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国際経済学

488とはずがたり:2011/12/15(木) 12:01:03

ドーハ・ラウンドの退場=国際公共政策研究センター理事長・田中直毅
http://mainichi.jp/select/biz/kansoku/news/20111206ddm008070102000c.html

 WTO(世界貿易機関)のドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)が成果を得られず、雲散霧消しそうだ。

 FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の網の目が世界を覆うなか、世界を律する一般枠組みの非力化を嘆く声も多い。しかしここは総合的な検討が必要だ。

 まず第一は、ドーハ・ラウンドの停止の原因はFTAやEPAのせいではなく、先進各国での農業保護主義の居座りだという点。発展途上国の期待は完全に裏切られ、集中力の欠如した会議の意味はなくなった。

 01年のドーハ・ラウンド開始に当たっては、世界の貧困の克服の手段として、先進国の農産物市場の開放が正面から掲げられた。先進国から余剰農産物を援助として受け続ける限り、途上国に未来はなかった。途上国の農業者にとってみれば、山積みされる余剰品の相次ぐ到着は、自らの立場の確立を阻むものであった。先進国の農産品市場の開放が、貧困からの脱却の正当な手段と位置づけられた。

 ところがその後の経過で、農産品の輸出増を通じての貧困脱却は絵空事となった。米国、欧州連合(EU)、日本の農業者は、保護の特権を決して手放そうとしなかった。他方、先進国の消費者の声は弱かった。

 第二に指摘すべきは、地球規模の利益を擁護する実効的な国際機関の相次ぐ後退である。IMF(国際通貨基金)も世界の金融危機にあっていまだ役割が定まらない。WTOも評価を大幅に下げた。覇権国家の消滅と関係づける意見もある。しかし米国による一極集中が論じられていた時にも、国際機関の役割低下は続いていた。

 国境を超える課題への取り組みをどう組織化するのか、という重い問いかけが残る。

毎日新聞 2011年12月6日 東京朝刊


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