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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

899とはずがたり:2008/07/31(木) 13:07:00

■バイオ燃料よりもガソリンのほうがエネルギー効率がいい

 もうひとつの問題が、エネルギー効率だ。バイオエタノールを製造するときに、もしも、大量の化石燃料由来のエネルギーを使うのであれば、それをそのままガソリンとして使う方が賢い使い方である。

 こんな観点からさまざまなデータが出されている。例えば、米国環境保護局の研究者が出したデータによれば、1という化石燃料を投入した場合に、得られるバイオエタノールのエネルギー量を次のように推定している。

表 化石燃料を1投入したときに得られるバイオエネルギーの量

原料_______国 エネルギー量
砂糖黍______伯国  7.9
甜菜_______英国  2
玉蜀黍______米国  1.3
糖蜜_______印度 48
糖蜜_______南ア  1.1
玉蜀黍の葉等___米国  5.2
麦藁_______英国  5.2
バガス(砂糖黍滓),印度 32

 米国でトウモロコシを原料として作ったエタノールは1.3で、ガソリンをそのまま使った場合とほとんど変わらない。すなわち、エネルギー的にあまり意味は無い。それに比較すれば、ブラジルでサトウキビから作るエタノールは、かなりエネルギーのゲインがある。

 考えてみれば、当然かもしれない。サトウキビは、あまり化学肥料などを使わないでも育つが、米国中西部のトウモロコシは、地下水を電気でくみ上げ、GPSを付けたトラクターが化石燃料を使って農地を耕し、化学肥料をかなり大量に使用しているからである。

 このようにバイオエタノールは、環境負荷を下げる効果は低い。しかも、穀物を人と車が奪い合う形になることが最悪である。

 米国の大きなSUVなどは、人間の100倍ぐらい大食いである。世界には、現時点で8億台程度の車があるが、2050年ごろを考えると、人口も増え、同時に20%の人が車を所有するとしたら15億台以上の車が存在することになる。1台で100人分とすると、地球上の人口が1500億人ということになる。一方、地球上で養える人口の上限は、牛肉などを大量に摂取しなければ、120億人ぐらいは可能だとされている。車だけで、その限界を10倍も超えるのである。

 それならば、農業廃棄物を使ったエタノールならば良いのか。確かに問題は無い。しかし、農地を維持するためには、すべての農業廃棄物をエタノールの原料にすることは難しい。そもそもそれほど多くの廃棄物はでない。

 このような考察から、バイオ燃料は車の燃料としては、かなり限定的なものにしかならないことが分かるだろう。


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