したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

1929とはずがたり:2015/08/23(日) 21:36:52
 3月からのイエメン空爆は、追放されたハーデイ前イエメン大統領が帰還するまで続行される方針となっている。だが空爆後4カ月を経ても戦況に大きな変化は見られない。サウジアラビア国内に職を求めてサウジアラビアに居住しているイエメン人は最大100万人と言われているが、空爆によりイエメンでは民間人が多数犠牲になり史上最悪の飢餓が発生しており、サウジアラビアに対する憎しみが高まっている。8月6日にはサウジアラビア南部の特殊部隊本部内にあるモスクで爆弾テロが発生、15人が死亡した(8月7日付AFP)。

 このまま膠着状態が続けば、開戦当初から懸念されていたサウジアラビアとイエメンの間での「地上戦」が生ずることになる。サルマン国王は、より多くの資金が必要となることは間違いない。

 サウジアラビアの原油生産量を決める要因は海外にもある。米国のシェールオイルよりも、ロシアが強力なライバルになりつつあるのだ。

 8月3日付日本経済新聞は「ロシア産原油が相場の攪乱要因」と報じた。ロシアはソ連崩壊後で最高水準の原油生産量に達している。ロシアの油田は生産コストが低い上、ルーブル安による輸出価格の低下で競争力が増しているからだ。今年6月から2カ月間に過去3年間で最大の規模となる460万バレルの原油を米国に輸出するなど、輸出攻勢を強めている。

 実はロシアの増産攻勢の背景には苦しい台所事情がある。8月4日付日本経済新聞は「ロシア・ルーブルが弱含み、原油安受け再び下げ加速」と伝えている。ロシア・ルーブルは2014年12月に1ドル=78ルーブルの過去最安値を付けて以降持ち直していたが、最近の原油安を受けて同60ルーブル近辺と約5カ月ぶりの安値圏で推移している。「ロシアのGDPは9%低下する可能性」(IMF)があるため、国内経済支援の原資を稼ぐために増産せざるをえない。サウジアラビアをはじめとするOPEC諸国が減産すればロシアが利するだけである。

 以上のような状況を勘案すれば、サウジアラビアの減産表明は残念ながら「空手形」となる可能性が高い。

大手石油各社の業績が悪化

 8月5日のWTI先物価格は、米国の原油在庫が2週間続けて大幅に減少したにもかかわらず、一時は1バレル=44.88ドルと節目の同45ドルを下回った。5年後の受け渡しとなるWTI先物価格も2007年2月以来の安値をつけており(1バレル=62ドル台)、エネルギー市場調査会社の米IHSは「原油価格は何カ月も1バレル=40ドルを下回る水準で推移する必要がある」と指摘している(8月3日付ブルームバーグ)。

 世界の原油市場の供給過剰が解決までに数カ月、というよりも数年間を要する問題であるとの見方が強まる中、欧米の大手石油各社の業績も悪化している。

 エクソンモービルの今年第2四半期の純利益は41.9億ドルとなり四半期ベースでは6年ぶりの低水準となった。シェブロンの純利益も前年同期に比べ約10分の1の5.7億ドルと約13年ぶりの水準にまで落ち込んだ。両社ともに原油・天然ガスの生産量は原油換算で両社ともに増加したものの、全体の売上高はともに約3割減少した。英蘭シェルの純利益も38.4億ドルと前年比37%減となり、コスト削減のため約6500人を整理する方針を明らかにした。

「原油安を受けエネルギー株に売りが出て、NY株式市場全体が下落する」という昨年後半に見られたパターンも甦ってきた。

 S&P500種を構成するエネルギー株は2014年6月の原油価格の高値から約31%下落し、過去約1年で1.3兆ドルの時価総額が露と消えた(8月5日付ブルームバーグ)。それでもエネルギー株に買い手がなかなか見つからない。

 株価下落により、エネルギー企業は設備投資を絞り込もうとしている。8月3日に格付会社S&Pは「世界の事業会社による今年の設備投資は1%減少する」との見通しを明らかにした。中国での需要減少に対する懸念からエネルギー部門での投資が今年14%減少することが主な要因であり、「来年はさらに4%減少する」としている。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板