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Tohazugatali Economic Review

6■とはずがたり@マネー敗戦(1/3):2003/02/26(水) 00:02
古本屋で吉川元忠『マネー敗戦』文春新書を何となく買ってみる。以下はそれを元に再構成したものであるが,※部分を中心にこちらが適宜書き加えた内容があり当然彼の主張とは異なっている。

「中心債権国」or「中心資本輸出国」…工業化による豊富な経常収支の黒字を対外債務に振り向け,世界の資本移動の中心軸となった国。歴史的には19世紀から20世紀初頭にかけての大英帝国,20世紀のアメリカ,同後半の日本。←日本をそれに挙げる為には論証が必要であろう。

「経常収支」…政府・産業・家計の貯蓄=投資バランス

=イギリス体制=

19世紀半ばに産業革命を成し遂げたイギリスであったが,貿易収支は終始赤字であった(海外からの財の購入が輸出額を上回る)。海運収入や海外投資収入で赤字を補填。この事がポンドを世界に撒布する機能をも果たす。

アメリカ←(高金利による資金誘致)─大英帝国
を始めと←──(貿易出超傾向)───<工業力>
する海外─(海運収入配当収入)──→(資産の蓄積)

◆ポンド体制を構築できた理由
① 世界で産業革命を先駆け,圧倒的な工業力を実現した。
② 自由貿易による開放世界経済体制を構築した。

生産力でアメリカやドイツのキャッチアップを受け工業力が相対的に後退したイギリスは二度の大戦を経て中心債権国の地位を完全に降りた。更に第二次大戦前は自由貿易体制を放棄し,ポンドブロックを形成。

しかし蓄積された海外資産からの配当収入により経常収支黒字は1986年迄続く。

その後,登場するのはアメリカである。

=アメリカ体制=

※アメリカはフォードシステムに象徴されるような大量消費大量生産システムの構築に成功した。

◆ポンドからドルへの転換に際して観察される事実から二つのことが云えるであろう。
戦争で疲弊したヨーロッパにドルの形で供給された。この際これを裏打ちしたのが
① 唯一工業生産力を温存した超大国アメリカ
② 援助の枠組みをドルで提供することによって国際通貨として流通させる
この両者が必要であったであろう。

両大戦を通じ─(マーシャルプラン等援助)→欧州
て唯一の超大←───(貿易黒字)─────諸国
国となったア
メリカ合衆国←──(投資収支黒字)────南米等
<工業国>
<唯一の兌換紙幣$>

しかしこの枠組みは長くは続かない。そもそも援助は戦後復興の過程の話である。
日独の奇跡などで相対的な工業力は低下する。アメリカの財政はベトナム戦争などで赤字化し,ドルへの信認が低下した。
上の前提①,②が崩れ,ニクソンショックでアメリカは金本位制から離脱。ブレトンウッズ体制は崩壊する。


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