主導で各自の責任を明確にしつつ、複数の不動産オーナーや建築家などが実行しています。

北九州市は、産業空洞化等による人口減の深刻な大都市の一つです。この取り組みによって、3年間で10件ほどの物件が再生され、のべ300人以上の就業・雇用が生まれ、中心部の通行量も増加に転じています。実は、過去に国の方針にそった「中心部再生計画」にも取り組んできましたが、成果が出ていませんでした。それを転換し、現在の縮小社会型の計画と実行の方法に転換してから、成果が一気に出ているのです。

いかがでしょうか。問題は予算がないとか少ない、あるいは外部環境が一段と悪化したとかいったことではなく、過去に囚われたやり方なのです。縮小時代に対応した方法を用いれば、どれだけ困難な環境でも、「身の丈にあった解」が必ずあります。

非現実的な計画を立てると、計画が破綻した時に悲惨なことになります。その時、ツケを払うのは、未来の若者や子どもたちです。地域活性化に関連する計画に重要なのは、「血気盛んな今の大人たち」の願望ではなく、最悪な状況になっても対応できる、「未来に向けたリアリズム」ではないでしょうか。

4825とはずがたり:2015/12/01(火) 15:15:32
>前回のコラム「地方を滅ぼす『名ばかりコンサルタント』〜パクリの再生計画に自治体の未来はない」には、連載開始以降、最高といっても良いほどの反響がありました
俺もまずこの記事で衝撃を受けた。

新幹線は地方創生に役立っているのか
利益を大都市に吸い取られるだけ?
http://toyokeizai.net/articles/-/63381
木下 斉 :まちビジネス事業家 2015年03月17日

前回のコラム「地方を滅ぼす『名ばかりコンサルタント』〜パクリの再生計画に自治体の未来はない」>>4815-4817には、連載開始以降、最高といっても良いほどの反響がありました。頂戴した「いいね!」の数などを見ると、本当に驚いてしまいます。これからも読者の皆さんに、地方創生を考えるうえでヒントになる材料を提供できれば幸いです。

さて、3月14日、北陸新幹線が開業しました。そこで、今回のコラムでは「新幹線と地方創生について」考えて見たいと思います。一言でいえば、「新幹線は本当に地域活性化に役立っているのか」ということです。

新幹線は地方創生の「夢の切り札」ではない

地域での取り組みを考えるとき、その地域が抱えるすべての問題が解消される「地域活性化の起爆剤」がいつも期待されます。新幹線はそうした「夢の切り札」とされてきました。

しかしながら、新幹線は過去の結果を見る限り、「作って地域活性化完成」「作って終わり」ではありません。

かつては、社会資本は地方で手薄だったので、「いかに新幹線を地方にもってくるか」に、皆の注目が集まっていました。作るまでが大切だったのです。しかし作ったからといって、果たして、その地方は活性化したのでしょうか。答えは皆さんもご存知の通りです。

2つの国土交通省の資料をみればわかるように、約半世紀をかけて、新幹線だけでなく、高速道路、地方空港含め、かなりの交通網が整備されてきました。今後の地方活性化には、作ることよりも、むしろ「いかに活用できるか」が求められるのです。

では、地域活性化においては、新幹線開通とともに、何が起きるのでしょか。その結果、どのような対策をとらなくてはならないのでしょうか。さっそく過去の教訓を踏まえながら、皆さんと今一度考えたいと思います。

この14日に石川県の金沢まで開業した北陸新幹線も、「北陸地域活性化の起爆剤」になることが期待されています。

石川県の新幹線開業影響予測調査によれば、新幹線による観光・ビジネスを含めた経済効果は年間約121億円と試算されています。石川県の観光産業の規模は約2600億円ですので、これから観光産業が一定レベル伸び、波及効果もあることが予想されます。

とはいえ、石川県の県民総生産は4.2兆円もあるのです。「新幹線開業の効果はない」とは言いませんが、新幹線効果だけで県民が皆、飯が食えるわけではないことがわかります。

交通網は、単なる「ひとつの手段」に過ぎない

何よりも、新幹線が開発されてから半世紀が経ちます。先述のように、日本全国で空港や高速道路といった高速移動手段が多様に整備され、半世紀前よりも新幹線の優位性は相対的に落ちています。さらにインターネットの存在も加味すると、仕事や居住地域の選択、観光行動、商圏構造などはますます複雑になっています。

こうして見た時、まず重要なことは何でしょうか。それは「新幹線に過剰な期待をしない」ということです。

自分たちのまちは、何で食っていくのか。そのために必要な取り組みはなにか。その基本方針のほうが大切です。それを実現するために、交通手段を活用するのが基本です。

過去のケースを振り返ると、新幹線の開通に際しては、以下の3つが成功のための必須条件です。一つ一つ見ていきましょう。

4826とはずがたり:2015/12/01(火) 15:15:43
その1?他と異なる「地域独自の営業」をしよう

すでに地方での新幹線としては、東北新幹線、上越新幹線、九州新幹線が開通しています。では、これらの新幹線は、地域を再生してきたのでしょうか。

一部については「再生してきた」といえるかもしれません。しかし、1982年開通の上越新幹線の開通前後の5年を見ると、新潟県内の人口増加率は低下、県民総生産の増加率も低下しています。近年ではこの傾向が加速しています。

1997年開通の長野新幹線はどうでしょうか。やはり開通前後を見ると、長野県内では1996年と比較すると2001年までに人口こそ約2万1000人増えたものの、約4,600件の事業所が減少、従業員数は約3万人減少しました。その後、長野県も2002年以降は人口減少に転じ、その減少幅は、むしろ全国平均よりも大きくなっています。

専門家の中には、新幹線駅のある市町村の、短期的な統計だけに着目する人がいます。典型的なのは初期の誘客効果を見て、「心配されたような(東京などの大都市に吸い取られる)ストロー効果はなかった」などという人もいます。しかし、長期的には、もしくは広域でみれば、長野のケースでもわかるように、確実に地域外に都市機能が吸い取られています。単に、新幹線を引くだけでは厳しいのです。

一方で、「独自の活用法」を選択した地域は、効果を出しています。

例えば、長野新幹線の軽井沢です。軽井沢は宅地としての魅力を基本軸にしており、未だ需要が堅調に推移し、高く評価されていることは多くの方もご存知の通りです。単に商業や観光だけでなく、「住んでもらうための新幹線」という活用法を選択することによって、人口増や地元市場規模の拡充につなげています。

また、上越新幹線の通る新潟県大和町(現在の南魚沼市)は、新幹線開通と共に、国際大学や、県立国際情報高校の誘致で一気に学術集積を図っています。英語教育の必要性が声高に叫ばれ始めていますが、国際大学はすでに英語を学内公用語として採用し、教育レベルも国際的に評価を得ています。これに伴って、新潟の優良企業が本社を移転してくるなどの集積も果たしています。

軽井沢や南魚沼市のケースでもわかるように、エリアの特色を活かし、「どうしたら大都市圏との競争でも優位にたてるのか」、という明確なターゲット思考が重要です。つまり、突き詰めれば、「その場所に行くだけの、明確な目的づくり」が求められているのです。

これに対し最悪なのは、単に新幹線を引いてしまうケースです。一般的な交付金の対象になるような「駅前広場整備」や「区画整理」をして、補助金が出るからといって、観光での誘客キャンペーンを展開してしまいます。こうした「従来型の模範解答」をやってしまうと、間違いなくその地域は埋もれて、衰退してしまいます。

その2 新幹線開通で逆に不便になる、地域内交通をどう再構築できるか

新幹線ができると、都市間の移動は目に見えて便利になります。反面、地域内での公共交通が不便になっていくという、厳しい現実があります。

新幹線に並行する在来線などは、第3セクター方式で切り離されることが珍しくなくなります。大抵は赤字路線のため、運賃は従来よりも1.2倍〜1.5倍程度も値上がりします。さらに特急路線の廃止、JR関連バスの再編なども行われ、新幹線以外の地域内公共交通利用は、ますます高コストかつ不便になります。

そのため、新幹線駅が近隣にない周辺地域の活用という点では、「新幹線+在来線」だけでなく、「新幹線+アルファ」でいかに来てもらえるか、という活用案を考える必要があります。

例えば、新幹線駅から離れた地域の例としては、青森県八戸市において、郊外の生鮮卸売市場の観光拠点化で成功している「八食センター」があります。八食センターでは、八戸駅からの「八食100円バス」を運行し「新幹線+バス」でのルート開発で観光誘客へとつなげています。さらに市街地を結ぶ八食200円バスも運行をし、駅と郊外である八食センター、そして街なかを結んでいます。

その際、拠点経営的に重要なのは、「地元利用(卸や小売)+観光利用」という組み合わせで構成を考えることです。観光客には常に波があります。あくまで基礎収入は地元客で確保しつつ、新幹線駅を活用した観光客収入については、「ボーナス的な位置付け」をすることによって、安定的な経営と「伸びしろ」を確保するのです。

4827とはずがたり:2015/12/01(火) 15:16:04
>>4825-4827

このように、地元として明確な来訪目的を作りつつ、不便になった地域内交通網を「補完する手段を、独自に用意すること」が、新幹線駅拠点だけでなく、周辺地域へ波及を生み出すうえで非常に大切です。

さて、大事なことは3つといいましたが、3つ目は何でしょうか。ストロー効果の話です。先述のように、新幹線開通で地元事務所などが閉鎖され、人も大都市部へ流出するなどのいわゆる典型的なストロー効果も一部では見られます。石川県も実際に、北陸新幹線によるこうした「ストロー効果」を「年27億円のマイナス」と試算しています。

しかし、実は、目に見えない地域間のストロー効果もあります。それは大都市資本が地方にどんどん進出し、「地方市場をどんどん席巻していくという構造」です。

その3 目に見えない資本ストロー効果を防ぐため地元資本投資を行う

わかりやすいのは、新幹線の主要駅における駅ビル開発でしょう。その際、駅ビルのテナントを見るとわかるように、東京や大阪資本の百貨店や、大型チェーンストア企業ばかりです。

これは何を意味するでしょうか。大都市資本企業の地方都市進出は、地元にとっては一見利便性が高まります。人が集まり、事業所数も増加し、雇用も拡大し、歓迎されるべき話に見えます。しかし大都市資本の進出が進めば、その地域から生まれた利益は、結局、チェーンを通じて、大都市へと吸い上げられるのです。

では、指をくわえて見ているしかないのでしょうか。そんなことはありません。例えば、鹿児島中央駅前では、地元の事業者によって「かごっまふるさと屋台村」が経営されています。若手経営者を中心に切磋琢磨しており、とても活気を帯びています。新駅周辺に形成される、新しい市場に対しては、小規模でも地元事業者が商機を見出して投資することは極めて大切なのです。

大都市間の高速・安定・大量の輸送を可能にする新幹線は、国家単位での生産性改善にはさまざまな面で合理性があると思います。一方で、地方にとっては明確な活用方法を独自に考え、対策を打たなくては、逆効果になることもあるのです。

新たな産業や拠点の作り方、まちのあり方を考える機会となれば、新幹線を活用することも十分に可能でしょう。観光産業での活用もありますが、ありきたりな観光イベントやツアーだけでは不十分です。見てきたように、独自のターゲットを定めた営業、新幹線と在来線だけでない独自の交通補完、さらに地元資本での投資が成功の「必須3条件」です。

もう一度言いますが、重要なのは「新幹線を作ることではなく、使うこと」です。活性化の起爆剤などという言葉に踊らされず、自分の地元は何で飯を食っていくのか、それにはどう使えるのか、という独自の考えと具体的な取り組みが問われています。これは、新幹線に限らず、あらゆる地方活性化事業に言えることでもないでしょうか。

◯ 参考資料

鯉江康正「全国都道府県間産業連関表による地域間産業連関構造の分析」

内閣府「県民経済計算(平成23年度)」

日本政策投資銀行「北陸新幹線金沢開業による石川県内への経済波及効果」

4828とはずがたり:2015/12/03(木) 15:43:27
>>4802-4829の木下氏の連載の初回

ゆるキャラは、地方創生に役立っているのか
「地域活性化」という曖昧な言葉に騙されるな
http://toyokeizai.net/articles/-/54183
木下 斉 :まちビジネス事業家 2014年11月25日

都電荒川線をジャック、「鉄道王国・熊本」をアピールする「くまモン」。くまモンのように、日本を代表するようなキャラになるのは難しいが、ゆるキャラに自治体が税金を投入するのは、正しいことなのか(アフロ)

はじめまして、木下斉(ひとし)です。今回から「リアルな地方創生」についての連載を開始することになりました。普段は全国各地の都市中心部で、不動産オーナー等と共に投資して共同出資会社を作り、地域活性化に取り組んでいます。「政治行政的なアプローチが多い地域再生・都市再生に経営を!」、がモットーです。どうぞよろしくお願いします。

さて、初回のコラムでは、「ゆるキャラ」についてとりあげたいと思います。7〜9月期の実質GDPの成長率が年率マイナス1.6%となるなど、改めて消費税の影響の大きさにはビビりました。安倍首相は「アベノミクス解散」で政策の正当性を問うようですが、政権の重点課題は、地方創生や地域活性化です。その地域活性化というと、いまだに地方自治体は「ゆるキャラ」にジワジワと取り組んでおり、頭が痛いです。

ゆるキャラは、税金をブチ込んでまでする経済政策か

自治体が中心となって取り組んでいるゆるキャラは総数で2000を超えているといわれ、ヒットしたゆるキャラと言えば「ひこにゃん」から始まり、今は「くまモン」が筆頭株といったところ。特にくまモンが出てきて以降は、大変な人気なわけですが、「そもそも論」として、大の大人たちが集まって、税金をブチ込んでやるような経済政策なのか、との疑問符がつくわけです。

読者の皆さんからは、「何をいっているんだ、観光振興などに大いに役立っているじゃないか」との反論もあると思います。

確かに、一部のキャラクター商品を販売する企業などにとっては、プラス効果はあるかもしれません。しかし、実体的な経済効果を考えると、プラスだけでなく、それらの関連商品に追いやられて売れなくなる商品もあるわけですから、マイナス効果も少なからずあるわけです。新たなキャラクター商品による売上げが、別の商品の売上げを食っているという構造です。

ましてや、「キャラクタービジネス」に関連して、「独自のオリジナルな製品」などがイノベーティブに開発されたわけでは、必ずしもありません。多くの場合は、単に「携帯カバー」にキャラクターをつけたり、地元のおまんじゅうにキャラクターをつけたり、そういった既存商品のデザインを変えるだけに使われているケースも多いわけです。

付加価値高まらず、経済効果の根拠も薄弱

新たなキャラクター商品による売上げが、既存商品の売上げから置き代わっているという構造もあるのです。逆に言えば、地元やその他を含めて、多くの事業者が、単にキャラクターをくっつけて商品を売ればいいだけですから、ブームに簡単に便乗できます。地元からも支持されやすいとも言えます。

キャラクター経済効果のプラスとマイナスとは?
ただし、ここでより深刻な問題は、多くの場合、根本的に製品の技術性能やサービスの優位性などによって、より生産性の低い商品から置き代わって売れているわけではない、ということなのです。

商品改善など、地道な経営努力をせずに、「自治体におんぶにだっこ」で、ゆるキャラヒットに便乗して商品を売ろうという話が地域活性化策であるとすれば、それは筋が悪いですし、長続きはしないのではないでしょうか。

もちろん、個別の民間企業が皆でおカネを出して、ブランド形成のためにプロモーションをやるのであれば理解できます。しかし、「マスマーケティング」的な発想で、中身がスカスカなのにもかかわらず、「キャラ人気」でどうにか物を売ろうという、浅はかなる取り組みを、よりによって自治体が全力で税金を使って展開してしまう。しかも、「地域活性化の切り札」とも言われてしまうわけですから、政策企画力の低下も甚だしい、と思わずにはいられません。

4829とはずがたり:2015/12/03(木) 15:44:07

ゆるキャラなどによる地域活性化に対する希薄な考え方を、それっぽく見えるように支えているものの一つとして、「経済効果」というキーワードが挙げられると思います。「これだけ経済的な効果がありました」、などといいながら、事業を肯定化するわけですが、この数字の根拠は怪しいといわざるをえません。ゆるキャラ関連だけではなく、常々、世の中で唱えられるこの「経済効果」がまともに実体経済に発生して、成長に繋がっていれば、日本の経済成長は万々歳なわけですが、地域活性化分野の経済効果も、注意してみないといけないわけです。

例えば、かの有名な熊本県庁がPRキャラクターとして採用している「くまモン」の場合には、日銀の熊本支店が気を利かせたのか、2013年末に「1000億円超の経済効果」、と謳ったわけです。しかしながら、数字の根拠を見ると、「くまモンをつけた関連商品売上高」のアンケート調査が主体になっています。

前述したような、実際の経済全体を見据えた上でのマイナス効果も考慮されず、何でもかんでも売上げから産業連関分析に基づく効果まで、積算してしまっての効果をあげています。

しかしながら、こんな数字が出れば、ひとり歩きをはじめて、一気に他の自治体も「くまモンにつづけー」といった具合に参入しかねません。せっかくのくまモンも、ご愁傷様です。

さらには、戦いは過熱しており、最近はコンテストなどで優勝するため、メディア露出を高めるために、莫大な予算を広告代理店に支払ったりして戦っているケースがあります。これは、結局は、キャラクターを活用する民間企業と共に、プロモーターなどのビジネスプレーヤーに税金が搾取されているだけとも言えます。

冷静に考えれば、一過性の人気商売で、さらには、まったく別の次元でガチの企業も参入してやっているキャラクタービジネス領域に、自治体が税金をブチこんで全国区で戦うということ自体、全く合理的ではないわけです。稀有な一部の成功事例に引き込まれて、皆でそこに参入して「二番煎じ、三番煎じ」を争い、殴り合いを「税金」を使ってやるわけです。不毛としかいいようがありません。

一般的に言って、日本の自治体の財政は「火の車」であるところも少なくないのです。もっと地元経済の中で改善できることがヤマほどあるというのに、なぜか、外を向いて「ゆるキャラ」で激戦を繰り広げてしまうわけです。

例えば、先日、「財政破たん懸念」を発表した千葉県の富津市でさえ「ゆるキャラ」の取り組みをしていて、「おーい、大丈夫かー」、と思わず言いたくなってしまいます。もちろん、大丈夫ではないわけですが。

4830とはずがたり:2015/12/03(木) 15:44:18
>>2828-2830
全国区で無駄な競争をするより、地元経済と向き合え

本来は、「ゆるキャラ」で全国区で戦う前に、地元の経済活動と向き合うべきです。個別の商品力を高め、付加価値をあげていこうとか、使わない地域内の遊休不動産などを活用して、新規開業者を増加させるなどの地味な取り組みのほうが、地域内で雇用も生まれ、他の自治体と不毛な競争に巻き込まれず、適切な設備投資などが促されるわけです。

しかし、例えば地元向けに自治体関係者が「そんな低生産的な仕事をやめて、もっと工夫しろ」などと上から目線で言ったら、ひんしゅくを買いますよね。結局、自治体は、頑張ってキャラクターをヒットさせて、関連商品で地元企業が一時的にでも儲かれば、そっちのほうがありがたがられるってわけですから、ついそっちのほうをを選択してしまいがちになる、というわけです。ヒットするのは一部だけですから、ほとんどは経費を無駄に使って終わるだけになってしまうのですが・・。

自治体が取り組む地域活性化策は、大抵はその時に話題になっていることや、数字の根拠が必ずしもはっきりしないのに、一見大きな経済効果が示されるようなネタに、集中しがちです。

しかし、「ゆるキャラ」のように、皆で一気に参入、ガチで殴り合いをして、互いに憔悴しきってしまって最後は尻すぼみで終焉を迎えることも少なくありません。どの地域も幸せにならない「不毛なる戦い」が、毎回のように繰り広げられてしまう。そのうちに「これはもはや時代遅れ。効果がなくなった」などと言い出して、次なる不毛なる戦いとなる「カッセイカジギョウ」を探し求めていくのです。

全てとは言いませんが、こんなことばかりを繰り返しているから、ずーっと活性化事業に数十年取り組んでいるはずの、地方自治体の歳入はなかなか増えず、歳出だけが増加して自治体財政が悪化していくばかりなのです。そうこうしているうちに、「自治体が破綻するー」と大騒ぎになって、「地方創生だー!!」 などといった話にもなっているわけです。

「ゆるキャラ」からわかる教訓としては、少なくとも、自治体が主導する地域活性化に期待することは、やめたほうがいいということなのです。地道に地域で民間が事業を積み上げていくことが、一番信用できる地域活性化であると思います。

4831名無しさん:2015/12/05(土) 14:17:17
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151201/k10010325051000.html
中山間地域の生活改善 2つの村の計画認定し支援
12月1日 6時36分

政府は地方創生に向けて、中山間地域などの生活環境を改善するための計画として、地域の交流拠点を整備したり生鮮食品などを販売する「道の駅」を拡充したりする、茨城県と岡山県の2つの村の計画を初めて認定し、交付金で施設整備を支援することになりました。
政府は中山間地域などの生活環境を改善するため、診療所や商店といった医療や買い物などの拠点となる施設の集約を後押しする方針で、先の通常国会では、自治体の計画を認定して交付金を配分することを柱とした改正地域再生法が成立しました。
これを受けて政府は、自治体から申請を募った結果、茨城県美浦村と岡山県新庄村の2つの村の「地域再生計画」を初めて認定しました。
このうち茨城県美浦村は、高齢者が交流するサロンや農産物の直売所のほか、保育施設も備えた地域の交流拠点を整備するとしています。
また、岡山県新庄村は、独り暮らしのお年寄りが一時滞在して共同生活できる施設を整備するほか、これまで村内では買えなかった魚や肉などの生鮮食品を販売するため、「道の駅」を拡充することにしています。
政府は計画の認定を受けて、交付金で施設整備を支援することにしており、ほかの自治体にも制度の積極的な活用を促すことにしています。

4832とはずがたり:2015/12/08(火) 13:16:16
冨山氏は大学を専門学校みたいにして仕舞おうとしているので日本の知識階級の再生産に関して非常に危険だと思うけど,そもそも大学が増えすぎているのは問題ではある。

>明確に言えることは中小、零細の企業数が多過ぎるということです。結局、ものすごい数の経営者がいるわけですが、現実には優秀な経営者の数は限られる。さらに、政策として、会社が潰れないようにしてきたことも大きいですね。
一方で冨山氏自身も解って居てて,実際に指摘もしているけど,日本は無能な経営者─自民党の支持基盤である─を保護しまくっていてそれが低生産性の企業の存続を許し日本の労働生産性を大いに下げている。

>>4802-4829の木下氏の地方経済活性化とも通じるのであるけど,地方が衰退しているのは政府の財政出動が少なすぎるからでは無く多すぎるからなのである。
市場経済の中に突き落として競争させれば良い。無能な地方の零細企業経営者は倒産して労働者として働かないと行けないからこれは大変な事だけど,財政が彼らに安穏とした生活をただで送らせるだけの余裕を許さないのだから仕方が無い。

第一回まち・ひと・しごと創生会議 説明資料
2014年9月19日(金)
株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO 冨山和彦
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/souseikaigi/h26-09-19-siryou3-5.pdf

我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る
高等教育機関の今後の方向性
2014年10月7日(火)
株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO 冨山和彦
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/10/23/1352719_4.pdf

[地方から変える日本の未来]
ローカル経済成長のカギは「労働生産性」の向上--冨山和彦(経営共創基盤CEO)
http://net.keizaikai.co.jp/archives/10924
2014年8月5日

近頃、メディアは「景気回復による人手不足が問題」だと言う。しかし、人手不足は景気に左右される一過性の問題ではなく、今後は、さらに深刻な労働者不足が予想される。冨山和彦氏が近著『なぜローカル経済から日本は甦るか』(PHP新書)で主張したのは、グローバル経済とローカル経済のふたつの経済圏の存在と分離。さらに、日本の70%のGDPと80%の雇用を占めるローカル経済の危機だ。少子高齢化が世界最速で進む日本で何が起こっているのか、地域の課題を俯瞰できなければ解決もない。日本の現状と今後を経営共創基盤の冨山氏に聞いた。20140826_Tokushu_2_01y

グローバルとローカルふたつの経済圏

-- グローバル経済とローカル経済のふたつの経済圏があるそうですが、その違いは。

冨山 競争がグローバルで行われている産業なのか、実質的に地域、ローカルの中で完結するのか。経済の地理的な広がりで分けていて、産業の中身によっても違うわけです。

 製造業やIT産業に加え、エネルギーとか油のようなコモディティーなどがグローバル経済ですね。一方、ローカル経済というのは、サービス産業などがそうで、分かりやすく言うと、例えば東京に住んでいる限りは、東京の床屋にしか行けないわけです。また、私たちは岩手県でみちのりグループというバス会社を経営していますが、人件費が高いからといってベトナムで走らせても岩手県の人は乗れないわけです。つまりは、地域で完結する経済圏。これがローカル経済です。ですから、この先いくらグローバル化しようとしてもグローバルワンマーケットにはならないんです。グローバルワンマーケットになっていく産業領域とローカルで帰結する産業領域との間は離れるどころか実際には分断してしまっているのです。

4833とはずがたり:2015/12/08(火) 13:16:32
-- トリクルダウンも起きないということですね。

冨山 かつての加工貿易立国のモデルであれば、大手組立メーカーの下に部品メーカーがぶら下がる形でしたから、世界で売れたものがローカルの部材メーカーにも大きな影響を及ぼしたのですが、今のグローバルな競争下では、世界中から参加したプレーヤーが熾烈な競争を行っています。この世界では、部材の調達も世界中から最適なものを持ってくるわけですから、国民経済という単位で見れば、この分野の経済の調子が良いからといって、国民経済のローカルの分野にこぼれ落ちるわけではありません。ですから、いくら大手製造業の業績が良くなっても大半の人には関係ないのです。

 しかし、これはしょうがないことで、日本だけの問題ではなく世界中が同じ条件のもとで戦っているからです。言うなれば、グローバル経済はワールドカップやオリンピックの舞台で戦っているようなものですね。

 日本のグローバル企業は世界的に見ても生産性が高く、プレーヤーは優秀ですから、また復活するのではないでしょうか。

-- では、ローカル経済のほうはいかがですか。

冨山 ローカルの経済圏、その多くは対面で行うようなサービス産業が主役で、規模の経済性があまり効かないので中小企業が多いんです。こちらは空洞化しようがありません。先進国ではこのローカルなサービス産業でご飯を食べる人が増えて、日本でも80%の人たちがこちら側の世界で働いています。

 ただ、労働生産性が低いという問題を抱えています。アメリカの半分でイギリスやフランスにも負けています。

-- その原因は何ですか。

冨山 明確に言えることは中小、零細の企業数が多過ぎるということです。結局、ものすごい数の経営者がいるわけですが、現実には優秀な経営者の数は限られる。さらに、政策として、会社が潰れないようにしてきたことも大きいですね。

 日本は、過去20年間需給ギャップにあえいでいました。設備の過剰、雇用の過剰、債務の過剰で、供給力過多の状態で人間も余っていました。この時期、労働集約型のサービス産業は雇用吸収力の最後の砦でしたので、労働生産性が低いのはいいことだったんです。人が余っていたので、賃金は低いがメシを食わすことができる。社会政策的には、総動員で中小企業の破綻を止めていたことに意味があった。ある種のワークシェアリングだったんですね。

 でも、アベノミクスが始まって、第1の矢と第2の矢は需要刺激策でしたから、その結果、株価が上がって、土地の値段も上がってきました。需要も高級品から活発化してきました。円安によって企業業績も良くなった。そうなると、需給ギャップが埋まってくるわけです。

 しかも、じわじわと生産労働人口が減り続けているので、グッと需要が高まったある日「人手が足りない」となった。確かに団塊世代の大量退職で、ここ数年、急激に減った事実もあります。ただ、人が足りないのは長期的な構造要因ですから、短期的に効く手はありません。

 また、地方ではもっと前から生産労働人口の減少による人手不足は始まっていたんです。ローカルを支えるサービス産業の多くが介護士や交通機関などの公共サービスですから、需要は高齢者の数が大きく影響します。地方は高齢者が多いですから昔から人手不足で、私たちが経営する、みちのりグループではリーマンショックの時でも人手不足でした。だって、グローバル経済とは関係ないですから。トレンドは先に地方で起きているんです。それがようやく、東京でも顕在化した。

-- 今後、どうすればいいのでしょうか。

冨山 日本経済の持続的成長を促すのは、サービス産業の潜在成長力、すなわち労働者の頭数の確保と労働生産性の向上しかありません。そのためには、まず何とか生きながらえているゾンビ企業の速やかな退出と、今後増えると見込まれる人件費倒産を放っておくことです。間違っても倒産を止めちゃいけない。

4834とはずがたり:2015/12/08(火) 13:16:58
>>4832-4834
 右肩上がりの高度成長時代は旺盛な外需に対して生産性を上げてきたのですが、今の右肩下がりの時代でも生産性を上げなければならないわけです。

-- 人が路頭に迷う危険性は。

冨山 ないです。今こそ、もう一度生産性を高めることを真剣に考えなければ、この国の経済成長は持続しなくなります。

 ただ、今後多くの倒産が起きてもそれが、人生の悲劇にならないようにしなければなりません。大事なことは2つあって、ひとつは、倒産すれば職場を移動しなければなりませんから、移りやすいような仕組みが必要になります。サービス産業の職の多くが総合職型ではなく運転手や保育士などのいわゆるジョブ型と言われる職です。そのためにも職業訓練と転職支援の充実が求められます。

 もうひとつが、移った先で賃金が上がるようにすることです。

 労働生産性と賃金は比例しますから、当然、労働生産性の高い会社に移れば賃金も上がるはずです。

 また、経営者もクビをくくらないでいいようにしなければなりませんね。これは、制度を変えてしまえばいい話ですけどね。

-- 海外は連帯保証制度を取ってないのですか。

冨山 連帯保証を取る商習慣はないですし、中小企業を守る政府の厚い保護も海外ではありません。会社がつぶれるのは当たり前のことですから。その代わり、欧州などは職業訓練などが充実していますよね。

-- 近い将来、日本の経済は変わっていると思いますか。

冨山 変わっていないと日本経済は大変なことになりますよ。潜在成長力は下がってくるわけですから。シニアと女性の就労参加は大事なんですが、劇的に労働力は増えませんし、既に地方ではかなりの高参加率です。

 みちのりグループも、キーワードは女性ドライバーとシニアです。既に定年制も事実上なくなっています。政府が女性の就労という前に、民間は生き残らなければなりませんから、既に活用しているわけです。

 アベノミクス第3の矢も、グローバル経済関連メニューはもうおおむね十分です。どんなに応援してもグローバルの雇用は20%ですし、GDP比は30%でしかない。もちろんグローバルも大事ですが、彼らは既に世界トップレベルで戦っています。

 むしろ、今後の本丸はローカル経済圏の再生なのです。繰り返しますが、労働生産性の向上と労働者の頭数の増加しかないんです。労働者も増やしますが、これだけでは無理なので、国内製造業の半分といわれている労働生産性を上げて、実質賃金を上げていく。この実質賃金が持続的に上がることで、消費に回って、投資に回って、さらなる生産性の向上という循環につなげていかねばなりません。

 そうしなければ、日本の未来は厳しいですよ。

(聞き手=本誌・古賀寛明 写真=佐々木伸)

4835名無しさん:2015/12/17(木) 21:42:35
意味があるかはともかくまともな取り組みだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151217/k10010344411000.html
全国知事会 沖縄の基地問題検討の場を設置へ
12月17日 20時47分

全国知事会は東京都内で会議を開き、沖縄に集中しているアメリカ軍基地による負担をどう軽減していくかなど、基地問題について話し合う場を知事会に新たに設ける方針を確認しました。
17日に東京都内で開かれた全国知事会議では、政府が編成作業を進めている来年度、平成28年度予算案に関する要望事項など、地方が抱えている当面の課題に関して意見を交わしました。
この中で、沖縄県の浦崎副知事は「全国知事会で、沖縄の基地負担を軽減する場の設定などを含めて議論していただきたい」と述べ、沖縄に集中しているアメリカ軍基地による負担を巡って幅広く議論する場を設置することを提案しました。
これについて、全国知事会の会長を務める京都府の山田知事は「国の大きな防衛問題の中で、一つの都道府県に過大な重荷が背負わされている。こうした問題に地方公共団体が結束して当たる必要がある」と応じ、基地問題について話し合う場を知事会に新たに設ける方針を確認しました。

4836とはずがたり:2015/12/18(金) 21:55:15
>>4785
亀レス失敬ですが私の>>104サルベージ頂き感謝っすヽ(´ー`)/

都市の効率的な行政制度の確立はマイテーマの一つなんですがなかなか定着しているのをぶっ壊すのは難しいっすねー。
橋下は或る意味狂人だと思うけど,あれくらいの神経持ってないと凝り固まった制度を動かせないのかも知れないです。。

4837名無しさん:2015/12/19(土) 11:33:00
<近畿>兵庫県芦屋市

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151218/k10010345921000.html
兵庫・芦屋市 “全国一厳しい”屋外広告規制の条例
12月18日 20時50分

兵庫県の芦屋市議会は、現在市内にある看板などの4割近くが基準から外れることになる、景観条例案を可決しました。芦屋市は、屋外広告を規制する条例としては全国で最も厳しいとしています。
条例は、閑静な住宅街が広がる芦屋の景観と環境を守ることを目的に、屋上の看板やネオンサインなどの設置を全面的に禁止するとともに、看板やポスター、のぼり旗などについても、面積や色、文字の大きさに制限をかけ、違反した場合は50万円以下の罰金が科されます。
芦屋市によりますと、ことし3月現在で市内にある看板などのうち、4割近い318の広告物が基準から外れ、屋外広告を規制する条例としては全国で最も厳しいということです。
市議会では慎重な意見も出て、市民への周知期間を設けるため、施行日を3か月延長して来年7月からとする修正案が提出され、18日の本会議で賛成多数で可決されました。
市は基準から外れる広告物について、原則3年間の猶予期間を設けて撤去を求めていくことにしています。
屋上の看板やネオンなどは市全域で禁止
芦屋市議会が制定した広告を規制する条例では、屋上の看板やネオンサイン、LEDを利用して文字を表示する看板などは、原則すべて、市内の全域で禁止されます。
それ以外も地域ごとに厳しく規制され、例えば幹線道路沿いではのぼり旗を出すことが全面的に禁止されます。建物の壁に取り付けるタイプの看板も、高さが地上から4メートル50センチ以下、面積が1平方メートル以下に制限され、道路にはみ出さないように設置しなければなりません。
市長「市民に丁寧に説明」
条例案が可決されたことを受けて、芦屋市の山中健市長は「商業などに影響が出るという懸念の声もあるので、可決されたからといって終わりではなく、市民に丁寧に説明していきたい。芦屋市の景観は世界のトップランナーを目指し、とびきりの街を作って行きたい」と話しています。

4839とはずがたり:2015/12/20(日) 18:47:25
大企業の富裕サラリーマンが自然の豊かさに地方を選んで住んで地域にカネ落としてくれるなら効果でかいんちゃうか。富裕層へのやっかみ剥き出し(まあかなり抑制的に書いては居るけど)の記事はみっともない。

地方移住促進のため通勤手当控除を拡大、これって意味あるの?
http://thepage.jp/detail/20151213-00000004-wordleaf?pattern=2&utm_expid=90592221-48.hwO5r5EoTSCBuGKgIeW2Fg.2&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F
2015.12.14 07:00

 自民党の税制調査会が、地方への移住を促進する目的で、通勤手当にかかる所得税の限度額を引き上げる方針を固め、来年度の税制改正大綱に盛り込まれる予定です。

 現在、サラリーマンが会社から通勤手当を受け取る際には、月10万円までが非課税となっていますが、改正後は月15万円まで税金がかかりません。消費税の引き上げで通勤費の負担が大きくなっていることに加え、東京一極集中を緩和し、地方への移住を促進することが目的です。

 新幹線を利用して東京まで通勤するケースでは、非課税範囲が100キロから200キロに広がるため、東海道新幹線では静岡県の「静岡」、東北新幹線では福島県の「新白河」、上越新幹線では新潟県の「越後湯沢」までが対象範囲に含まれます。長距離通勤をしてきた世帯にとっては朗報でしょうし、これをきっかけに地方への移住を検討する人もいるかもしれません。

 ただ、こうした通勤費を実質的に政府が補助することについては異論もあります。政府が住む場所によって実質的に国民の所得を変化させるということになると、経済的な利益を得られる人と、そうでない人との間で不公平感が生じてしまいます。また企業の経済活動に政府が介入することになりますから、場合によっては市場メカニズムに合わない非効率的な結果をもたらす可能性も出てくるでしょう。地方への移住については、政府が介入せず、自然の成り行きに任せた方が最終的な問題解決は容易との意見もあります。

 さらにいうと、15万円という高額の通勤手当を払える企業というのは、裕福な大企業に限定されると考えられます。地方移住を推進させるという点では効果があるかもしれませんが、所得の再分配という点ではむしろ逆効果となりかねません。

 企業の中には、政府の方向性とは逆に、会社の近くに住むことを奨励しているところもあります。ネット企業のサイバーエージェントでは、勤務しているオフィスの最寄駅から2駅圏内に住んでいる正社員に対して月3万円が補助されます。つまり会社としてはできるだけ近い所に住んで、通勤時間の無駄をなくして欲しいというメッセージです。最近では、ベンチャー企業を中心に、サイバーエージェントと同様の通勤手当を導入するところも増えているようです。

 人がどこに住んで、どの程度、交通費をかけるのかについては、最終的には本人が決めるべきことです。コストが高くてもよいので近くて便利なところに住みたいのか、遠くてもよいので安いところや環境のよいところに住みたいのかというのは、人それぞれです。各人の考え方に合った働き方を選択できる社会を目指すべきでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

4840とはずがたり:2015/12/20(日) 18:56:19

地方移住
1万人超え 5年で4倍 支援策拡充で
http://mainichi.jp/articles/20151220/k00/00m/010/063000c
毎日新聞2015年12月19日 20時28分(最終更新 12月20日 00時04分)

http://tohazugatali.we b.fc2.com/pop/063000c.jpg
移住者数の推移

 2014年度に地方自治体の移住支援策を利用するなどして地方に移住した人が1万1735人と1万人を超えたことが、毎日新聞とNHK、明治大学地域ガバナンス論研究室(小田切徳美教授)の共同調査で分かった。09年度から5年間で4倍以上に増えた。移住志向の高まりを受け、支援策を拡充した自治体が増えたことが背景にあるとみられる。【阿部亮介】

 東京都と大阪府を除き、移住相談の窓口や中古住宅を活用する「空き家バンク」などの支援策を利用した人や、住民票提出時の意識調査で移住目的とした人のうち、別の都道府県から移り住んだ人を都道府県や市町村に尋ねた。昨年12月に09〜13年度分を初めて調査。今秋、14年度分を調べた。昨年12月の回答率は92%、今秋は90%だった。

 13年度の移住者数は8181人で09年度(2864人)の2.9倍だった。14年度は43%増えて1万人を突破した。ただ、移住者数を集計していない自治体もある。行政の支援策に頼らない移住者もいるとみられ、実際はさらに多いとみられる。

 14年度に最も多かったのは岡山県の1737人で前年度より1000人以上も増加。続いて鳥取県が1246人、長野県953人、島根県873人、岐阜県782人。09年度に移住者数が0人だった青森県は10人、沖縄県は25人だった。

 一方、09年度からの6年間でみると、群馬県は2人から135人に、高知県は19人から652人に急増した。高知県の担当者は「相談窓口を東京に設置したり情報発信を増やしたりするなど取り組みを強化している。窓口を多く設置したため『移住者』として把握できる人が増えたことも要因ではないか」と分析している。

 政府は地方移住の促進に向け、20年までに東京圏から地方への転出を13年の37万人より4万人増やす一方、地方から東京圏への転入を47万人から6万人減らす目標を掲げている。

 移住希望者や受け入れ自治体をサポートする民間団体「生涯活躍のまち移住促進センター」(東京都)の渥美京子センター長は「東京に住む50〜60代は、介護施設の不足など10年後の生活を心配して『第二の人生』の相談に来る人が多い。30〜40代でも安心して子育てできる環境を求めて地方移住を考える人も増えている」と話している。

上位5県で48%、地域間格差課題

 共同調査では移住者は岡山や鳥取、長野といった10県ほどに集中し、「地域間格差」がみられる。14年度は島根、岐阜を加えた上位5県で計5591人で、全体の48%を占めた。

 鳥取や島根は過疎化による人口減少に悩み、早くから移住支援に取り組んできた。小田切教授は「移住者数が持続的に伸びる傾向は評価できるが、『地方消滅』という課題に対処するには幅広い地域への移住が望ましい」と指摘。「地域の特徴や特産品を生かし、魅力ある地域づくりに取り組む必要がある」と語った。【阿部亮介】

4841とはずがたり:2015/12/20(日) 19:04:57
今迄安保スレでやってたっけか?

所有者不明8島
国有化求める 五島の期成会、県に要望書 /長崎
http://mainichi.jp/articles/20150319/ddl/k42/040/378000c
毎日新聞2015年3月19日 地方版

 五島市の商工団体や漁協などでつくる「五島市鳥島等の保全・整備を求める期成会」(立石光徳会長)は、日本の領海を定める基準となっている離島の保全、管理を強化するため、県内にある所有者不明の8島について、早急に国有化に向けた働き掛けをするよう求める中村法道知事宛の要望書を県に提出した。

 政府は昨年8月1日、日本の領土・領海をアピールするため、沖縄県・尖閣諸島の五つの小島を含め、正式名称がなかった全国158の島に名前をつけた。県内では、男女群島にある「ガメ瀬小島」など五島市の4島と「一本松のはなれ」など対馬市の4島の計8島について、名称が国土地理院の地図や海上保安庁の海図に記載された。

 県によると、これらの島は登記簿と国有財産台帳に記載が無く、国は民法の「所有権のない不動産は、国庫に帰属する」に基づき、国有化できるか検討しているという。立石会長は「五島沖では外国漁船の不法操業が相次いでいる。海洋資源の確保のためにも、県当局から国へ強く要望してほしい」と話した。【大場伸也】

〔長崎版〕

4842とはずがたり:2015/12/20(日) 19:07:44

高齢者移住構想
3500人計画 15市町が受け入れ
http://mainichi.jp/articles/20151209/k00/00m/010/086000c
毎日新聞2015年12月8日 21時27分(最終更新 12月9日 08時22分)

http://tohazugatali.we b.fc2.com/pop/086000c.jpg
高齢者の移住受け入れを検討している自治体

 健康な定年前後の人の地方移住を促す「日本版CCRC」構想に関し、全国15市町が計3500人程度の高齢者の受け入れを検討していることが、毎日新聞の調査で分かった。この他にも受け入れを検討している自治体が複数あり、「移住計画」はさらに拡大する見通しだ。地方創生の柱であるCCRCに関する政府の有識者会議は11日にも最終報告書をまとめ、構想実現に向け動き出す。

<73歳金沢移住ルポ 課題は?>
 調査は11月下旬〜12月初旬に実施。今年秋に地方創生に関する政府の交付金を受けた5県・32市町村に対し、受け入れ人数や居住施設整備の有無などを尋ねた。概数のケースも含め人数を固めていたのは15市町だった。山梨県都留市と栃木県那須町はそれぞれ各1000人を見込んでいる。

 実施時期は「2019年度までの5年間」(那須町など)や「最短で17年度から」(新潟県南魚沼市)などのほか、「早期に」とするにとどまるところもある。

 ただ、どれだけ希望者が集まるかは未知数のうえ、受け入れ施設の整備の大半は民間活力の導入を前提としており、実際にどの程度の移住が実現するかは不透明だ。

 都留市は団地の空き部屋や空き住宅を改修し、見守りサービスの付いた民間の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」として運営。地元の大学と連携して生涯学習や交流の場の提供を目指す。鹿児島県伊仙町は賃貸住宅を借り上げて移住者に安く貸すことなどを想定する。生活支援には、要介護高齢者らを総合的にサポートする「地域包括支援センター」などを活用する。

 大半の市町村は首都圏からの受け入れを考えている。埼玉県秩父市は人数は未定だが、友好都市の東京都豊島区を主な対象とする意向だ。一方、徳島県美馬市などは首都圏だけでなく都市部の市出身者を中心に呼び込む。高知県土佐町は定着率を高めるため、仕事の多い高知市に住んで週末を土佐町で過ごす「2地域居住」から始め、将来的に土佐町に移住を促す構想を検討中だ。

 西日本のある自治体の担当者は「元気な高齢者が移住してくることで地域の活性化につなげたい」と話す。【阿部亮介】

 【ことば】CCRC

 「Continuing Care Retirement Community」(継続的なケア付きのリタイア共同体)の略称。健康なうちに移住してボランティアなどの社会活動に取り組んだり働いたりして地域に溶け込み、新たなコミュニティーを形成。医療や介護が必要になってからもケアを受けて暮らし続ける。米国で発達しており、日本国内では「シェア金沢」(金沢市)や「ゆいま?る那須」(栃木県那須町)が知られている。有識者でつくる日本創成会議が、将来、首都圏で多くの「介護難民」が生まれる可能性を指摘し、推進を求めた。政府も、希望者が地方に移住すれば東京一極集中の是正につながるとし、「生涯活躍のまち」として推進方針を決めている。

4843とはずがたり:2015/12/20(日) 19:10:23
なんか違和感あるけどなぁ。。

地方移住
昨年度、1万人超 5年で4倍に 岡山・鳥取1000人超
http://mainichi.jp/articles/20151220/ddn/001/040/002000c#cxrecs_s
毎日新聞2015年12月20日 大阪朝刊

 2014年度に地方自治体の移住支援策を利用するなどして地方に移住した人が1万1735人と1万人を超えたことが、毎日新聞とNHK、明治大学地域ガバナンス論研究室(小田切徳美教授)の共同調査で分かった。09年度から5年間で4倍以上に増えた。移住志向の高まりを受け、支援策を拡充した自治体が増えたことが背景にあるとみられる。【阿部亮介】

 東京都と大阪府を除き、移住相談の窓口や中古住宅を活用する「空き家バンク」などの支援策を利用した人や、住民票提出時の意識調査で移住目的とした人のうち、別の都道府県から移り住んだ人を都道府県や市町村に尋ねた。昨年12月に09?13年度分を初めて調査。今秋、14年度分を調べた。昨年12月の回答率は92%、今秋は90%だった。

 13年度の移住者数は8181人で09年度(2864人)の2・9倍だった。14年度は43%増えて1万人を突破した。ただ、移住者数を集計していない自治体もある。行政の支援策に頼らない移住者もいるとみられ、実際はさらに多いとみられる。

 14年度に最も多かったのは岡山県の1737人で前年度より1000人以上も増加。続いて鳥取県が1246人、長野県953人、島根県873人、岐阜県782人。09年度に移住者数が0人だった青森県は10人、沖縄県は25人だった。

 一方、09年度からの6年間でみると、群馬県は2人から135人に、高知県は19人から652人に急増した。高知県の担当者は「相談窓口を東京に設置したり情報発信を増やしたりするなど取り組みを強化している。窓口を多く設置したため『移住者』として把握できる人が増えたことも要因ではないか」と分析している。

 政府は地方移住の促進に向け、20年までに東京圏から地方への転出を13年の37万人より4万人増やす一方、地方から東京圏への転入を47万人から6万人減らす目標を掲げている。

 移住希望者や受け入れ自治体をサポートする民間団体「生涯活躍のまち移住促進センター」(東京都)の渥美京子センター長は「東京に住む50?60代は、介護施設の不足など10年後の生活を心配して『第二の人生』の相談に来る人が多い。30?40代でも安心して子育てできる環境を求めて地方移住を考える人も増えている」と話している。

一部の県に集中

 共同調査では移住者は岡山や鳥取、長野といった10県ほどに集中し、「地域間格差」がみられる。14年度は島根、岐阜を加えた上位5県で計5591人で、全体の48%を占めた。

 鳥取や島根は過疎化による人口減少に悩み、早くから移住支援に取り組んできた。小田切教授は「移住者数が持続的に伸びる傾向は評価できるが、『地方消滅』という課題に対処するには幅広い地域への移住が望ましい」と指摘。「地域の特徴や特産品を生かし、魅力ある地域づくりに取り組む必要がある」と語った。【阿部亮介】

4844とはずがたり:2015/12/20(日) 19:28:35

東京圏から地方へ 移住希望者の心つかめ 目標41万人、国が情報提供強化
http://mainichi.jp/articles/20150516/dde/001/010/047000c
毎日新聞2015年5月16日 東京夕刊

http://tohazugatali.we b.fc2.com/pop/047000c.jpg
市町村による移住支援の主な取り組み(2014年度)

 東京一極集中を是正する「地方創生」の柱として、政府が東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)から地方への移住支援に力を入れている。総務省は3月、JR東京駅近くに情報提供施設「移住・交流情報ガーデン」をオープンした。地方の人口減少対策は時間との闘いだ。地方創生を、都市部で広がる「田舎暮らし」志向にいかに結びつけるのか。成果が問われている。【田中裕之】

 「コンサートやお芝居はやってますか。図書館へのアクセスは?」。同ガーデンで4月18日に開かれた北海道厚真町(あつまちょう)の相談会で、埼玉県の地方公務員(58)が担当者を質問攻めにした。以前旅した北海道の自然にひかれ、定年後に娘との移住を考えている。「都会暮らしが長くて、いきなり山奥に住む勇気はない」。厚真町は「有力候補にしたい」と気に入った様子だ。

 厚真町は人口4700人。民間の「日本創成会議」が「消滅可能性」を指摘した自治体の一つだ。札幌市から車で1時間20分。新千歳空港にも35分と近く、「東京圏との日帰りも可能」が売り文句の一つだ。同町への道外からの移住者は、2014年度までの5年間で42人。

 「働き盛り」の人々にとっては、雇用の確保が条件だ。相談会に参加した東京都墨田区の会社員男性(48)は「新しい仕事を考えれば、雇用が多い都市近郊が希望だ」と語る。北海道の担当職員は「空港周辺は東京や札幌などとのアクセスの良さで人気が高い。道東地域などは苦戦しており、道内でも移住人気には格差がある」と説明する。

 ガーデンでは毎週末、移住者を待ち望む各地の市町村が個別の相談会を開いている。東京、福島を除く45道府県のパンフレットがずらりと並び、一度に何冊も持ち帰る人も。

 総務省は、地方の仕事や住居の検索サイト「全国移住ナビ」(https://www.iju-navi.soumu.go.jp/ijunavi/)も開設。自治体などから収集した情報を随時掲載している。

 一方、移住支援は「田舎暮らし」ブームもあり、民間が一歩先んじている。02年設立のNPO「ふるさと回帰支援センター」の東京・有楽町の事務所には14年に1万人が訪れた。センターの同年のアンケートで、移住先の人気上位は山梨、長野。担当者は「積極的な情報提供と、東京との近さが人気を呼んだのではないか」と言う。

 政府目標は、20年までに東京圏から地方への年間転出者数を41万人(現在37万人)に増やすことだ。ただ、政府統計の転出者には転勤、進学が含まれ、自発的に動いた人の公式データはないのが実情だ。

 毎日新聞と明治大地域ガバナンス論研究室(小田切徳美教授)の共同調査で、13年度に自治体の移住支援策を利用するなどして東京都、大阪府以外の45道府県に移り住んだ人は8169人。移住先は鳥取、岡山、岐阜の順に多かった。鳥取県へは962人で、3分の1を近畿圏からが占めたが、東京圏からも147人いた。県は、07年に相談窓口を設け情報発信するポータルサイトも整備したことなどが奏功したと分析する。小田切教授は「人口減のスピードが速い中国地方は、早くから移住政策に取り組んできた。大都市から離れていても、サポート態勢を決め手にする人は多い」と話し、移住希望者の心をつかめるかは受け入れ先の自治体の努力次第とみている。

4845とはずがたり:2015/12/20(日) 19:30:10
京丹後市のは有名だけど,こんなに極端なのは此処だけなのか?それともたまたま取り上げられて有名になっただけで他所も同じなん??

見かけの「改善」、すり替え、押し付け…地方創生の虚実
http://mainichi.jp/articles/20151215/dde/012/010/003000c
毎日新聞2015年12月15日 東京夕刊

 「自治体消滅」の危機が叫ばれ、安倍晋三政権が重要課題と位置付ける「地方創生」は今、どうなっているのか。安倍首相は“成果”を語るが、お寒い実態も浮かび上がってきた。これでホントに「地方こそ成長の主役」(今年2月の施政方針演説)なんて言えるの?【小林祥晃】

求人倍率のカラクリ

 今月8日夜、東京都心の高級ホテル。企業経営者らが集うパーティーで、安倍首相は誇らしげに語った。「この1年、地方創生に取り組んでまいりましたが、七つの県で有効求人倍率は過去最高になりました。高知県においては1963年に統計を取り始めて以来、初めて有効求人倍率が1・0倍になった。県庁で乾杯をしたそうです」

 有効求人倍率とは、求職者1人当たりに何件の求人があるのかを示した数字。それが上がったということは、雇用環境が改善されたことに他ならない。この話がよほど気に入ったのか、首相は先月29日の自民党立党60年記念式典でも披露した。地方創生の成果としてアピールするには、もってこいなのだろう。

 ところが、である。厚生労働省高知労働局と高知県に「首相が話題にしているが」と尋ねると、いずれも「え、そうなんですか」と驚くのだ。担当者の話を総合すると、確かに県の今年9月と10月の有効求人倍率は、史上初めて1倍の大台に乗った。だが、その要因は求人の増加だけでなく、求職者の減少にもあるというのだ。

 労働局によると、2009年の求職者は毎月平均約1万9000人だったが年々減少し、今年10月は約1万4000人。仮に求職者数が09年と変わらなければ、10月の倍率は約0・75倍だった。計算上、分母に当たる求職者が減れば、有効求人倍率が上がるのは当然だ。では、なぜ求職者が減ったのか。「明確には分かりません。ただ、若者の県外流出などで労働力人口が減っているのは事実。人手不足は否めません」と担当者は声を落とす。

 「雇用改善」の一因が過疎化・少子化による人手不足にもあるとすれば、地方の「創生」どころか「衰退」が進んだことにもなりかねない。

非現実的な人口目標

 政府が「地方創生」を打ち出したきっかけの一つが、日本創成会議(座長=増田寛也・元総務相)のリポートだ。「40年には全国約半数の市区町村で20?39歳の女性が半数以下となり、その結果896自治体が消滅する恐れがある」という衝撃的な内容だった。

 これを受け、政府は60年の人口を1億人程度に維持することを目標とする「長期ビジョン」を掲げた。13年の合計特殊出生率は1・43。これを30年に1・8に、40年までに、人口の増減がないレベルの2・07に上げるよう対策を講じる。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が60年の人口を「9000万人を割る」と予測しているのと比べると、強気な目標だ。

 国は昨年、全国約1800の自治体に対し、個別に「人口ビジョン」を策定するよう求めた。しかし、ここでも奇妙なことが起きている。

 例えば、人口約5万8000人の京都府京丹後市。社人研の推計では60年の人口は2万6000人だったが、市の人口ビジョンでは高速道路や大学の建設で、同年に7万5000人にV字回復するというのだ。同市は「市の魅力を高めれば、流入人口は増やせると信じている」とする。

4846とはずがたり:2015/12/20(日) 19:30:31
>>4845-4846
 現在約37万人の和歌山市も社人研の推計で60年に21万人に減るとされたが、子育て支援の拡充などで33万〜36万人を維持するとしている。

 「多くの自治体が『実現は難しい』と知りながら、あり得ない数字を掲げている。国が掲げる出生率に合わせた数字を出しているからです」。こう批判するのは「地方創生の正体」(ちくま新書)の共著がある金井利之・東京大大学院教授(行政学)である。「正直に『できない』と言えば、財政面などで国から不利な扱いを受けかねない。非現実的な計画を、余計な労力をかけて策定しなければならない地方も気の毒です」

 国は自治体に、大都市への人口流出を防ぐための「地方版総合戦略」策定も求めている。雇用創出や地域活性化のプランに数値目標や達成年度を明記させ、優れた案には「新型交付金」で支援する。金井教授は、このやり方にも批判的だ。「地方同士を競わせ、限られた人口の奪い合いをさせているだけで、少子化対策に全くなっていない。問題のすり替えです。本当に人口減少を解決したいなら、少子化がより深刻な大都市部の対策を考えるべきなのです」

 そして、こう訴えるのだ。

 「少子化がここまで深刻化したのは、大都市圏で若い世代のワーキングプアが増えたことが原因です。長期的な視点に立って、経済界とともに国が雇用政策を見直し、非正規労働者の正社員化や安定した賃上げを進めるべきです。それは自治体の仕事ではない。『地方創生』は国が地方に責任を押しつける『ヤレヤレ詐欺』です」

介護難民は嫌々移住?

 地方創生の目玉施策の一つに「日本版CCRC」(継続的なケア付きのリタイア共同体)がある。定年前後の中高年が健康なうちに地方のケア付き住宅などへ移り住み、地域でボランティアなどをして過ごし、医療や介護が必要になったら現地でケアを受けて暮らし続ける新しい生活スタイルで、米国で発達した。都会から地方への人の流れをつくるなどの狙いで、国が支援のあり方を検討している。

 国はCCRC推進の根拠として「東京在住者の4割が、地方移住を望んでいる」というインターネット調査の結果を挙げる。しかし、埼玉大と埼玉県が今年、無作為抽出した県民約2500人に調査した結果、7割が「今、住んでいる場所に住み続けたい」と回答した。移住したいという人の中にも「同じ地域の別の場所」を選ぶ人がいて、「全く別の地域に移住したい」という人は全体の1割程度だった。

 宮崎雅人・埼玉大准教授(地方財政論)は「国は『高齢者の希望をかなえる政策』と強調していますが、この結果を見る限り、遠方への移住を希望する人は極めて少ない」と指摘する。ではなぜ、CCRCを進めるのか。「国の本音は、首都圏で懸念される大量の『介護難民』の受け皿にしたいのでしょう」

 社人研によると、10年後に東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で、75歳以上の後期高齢者が現在より175万人増える。一方、首都圏の医療・介護の人材は今後、大幅に不足すると見られている。

 「国は大都市の高齢化に向き合わず、責任を地方に押しつけているようにしか見えません。このままでは『嫌だけど移住せざるを得ない』という高齢者が出てくるかもしれない。それでも形だけは『本人の希望』ということになる」(宮崎准教授)

 国の責任を自治体、そして国民に押しつけるのが地方創生だとしたら、ますます地方は弱くなり、国民生活はじり貧になるだけだ。

4847名無しさん:2016/01/25(月) 06:38:03
<九州・沖縄>鹿児島県奄美大島

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2016012400154&j4
奄美に雪「初めて見た」=115年ぶり、島民驚き

 南の島に、115年ぶりに雪が降った。24日午後1時すぎ、降雪が観測された鹿児島県・奄美大島では「本当にびっくり」「初めて見て感動した」と島民が驚きの声を上げた。

 島南部の瀬戸内町で、ペンション「海人スタイル奄美」を営む諌山綾香さん(41)は「普段はまず10度以下にならない。パラパラ降る氷の粒を見て本当にびっくりした」と興奮気味。中学1年の娘と3歳の息子は大喜びで、外に出て空を見上げたり、かき集めて解ける様子を見守ったりしたという。「島の子供は雪を見たことがなく、取り寄せて学校の授業で観察するほど。良い思い出になったのでは」と話した。
 島西部・宇検村の職員相良博樹さん(27)は近くの湯湾岳に登り、頂上近くの公園で雪景色を撮影した。風が強く痛いほどの寒さだったが、多くの見物人が集まっていたという。「山間部で時折降ることもあるが、これほどの雪を見たのは初めて。感動しました」とうれしそうに話した。(2016/01/24-19:08)

4848とはずがたり:2016/02/07(日) 05:58:54
商品券 静岡の町活性化ならず2015年8月15日(土) 15時21分掲載
プレミアム商品券 地元商店活性化にならず 静岡・吉田町中間報告
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6170783

 吉田町がプレミアム商品券発行事業の中間報告をまとめた。町が発行した1億8千万円分のうち、7月末時点で9割近い1億6千万円分がすでに消費された。しかし消費された商品券の70%以上がスーパーマーケットやドラッグストアなどの量販店で、地元商店の経済活性化につながったとはいえない状況が浮き彫りになった。(@S[アットエス] by 静岡新聞)

4849とはずがたり:2016/02/07(日) 05:59:10
「地域消費つながらぬ」プレミアム商品券に疑問の声
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/206387?area=ranking
2015年07月10日 11時00分

■エリアや店に制限なく

 佐賀県が発行するプレミアム商品券の販売が12日から再開される。初回分は発売直後に在庫切れし、売れ残った販売所には県内各地から購入客が殺到した。地域内での買い物増を期待する商工団体などからは「域内消費につながらない」との指摘も。県全域で使えるため、消費者のメリットは大きい半面、運用や消費喚起を狙った政策の効果をめぐっては疑問の声も上がっている。

 6月下旬の発売日に1万6000セットが売れた佐賀市の佐賀玉屋。開店直後から数百人が並び、在庫切れで他店から流れてきた客も加わって、社員20人が対応に追われた。残りが発売される12日は、バーゲンや中元商戦の最盛期。「初回のように人は割けない」。窓口の混乱に不安を募らせる。

 商品券は1セット1万円で、1万1000円分の買い物ができる。発行総額は60億5000万円。10%の上乗せ分は国の交付金を活用。全県で消費を喚起するために県がとりまとめ、初回は全55万セットの半分を販売した。

 地域振興策として市町ごとに発行してきた従来の商品券と違い、利用できる地域や店に制限はなく、県外資本の大型店でも使える。車の購入や住宅のリフォームなどにも使えるため、上限の20セットをまとめ買いする人も多く、県などには「金持ちの優遇策」といった苦情も相次いだ。

 対面販売の混乱を避けるため、他県ではインターネット限定で販売する自治体もあるが、課題は販売手法にとどまらない。

 初回分が数日間、売れ残った唐津上場商工会には、佐賀市などから購入客が殺到した。担当者は「域内の消費につながるかは疑問。中心部に資本が集まる動きが加速しかねず、地方創生の流れに逆行している」と政策の整合性に疑問を投げ掛ける。

 抽選会などを打ち出して顧客の囲い込みを狙う店もあるが、「市街地の利便性や大型店の品ぞろえを上回る魅力は簡単につくり出せない」。佐賀市郊外の菓子店主は商品券を生かす手だてを見いだせないでいる。

 一過性の消費にとどまれば、反動で需要が減る恐れもある。商品券自体、「ばらまき」との指摘もあり、「このままだと景気対策の棚ぼたで終わってしまう」と佐賀市の商工会幹部。消費喚起のかけ声の一方で、地域浮揚につなぐ取り組みは手探りが続いている。

4850とはずがたり:2016/02/07(日) 15:23:07
商品券にプレミアムついてるから余分にカネ使おうなんて阿呆なんてゐるのか!?

プレミアム商品券を巡る論点。必要な「費用対効果」の見極め
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150501-00000005-wordleaf-bus_all
THE PAGE 2015年5月8日(金)7時0分配信

 額面に上乗せした金額で使えるプレミアム商品券を発売する地域が増えている。国の交付金を使うことで必要な費用を捻出し、地域振興に役立てるとの見方がある一方で、税金を使った「バラマキ」との批判もつきまとう。プレミアム商品券をめぐる論点を考えてみる。

プレミアム商品券を巡る論点。必要な「費用対効果」の見極め
[画像]プレミアム商品券はバラマキか?
 プレミアム商品券とは、一定額の商品券を購入すると、地元商店街などでプレミアム(上乗せ分)を含めた金額まで使える商品券のことで、たとえば、1万円で500円券が22枚=1万1000円分=が得られる場合は、1000円分がプレミアムにあたる。

 地域社会の振興を目的に、公明党の主張を受けて、政府が2014年度補正予算で交付金を創設し、各地に広がりを見せている。プレミアム商品券の発行額は1500億円を超え、全国で1700を超える市町村が既に実施したり、これから実施する計画を立てたりしている。今後、5月から7月にかけて動きが本格化すると見られている。

 ここで焦点となるのは、「おまけ」の金額を上乗せすることで、それを使う地域にどれほどの経済効果がもたらされるかである。大都市の企業に郊外の自治体から通勤している人の多くは、普段、買い物を都市で済ませることが多いのだろうが、そうした人が居住地の地元商店街で買い物する場合には、地元消費を促すことができる。またプレミアム分で、普段は買わないような高額商品を思い切って買う動きにつなげることができるかどうかもカギだ。この部分を節約に回すような人が多ければ効果はあまり期待できないだろう。

 さらに、プレミアム部分を交付金(税金)で補填する場合には、費用と効果を比べてみて、全ての市町村や商店街で必ずしもうまくゆくとは限らないケースもある。プレミアムを使っても、継続的に客を呼べない場合などである。

 交付金を使うとなると、自治体は「我も、我も」と参加したがるが、必ずしも効果のない地域で使うと、最初のうちは物珍しさで需要があるかもしれないが、二度、三度と出すうちに、人気がなくなる事例もこれまで起きている。

 第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は「商店街が集積しているようなところは『呼び水効果』となり、プレミアム商品券が売り切れても、商店街として自力を持っているところでなら効果が上がる可能性がある。そうでない場合は、期待したほどの効果は得られないだろう」と指摘する。

 多くの自治体がこぞってやろうとしているものの、税金を原資とする交付金を使う場合には、本当に効果が出るのかを見極める必要がある。自治体は消費の喚起効果をアピールしがちだが、結果として税収が増えたのか、事後に需要の反動減などはなかったのかなどの検証は必要となるだろう。

 もちろん各自治体も昨今のような財政難の折、慎重な取り組みをするだろうが、全国一律でやると、どうしても対応が甘くなるところが出るのはやむを得ない。地方創生とは、交付金を使って商店街を保護するのではなく、創意工夫で商店街を強くすることが目的である。あくまで地域の民間の力をいかに高めるかにかかっているのである。
(3Nアソシエイツ)

4851とはずがたり:2016/02/12(金) 22:30:56
なぜかお金持ちが多い「岐阜県大野町」に学ぶ世帯年収1千万超えの鉄則
http://news.livedoor.com/article/detail/11164283/
2016年2月10日 6時0分 女性自身

「なぜ岐阜県の小さな町が第7位なんだ?」とマネー専門家も首をかしげる統計結果が話題を呼んでいる。

「昨年、総務省が公開した『平成25年住宅・土地統計調査』がそれ。全国の市区町村別に世帯の年間収入階級(300万円未満、300万〜500万円未満、500万〜700万円未満、1千万円未満、1千万円以上の5区分)を公表。市区町村別に世帯収入1千万円以上が何パーセントいるかがわかるようになったんです」

そう話すのは、1千万円以上貯蓄のある家庭の分析などで定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)・西山美紀さん(生活情報サイト・オールアバウト貯蓄ガイド)。

このランキングで驚きなのが、お金持ちが多いといわれる兵庫県芦屋市と肩を並べ、神奈川県鎌倉市を上回る全国第7位に岐阜県揖斐郡大野町が入っていること。東海エリアを中心にアクサ生命でFPとして活躍する牛田松雄さんは次のように語る。

「第7位の大野町だけでなく静岡県長泉町、愛知県田原市が12%超えで、全国第21位。首都圏と名古屋市周辺、芦屋市を除くと、ベスト25に入っているのはこの3市町だけですべてが中部地方。東海エリアには豊かな地域が点在しているということです」

なぜ、中部地方の小さな町にそんなにお金持ちが集まっているのか?

「豊臣秀吉が天下人になる立役者の1人で、質素をむねとし、聡明で堅実な人柄だったことで知られる竹中半兵衛の故郷ということは大野町が全国第7位ということと関係があると思います。長い時代を経ても気質は受け継がれているようで、収入が1千万円を超えてもおごらず倹約家が多いんです」

こう話すのは、大野町に隣接する大垣市生まれで、東京と大垣を行き来しながらFPとして活躍する伊藤亮太さん。

「また、大野町のバラ苗は以前、美智子妃殿下がいらっしゃってご覧になられたほど有名で、バラ苗農家はおしなべて非常に裕福。これも全国第7位になった理由の1つでしょう」

伊藤さんは岐阜県大野町、静岡県長泉町、愛知県田原市にお金持ちが集まる共通点をあらためてこう分析する。

【便利なわりに土地が安い】
「大野町は車社会では岐阜も大垣も近く便利なのに周辺より土地が安い。田原市は知多半島の先端で不便そうですが、じつは新幹線停車駅の豊橋市に隣接。また長泉町はやはり新幹線停車駅の三島市に隣接。三島から東京までは約50分。十分に通勤圏内なのに、首都圏と比べたら地価が安い。資産家はこうしたお得感に敏感で集まってくるので、高収入世帯の割合が高くなる」

【日本一の特産品や医療施設がある】
「大野町がバラなら、田原市は農家1戸あたりの農業産出額が日本一。菊とキャベツが有名です。また長泉町には日本全国から患者が集まる静岡がんセンターがあり、そこで働く医療関係者の多くが町に住む。こうしたことが世帯収入1千万円を超える下支えをしていると思います」

【住民福祉も充実】
「長泉町は町の財政が豊かで中学生までの子どもは医療費がタダ。大野町も保育施設の待機児童ゼロをずっと維持しています。田原市も含め、この3地域はなにより道路舗装が抜群にきれい。これもお金持ちが集まる条件ではないでしょうか」

4852とはずがたり:2016/02/23(火) 16:04:40
持続性を理解出来ず永久に国の補助金を乞食すれば良いと思ってる地方が多すぎる。

地方創生、持続可能なまちづくりのヒント
https://www.salesforce.com/jp/blog/2015/09/local-creation.html?d=701300000021KtO&soc=OU

1920 年の第一回国勢調査以来、2005 年に初めて日本の総人口は減少に転じました。その後一時は持ち直すものの、2011 年以降の対前年人口増減率はずっとマイナスをキープしており、これから先もずっと人口は減り続けると予測されています。人口減少による地方都市への影響は 深刻で、産業の減退、シャッター商店街の拡大などに苦しむ都市は増えていくと予想されています。

日本の人口の推移と将来人口の予測

地方都市にとって、地方創生や町おこし・村おこしは「生存戦略」と言っても過言ではありません。しかし、そのような厳しい状況でも地方創生に成功している自治体があります。彼らの戦略の共通項は、

一過性ではなく、持続可能なまちづくりを行うこと
自治体が持っている良さを客観的に見直し、最大限活かすこと
にあります。

今ある街並みを活かして、観光地化に成功した豊後高田市
大分県北部に位置する豊後高田(ぶんごたかだ)市は、かつて賑わっていたころの昭和 30 年代の町並みをテーマにして「昭和の町」を設立。一時期は「人よりも犬、猫が多い商店街」とまで言われた町を、年間 20 万人近い観光客が訪れる観光スポットに育て上げました。
豊後高田市は、その昔は海上交通の拠点としておおいに栄えました。最盛期の昭和 30 年代には 300 店を超える商店街で賑わっていたものの、時代の流れに押され衰退の一途をたどっていきました。商店街のお店はどんどんと撤退していき、一時期はまさに シャッター商店街そのものとなってしまいました。

1990 年代に入り、かつての賑わいを取り戻すべく、地元の商工会議所が大手広告代理店に地域活性化の施策立案を打診したところ、既存の商店街を取り壊し、巨大な 商業施設へと作り変えるプランが提案されました。しかし、財政難であった豊後高田市にとって、到底受け入れられる提案ではありません。そこで地元の若者が 立ち上がり議論を重ねた結果、寂れた商店街を逆手に取った「昭和の町」構想にたどり着きました。

ポイントは、豊後高田市が持っている資産・強みと、他の観光地の持つ特性を分析し、最もコストパフォーマンスの優れる施策を打ったことです。豊後高 田市の商店街は昭和 30 年代から大規模な再開発を行っておらず、少しの改修で当時の街並みを再現することができました。「寂れた商店街」という見方を「レトロな町並み」として評 価したのです。また史跡や歴史スポットを前面に押し出して観光地化すると、京都や金沢、鎌倉など強力なライバルとの勝負が避けられません。しかし、昭和を テーマとした観光地は他に競合がほとんどいませんでした。つまり豊後高田市は、自身の持つ最大の強みを生かせるブルーオーシャンで戦うという、最も効率の 良い戦い方を選択したのです。

2005 年からは「豊後高田市観光まちづくり株式会社」による第 3 セクター方式で運営されており、ますますの発展が見込まれています。豊後高田市の取組みは、2003 年に「半島活性化優良事例表彰 国土交通大臣賞」、「日本観光協会主催第 11 回優秀観光地づくり賞 テーマ賞」を受賞、2004 年には「手づくり郷土賞 地域整備部門 国土交通大臣賞」を受賞するなど、大きく評価されました。またその結果、ここ数年、人気雑誌のランキングで 3 年連続「住んでみたい地域」として選出されるなど、「人口増」に向けた戦略が実を結び始めています。

ないものはない! あるものを活かした島根県・海士町

松江から約60km沖にある、島根県・海士町。10 年前には財政破たんの危機に瀕し「島が消える」寸前だった海士町は、町を挙げて様々な取り組みに挑み、今や町おこしの代表例とまで言われるようになりました。海士町はどのようにして再生の道を歩んだのでしょうか。

2002 年に当選した山内町長は、政策を「守り」と「攻め」の両面から進めていきました。「守り」の政策では、行政職員の年功序列廃止、不要な役職の廃止、自らの 給与カット断行など、徹底的な行財政の改革を進めていきました。町長だけではなく、他の職員や町の人々も給与カットや行政からの補助金の削減を自主的に申し出るなど、町全体で政策を後押ししていきました。

4853とはずがたり:2016/02/23(火) 16:04:58
>>4852-4853
一方「攻め」の政策では、海士町に現在する資源を活かした産業を作ることが目標に掲げられました。例えば地元の隠岐牛。急峻な崖地で育つため、足腰 が強く病気にもかかりづらく、また海風のミネラル分を豊富に含んだ牧草により、美味しい肉質に仕上がることが特徴です。これまでは子牛のうちに本土の業者 に卸していましたが、利益率の向上を目指して繁殖から肥育までの一貫した生産販売ができる体制が整えられました。また、白イカや牡蠣などの海産物も有名で すが、離島ゆえに本土への輸送の間に鮮度が落ちてしまい、高値でさばくことが難しい状況でした。そこで海士町では、CAS という最新の凍結設備を導入し、鮮度を保ったまま本土に商品を届けることを可能にしました。CAS は決して安い投資ではありませんが、輸送時間の問題さえクリアすれば海産物を高値で取引できる=投資の回収が確実に見込めるという判断でした。また年間を 通じて取引が行えるようになり、収入の安定化にもつながりました。
並行して海士町は様々な施策を打ち、2004 年から 10 年間で 294 世帯、437 人が島外から定住しました。人口の約 2 割(島の人口が全体で 2,300 人)を増やした上、驚くべきことに、その多くは 20 代から 40 代の若い世代でした。

コンビニもない、ショッピングモールもないと、無い無い尽くしに見える島根県・海士町。しかし、島のキャッチフレーズ「ないものはない!」にある通り、無いことを悲観するのではなく、あるものをどのように活かしていくかに注力することで開けた再生の道でした。

和歌山県白浜町のふるさとテレワークにおける地方創生
国としても地方創生のための施策を遂行しており、その一つとして総務省が現在「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」を進めています。

2014 年の内閣府世論調査によると、東京在住者の 40.7 %が地方への移住を「検討している」または「今後検討したい」と回答しています。しかし、同世論調査では、「仕事が少ない」という問題点もあわせて指摘さ れているのです。この解決策として、現在、時間・場所の制約に縛られずに仕事ができるテレワークの活用が検討されています。

セールスフォース・ドットコムも「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に参加しており、クラウドサービスを活用した戦略的テレワーク拠点 「Salesforce Village」を和歌山県白浜町に設置し、本社機能の一部を移転して業務を行う新しいテレワークモデルの効果検証を行います。テレワークだけでなく、地 域の課題を解決する生活直結サービスのアプリを開発し、地域の活性化を支援します。また効果検証後には、同ソリューションを他の地域で展開することも検討 しています(詳しくはこちら)。

自治体の強みを再評価することの重要性
豊後高田市や島根県・海士町の事例にみられるように、自治体が今すでに持っている強みをきちんと再評価することで、「持続可能なまちづくり」への道 が大きく開けてきます。日本の人口減から生まれる各種の問題は確かに深刻ですが、このような自治体の学びを活かすことで、未来に希望をつなぐことができる でしょう。セールスフォース・ドットコムもクラウドサービスを活かして、地方創生に取り組んでいきます。
【参考文献】

総務省 豊後高田市(大分県)商業と観光の一体化による中心市街地の再生-「昭和の町」
宮崎幹朗 愛媛大学地域創成研究センター 地域創成研究年報 vol.2, p.78-87
大分県豊後高田市「昭和の町」に見る 地域活性化策の展開と課題
富沢 木実 法政大学地域研究センター 地域イノベーション第5号 p.65-78 海士町にみる「地域づくり」の本質
宇野 重規 nippon.com「Iターン」と地域活性化??海士町の挑戦(2014年12月11日)

4854とはずがたり:2016/02/24(水) 17:16:01
ビジネスチャンスは佐賀にあり
【実直・謙虚な県民に、日本一地震が少ない佐賀】
http://toyokeizai.net/articles/-/101163
制作 :東洋経済企画広告制作チーム

4855とはずがたり:2016/03/02(水) 21:28:12
幸福度「ビリから2番目」高知県にみる「逆転」のヒント
http://news.yahoo.co.jp/feature/114
3月1日(火)11時21分配信

2016年2月に発表された国勢調査では、1920年の調査開始以来、初めて日本の人口が減少に転じる結果だった。東京圏への人口の集中が進む一方、33の道府県で減少率が拡大した。…地方移住を進めたい政府側と、地方は疲弊しており、移住は甘くないという意見。果たして地方活性化の兆しはないのか。その答えのヒントを高知県から探る。(Yahoo!ニュース編集部/Forbes JAPAN編集部 副編集長兼シニアライター 藤吉雅春)

2015年2月、地方移住を推進する政府の「日本版CCRC構想有識者会議」でのことだ。…時代の変化を象徴する数字が、会議で配布された「東京在住の50・60代の地方移住に関する意向」という資料である。
定年退職後の第二の人生を念頭に、東京から脱出しようと考えている50代男性は50.8%だった。
団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年、東京圏では介護要員や医療施設が圧倒的に不足する。この危機を解消するためにも、政府は地方移住を後押しする「CCRC構想」を推進している。CCRCとは、Continuing Care Retirement Community(継続的なケア付き退職者コミュニティ)の略で、移住した人たちの地域交流や健康寿命の延伸ができるよう、受け皿機能を充実させた町づくりである。

しかし、50代以降の地方移住に対しては、会議中に懐疑的な声が出た。
「移住者の多くは、病気や伴侶の死を機に、都会に戻っている現実があります」
それに、自然災害を起きた場合、高齢者ばかりの集落で誰が助けてくれるのか。地域の扶助力は低下している。働く世代が減り、経済的な疲弊だけでなく、自治体そのものが消滅するとまで言われている。高齢化や人口減少に伴う地方の課題を、高齢者の移住で解消できるのか。
都会か地方か。どちらも難題を抱えるが、ここで興味深い県を紹介したい。日本がバブル期最後の繁栄を謳歌していた1990年、47都道府県で最も早く人口が自然減に転じた県。高知県である。

「ビリから2番目の県」
「知事、高知県と高知大学は一蓮托生の関係ですよ」
2012年に高知大学学長に就任した脇口宏氏は、高知県の尾﨑正直知事にそう言い、危機感を込めてこう続けた。
「高知大学が消えれば、高知県も消えるんです」
日本の10年後の姿は高知県にあると言われている。「少子・高齢化」が、「全国より約10年先行」と厚生労働省や内閣府で指摘されているからだ。高齢化率31.1%は秋田県に次ぎ日本で2番目の高さであり、年少人口割合は全国45位。また、県民所得は46位で、相対的貧困世帯率は全国トップと、経済基盤が弱い。

他にもさえない数字が並ぶ。中学生の学力テストではワースト2~3位と低迷。高知大学医学部の医師国家試験の合格率も、全国80の医学部ランキングで下位と「中の下」の間をさまよっている。
多くの指標で数字が低いため、「47都道府県の幸福度ランキング」(2011年の法政大学大学院調査、2014年の日本総研の調査)では、そろって高知県は46位。「ビリから2番目の県」と自嘲する県民もいる(ちなみにどちらも最下位は大阪府で、1位は福井県)。
そこで、産業振興や人材育成、CCRCなど多くの分野で、高知大学を拠点として県の地域活性化を行うことになった。だから学長は、「一蓮托生」と言ったのだ。

4856とはずがたり:2016/03/02(水) 21:28:37
>>4855-4856
最悪の数字が並ぶ環境と、ごく一般的な地方大学。実は、この両者が作用しあい、ある効果を生み出している。
(中略)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1097992700/4587-4588

人を育てることで、課題解決に挑戦できる。これが高知大学が導き出した答えである。

それは産業にも言えることだった。

悪いデータは「斜陽」か「伸びしろ」か
高知県の食料品出荷高に目を向けると全国46位と、またしてもビリから2番目。しかし、農業生産高は31位だし、高知の食材のおいしさは有名である。
生鮮品は流通できる量に限度があるため、本来なら地元で食品加工を行い、付加価値をつけて県外に売って利益を得るべきだが、そういう商売ができていない。そこで2008年、高知大学と県が連携協定を結び、金融機関や経済界の協力をもとにスタートした事業が、「土佐FBC(フードビジネスクリエイター)」である。
食品製造の技術からマーケティングまで、食のプロを育てようというものだ。さっそく誕生したのが、特産品である柚子を使った「ポン酢」「食後酒」や、トマトソース、グァバ茶の機能を活かしたコスメ商品。つまり、悪い数字は、視点を変えれば伸びしろでもあったのだ。
同じく2008年、高知大学では全学部で地域で働きながら課題を探求するプログラムが開始された。当初は「自律型人材の育成」を目標にした取り組みだった。
しかし、「高知は課題が多くて学生が鍛えられやすい環境でした」と、ある教授は苦笑する。地域に分け入ることで本音を掴み、課題の解決方法を考える教育に進化した。このプログラムは、企業など外部モニターの高い評価を受け、2015年、「地域協働学部」として創設が認可された。

「入学した学生の半数は起業家志望です。学生たちは地域に仕事がない現実を知っている。だから、生産から流通までを見据えた6次産業化で仕事を創出したいと考えているのです」(上田健作学部長)
数ある暗いデータとは真逆の数字がある。土佐経済同友会が県内在住の20歳以上(回答者数4009人)を調査したところ、「高知で暮らして幸せと感じる」人が約7割もいたのだ。実際、高知市内で、こんな声を聴いた。「ビリから2番目でこれだけ幸せなんだから、日本も捨てたもんじゃないですよね」。
医療費の無駄遣いの県と指摘される一方で、高知県は内閣官房が調査した、全国都道府県の「稼ぐ力分析(労働付加価値額)」の「医療・福祉部門」で4位。また、首相官邸に提出された「医療・介護余力指数」(高橋 泰・国際医療福祉大学教授)でも、トップレベルに位置する。
斜陽、負担、お荷物ーー。モノサシを変えれば、それは潜在的な成長力にもなる。最悪の数字を「伸びしろ」と見る人たちは、高知に限らず、全国にいる。どん底にビジネスを見い出す人々を、この連載で紹介してきたい。


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