[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
政治思想総合スレ
628
:
とはずがたり
:2017/05/17(水) 10:22:57
>>626-628
一昨年6月、現在病気療養中の日本会議国会議員懇談会長の平沼氏に永田町の事務所で取材した際、「日本会議の中に外には出せない安倍首相への不満が溜(た)まっているのでは」と率直に尋ねたところ、平沼氏はゆっくり二度うなずいてから、厳しい表情で「それでもしっかり支えていきますよ」と言葉を発したのを思い出す。
ねじれを抱えながらも「日本会議幻想」は「安倍流保守政治」を支える基盤であり続け、官僚機構はデータの数字とあやふやな伝聞を元に、政治力の幻影を実像と見なして、恐らくは「便宜」や「忖度(そんたく)」を計らい、結果的に幻影に実体を肉付けしてしまった。それが「森友問題」なのではないか。「事件」化に拘(こだわ)るなら、このまま誰が悪者なのか藪(やぶ)の中で終わる可能性もあるが、政治腐食の温床と構図はかなり分かってきた。日本会議系につながっていれば、昭恵夫人と親しくしていたら、この政権では何かおいしいことにありつけそうだという歪(ゆが)んだ政治の風潮があり、「第2、第3の森友問題」もあるのだろうと皆が知ってしまった。
これをきっかけに、日本会議は安倍政治の柱石から弾(はじ)き出されていくだろう。理由は行政の腐敗だけではない。安倍首相が政権延命を優先し、実は憲法改正や靖国参拝に慎重だからばかりでもない。もっと本格的な政策の根幹で、日本会議と安倍政権にはひびが入っており、これまでフタをされていた「期待外れだ」「迷惑だ」という相互不信が増幅されていくと予見できるからだ。
政権長期化で「目障りな支持層」に
日本会議は、愛国教育・あるべき家族像・歴史認識といった一見伝統的な理念問題を運動の柱に掲げる。これに対し、安倍内閣はグローバリゼーションを勝ち抜くための経済産業省的ナショナリズムを政権運営の軸に据える。つじつまを合わせようにも、ずれが出る。
たとえば日本会議の「忠君愛国」「歴史美化」には、ヘイト・スピーチまがいの「排外主義」が紛れ込んでも自浄力が弱い。「あるべき家族像」では女性の立場や役割が従属的になりがちで、経済成長に不可欠な「輝く女性」政策としばしば相容(あいい)れない。そもそも日本会議には本格的な経済政策・国家経営ビジョンがないので、安倍政権が長期化すれば次第に「目障り」で「面倒な」支持層へ追いやられていくのは避けがたい。
「ブレグジット(英国のEU離脱)、トランプ(米政権)・ショック」後の国際情勢に対応した外交政策の転換も、日本会議と安倍政権では発想が異なる。中国・韓国・北朝鮮に対するプライド以外に日本会議の外交政策は不明だが、国際政治学者の田久保忠衛会長は時事通信ワシントン支局長を経験したベテランジャーナリスト出身らしく、「トランプ米大統領ともプーチン露大統領とも仲良くしていれば、中国を牽制(けんせい)できる」と言わんばかりの楽観的な安倍外交に最近、方々で公然と警告を発している。
田久保氏は日中戦争時代の米中関係、ニクソン米大統領が電撃訪中した米中接近の歴史的教訓から、トランプ政権が習近平・国家主席の「新型大国関係」(米中2大国=G2で太平洋をはじめとする国際関係を仕切ろうという戦略的互恵関係)路線に同調する可能性は否定できないと指摘。最悪の展開を避けるため、今こそ日本が先に中国との融和・協調路線をとるべきだと主張している。領土問題棚上げの日露交渉進展にも大反対だ。
経済・外交政策の骨格で不協和音が大きくなりつつある時、「森友問題」は起きた。スキャンダルはウヤムヤにできたとしても、長期政権の路線問題は簡単に溝が埋まらない。遅かれ早かれ「日本会議政治」の地盤沈下はあらわになる。「森友問題」は、その思いがけない呼び水となる。
いとう・ともなが
1962年東京生まれ。毎日新聞政治部、ジュネーブ特派員を経て、編集局編集委員。毎月第1土曜日の朝刊にコラム「時の在りか」を執筆。著書に『靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男』(角川ソフィア文庫)、『靖国と千鳥ケ淵』(講談社+α文庫)ほか
(サンデー毎日4月9日号から)
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板