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環境問題

1■とはずがたり:2003/05/25(日) 10:47
環境や資源,sustainable growthなど環境問題一般を扱いましょうか。

石油などのエネルギー問題はこちらも参照
http://jbbs.shitaraba.com/study/bbs/read.cgi?BBS=2246&KEY=1042778728

環境省
http://www.env.go.jp/

1002とはずがたり:2017/06/04(日) 13:35:00
論点
米「パリ協定離脱」
https://mainichi.jp/articles/20170603/ddm/004/070/011000c
毎日新聞2017年6月3日 東京朝刊

 地球温暖化に歯止めをかけるための国際ルール「パリ協定」は骨抜きになってしまうのか--。トランプ米大統領が1日、国内外の反対を押し切り、選挙公約通り協定離脱を表明した。国際協調路線に背を向け、「自国第一主義」街道を突っ走る米政権。現実となった米国の「退場宣言」をどう受け止めたらいいのだろうか。

「脱炭素」の潮流は揺るがず 田村堅太郎・地球環境戦略研究機関上席研究員
 トランプ米大統領のパリ協定離脱表明の演説には事実に基づかない説明や、根拠の弱い現状認識が多く見受けられた。

 まず、最大の離脱理由に挙げた国内雇用についてトランプ氏は状況を正確に把握していない。確かに、米国が示した「温室効果ガスを2025年までに05年比26〜28%削減する」との目標に沿って削減を進めれば、石炭関連産業の労働者は一定数、職を失うだろう。だが、その代わり、再生可能エネルギー関連産業で雇用が生まれる。実際に、現時点で太陽光発電産業だけでも石炭関連産業の雇用規模を上回っている。トランプ氏は米国が協定に残留した場合、「25年までに270万人の雇用が失われる」と説明したが、新たな雇用や投資を勘案しない試算だろう。

 また、途上国の温暖化対策を支援する国連の「緑の気候基金」(GCF)に「先進国が毎年1000億ドル(約11兆円)も拠出しなければならず、今後、米国にとって受け入れがたい負担増になる」と訴えた。だが、1000億ドルは民間資金を含めた金額だ。あたかも政府資金だけでまかなうかのような誤解を与える表現だ。

 そもそもパリ協定では削減目標の設定も、GCFの拠出金額も、基本的にその国の裁量に任されている。その上、親条約の国連気候変動枠組み条約から抜けない限り、米国は4年間は協定にとどまり、離脱表明の実質的な効果は当面ない。それでも宣言したのは、大統領就任後、公約通りの成果を上げられない中、支持者引き留めを図る狙いとみるのが自然だろう。

 京都議定書は先進国のみに削減義務を課していたが、パリ協定は途上国も含む全ての国と地域が参加する国際的枠組みとして画期的な成果だった。離脱表明はあまりにも無責任だが、これでパリ協定が空洞化することはない。欧州連合(EU)と中国が共同声明を発したように協定を堅持しようという国際的な政治結束は固い上、産業界は既に低炭素社会に向けて動き出しているからだ。

 パリ協定が目標とするように、産業革命後の世界の気温上昇を2度未満にとどめるには、今世紀後半の早い時期に世界全体の排出量を、森林の吸収量などとの差し引きでゼロにしなければいけない。世界の多くのビジネスリーダーはその制約を受け入れ、別の選択肢「プランB」はないと認識して経営戦略を立てている。排出量の多い事業に対する金融機関の目も厳しくなっている。市場を中心としたこの潮流が大きく揺らぐことはない。

 懸念されるのは、日本でこの潮流を見誤った人々の意見が力を持つことだ。環境省は低炭素ビジネスを促す経済的手法として、炭素税や排出量取引といった「カーボンプライシング(炭素の価格付け)」を導入する議論を本格化させている。この実現を妨げようと、米国の離脱表明を受けて「国内産業に新たな制約を課すべきではない」という声が高まる恐れがある。しかし、温暖化を防ぐには脱炭素しか道はない。日本政府はトランプ氏に引っ張られず、長期的な視点でルール作りを進めるべきだ。【聞き手・阿部周一】

1003とはずがたり:2017/06/04(日) 13:35:14
先進国と途上国、対立再燃も 有馬純・東京大公共政策大学院教授
 パリ協定は関係国の多くの利害対立を乗り越え、何年にもわたる困難な国際交渉を経て作られた。目標達成の義務化を見送るなど全ての国が参加しやすいように配慮した上で、絶妙なバランスで成り立った「ガラス細工」だ。そんな苦労があっただけに、米国の協定離脱は残念だ。離脱は今後の国際交渉に悪影響を与えかねない。

 温室効果ガスの削減効果は、パリ協定への非参加国を含めて地球全体に及ぶが、削減コストは各国が負担する。コストは負担せず、利益だけ享受するような「抜け駆け」を防ぐことが欠かせない。米国の態度が国際協調に冷や水を浴びせるのは間違いなく、パリ協定を壊さないために世界は知恵を出さなければならない。

 トランプ米大統領は離脱の声明で「パリ協定は米国の経済と雇用に悪影響を及ぼす」と主張していたが、温室効果ガス削減目標を下方修正すれば済むことで、離脱する必要はない。パリ協定は下方修正を禁じていないというのが、交渉に参加してきた法律専門家の一貫した見解だ。ただ、トランプ氏はパリ協定の親条約である国連気候変動枠組み条約からの離脱には言及しておらず、温暖化対策自体を否定してはいなさそうだ。

 米国離脱の悪影響は三つある。第一に、強い態度で途上国に向き合ってきた米国が抜けることで、先進国側の主張が通りにくくなる懸念があることだ。現在はパリ協定を機能させるためのルール作りの最中だが、途上国側は、今まで多量の温室効果ガスを排出してきた先進国側の歴史的な責任を指摘し、先進国側よりも緩いルールの適用を求めている。

 パリ協定の合意過程で乗り越えた「先進国対途上国」という旧来の対立の再燃が懸念される。米国の動きを受けて、欧州連合(EU)は、途上国側の中国とパリ協定履行に向けた共同声明を採択した。温暖化対策に積極的でなかった中国を巻き込んだのはEUにとっての「借り」になる。EUは中国にいい顔をせざるを得ないことも考えられ、途上国側の厳しい要求を交渉で突き返せるのか疑問だ。

 第二に、高コストの温暖化対策を進めにくくなる可能性があることだ。米国が自国内のエネルギー産業に対して温暖化に関わる規制を緩和・撤廃する結果、エネルギーの生産コストが下がり、他国との競争でより有利になるからだ。もともと生産コストが高い日本も産業競争力を失う恐れがある。

 第三に、パリ協定は先進国の資金支援で途上国の参加を促す一面があるが、米国が資金を拠出しなければ、インドなどの途上国が対策を取らない口実にする恐れがある。

 温暖化問題は、温室効果ガスを減らす「地球益」と、各国が経済力を維持する「国益」との間のバランスをどう取るかが最も難しい。米国の離脱により、各国が「国益」面でどこまで譲歩するかの交渉が一段と難しくなることも予想される。日本は、米国がパリ協定にとどまるよう働きかけるべきだ。協定から抜けたとしても、温室効果ガスを減らす革新的な技術の開発などで米国と協力してほしい。【聞き手・渡辺諒】

トランプ氏去るの待つしか 宮家邦彦・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
 パリ協定からの離脱発表は、トランプ米大統領が大統領としての「統治モード」に切り替わっておらず、大統領選から続く「選挙運動モード」のままでいることの表れだ。一般に、選挙でどんな公約を掲げていたとしても、大統領に就任すれば現実的な政策を進める「統治モード」に移る。だが、トランプ氏はおそらく次期大統領選で「再選されたい」と考えているのだろう。

 トランプ氏は大統領選の総得票数ではクリントン氏に負けたが、(製造業がさびれた)米中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」の白人男性から圧倒的な支持を受けて勝利した。だからこそ、「選挙運動モード」を続け、強固な支持層をつなぎとめるメッセージを必要としたのだと思う。

 その典型が、大統領就任直後にトランプ氏が表明した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱だった。パリ協定離脱も公約に掲げていたが、欧州やロシアとの関係に配慮しなければならず、長女イバンカ氏ら政権内の反対もあったため、簡単には離脱を表明できなかったとみられる。

1004とはずがたり:2017/06/04(日) 13:35:29
>>1002-1004
 このタイミングでの発表には、いくつかの要因が考えられる。5月の初外遊で北大西洋条約機構(NATO)や主要7カ国(G7)の首脳会議に出席したが、欧州側の姿勢は硬く、歩み寄りの余地がないと判断したのだろう。国内では大統領選を巡るロシア疑惑が高まる中、起死回生につながる成果は出せていない。

 このままでは、ずるずると「統治モード」になってしまい、支持層から「トランプ氏はひよったのか」と批判が出る恐れがあった。そこで、政権内に反対があったとしても、パリ協定離脱を決断するしかなかったと思われる。

 一連の判断を見ていると、トランプ氏は劇場型の政治家だ。確固たる政治信条があるという印象はない。行き当たりばったり、即興的もしくは衝動的な判断で生き延びてきた。だから、今回も「今までと同じやり方でやれる」と思ったのではないか。しかし、パリ協定離脱は苦し紛れに投げた「球」に過ぎない。これによって、トランプ氏の政治的な地位が高まるとは言えない。政権に反発する人を増やす一方で、協定離脱によって、トランプ氏の強固な支持層が熱狂するわけでもない。

 トランプ氏はロシア疑惑でも苦しい状況が続き、今後、追い詰められていくことになるはずだ。米政治は来年の中間選挙が節目になる。トランプ氏と組むことで勝ち目があると考えれば共和党はしばらく様子を見るだろう。だが、逆の読みになれば、雪崩を打って大統領弾劾に動くかもしれない。

 世界はトランプ氏がいなくなるのを待つしかない。米抜きでのTPP発効を目指す「TPP11」と同じように、パリ協定も米抜きで粛々と手続きを進めていくことだ。今、世界は「米政治がトランプ氏を切り捨てるか否か」「切り捨てるとしたらいつか」を固唾(かたず)をのんで見守っている状況と言える。ここで、すぐに米国を動かそうとしても無理だから、我慢して待つしかないのだ。【聞き手・永山悦子】

195カ国・地域が署名
 パリ協定は地球温暖化対策に関する新たな国際ルール。大気中への温室効果ガス排出を今世紀後半に「実質ゼロ」にし、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるのが目標。前身の京都議定書(1997年採択、2005年発効)は米国が批准せず、中国が排出削減義務を負わない問題を抱えていた。パリ協定は先進国と途上国の対立を克服して15年に採択され、16年に発効。195カ国・地域が署名、米中を含む147カ国・地域が批准している。

 ■人物略歴
たむら・けんたろう
 1971年生まれ。ロンドン経済政治学院大学院博士課程修了。横浜国立大講師を経て2003年から地球環境戦略研究機関。国連の温暖化交渉の日本政府代表団メンバーも経験した。

 ■人物略歴
ありま・じゅん
 1959年生まれ。東京大経済学部卒。82年通産省(現・経済産業省)入省。大臣官房審議官などを歴任し、地球温暖化対策の国際交渉に長年携わった。2015年8月から現職。専門はエネルギー環境政策。

 ■人物略歴
みやけ・くにひこ
 1953年生まれ。東京大法学部卒。外務省日米安全保障条約課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを経て2005年退職。立命館大客員教授、外交政策研究所代表なども務める。


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