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221とはずがたり(2/2):2005/03/13(日) 02:26:06
>>220-221

 調査票への回答を済ませてから1年後、研究者たちが参加者にコンタクトをとり、1年間で電子メールを通じた人間関係がいかに変化したか、さらに、電子メールを通じた人間関係は、オフラインでの人間関係と違うかどうかを尋ねる。

 「実世界での人間関係は、非常に不安定である場合が多い」とムーディー氏は言う。「電子メールを通じた関係の方が、はるかに安定している可能性がある」

 このプロジェクトでは、オンラインでのコミュニケーションについてのさまざまな仮説――たとえば、インターネットは、人種や性別、経済状態などの壁を超越するという説など――についても検証を行なう。

 ムーディー氏によると、オンラインでの人間関係でも人種や経済状態の壁が立ちはだかるかもしれないが、一部の人々にとっては電子メールが世界を狭めている可能性が高いという。

 『ラブ・バグ』などのコンピューター・ウイルスが電子メールのアドレス帳に侵入し、1日のうちに世界中の企業の半数を業務停止に追い込みかねないという今日のデジタル化された世界では、多くの見知らぬ人々が、互いにあとわずか数歩のところに存在するという考えは感覚的に理解できるような気がする。

 だが、たとえ見知らぬ人どうしを結ぶ近道があったとしても、ネットワーク内の人たちが必ずしもその近道を見つけられるとは限らない。ウェブは人々が互いを捜し出すスピードを速めはしたが、社会的ネットワークを通じて実際に1人の人間へたどり着くことは、30年前と同じくらい困難かもしれない。

 「必ずしもミルグラム博士の時代よりも容易になったわけではない」と、コロンビア大学のプロジェクトを率いるダンカン・ワッツ助教授(社会学)は言う。「やはり友人を経由しなければならない。問題の本質が変化したわけではないのだ」

 「問題は、近道があるかどうかということだけではない。誰にメールを送るべきかを判断するために、人がどういう行動をとるかが問題なのだ。つまり、彼らが属しているネットワークを知るだけではなく、彼らがそれをどう捉えているかも知りたいのだ」

 コロンビア大学の研究者たちはすでに、いくつかの近道が存在することを確認している。たとえば、シベリアに住む目標人物へ、遠く離れた米国やオーストラリアから到達したケースが確認されたのだ。

 どちらの研究プロジェクトも、多大な成果をもたらすかもしれない。たとえば、内部ネットワークを通じてウイルスがどう広まるか、情報がどう行き渡っていくかを知る手がかりなどが得られる可能性がある。

 「われわれは、見知らぬ人から送られた添付ファイルは開くべきでないことは十分承知している」とムーディー氏。「(信頼する人たちの)ネットワークがどのようなものかを地図化することで、そうしたネットワークの形をより明確に認識できるだろう」

 「仮に人々がそうした近道を見つけられれば、その見つけ方からも、ネットワークに関して学ぶことができるし、人々が不完全な情報をもとに、社会空間についての認識をどう使ってネットワークの中を進んでいくのかもわかるだろう」とワッツ助教授は話す。

 ワッツ助教授は、この研究によって、『グヌーテラ』(Gnutella)などのピアツーピア・ネットワークをより進化させた分散ネットワークのモデルが生まれることを期待している。また、集中型のディレクトリを提供している『グーグル』のような検索エンジンに代わるシステムも提供したいと考えている。

 「ウェブが巨大化していけば、こうしたサービスをいつまでも使用してはいられないかもしれない」とワッツ助教授。「こうした大きなネットワークを検索するための別の手段が必要だ」

[日本語版:多々良和臣/柳沢圭子]


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