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Tohazugatali Economic Review

2100とはずがたり:2021/09/17(金) 01:06:32
>>2097-2100
● 円安という「麻薬」で誤魔化して、 技術開発、生産性向上を怠った

 技術革新などによって日本国内の生産性が上がれば、円高になっても企業の売り上げや利益は増えるので、株価も上がる。それだけでなく賃金も上がる。

 1980年代頃までの日本では、このようなことが起きた。

 ところが、90年代中頃から日本経済は変質した。

 生産性が上がらなくなったのだ。図表3に見られるように、購買力平価で評価した1人当たりGDPがほぼ横ばいになってしまった。

 このため、円高になると輸出企業の売り上げや利益が減って、株価が下がる。そのため、市場の実勢に逆らって円安を求める圧力が強まった。

 日本の生産性が上がらなくなったのは、日本が新しい技術体系(とりわけ、インターネットを中心とする情報技術)に対応できなかったためだ。

● 隠れた賃下げのトリック 見抜けないできた革新勢力

 ところが、円安になれば、企業の利益が回復し、株価が上昇するので、あえて技術革新をする必要性は感じられなかった。

 技術開発には投資が必要だし、労働者の配置転換も必要だ。そんな努力をしなくても、円安で誤魔化せるのなら、そのほうがずっと楽だ。

 円安とは痛み止めの麻薬のようなものなのである。本当に必要だったのは、技術開発による生産性の向上だった。

 しかし実際に行なわれたのは、国際的に見た日本人の賃金を下げることによって、利益を増大させることだった。

 それが続いて、ついに「50年前に逆戻り」というところまできてしまった。これは、経済成長率が鈍化したことと、円安になったことによってもたらされたものだ。

 自民党が企業利益や株高を追求するのはやむを得ないかもしれない。問題は、労働者のための政治勢力であるはずの革新勢力が、隠れた賃下げのトリックを見抜けなかったことだ。

 そして、いまに至るまで騙され続けている。その責任は重い。

 (一橋大学名誉教授 野口悠紀雄)


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