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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=
1533
:
とはずがたり
:2013/09/28(土) 09:09:51
>>1532-1533
なぜ、北東アジア諸国の天然ガス調達コストは高いのか。1つの理由は、北東アジアの場合、欧州とは異なり、域内をカバーする天然ガスのパイプライン網が整備されていないことである。欧州市場での天然ガス価格が米国市場よりは高く、北東アジア市場よりは安いのは、米国とは違ってシェールガスの本格生産には至っていないこと、北東アジアとは違ってパイプライン網が整備されておりロシア・北アフリカ・北海など複数の供給源から天然ガスを調達できること、によるものである。
ここで想起する必要があるのは、世界最大のLNG輸入国は日本であり、それに続くのは韓国だという事実である。北東アジアの天然ガス取引において日韓両国が協力してバイイングパワーを働かせるならば、LNG調達価格の引き下げは、けっして不可能な夢物語ではないのである。
■北東アジアで欧州並みの価格を目指す
表1 北東アジアのLNG輸入量の推移(2009〜11年)
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/energy/president_10699_0-enlarge.jpg
ここで、表1を見ていただきたい。11年のLNG輸入量は日本が7910万トンで、韓国が3560万トン。そのうちスポット取引ないし短期契約による輸入分は日本が1600万トン、韓国が1070万トンで、スポットないし短期契約の比率は日本が20.2%、韓国が30.1%に及ぶ。09年の同比率は日本が9.0%、韓国が9.6%であったから、両国いずれにおいても最近、スポット取引ないし短期契約によるLNG輸入のウエートが急速に高まっていることがわかる。同様の傾向は、日本や韓国に比べればまだ輸入量は少ないが最近になってLNG輸入を急拡大している台湾や中国についても、確認できる。
今年の1月、韓国を訪れ、アジアLNGハブ(ALH)社のLNGターミナル建設予定地を見学する機会があった。釜山新港近くの約225ヘクタールの土地(釜山・鎮海経済自由特別区内の熊東第1地区)に、20万立方メートルのLNGタンクを最終的には17〜18基建設することをめざすという。計画通りに建設が進めば、最終的な年間取扱量は1700万トンに達するそうだ。
韓国企業であるALH社のねらいは、日韓提携により北東アジアにLNGスポット市場を創設することにある。それは、日本の経済産業省が志向するLNG先物市場の開設とも、方向性が合致する。
ALH社のLNGハブターミナル構想に期待が高まるのは、世界の天然ガス市場において厳然と存在する「アジアプレミアム問題」を解決するきっかけとなる可能性をもつからである。同社によれば、LNG輸入大国である日本と韓国が手を携えてバイイングパワーを発揮し、北東アジアにLNGスポット市場を創設すれば、「アジアプレミアム問題」は解消に向かう。そのためには、LNGハブターミナルが必要であり、ALH社は、それを建設しようというのである。
図1はALH社の構想を示したものであるが、この構想で興味深いのは、天然ガスの供給者としてBG(イギリス)やGDFスエズ(フランス)、ガスプロム(ロシア)などを想定している点である。これらのヨーロッパ勢のガス会社は、手元に余剰の天然ガスを抱えており、北東アジア市場でそれを販売したがっている。一方、日本、韓国、台湾、中国では、今後もLNG輸入の拡大が続く。ALH社は、これらの需給のマッチングを図り、北東アジアでLNGを欧州並みの価格で取引することをめざしている。
良好な港湾や広大なタンクヤードを確保することの難しさ、地震・津波等の自然災害の確率の高さ、環境保全面や労働規制面での制約の大きさなどの点から見て、残念ながら日本でLNGハブターミナルを建設することは難しい。韓国での建設は日本から見れば「次善の策」ではあるが、それでも、北東アジアにLNGスポット市場が創設されるならば、わが国にも大きな経済的メリットをもたらすことだろう。スポット価格が低落すれば、長期契約分の購入価格にも引き下げ圧力が作用することになる。
ALH社は、まもなくLNGハブターミナル建設計画のフィージビリティ・スタディ(FS)に着手しようとしている。そのFSには、日本の石油元売り大手の東燃ゼネラル石油も参加を検討しており、成り行きが注目される。
見学時には写真1のような単なる広大な埋立地であったが、そこに図2のような巨大なLNGタンクが林立するようになるとき、エネルギー面での日韓協力の新時代が始まる。それがどのような成果をあげるか、大いに注目される。
(一橋大学大学院商学研究科教授 橘川武郎=文 平良 徹=図版作成)
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