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922とはずがたり:2015/08/17(月) 19:58:58
>>921-922
 ある程度その体制が出来上がった後に取り組んだのはCAPEX、つまり設備投資の効率化を図ることであった。携帯電話事業で最も重要な商材はネットワークであり、端末や価格に魅力があっても、ネットワークが充実しなければ継続的な利用にはつながらない。そこで設備投資を抑え、工期も短縮しながら、他社に勝てるネットワーク実現に向け、さまざまな取り組みを実施した。その結果、日本のキャリアの中では最も少ない設備投資額ながら、他社を上回る接続率を記録するネットワークを実現できたとしている。
 また端末に関しても、資金力が弱く、当時主流であった販売奨励金を用いた割引販売が難しかったことから、割賦販売を取り入れ、割賦債権を流動化することによって資金の圧縮に成功。ネットワークと端末という2つの大きな投資を圧縮することで、負債を急速に減らし、財政の健全化を進めたとされる。

2年間で競争力を大幅に回復できるか

 ソフトバンクGは、スプリントもこれと同様のシナリオで再建を進めていくという。まずは営業費用の削減で利益の出せる体制をつくり上げており、売り上げは減少しているものの利益が出るようになってきた。
 今後の要となるネットワークに関しても、ソフトバンクGが積極的に介入することで、従来より効率がよく、なおかつ他社を上回ることができるネットワークをつくり上げる体制が整ったとしている。当初はスプリント側のエンジニアが新しいネットワーク設計案を提示してきたものの、コストが大きくかかる上に内容がライバルと大きく変わらないとして、その設計案を拒否。ソフトバンクG自らが設計に介入することにより、少ない投資でライバルに勝てるネットワーク設計が出来上がった。
 また端末に関しては、スプリントではリース販売が増えていることから、リースファイナンスによって資金繰りを賄う方法を編み出した。そのために現在リース会社の設立を進めているとのことで、これによってネットワークと端末の両面から投資を抑えつつ、競争力を高めていく方針が固まった。
 もっともソフトバンクG自身が設計に携わったという新しいネットワークに関しては、詳細が明らかにされたわけではない。同社はそのポイントとして、スプリントが保有している120MHz幅という非常に広い2.5GHz帯の周波数帯を有効活用することを挙げている。だが2.5GHz帯は遠くに飛びにくい帯域であるため、スプリントの最も大きな弱点となっているエリアカバーの改善に役立てるのは難しい。それだけに、この帯域をどのように活用してネットワーク改善を進めようとしているのかは、まだ見えてこない部分もある。

 今回の決算発表で孫氏は「2年後には経営を大幅に改善する」と、スプリントの経営改善に自信を見せている。スプリントはソフトバンクより会員数が多く売り上げも大きいだけに、経営改善さえ進めば得られる利益が大きいと孫氏は判断し、売却ではなく自主再建という道を選んだ。
 TモバイルUSの買収断念で一時は自信を失ったソフトバンクGだけに、積極的介入による再建には強い自信を示している。その自信が成果につながるかどうかは、今後2年間の取り組みに大きくかかってくるだろうし、その間スプリントがどのような施策を打ち出してくるかは、大いに注目されるところだ。
(文=佐野正弘/ITライター)


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