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国際経済学
827
:
とはずがたり
:2015/10/29(木) 17:58:27
日本はそこまで愚かではない
この話の伏線をまず確認しておこう。医療保険をよくわかっていなかったのでピンとこなかったが、20歳のアメリカ人が盲腸になり、病院から受け取った請求書を見て仰天したというネット上の話をみて理解した(
http://labaq.com/archives/51814438.html
)。
この人物は、盲腸手術で5.5万ドル(660万円)請求され、保険等で4.4万ドル(538万円)まかない、残りの1.1万ドル(132万円)を支払ったという。
アメリカ生活経験のある人ならわかるが、これはあり得る話だ。海外に行くときには、保険は必須で、保険会社からも、盲腸手術入院の都市別総費用例がでている。そこには、ニューヨークで216万円となっている(
http://aienu.jp/relation/expense.html
)。上の人物はちょっとボラれすぎたと思うが、ウソではないだろう。
日本の盲腸総費用の自己負担は、せいぜい20万円である。日米でこうした差があるのは、公的保険制度の違いである。日本の公的保険は皆保険制度であり、よくできていると思う。一方、アメリカの公的保険には不備が多い。
オバマ政権で抜本的な改正(オバマケア)を試みたが、以前よりマシとはいえ、日本の皆保険制度にははるかに及ばないものだ。
では、なぜ「日本がTPPに参加すると盲腸で700万円掛かるようになる」のかというと、TPPに参加すると、アメリカが自国の保険会社のために日本に圧力をかけて、日本の公的保険を根幹から揺るがすというのが、この話のロジックである。
しかし、この程度の単純な話は、以前から知られており、日本政府は、TPPで日本の皆保険制度に影響がでないように交渉している。
実際、政府が以前から用意していたQ&Aには「TPPで、日本の公的医療保険制度や薬価制度などの医療の安心が脅かされませんか?」というものがある。その答で、「政府が現時点で得ている情報では、TPP交渉においては、公的医療保険制度のあり方そのものなどは議論の対象になっていません」と書かれている(
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html
#7-2)。
実際の交渉でも、内閣官房のサイトになる「TPP協定の概要」(
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou_koushin.pdf
)では、「金融サービス章の規定は、公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度の一部を形成する活動・サービス(公的医療保険を含む)、締約国の勘定、保証又は財源を利用して行われる活動・サービスには適用されないこととなっている」と書かれている。
よく考えてみれば、TPPに参加する国は、それぞれ公的保険があるので、日本以外の国もアメリカのとおりにするのはもちろん反対である。だから、それぞれ適用対象外とする見通しを立てるのは簡単だし、実際の交渉でもそうなっている。
アメリカも、他国の公的保険をアメリカ並みにせよなんて馬鹿げたことは決して言わない。実際、米国担当者の話を調べれば、対象としないと何度も言っている。
あのクルーグマンも態度を変えた
なお、薬価制度に関連する医薬品の知的財産権の分野では、最後の最後までオーストラリアがアメリカと争ったので、結果として日本は漁夫の利を得ている。すべてアメリカの言うとおりになるのであれば、誰もTPPに参加しなくなってしまうだろう。
TPPは多国間交渉であるから、対アメリカという観点では、二国間交渉より有利だ。むしろ、アメリカは知的財産権保護などで各国に妥協したので、アメリカ議会がTPPを認めるかどうかが心配になるくらいだ。
アメリカ議会は、米政府から情報を多く得ているので、そこで今回の大筋合意について、アメリカとして譲りすぎという意見が多いのは、日本には朗報であろう。
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