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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

2628とはずがたり:2018/12/18(火) 17:09:30
>>2627
天然ガス生産を重視することと、OPECに加盟し続けることは矛盾しないが、カタールにとってOPECに加盟し続ける利益は見いだせなかった。カタールは、天然ガスとともに原油の生産も増加させる方針を示しており、今後は生産枠に配慮することなく、財政的な観点から柔軟に石油を生産・輸出できるようになる。

アルカービ・エネルギー・産業相は「潜在力の大きい天然ガスに力を注ぎたい」「野心的な成長戦略を達成するためには、LNG生産国として集中的に立場を固めなければならない」と強調した。カタールは、LNGの輸出量を年7700万トンから年1億1000万トンにまで数年で拡大させる方針だ。

カタールの脱退は、OPECの活動にどの程度の影響を与えるのだろうか。

まずは、6、7の両日にウィーンで開催されるOPEC総会が試金石になる。カタールはこの総会に出席するとしているが、小国の反旗によってほかの加盟国の動向に影響を与えそうだ。

原油相場は、アメリカの対イラン制裁による供給不安から高めに推移してきたが、サウジアラビアとアメリカは6月、原油供給を拡大することで合意。サウジアラビアは今年夏以降、増産体制を取ってきた。

ところが、アメリカ政府がイラン産原油禁輸の制裁に対する適用除外措置を設けたため、逆に供給過剰懸念が台頭して10月には1バレル=85ドルに達した原油価格は最近、60ドル程度の水準に落ち込んでいる。サウジアラビアは、適用除外措置について事前に知らされていなかったと不満を強めており、ウィーンでの総会で減産に向けた合意を主導したい考えだが、カタールの脱退はこうした動きに水を差す格好となった。

カタールのOPEC脱退は、アメリカのドナルド・トランプ大統領のOPEC嫌いも後押しした可能性が高い。労働者階級や産業界を支持基盤とするトランプ大統領は2020年の再選を目指す中、有権者の歓心を買うために原油相場の低下を促すような発言を繰り返してきた。原油が国庫収入の大きな部分を占めるイランに打撃を与えるためにも、原油相場を抑えておきたい。
カタール脱退はOPEC「終わりの始まり」か

トランプ氏は9月、サウジアラビアを念頭に、「アメリカは中東諸国を守っており、アメリカの存在なしには安全を長年維持できないだろう。しかしこうした国々は石油価格をつり上げ続けている! われわれは忘れない。市場を独占しているOPECは原油価格を直ちに引き下げるべきだ!」とツイートした。トランプ大統領はOPEC総会に向け、原油価格を反発させるための減産をしないようサウジアラビアに対する圧力を強めている。

さらに、アメリカ議会では、価格操作でOPEC加盟国を訴える権限をアメリカ政府に与える「石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案」が論議されている。アメリカの歴代大統領はNOPEC法案に反対してきたが、トランプ大統領はOPEC批判を繰り返していることから、産油国の間では警戒感が広がっている。法案が成立すれば、OPEC加盟国はアメリカの法的措置に直面する可能性もあるが、カタールはこうしたリスクはなくなった。

一方、アメリカのウォールストリート・ジャーナル紙は11月8日、OPECが解散した場合の原油相場への影響をサウジアラビアの研究機関が調査していると報じた。短期的な解散を視野に入れたものではないが、長期的にはOPECの解散もありうることをサウジアラビアが想定していることを示すものとして注目されている。

クリーンなエネルギーとしてLNGの需要が伸び、太陽光などの代替エネルギーの開発も予想を上回るスピードで進んでおり、原油の未来は明るくない。カタールのOPEC脱退は、天然ガス生産国であるカタールの国益に資さないという実利的な判断があるものの、国際経済における原油の影響力が低下しつつあることも背景にある。OPECの「終わりの始まり」を告げるものになる可能性もある。


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