それに加えて,「Simultaneous Multi Threading」(同時マルチスレッディング,以下 SMT)にも対応し,1基のCPUコアで2スレッドの同時実行を可能にするという,Intel製CPUと同じような機能を採用した。
SMTに対応するCPUコアは,物理的には1基であるものの,OS側からは2つのCPUコア(論理CPUコア)に見えるので,同時に2つのスレッドを割り当てることが可能だ。内部的には,2つのスレッドを1つのCPUコアで切り替えながら実行することになる。SMTの導入により,メインメモリへのアクセスにともなう遅延が見かけ上削減されるので,実行ユニットの利用効率を上げられるわけだ。
こうした改良により,Zenマイクロアーキテクチャは,ExcavatorよりもIPC(Instructions Per Clock,クロックあたりの命令実行数)が40%向上したと,AMDは主張している。
また,14nm FinFETプロセスで製造したことなどにより,電力効率も向上しており,消費電力当たりの動作クロックも向上しているという。