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海上コンテナ鉄道輸送
1277
:
荷主研究者
:2014/11/16(日) 17:27:06
>>1275-1277
■にぎわいづくりも競合
一方、地域性を生かしたにぎわいづくりも、港町にとって物流と並ぶ重要テーマだ。
「横浜ブランドを生かし、世界から人が訪れるリゾートを目指せ」――。
9月4日、横浜市役所で山下ふ頭の開発基本計画を検討する第1回の委員会が開かれ、学識経験者などから意見が相次いだ。全国から人を集める横浜中華街や山下公園に近い立地を生かし、物流拠点から集客拠点に転換しようという構想で、来秋をメドに計画をまとめる。
山下ふ頭は1963年に完成。横浜港の主要な物流拠点だったが現在は本牧、南本牧の両埠頭などを補完する役目となり、貨物取扱量は大幅に減っている。大規模集客施設の導入などを検討し、50年を経て「横浜の新たな顔に生まれ変わらせる」(林文子市長)。
地元経済人らがみなとみらい21地区などで計画を進める横浜ドームの完成予想図
横浜港周辺の臨海部は横浜経済の中心だ。市や地元経済界は横浜ベイブリッジを境にして、内側を観光や展示場などのにぎわい拠点、外側をコンテナ船の大型化に対応した国際競争力のある物流拠点とすみ分けしたような絵を描く。ちょうどその内と外が重なり合う山下ふ頭を、東京五輪が開かれる2020年までに一部、集客拠点として活用を始める計画だ。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致も検討する。
経済界もこうした動きに呼応する。地元経済界有志で構成する「横浜ドームを実現する会」(池田典義会長=アイネット会長)は山下ふ頭など臨海部2カ所を候補地として、ドーム球場を中心に商業エリアやカジノを入れた大型ホテルなどの構想を発表した。「20年までには実現させたい」(池田会長)。京浜急行電鉄も山下ふ頭を念頭にIR整備のプロジェクトチームを設置した。
だが同様の動きは韓国・釜山にもある。市街地に近く物流の主要拠点だった釜山北港を「国際海洋観光拠点にするため再開発する」(釜山港湾公社の張馨鐸マーケティングチームディレクター)という大きな転換だ。
韓国・釜山の釜山北港では集客拠点に転換するための再開発を進めている(写真奥が来夏オープン予定の新たな国際旅客ターミナル)
北港は背後に釜山駅などオフィス街を抱え、「拡張の限界があった」(張氏)。そこで物流機能の大半は開発を進めている新港に移管。海を埋め立てるなどした日比谷公園10個分に近い約153万平方メートルの広大な敷地に国際旅客ターミナルやホテル、マリーナなどを約8兆5200億ウォン(約8520億円)を投じて開発する計画だ。
同公社は地域経済波及効果を31兆5000億ウォン、12万人の雇用創出というそろばんをはじく。全体の完成は20年の予定で、その後は隣のコンテナターミナルの場所も同様の集客拠点に再開発する計画がある。張氏は「横浜のみなとみらい(MM)21も参考にしている」と話すが、着工から約30年で現在の姿になったMM21と比べ、国家事業で進む釜山のスピードは速い。
港湾整備には巨額の費用がかかり、利害関係者も多いため慎重な議論や計画が必要なのは論をまたない。ただ、歩みが遅ければ日本を代表する京浜港でさえも物流・集客の両面でグローバル化から取り残されてしまうことになりかねない。
(和佐徹哉、井上孝之)
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