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国際経済学

674とはずがたり:2015/03/18(水) 11:50:11
>>673-674
 AIIBのエピソードは、アジアにおける影響力を巡る戦いで中国が持つ最強の切り札は同国の高まる経済力だということを浮き彫りにしている。これに対して米国が持つ一番の切り札は、軍事力と安全保障条約のネットワークだ。

板挟みになる米国の同盟国

 米中の板挟みになった国はジレンマに直面する。日本、オーストラリア、フィリピン、韓国は皆、米国と安保条約を結んでいる。だが、すべての国で今や、対中貿易が対米貿易をかなり上回っているのだ。

 例えば韓国は北朝鮮を牽制することについても、そして、いつの日か中国自体に対するヘッジとしても、米国の力に依存している。だが、中国は現在、韓国の輸出の4分の1以上を受け入れている。これに対し、韓国の対米輸出は約12%にとどまる。

 その結果、韓国は頻繁に2つの方向に引っ張られることになる。AIIBがそうした例の1つだ。もう1つの例は、北朝鮮に対する防衛には役立つかもしれないが、中国が自国の安全保障に対する脅威と見なすミサイル迎撃システムの配備を求める米国の要請に応じるか否かに関し、韓国国内で繰り広げられている激しい議論だ。

 AIIBのエピソードは、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の妥結を目指す米国と日本の動機を強める一方だ。TPPは12カ国の太平洋諸国を1つにまとめるが、かなりあからさまに中国を含めない貿易協定だ。ここでも米国は、これは反中ブロックを構築する努力などではなく、経済の開放性の基準を維持するという問題だと主張している。

 だが、米国の一部同盟国でさえ、この主張を完全には受け入れず、アジア太平洋地域で最大の貿易国である中国を除外する新たな貿易協定を築くのは少々奇妙だとこぼす人もいる。

米国の軍事力か中国の経済力か

 米国政府と中国政府が繰り広げる、このアジア腕相撲大会における大きな疑問は、米国の軍事力が究極的に中国の経済力よりも重要な意味を持つかどうか、だ。

 個々の問題によって、答えは変わってくる。だが、全般的には、ある国が中国に脅かされていると強く感じるほど、米国の方へ傾く可能性が高い。日本がアジアでAIIBに抵抗する最後の大国となりそうなのは、このためだ。

 対照的に、もし中国があまり頻繁に拳を振りかざさないだけの分別を持てば、米国の緊密な同盟国に対しても、中国の経済力が次第に政治的、外交的な影響力に発展する可能性が十分にある。

 強大な米ドルの前に世界が屈服したと言われた時代があった。だが、AIIBの物語は、最近では米国の最も緊密な同盟国の多くでさえ、人民元というマネーに目の色を変えていることを示唆している。

By Gideon Rachman


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