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近世日本史スレ
155
:
とはずがたり
:2012/03/12(月) 09:07:02
>>154-155
あるとき、二宮金次郎は才を買われて、小田原藩家老である服部家の借金整理に知恵を貸すことになるのですが、金次郎が最初に行ったのは意外なことでした。金次郎は女中を全員集め「ススを1升持ってきたら2文やる」と指示します。女中は意味がわからなかったのですが、「二文もらえるなら」と一生懸命お釜を磨いて、そのススを金次郎のところに持っていきます。
当時は、お風呂の湯沸かしから飯炊きまで、すべてお釜で行います。そのお釜をピカピカに磨くことで、燃料効率のアップを目指したのでした。お風呂を沸かすのに、10本使っていた薪が7本ですむようになったら、3割のコスト削減につながるという意味です。
まずはコスト削減。そこで浮いたお金を運用して利益を出していくという考え方。このコスト削減の部分ばかりがクローズアップされて、「二宮金次郎=節約」といったイメージが定着していますが、金次郎の本質は浮いたお金を「運用」した点にあるのです。
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【キーワードは、『分度推譲』と『積小為大』】
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金次郎のこうした逸話は、低利融資、節約、運用といった彼の“利の悟さ”を想起させますが、その経済感覚の底辺にある思想を忘れてはいけません。
「人はお金だけで動かすことはできない」、「思想を農民の腹におとす」ことが何よりも重要であることを、農民出身の彼はよくよく理解していたのでしょう。
金次郎の思想を端的に表している言葉を二つ、紹介することにしましょう。
『分度推譲』… 分度とは、自分の生活の「度」(レベル)を認識し、その範囲内で慎ましい生活をすること。推譲とは、今あるお金をすべて使い切ってしまうのではなく、一部を将来の生活のため、子孫のため、あるいは、公共の利益のために振り分けることが大切。それが、結果的には、自分の利益につながるという考え方。
『積小為大』… 小を積んで大を為す。節約の大切さを訴えるだけではなく、日頃の小さい積み重ねが出来ない人間に大事を為せるはずがないことを教える考え。
ところで今回の二宮金次郎のお話、「じぶん年金」と何の関係があったのでしょうか?実は、大ありでして、「じぶん年金」作りは、まさに『積小為大』、「分度推譲」の世界だったのです。
なぜって、自分年金の積立投資は『小を積んで大を為す』ことで、毎月のお給料から積立金を捻出するのは『分度』、そのお金がやがては自分の将来の生活を豊かにし、子供や孫のためにもなる『推譲』につながるというわけです。
つまり、「じぶん年金」作りは、単に将来の経済的な豊かさを追求するためのものではなく、お金を積み立てることで自らの『徳』を築くことでもあったのですね。
【上地明徳のプロフィール】--------------------------------------------
株式会社SBI証券 特別顧問
信州大学経営大学院 客員教授
上地 明徳
学習院大学経済学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。
モルガンスタンレー証券、明治学院大学経済学部非常勤講師、日本インベスターズ証券専務取締役等を経て現職。
来る人口減社会というパラダイムシフトに対応し、金融システム、年金、福祉、教育などの諸分野において、新たな社会システムをデザインする。
現在、特に、国の制度に頼らない自立した『じぶん年金』作りの普及活動、『人間を幸福にするファイナンシャルモデリング』の研究に注力している。
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