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PC関連スレ
2567
:
とはずがたり
:2021/09/04(土) 17:34:54
>>2566
刑事訴追には慎重な米国
欧米の技術者は開発したソフトで金儲けしようとしたのに対して、金子氏はソフトを開発しただけだった。にもかかわらず刑事訴追され、一審では有罪とされた。しかもナプスターやカザーは民事訴訟で、ウィニーのような刑事訴訟ではない。米国の著作権法にも刑事罰はある。ナップスターは会社側の発表によれば、ピーク時には7千万のユーザー数を誇るほど猛威を振るった。それでも起訴には踏み切らなかった。
米国著作権法には利用目的が公正であれば、著作権者の許諾なしの利用を認めるフェアユース規定がある。このため、法執行機関はフェアユースの抗弁が成立する可能性のある案件に対しては、起訴に踏み切るのは慎重である。日本ではウィニー事件最高裁判決が性急な捜査、起訴を戒めたにもかかわらず、法執行機関の行き過ぎはその後も改善されていない(詳細は城所岩生『フェアユースは経済を救う〜デジタル覇権戦争に負けない著作権法』参照)。
フェアユースはアメリカでは「ベンチャー企業の資本金」とよばれるようにグーグルをはじめとしたIT企業の躍進に貢献、イノベーション促進に効果的とされている。日本でも知的財産推進計画の提案を受け、文化庁で2度にわたり検討したが、最初の検討で実現した2012年の著作権法改正では骨抜きにされた。2度目の検討の末、実現した2018年法改正では少し前進したが、まだ米国型フェアユースには程遠い内容にとどまっている(詳細は城所岩生編・中山信弘ほか著『これでいいのか!2018年著作権法改正』参照)。
法執行機関の暴走がイノベーションを阻んだ金子氏の悲劇を繰り返さないためにも、フェアユースを導入すべきである。
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