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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

2711とはずがたり:2020/04/30(木) 23:40:53
これは判りやすい!思わす寄付しておいた♪

なぜ石油生産を止められないのか
https://note.com/noriakioba/n/na2bbee5dc6d6
大場紀章 エネルギーアナリスト



在来型石油の場合、通常は数千億円から兆を超える桁のプロジェクトで、油田発見から初生産まで少なくとも5年、生産開始から停止まで20?40年以上という息の長い事業となる



…在来型油田の開発においては、油田のライフタイムを通して地下に眠る埋蔵量をできるだけ多く回収するという考え方のもと、最適化された生産計画に基づいて生産を行おうとする。従って、生産の途中でバルブを締めたり、EORを弱めたりすることで、生産量を絞ることは技術的には可能だが、そのようなことをすると設備稼働率が下がってコスト負担になる上、やりすぎれば油田に"ダメージ"(圧力が下がると油から溶解していたガスが泡の様に発生し油の移動性が下がるなど)を与え、将来的な回収率を下げかねないので、できるだけやりたくない。この点は、瞬間的に生産量を落としても単に少し設備稼働率が下がるだけの発電設備とは考え方が異なる。

石油は枯渇性ではあるが、自然のもの、つまりあえて言えば「"自然"エネルギー」なので、人間のコントロールには限界があるのである。

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シェールオイル生産の特徴
一方、シェールオイルの生産は在来型とは大きく異なる。

シェールオイルの開発は、息の長い在来型油田の開発と比べると、極めてサイクルが短い。掘削活動はわずか数週間で終了。生産開始後の1ヶ月もたてば生産量は急減する(減退率が大きい)。エリアにもよるが、1年後にはピーク生産量の約20%まで落ち込み、その後ダラダラと数年間生産を継続する(図左)。その為、生産量を維持拡大するためには次々に掘り続ける必要があり、右の図の様に平行して少しずらながら何本も掘り、面的に開発していく(図右)。

在来型油田と大きく異るのは、EORが原理的に無理ということだ。そのため、生産量の調整は、基本的に掘削活動の増減で決まる。減退率が大きいため、新規の生産がなければ生産量は急減することになる。

ただし、話を少しややこしくしているのが、シェール開発において、掘削後に生産開始していないDUC(Drilled but uncompleted well、掘削済・未仕上げ井戸)と呼ばれる生産待機状態にあるいわば生産在庫のようなものがあることである。昨年7月をピークに若干減っているものの、石油・ガスあわせて約7500箇所(2020年3月時点)もの井戸が生産待機状態にある(次の図)。従って、掘削活動件数(リグカウント)だけが低下しても、それが即生産量の低下につながるというわけではない。

このような開発を、比較的高利な融資でサイクルを回していく。シェール開発が自転車操業と呼ばれる所以である。上述したように、在来型油田では、原油価格が変動しても生産量の調整を行わないことが多いが、シェールオイルの場合は原油価格が下落するとプロジェクトが停止してしまう。そこで、ビジネスを安定させるため、予め売り価格を決める(売る権利=フットオプションを購入する)など、「スリーウェイカラー」と呼ばれる複雑な売買契約を駆使してリスクヘッジをしている企業が多い。こうしたリスクヘッジ戦略は企業によってポジションに大きな違いがあるが、一般にシェールオイル生産量の4割程度がヘッジされていると言われている。この結果、各シェールオイル生産企業のリスクヘッジ戦略の違いによって、原油価格下落の影響をうけるタイミングや衝撃の大きさには差が発生する。

また、4月に経営破綻したシェール企業ホワイティングの様に、今後破綻する企業が続出すると考えられるが、必ずしも破綻したからといって生産が止まるわけではなく、債務放棄した上で生産活動は継続する場合も多い。

従って、シェールオイル企業は少しでもキャッシュを稼ぐためにできるだけ他の企業が減産するのを待って生産を続けようとするので、ここでもチキンレースとなる。




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