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国際経済学

1578とはずがたり:2021/04/12(月) 12:38:56

https://twitter.com/AtsukoHigashino/status/1381332920560807936
東野篤子 Atsuko Higashino
@AtsukoHigashino
モンテネグロ、高速道路建設のために中国に借りた巨額ローンを返済出来ず、EUに肩代わりを求めていることが明らかに。

そもそもEUは、本案件で中国と契約しないよう同国に何度も忠告していましたが、同国がそれを押し切ったかたちとなっていました。ローン総額は約$1bn。

https://www.ft.com/content/3dd7a516-5352-4f48-bfac-236e43b2342d
Montenegro calls for EU help over $1bn Chinese highway loan
Refinancing offer would be ‘a small but easy win’ for Brussels, says finance minister


東野篤子 Atsuko Higashino
@AtsukoHigashino

本件経緯に関してはこの記事(2018年)が一番詳しいのですが、なかなか強烈な内容です。

そもそもこの高速道路建設に関しては、2006年に仏企業が、2012年に米企業がそれぞれフィージビリティスタディを行い、両者とも実現は困難と結論づけていましたし、クロアチアの、その次にギリシャとイスラエルのコンソーシアムが関心を示したが資金調達できず断念。

すると中国輸出入銀行が、モンテネグロの大学の経済学者を一斉に買収し(!)、別のフィージビリティスタディを実施して「実行可能」との結論を出し(調査内容は現在も非公開)、モ政府は中国と契約。

返済不能となった場合、同国は典型的な「債務の罠」に陥ります。
スリランカも2018年、中国への債務が返済出来ず、港のひとつが99年間にわたって中国国営企業の租借地となりましたが(リンクのNYTの記事参照)、モンテネグロと中国との契約にも同様の内容が含まれています。

冒頭のFT記事にもあるように、モンテネグロの財務大臣は「EUはきっとローンを肩代わりしてくれるでしょ」と楽観的(!?)。
確かにEUは、加盟候補国でもあるモンテネグロの窮状に対して何らかの手を打たないわけにはいかないでしょうが、EUでは「だからいわんこっちゃない!」の大合唱...

EUとしては、あれほど何度も忠告したにもかかわらず、モンテネグロが暴走して中国との契約を結んでしまったのに、そう簡単に債務肩代わりなどしたくはないというのが正直なところでしょうし、この契約に対してEUが実際にどのように介入できるのかという技術的な問題も残されていそうです。

未だに中国からの大型インフラ投資に魅力を感じている他の西バルカン諸国や東欧諸国には、本件の展開をよーく見ておいていただきたいと願うばかりです。
道路は出来ず、莫大な借金の返済だけは求められるのですから。

また本件は、中東欧と中国との経済協力枠組の「17+1」の終焉を一層早めそうです。

https://www.reuters.com/article/us-china-silkroad-europe-montenegro-insi-idUSKBN1K60QX
Chinese 'highway to nowhere' haunts Montenegro
By Noah Barkin, Aleksandar Vasovic
12 MIN READ

https://www.ft.com/content/d3d56d20-5a8d-11e9-9dde-7aedca0a081a
Montenegro fears China-backed highway will put it on road to ruin
Project that has raised country’s debt levels shows pitfalls of using Beijing loans


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