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Tohazugatali Economic Review

1■とはずがたり:2003/02/24(月) 18:56
経済(学)スレです。個別ネタは各スレッドでしますが一般スレが無いので立てます。
景気やマクロ動向なども。

1562とはずがたり:2015/05/13(水) 15:18:12

「貧困不良少年」が経済学のスターになった!
規格外経済学者、フライヤー教授の快進撃
倉沢 美左 :東洋経済オンライン編集部 記者
2015年05月13日
http://toyokeizai.net/articles/-/69327?utm_source=excite&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

Roland G. Fryer●1977年生まれ。2012年に優秀な若手社会科学者に授与されるカルヴォ・アルメンゴル国際賞も受賞している。「経済学会、黒人社会のライジングスター」との呼び名も

アフリカ系アメリカ人として初めてノーベル経済学賞を手にする日もそう遠くないかも知れない。

ハーバード大学経済学部教授のローランド・フライヤー氏が4月下旬、アメリカ経済学会が授与している「ジョン・ベイツ・クラーク賞」を受賞した。同賞の対象は、経済学での功績が認められた40歳以下の米国人で、過去にはポール・サミュエルソン氏やジョセフ・スティグリッツ氏、ポール・クルーグマン氏などが受賞している。受賞者の多くがその後、ノーベル賞を授与されているため、米国では「ノーベル賞に最も近い経済学賞」とも言われる。
経済学との出会いで人生が激変

37歳のフライヤー氏は、経済学者としてのキャリアの大半を、人種と教育格差や経済格差の研究に費やしてきており、今回は一連の研究が評価された。

少年時代にはこんな華々しい未来が訪れるとは思いもよらなかっただろう。生まれはテキサス州。シングルファーザー家庭に育った。父親は酒飲みで職に就いても長続きしないうえ、フライヤー氏が中学生の頃、性犯罪で捕まってしまう。極度の貧困と先の見えない日々。フライヤー氏自身も銃を持ち歩くような生活を送っていた。

15歳のとき、転機が訪れる。街でドラッグディーラーに間違われ警察の尋問を受けたことで、生活を見直すようになったと過去のインタビューで告白している。その後、バスケットボール選手として奨学金を得てテキサス州立大学に進学。ここでの経済学との出会いが2度目の転機となった。

それからの活躍はアメリカンドリームそのものだ。同大を2年半で卒業すると、ペンシルベニア州立大学大学院に進み経済学の博士号を取得。25歳でハーバード大の研究職を得る。フライヤー氏にラブコールを送ったのは当時学長だったローレンス・サマーズ氏だとされる。

そして今から約7年前、30歳のときに、ハーバード大のアフリカ系アメリカ人教授としては最も若くして経済学部の終身教授に就いた。

その後も同氏の活躍は続き、2008年には英「エコノミスト」誌が10年に1度掲載する「世界の若手エコノミスト8人」に選出された。2007年〜2008年にはニューヨーク市のChief Equality Officer(最高平等責任者)を務めるなど、研究以外にも活動の幅を広げている。

近年、米国では人種間の緊張が高まっており、先月にもメリーランド州ボルティモアで白人警察官による拘束時の影響から黒人男性が死亡したことに対する激しい抗議活動が全米各地で起こっている。

こうした中、経済学の観点から人種間格差是正に取り組んでいるフライヤー氏の研究が評価された意義は大きい。そこで、今回は2014年11月1日号の「週刊東洋経済」に掲載された同氏のインタビューを再掲したい。
アメリカンドリームは廃れつつある

──非常に厳しい幼少時代を過ごしたと聞いていますが、過去の経験は現在の研究にどのように影響しましたか。

私が育った社会は米国における最下層だ。子どもの頃から自分の周りには才能のある知人がたくさんいるにもかかわらず、いろいろな理由からその才能を生かせないでいると感じていた。

米国では子どもの頃育った地域の平均収入と、大人になって暮らす地域の平均収入に大きな相関性がある。この相関性は強まるばかりで、出身や宗教、人種にかかわらず努力すればいい暮らしを得られるというアメリカンドリームは廃れつつある。格差は開いているだけでなく、あらゆる側面で現れ始めている。

自分の育ちを考えれば、ハーバード大の教授になれたことは幸運としか言いようがない。格差の両極を経験しているわけだ。私の最終的なゴールは、育った場所と将来暮らす場所の相関性を弱めることだ。

ただしやみくもに格差をなくせばいいわけでもない。格差を縮めながら、起業家精神や必死に働くというモチベーションを養う方策が必要だ。単に格差をなくすのならば、同じ額の給与を全員に与えればいい。だが、それではスティーブ・ジョブズになるインセンティブも生まれない。経済成長を続けるには彼のような存在が欠かせない。

1563とはずがたり:2015/05/13(水) 15:18:40
>>1562-1563

──米国には建国来、特に人種を中心とした格差がありました。それがなぜ今になって格差があると叫ばれるようになったのでしょう。

米国では、景気後退とは近所の人が仕事をなくすこと、不況は自分が仕事をなくすことだといわれる。自分に同じ災難が降りかからないかぎり他人の状況は理解できない、という意味だ。今や米国には、建国来初めて子ども世代が親世代より裕福な生活を送れないかもしれないという認識が広がっている。

これは米国民にはとてつもなく恐ろしい事態だ。人種格差は多くの人にとって近所の人の問題だった。が、自分が仕事を失ったり、子どもが大学を出ても職を得られず家に戻ってきたりして初めて、格差問題がマイノリティではなく自分の問題として突き付けられるようになったわけだ。いい地域に育ち、いい学校を出て普通に暮らした人たちにとって経験したことのない恐怖感だ。
スキルレベルの差が雇用格差につながっている

──足元では米景気は回復し、失業率も下がり続けています。それでも格差への関心は膨らんでいる。

確かに数字上ではそうなっている。が、スキルレベルに焦点を合わせ雇用状況を見てみると、違う絵が浮かび上がるはずだ。

格差には二つの見方がある。一つは同じスキルレベルを持つ人同士の格差。もう一つは、スキルレベルが異なる人同士の格差だ。現在の米国における失業や雇用上の不平等は、スキルレベルが低い人に起こりやすい状況にある。

これが、育った地域と将来格差について私が研究している理由だ。今の米国ではどの学校に行ったかでその後の将来が決定づけられやすい。格差は子どもの頃から始まっている。雇用政策だけで雇用の質を改善するのは不可能で、雇用格差をなくすにはスキルレベルの差をなくすことを始めないといけない。雇用主だってスキルのない従業員は雇いたくないだろう。

トマ・ピケティは富裕層に対する課税強化を提案しているが、これには根本的に反対だ。最も重要なのはトップへのアプローチではなく、ボトムを教育し、チャンスを与えることだ。

──具体的に必要なことは。

公立学校のシステムをドラスチックにテコ入れすることが必要だ。教師の質を向上させ、生徒が学校にいる時間を延長する。そして、どの地域にいる生徒に対しても期待値を高く設定することだ。最初から期待値が低ければそのレベルにも達さなくなってしまう。だが、残念なことに政治家の多くが教育改革は必要だと知りながら実際は動かない。
格差が広がれば米国は競争力を失う

──政治家に教育改革を働きかけることはないのですか。

もちろんやっているが一筋縄ではいかない。まず政治家にとって教育改革は手間がかかる割に得票につながりにくい。教員組合や各種業界団体など反対勢力も多い。たとえば、テキサス州の学校で登校期間を延長する取り組みを行ったとき、州の観光協会から猛烈な反発を受けた。子どもが学校にいる時間が長くなると、バケーションに行く時間が減るからという理由だ。

──格差が広がり続けた場合、米経済にどう影響しますか。

ローマ帝国のように米国もいつかは競争上の優位性を失うだろう。問題は、米国は自ら改革し、こうした課題を解決し続けられるかだが、現時点ではその兆候は見えない。

──アメリカンドリームは消えうせたのでしょうか。

そうとは考えたくないが、夢を実現するには努力するだけでなく、就職しやすい大学に入るなどスマートさが必要になったのは確かだろう。つまり、アメリカンドリームも変わり始めているということだ。

ただ、私のような例は米国でしか起こらない。6月にオバマ大統領に会った際、「私のような男が大統領に会えるのはこの国だけだと思います」と伝えたら、「私のような男が大統領になれるのもこの国だけだ」と答えてくれた。これが米国でも例外中の例外ということになれば、私たちは本当に岐路に立たされていることになる。


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