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国際経済学

864とはずがたり:2016/02/03(水) 10:26:24
>>863-864
また、ファクトセット・リサーチ社が昨年まとめたデータによれば、米国を代表する企業のなかでも、ウォルマートやアップル、マスターカード、スターバックスなどは、売上高の少なくとも10%を中国で上げている。

ロシアなど他の国々も、米国やその同盟国に対抗するカードとして使えるような経済的な強みのある分野を検討しはじめている。

中国の脅迫に対応するために、あるいは別の国が制裁の脅しをかけてきた場合に備えるために、米国がとるべき現実的な方策はいくつかある。

第1に、米当局者は制裁対応に向けたシステマティックな計画策定に取りかかる必要がある。米政府には、外国を対象とする新たな制裁の策定に向けた強力な分析メカニズムはあるものの、他国からの制裁に対する米国自身の脆弱性の分析にはほとんど手をつけていない。これは変えていかなければいけない。しかも急いでだ。

手始めに、財務省が防衛的制裁計画委員会を立ち上げて、制裁に対する米国の脆弱性についての調査・報告を行うべきだ。

第2に、米政府は中国政府に対し、米政府は制裁に脅かされている米国企業を支援する意志があることを明示する必要がある。米政府は中国による脅迫を受け入れがたいと考えていること、そうした脅迫にもかかわらず自国企業による対台湾輸出への参加を政府が奨励することを米国高官が強調すべきだ。

中国が実際に制裁に踏み切るのであれば、米政府は中国の行動に抗議するためのメカニズムに留意し、影響を受ける米国企業のための経済的な補償を模索する必要がある。

第3に、企業は制裁リスクを特定し、想定される脆弱性に対する防御を固めるよう努力する必要がある。米国企業はすでに、地震その他の自然災害などの広範囲に及ぶ出来事によってグローバル規模のビジネスが混乱することのないよう、高度な分析に取り組んでいる。企業は、同じようなリスクの評価と影響緩和に向けた戦略を、外国政府による制裁の可能性に対しても適用すべきである。

第4に、制裁を発動すべきかどうかの条件を決定するグローバルな基準構築に向けて、米国は従来に増してエネルギーと外交資本を投じる必要がある。現時点では、欧州連合のように米国に近い同盟国との間でも、そのような基準はほとんど存在しない。

米国がそのような基準の策定を進めていかなければ、中国政府などがそれを試みる可能性が高い。制裁発動の基準を策定すること自体には、中国やその他の政府による制裁乱用を防ぐ力はないだろう。

だが、グローバルな基準が外国政府による軍事力の乱用を防ぐことに貢献しているように、経済的な力の行使に関する基準も、その乱用に対して米政府が反撃する際に役に立つだろう。

今後、米国の外国政策においては、制裁を含めた経済的手段が中心的な役割を果たす可能性が高い。中国による制裁の脅しは、米国が米国なりの脆弱性を抱えており、米政府はそれに対処すべきだという認識が必要であることを痛感させる。

*筆者は元国務次官補代理(対脅威金融・制裁担当)で、現在は新アメリカ安全保障センター非常勤上級フェロー。


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