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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

900とはずがたり:2008/07/31(木) 13:08:28
>>898-900
■日本のバイオ燃料の状況

 日本のバイオ燃料の状況は、さらに混迷の極みである。現在、経産省、農水省、環境省が三つ巴でバイオエタノールプロジェクトを進めている。農水省に至っては、2030年ごろまでには、日本のガソリンの10%の600万キロリットルのエタノールを日本で作ることができるとしている。

 ところが石油連盟は、エタノールをガソリンに混ぜることに反対している。品質の維持ができない、ということが表面上の理由であるが、実際には、その分売り上げが減るからである。そこで、「ETBE」という化合物をエタノールから合成して混ぜるという方法論を主張している。しかし、ETBEは有毒性の液体であり、もしも大量に漏れたことを想定すると、とても安全な方法だとは言えない。

 発想を全く変えて、日本海の大和堆で1万平方キロの海域(100km四方!)を確保し、海草を育てて、それから燃料を作ろうという計算もなされている。なんと、2000万キロリットルが供給可能ということで、これは現状で30%の自給が可能だということを意味する。もしも、車自体を改善し、燃費を3倍にすれば、全量の自給が可能になる。詳細は不明だが、どうやら発酵法は採用しないらしい。しかし、常識的に考えて、どうやって海草を集めるのか、海草に含まれる水分をどうするのか、セルロース・ヘミセルロースの分解をどうするのか、アルコールをどうやって作るのか、などクリアーすべき課題満載状態だろう。

 現状だと、車は、やはり化石燃料というきわめて便利でかつ安価な資源のおかげで成り立っているといわざるを得ない。すなわち、ここで何ら変革が行われないと、車文明は、化石燃料があと300年程度で完全に枯渇してしまえば、終焉を迎えるべきもののように思える。いやいや、そこまで持たない可能性もある。

 いずれにしても、バイオ燃料は正解では無さそうである。地球が先に壊れそうだからである。

■バイオ燃料以外の選択肢は?

 人によっては、水素がある、と言うだろう。しかし、水素が自動車用燃料として実用化されることはまず難しい。水素をどうやって作り、どうやって車に供給するか、その道筋がはっきりしていないからである。昨年のNEDOの報告書によれば、水素燃料電池車ができたとしても、水素を作るときに排出される二酸化炭素量は、プリウスから排出される二酸化炭素量よりも多い。しかも、水素燃料電池車の価格は、プリウスどころではない。

 加えて、水素の最大の欠点は、気体だということである。貯蔵を考えると、液体燃料というものが最高の選択肢だ。将来なんらかの方法で水素が得られれば、石炭を原料として合成液体燃料が使われることになるだろう。

 日本では環境先進国といわれているドイツでも、最大の問題は、車である。自主協定ではあるが、2008年までに140gCO2/kmまで二酸化炭素排出量を抑える約束がある。しかし、ドイツのメーカーでこの数値を満足させることができるメーカーは無いだろう。最近のドイツ車は重過ぎる。もっと軽量で燃費のよい車を作るべきである。ドイツ人の環境マインドも、やはり本物では無いのである。ドイツが環境先進国かどうか、それ自身も怪しい。

 EU委員会では、2012年の目標として、120gCO2/kmをすでに掲げており、軽量化・エンジンなどの改善で130gCO2/kmを達成し、10gCO2分は、バイオ燃料で実現しようと目論んでいる。この程度のバイオ燃料の使い方が妥当なところだろう。


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