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鉄道総合スレッド

1971やおよろず:2007/02/01(木) 23:19:31
しかし、蒸気機関車を取り巻く情勢は決して楽観的なものではない。
蒸気機関車を維持するのは、様々な面で常に困難が伴う。
現に、九州で復活運転されていた8620型機関車「あそボーイ」は、この夏で運転を取りやめた。
大正生まれの車体の、老朽化が激しいためである。
このC58363は1972年まで東北地方で活動していて、最後は新庄機関区で廃車になった。
その後、埼玉県内で静態保存されていたものを、約20年前に再び動かせるように整備された。
蒸気機関車は一般的に走っていないので、取り替える部品はほとんど無い。
他に静態保存されている蒸気機関車で使えるものを譲ってもらい、持ってこなければならない。
静態保存されている機関車も、状態の良いものは数多くあるわけではない。
雨曝しになり、機関車全体が錆付いて解体されたものも多い。
このC58363も前回の全般検査の時、動輪の主軸にひびが入っており、他の地域で静態保存されている動輪を持ってきたという話を伺った。
整備にも莫大なお金がかかる。
動輪を丸く削る機械は全国でも北海道の苗穂機関区など、数えるほどしかない。
整備する人も、機関士も機関助士も経験者が主であるため、高齢化が進んでいる。
無煙化が完了したのは1975年末だから、60歳以上の方がほとんどだ。
金もかかる。
人も育てなければならない。
いくら蒸気機関車に人気があっても、沿線で写真を撮る人が多いだけではだめで、列車に乗ってもらわなければ収入にならない。

他方、欧米では100年単位で蒸気機関車の動態保存が進められている。
文化財として国や自治体が全面的にバックアップしているケースが多い。
日本も、行政が文化財としてバックアップするか、非営利団体に対する寄付金控除を認めるなど、
NGO/NPOが育つ環境を作らなければ、蒸気機関車のみならず、古き良きものを日本の文化財として残していくというのは至難だと改めて感じた。
何とか、多くの国民の皆様の力をお借りし、蒸気機関車などの文化財を、国民の意思として残せる仕組み作りに尽力していきたいと思う。


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