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金融機関観察スレッド

2254とはずがたり:2012/02/07(火) 23:59:39

 一方、銀行の組織にあっては属人的な要素が全くないわけでないが、統治が「何々銀行」という「権威」と手続きを通じて機能する点に特徴がある。

 したがって、銀行にあっては、複数の組織が統合された場合、どの銀行の組織が権威を握るかに関して徹底的な闘争が行なわれる傾向があり、上位に立った組織は他方の組織を支配しようとする強い意思が継続的に働く。

 したがって、銀行の合併で劣位に回った組織の出身者は惨めであり、それは人事を含む全てに露骨に現れる。

 三菱UFJフィナンシャルグループによる三菱UFJ証券、みずほフィナンシャルグループによるみずほ証券の経営は、これまで上手く行っているようにはとても見えない。出資比率を上げて「もっと支配したい」との銀行的本性を見せた三井住友フィナンシャルグループからは、大和証券が逃げ出した。

 また、少々古い例だが、第一勧業銀行が勧角証券に多額のお金と人間をつぎ込んで、結局上手く経営できなかったことも思いだそう。

 それは、(日本流の)銀行として統制が取れているということの裏返しでもあるのだが、特に、特集記事で触れられている三菱UFJフィナンシャルグループのような会社が、野村證券を買収しても上手く行くはずがないと筆者は思う。

 同行の支配下に入った場合、顧客なり能力なりを持つ「稼げる野村マン」の多くは、外に出るか、中で窮屈な思いをしてやがて「タダの人」になるかの道を辿るのではないだろうか。

 一方、万に1つもないとは思うが、銀行側が下手に出て、買収後の野村證券の「自主性」を大幅に認めた場合、銀行には少なからぬリスクと多大なフラストレーションが溜まるだろう。

 日本の銀行に大手証券は経営できない(同時に、経営させることが、望ましくもない)。これが、筆者が日本のメガバンクによる野村證券買収がないだろうと思う第二の理由だ。

「投資銀行」の夢から覚めよ

 野村證券はメガバンクに買収されまい。また、業界2番手の大和証券には少し怪しい点もあるが、『週刊ダイヤモンド』の記事によると、同社も「2、3年は独立路線を貫く」(大和証券幹部)とのことだ。

 ならば、両社共に、「独立して、どのように食うのか、儲けるのか?」に関する具体的な戦略を持たなければならない。また、この課題は、これら2社だけでなく、他の証券会社にとっても共通の問題だ。

 現在の筆者は、残念ながらこの問題に対して自信のある回答を持っているわけではないが、1つ仮説を述べてみよう。

 まず、日本の証券会社は海外の「投資銀行」への田舎臭い憧れを捨てるべきではないか。

 端的に言って、投資銀行は、「プレイヤーが資本家をカモる」ビジネス・モデルであり、プレイヤーが資本家を兼ねるような形でなければ上手く行かない。かつて栄華を誇ったソロモンブラザーズでもそうだったし、旧リーマンブラザーズの資本家(株主)は、同社の社員の博打の種銭として資本を供出していたお人好しの旦那のような存在でしかなかった。

 この点に関しては、大きな資金によるビッグ・ディールを求めて株式を公開した現在の投資銀行分野の王者・ゴールドマン・サックスにも、アキレス腱がある。

 ちなみに、ヘッジファンドは、プレイヤーがファンドの投資家をカモるビジネス・モデルだ。どちらも、カモる側には妙味があるが、資金を出す側は、もう少し自分で頭を使わなければなるまい。


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