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国際経済学

966とはずがたり:2016/08/10(水) 23:55:48


2016年 08月 10日 15:58 JST
コラム:人民元ショック再来に要警戒=村田雅志氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-masashi-murata-idJPKCN10L0IU?sp=true
村田雅志ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト

[東京 10日] - 5月から6月に下落が続いた人民元の対ドルレート(元レート)は7月に下げ止まり、8月も下値の堅い動きを続けていることから、一見すると安定感を増しつつあるように思える。

しかし、中国の資本流出と景気減速は続いたままだ。なんらかのきっかけで、元売りの動きが加速し、耐え切れなくなった中国当局が昨年8月と同様に元の切り下げに動くリスクは常に意識しておくべきだろう。

元レ―トは、中国人民銀行(人民銀)が今から1年前(2015年8月11日)に、基準値を前日(10日)の1ドル=6.1162元から6.2298元へと、過去最大(1.8%)の大きさで元安方向に設定すると発表してから、「下落がしばらく続く」「やや買い戻される」「再び下落が続く」「やや買い戻される」というパタ―ンを繰り返している。元レ―トが一定レンジでの推移を続けていた2014―15年とは対照的だ。

人民銀は昨年8月、基準値が大幅な元安となった理由として、市場実勢に近づけるためと説明したが、市場では中国当局が元を切り下げたとの見方が強まり、元安が進展。元レ―トは翌12日に1ドル=6.45元近辺と約4年ぶりの元安水準を記録した。その後は落ち着きを取り戻したものの、11月に入ると再び元安基調で推移。今年1月8日には6.60元近辺と約5年ぶりの元安水準を記録した。

そして、中国の大型連休(春節)直後の2月上旬には6.50元ちょうど近辺へと元高水準に戻り、4月末までは6.45―6.50元のレンジで安定した動きを続けていた。だが、5月に入ると再び元安基調で推移。7月末には6.70元ちょうどと2010年7月以来の元安水準に達した。

その後、再び元高方向に推移し、8月に入ると一時6.63元まで元高が進んだ。しかし、一部メディアが今年末までに6.8元程度まで下落させるのが人民銀の意向であると報じているように、元買い戻しは続かないだろう。おそらく昨年8月からのパタ―ンどおり、再び元安方向に転じるとみられる。

<中国の海洋進出や米利上げ観測もきっかけに>

人民銀が緩急をつけながらも元安誘導を維持する背景には、中国の資本流出と景気減速の継続がある。中国の国際収支統計(速報値)によると、4―6月期の資本・金融収支は594億ドルの赤字と2010年7―9月期以来の大幅な赤字を記録した。

速報値では資本・金融収支の内訳は直接投資のみが公表されるため、詳細の把握は難しいが、直接投資は現行統計が始まった1998年以来最大の赤字(308億ドル)を記録。中国政府が推進する一帯一路(シルクロ―ド)構想に基づき中国からの対外直接投資が高水準を維持する一方で、中国への直接投資が世界的な金融危機が起きた2009年以来の低水準に落ち込んだことで赤字額が膨らんだ。

中国景気の減速には歯止めがかかっていない。7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9と小幅ながら市場予想を下回り、5カ月ぶりの50割れ。輸入(元建て)は前年比5.7%減と市場予想を大きく上回る減少を記録した。4―6月期の中国国内総生産(GDP)は前年比6.7%増と市場予想に反し前期並みの伸びを維持したが、7月の両指標は7―9月期の減速を示唆しているように思える。

資本流出と景気減速が続くのであれば、元安圧力が弱まることはない。元レートが元高方向に推移した7月の中国・外貨準備高は、ドル安効果も加味すると前月から100億ドル程度減少した模様だ。中国当局は元安ペースを抑制するために元買い介入を強いられている。

元安圧力が根強い中、中国当局が元安ペースを抑制できているのは、世界各国で金利が低下し、ドルが伸び悩むといった外部環境によるところが大きい。しかし、外部環境が中国当局にとって都合のよいままである保証はなく、なんらかのきっかけで元売りの動きが加速する可能性は考えておくべきだ。


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