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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

2149とはずがたり:2016/07/30(土) 14:26:35

原油を大量輸入するようになった「ティーポット」

?中国の原油輸入が急増している要因としてまず挙げられるのは中国国内での減産である。中国国内の生産コストは40ドル前後と割高であるため、大手国有石油会社の減産が相次ぎ、4月の原油生産は前年比5.6%減の1659万トンと2011年11月以降で最大の落ち込みとなった。

?加えて、市場関係者が注目しているのは、「茶壺(以下「ティーポット」)」と呼ばれる独立系の小規模製油所である。

?かつてのティーポットは、利益率の低い重油や国有大手石油会社で余った原油などを入手して粗悪な石油製品を生産する製油所というイメージが強かった。だが2015年7月に中国政府が、国有大手石油会社の寡占状態に競争原理を導入するとの観点から、ティーポットに対して原油輸入の許可を与える措置を講じると事態は一変した。ティーポットは、国内で消費が増加しているガソリンに狙いを定め、原油を大量に輸入するようになったのだ。

?ティーポットへの原油輸入割当は、当初日量平均70万バレルだったが、輸入枠は拡大を続け、今年第1四半期のティーポットの原油輸入量は日量平均で約100万バレルを超える規模となった(前年比303.1%増)。今や中国全体の輸入量の1割以上を占める存在である。

荒廃した地方経済が復活

?中国政府は、国内の環境問題に配慮して石油製品の需要を抑制するため、「世界の原油価格が1バレル=40ドルを下回っても、国内の石油製品価格の引き下げを行わない」との措置を講じている。その措置も、ティーポットにとっては「追い風」となった。ティーポットは原油輸入を急増させてガソリンなどの石油製品を大増産することで、最大限の利益を引き出す戦略に出た。

?この戦略は大成功し、ティーポットの2016年1月の利ざやは1トン当たり600元(約9600円)に達した。かつて精製していた重油などの粗利益が同70元(約1120円)を下回っていたことを考えれば天と地の差がある。

?これに味をしめたティーポットは、ガソリン生産に適したロシア産の「エスポ」への引き合いを強めている(5月10日付日本経済新聞)。エスポは東シベリアで生産される品質の高い軽質油である。極東コズミノ港から中小型タンカーで中国国内まで2〜3日で輸送される。ティーポットの「爆買い」などにより、中国への原油輸出第1位は今年サウジアラビアからロシアに交代するとの見方が強まっている。

?さらに大手のティーポット16社は、原油の共同調達に向けて、今年2月「中国独立製油所石油調達連盟」を設立した。

?産業用の商品(軽油)から消費者向けの商品(ガソリン)へと高付加価値化に成功したティーポットは、今や世界の原油市場関係者が注目する原油のバイヤーである。その動きは中国の原油の需要動向を占うほどになったと言ってよい。

?ティーポットの「メッカ」である山東省の東部地域では荒廃した地方経済が蘇り、富豪層が次々誕生するなど「我が世の春」を謳歌している(6月1日付ロイター)。「80以上の製油所が閉鎖されていたが、山東省政府は現在49の大手製油所を支援する計画を発表」「外国製の自動車が飛ぶように売れる」「トラック運転手の給料がうなぎ登り」といった景気のいい話も聞こえてくる。

石油製品の輸出増加でガソリン価格は暴落?

「大躍進」が続いているティーポットだが、今後はどうなるのだろうか。

?ティーポットにとっての懸念材料は、国内の石油業界が既に過剰競争状態に陥っていることだ。

?中国国内の原油需要は、経済減速の影響でこのところ日量1100万バレルの手前で頭打ち傾向にある。3月の原油処理量は前年比0.2%減の日量1061万バレルと2014年2月以来の前年割れになっている。


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