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国際経済学
1125
:
とはずがたり
:2017/03/14(火) 22:54:44
>>1124-1125
静かに進む新たな植民地体制
さて、このように買収に熱心な中国企業だが、実は、ドイツのハイテク産業だけをターゲットにしているわけではない。新シルクロード構想の実現のために、EUの他の国でも、多くの部門に気前よく資本を投下している。
中国経済は崩壊間近などと言われているが、なんの、なんの、中国マネーの威力はまだまだ大きい。ほぼ破産状態で、国有財産を切り売りするしかないギリシャでは、第一、第二の大きな港、ピレウス港とテッサロニキ港は今や中国の持ち物だ。
中国の新シルクロード構想は、そのまま軍事作戦でもある。だからEUの国々は、内心では中国の強大化を心配しているのだが、マネーパワーには抗えず、できればウィンウィンの関係を築きたいと、甘い夢を見ている。
ただ反対に、ドイツ企業(もちろん、ドイツ以外の企業も)が中国に進出しようと思うと、足かせが多い。それには、まずは中国との合弁企業を作り、実質的な経営権も中国に渡さなくてはならない。中国企業を買収することも、単独で現地法人を作ることもできない。
中国の景気が良かったうちは、これでも外国企業は十分潤ったが、最近は景気に陰りが出たうえ、そのせいだろう、中国の規制がますます厳しくなった。
現在は、たまたまトランプ大統領のせいで、アメリカとEUとのあいだの経済戦争が話題になりがちだが、今後はEUと中国の間でも、経済抗争はしだいに熾烈になっていくだろう。
世界での買収の状況を見ていると、企業の統合はどんどん進んでいくようだ。アメリカがアイクストロン社の中国による買収を妨害したと聞くと、あたかも市場の寡占化を防ぐための良策のように聞こえるが、それは違う。本当は、アメリカも、そしてもちろんドイツも、皆、隙あらば他企業を買収して、市場におけるパイを少しでも増やそうと鵜の目鷹の目になっている。
わかりやすいところで言えば携帯電話。黎明期には多くのメーカーが戦っていたが、スマホが定着した今、ドイツで見かけるのはサムソンばかり(ドイツで一番よく売れている10台のうち6台がサムソン、3台がアップル、1台がLG)。Nokia やMotorolaは消えてしまった。
この傾向は世界でも同じだ。もちろんスマートフォンだけでなく、銀行も、製薬会社も、すべての産業が、統合でどんどん巨大になりつつ生き延びている。
しかし、アジアやアフリカの経済基盤の弱い国では、外国資本が流れ込むと、地元の産業はまったく太刀打ちできない。これまで細々と機能していた農業や軽工業は、あっという間に潰される。
耕す土地を失った農民は、外資の入った大きな農園に雇われ、農奴のようになるしかなく、また、労働者は産業革命期のような過酷な労働条件を強いられる。こうして、静かに新たな植民地体制が進んでいく。
「アメリカ・ファースト」の副次効果?
この状況を改善するためには、どうすれば良いか?
今、トランプ米大統領が打ち出した保護主義的な政策が非難されているが、アメリカはともかく、弱小国にとって保護政策は、実は最良策ではないか。
弱肉強食のこの世界で、弱い国が主権を保ち、経済的に生き残っていくためには、市場保護以外に方法はないだろう。
先進国は、熾烈になった市場の奪い合いを鎮めるために保護政策を必要とし、発展途上国は、自分たちの産業を発展させるために保護政策を活用する。
トランプ大統領はそんなつもりで言ったのではないかもしれないが、悪評高い「アメリカ・ファースト」政策が飛び火して、弱小国の産業を保護する動きに繋がるかもしれないというと、少し楽観的すぎるだろうか?
川口 マーン 惠美
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