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金融機関観察スレッド

2712とはずがたり:2016/08/18(木) 22:22:53
>>2711-2712

■ 日銀統計では「都銀貸し出し増」だが…

 全銀協のほかに、日銀も「貸出・預金動向速報」を発表しています。それによると、7月の全国銀行の月中平均貸出残高は前年同月比2.1%でしたが、都銀は0.7%増となり、「都市銀行が減少」となった全銀協とは違う結果です。これは、両者のデータの採り方に違いがあるからです。

 日銀の「都銀」は3大メガバンク、りそな銀行、埼玉りそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行、それに大手信託銀行3行が集計対象となっています。一方、全銀協のデータでは新生銀行、あおぞら銀行、および信託銀行が「都市銀行」に含まれず、別の業態に分類されています。全銀協のデータが中央政府向けや金融機関向けの貸し出しを含むのに対して、日銀のデータでは含まないなど、貸し出しの種類によっても集計対象が異なります。

 全体の集計対象も一部が異なっています。全銀協は加盟120行のうちシティバンクやセブン銀行などを除く116行を対象としていますが、日銀はゆうちょ銀行や一部のネット銀行も集計対象に含めているうえ、信用金庫の貸し出し動向も加えています。日銀のほうが全銀協よりもやや広い範囲をカバーしているのです。

 また、全銀協は「月末残高」(末残)を集計していますが、日銀は「月中平均残高」(平残)です。平残とは、1カ月間の日々の残高合計をその月間の日数で割った平均の残高のことで、月末や期末要因などによる残高の変動をならして見ることができます。

 このような違いの結果、両者の毎月のデータには異なる数字が出てくるわけですが大筋では通常、それほど大きな違いがあるわけではありません。時系列で両者のデータのトレンドを見ていくと、当然のことながら同じような傾向を見せています。

 日銀のデータでも全国貸出残高の伸び率(前年同月比)は15年8月に2.8%増と最近のピークをつけた後、徐々に鈍化。全銀協の集計結果とほぼ共通しています。

 業態別で見ても、7月の都銀の貸出残高は前出のように前年同月比0.7%とプラスは維持しているものの、全体の伸び率より大幅に低くなっています。少しさかのぼってみても、6月は0.6%増、5月は0.9%増と低空飛行です。

 こうしてみるとやはり、大企業を中心に資金需要が低迷している現状は否めません。安倍内閣は6月の消費増税延期の決定に続いて、このほど事業規模28兆円に上る経済対策を決定しました。この効果は、マクロ面ではかなり出てくることが期待されますが、それが企業マインドを前向きに転換させることにつながるかどうか注目したいと思います。

 日銀も政府の経済対策に歩調をそろえる形で追加緩和に踏み切りました。しかし今回は「小粒」の感があります。日銀は9月の会合で異次元緩和の効果について「総括的な検証」を行うとの考えを示しましたが、金融緩和の手詰まり感を払拭できるかどうか。景気の今後の動きを見るうえで、全銀協と日銀の銀行貸出残高のデータはますます重要になりそうです。

 ※岡田 晃
おかだ・あきら●経済評論家。日本経済新聞社に入社。産業部記者、編集委員などを経てテレビ東京経済部長、テレビ東京アメリカ社長など歴任。人気番組「ワールドビジネスサテライト」のプロデューサー、コメンテーターも担当。現在は大阪経済大学客員教授。著書に「やさしい『経済ニュース』の読み方」(三笠書房刊)。


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