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主音名固定型階名唱(「移動サ」)の提案
1
:
Bhaashendradatta
:2009/11/09(月) 18:41:08
私は趣味で、合唱団などで歌っている。
そして、歌の練習で、作曲された楽譜のある曲を扱う場合は、「音取り」と
いって、曲のイメージを楽譜から汲み取って把握する段階が必ずある。
その「音取り」でよく行うのが、「階名で歌って〜」或いは「ドレミで
歌って〜」という階名唱である。
西洋近代流の音楽では、階名は「ドレミファソラシド」である。
然るに、この「音取り」の時には、大きく分けて二種類の歌い方が
生じている。いわゆる「固定ド」と「移動ド」である。
「固定ド」は、楽譜上のCの音を「ド」として、調号にシャープや
フラットが幾つあろうが、その位置を変えない。「ド」の音高はいつも、
C(か又は、それにシャープかフラットが一つ付いたもの)であり、
ハ長調では主音であるけれども、ヘ長調では属音に当たることになる。
「ドレミ〜」を音名に準ずるものとして使っているので、「固定ド」は
「準音名唱」と言える。
更に、例えばC♯を見たら「ツィス」と歌うような場合は、完全に「音名唱」である。
それに対して、「移動ド」では、「ドレミファソラシド」の音程関係を
固定する。順に「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」の関係が
なるべく保たれるように、その楽譜の上を、物差しを滑らせるように
移動して歌う。この基準となっている音階をディアトニック音階と言い、
例えば「ド」は、上に行くと「全音・全音・半音」、下に行くと「半音・
全音・全音」の音程が並ぶ位置にある音の呼び名なのである。
ハ長調であろうと、ヘ長調であろうと、長調の主音は全て「ド」になる。
各階名間の音程を固定して基準にいるので、「移動ド」「音程固定型
階名唱」と言える。
この二つだけでも既にかなりややこしいのだが、私はこれらとは別に、
「主音名固定型階名唱(「移動サ」)」というものを使っている。
それについてこれから、提案と考察を兼ねて、述べていきたいと思う。
2
:
Bhaashendradatta
:2009/11/09(月) 19:13:11
「固定ド」=「準音名唱」は、音をそれぞれの高さで覚えてしまおうという
ものである。
これを基本に使う人が、私の身の周りでは最も多い。
使う理由は幾つかあるだろうが、
(1)絶対音感を「ドレミファソラシド」と結び付けて持っている
という人は「固定ド」で歌い、そのまま覚えていってしまう。
文章を朗読すると同様に、楽譜を見ればたいてい端から歌える人たちで、
「音取り」が非常に速い。
それに対して、
(2)五線譜上の位置をハ長調の「ドレミファソラシド」と結び付けるのが
やっとで、それを移動させるなんてとんでもない
という人も、配られたばかりの楽譜を歌うには、「固定ド」しかない。
こういう人は、「固定ド」では覚えにくいのに無理やり「固定ド」で
歌っているので、なかなか音が取れない。消極的採用者である。
また、
(3)指揮者やパート仲間の多くが「固定ド」で話をしたり歌ったりするから
という人も当然いる。周りが「固定ド」で歌っているのに、同じ「ドレミ」で
別のカナを歌うのは、お互いに混乱するし、協調性がないと思われそうである。
3
:
Bhaashendradatta
:2009/11/09(月) 21:39:21
「移動ド」=「音程固定型階名唱」は、音楽の音の高さを「音程のセット」と
して捉えるものである。
戦後学校教育の主流はむしろこちらである。
これを好むのは、
(1)相対音感を「ドレミファソラシド」と結び付けて持っている
人たちである。
(2)楽譜から、書かれている音階を読み取るのに、長けている
ということも、重要な条件になろう。
(3)絶対音感がなく、「固定ド」で読んでもなかなか覚えられない
ということも、理由になる。
(4)指揮者やパート仲間の多くが「移動ド」で話をしたり歌ったりするから
というのは、やはりあるだろうが、学校や学校内の団体ではあっても、
一般では少なくなっていると思われる。
4
:
Bhaashendradatta
:2009/11/10(火) 06:27:55
これに対して「移動サ」というのは、インドの階名の使い方(特に
南インド)から応用したものである。だからまず、使う読み仮名が違う。
長音階の階名でいうと、
「移動ド」=「ドレミファソラシド」
に対し、
「移動サ」=「サリグマパディヌサ」
となる。
これだけだと、単に読み仮名が入れ替わっただけである。
そこで、自然短音階も入れて比べてみる。
「移動ド」=
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」(長音階)
「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」(自然短音階)
「移動サ」=
「サ・リ・グ・マ・パ・ディ・ヌ・サ」(長音階)
「サ・リ・ギ・マ・パ・ダ・ニ・サ」(自然短音階)
「移動ド」の場合は、「ドレミ〜」のセットは変わらずに、全体が
スライドして、主音が「ド」から「ラ」に変わる。
「移動サ」の場合は、主音は同じ「サ」のままで、音程の変わった
音の、読み仮名が変わる。(「グ→ギ」「ディ→ダ」「ヌ→ニ」)
これが、端的に「移動サ」の用法の特徴を示している。
主音が同じまま「長音階←→短音階」が切り替わった時に、全体を
スライドして読み替えることをせず、変音記号のついた音だけ
違う読み方をするのである。
16
:
Bhaashendradatta
:2009/11/12(木) 21:58:15
実は、「移動サ」は、長音階や短音階だけでなく、他の様々な音階や旋法に
おいても、「主音=サ」を保つのである。主音を軸にして、各階名が主音との
関係を示している。音階や旋法の中での各音の役割を、階名に託して歌うのが、
「移動サ」の趣旨である。
「音高」を主に歌うのが「固定ド」。
「音程」を主に歌うのが「移動ド」。
「音階・旋法」を主に歌うのが「移動サ」である。
そして、「移動サ」、音階や旋法が多種あるのに対応して、様々な音程のための
読み仮名を用意している。
「固定ド」「移動ド」が7つの階名しかないのに対し、「移動サ」では半音階
レベルだけで47もの階名を用意しており、基本の七音音階だけでも413種類を
数え上げる。
もともと、南インドでも階名は七つであるが、それが音階を覚えるために、
16に拡張されている。それが、
「サ・ラ・リ・ル・ガ・ギ・グ・マ・ミ・パ・ダ・ディ・ドゥ・ナ・ニ・ヌ」
という16音である。
ここから、半音レベルでの異名同音を省くと、
「サ・ラ・リ・ギ・グ・マ・ミ・パ・ダ・ディ・ニ・ヌ」
となって、これで、半音進行でオクターブを上下することができる。
私は、それをより様々な状況に対応するよう更に拡張して、47個とした。
しかし実際、最もよく使うのは、長音階・自然短音階に使う10個であり、
普通に出てくるのは、関係調の音を含む17個ほどに過ぎない。
17
:
Bhaashendradatta
:2009/11/12(木) 22:10:58
47もの階名と言っても、
7つの子音「S, R, G, M, P, Dh, N」と、
7つの母音「A, I, U, E, O, Y, AE」との組み合わせで作られている。
互いの掛け合わせのうち、「RAE」と「NAE」だけは階名に無いので、
49種類ではなく47種類である。
これらで階名唱をするときに、発音上の困難が新たに生じることはない。
「移動サ」の47の階名はどれも「子音1つ+母音1つ」の開音節で、
子音終わりがない。だから音の歌い始めで、どの階名かがすぐに区別できる。
また、使われる各子音の発音は、音声的な特徴が互いにまんべんなく異なり、
日本人を含むあらゆる言語の話し手にとって、弁別が容易である。
そして、歌い始めが十分にはっきり分かるだけの明晰さを持った子音ばかりである。
母音も、世界中の言語で最も基本的な3母音を中心に使っており、大まかに言って、
諸言語中で使われる頻度が減るごとに音楽上で使われる頻度も減るような分布に
なっている。日本語表記としては「ア・イ・ウ・エ・オ・ユ・ヤ」を用いる。
日本語のカナでも階名全47種を書き分けることができ、通常の日本語の範囲内で
言い分け・聞き分けが十分可能である。
カナ書きで列挙すると、次のようになる。
サ・シ・ス・セ・ソ・シュ・シャ
ラ・リ・ル・レ・ロ・リュ
ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ・ギュ・ギャ
マ・ミ・ム・メ・モ・ミュ・ミャ
パ・ピ・プ・ペ・ポ・ピュ・ピャ
ダ・ディ・ドゥ・デ・ド・デュ・デャ
ナ・ニ・ヌ・ネ・ノ・ニュ
「ディ・ドゥ・デュ・デャ」が言いにくい人は、適宜「ヂ(ジ)・ヅ(ズ)・
ヂュ(ジュ)・ヂャ(ジャ)」にしても、全く混乱は生じない。
18
:
Bhaashendradatta
:2009/11/12(木) 22:31:56
また「ドレミ」のうち「ド・レ・ミ・ソ・ラ・シ」の6つがここにも含まれ、
「ファ」に比較的近い「パ」もある。つまりは同じような音声を使っている
わけで、歌い易さがそれほど変わるわけではないことが判るだろう。
(精確には、ドレミの「ラ(la)」と移動サの「ラ(ra)」、ドレミの「ド(do)」と
移動サの「ド(dho)」の音声は違う)
それでいて、長音階と自然短音階の10個の階名は、ドレミと重複していないから、
実用上でドレミと混乱する心配はまずない。
ドレミのうち、「移動サ」での登場頻度順は、多い方から「ミ(主音から上に
増四度)」「シ(同じく増一度)」「ラ(短二度)」「ソ(減八度)」で、
ここまでは時折登場する。
次いで「ド(減六度)」、さらに「レ(重増二度)」となると、なかなか
お目にかかることはない。
子音と母音のシステムは、次のようになっている。
子音「S, R, G, M, P, Dh, N」は、階名の高低関係の順序である。
「SA」が音階・旋法の主音の基準の位置であり、5つから7つの階名が、
この順番で、「SA」からのオクターブの間に積み上がる。
だいたい、音程の「○度」の代わりのように思えばよい。
この順番が入れ替わるような、音階・旋法の読み方は、許されない。
母音「A, I, U, E, O, Y, AE」は、各子音に付属して、音程の幅を決定する。
「完全」「短」「長」「減」「増」などの代わりと思えばよい。
「-A」が基準位置で、南インドの標準音階<カナカーンギー>を根拠に
している。
「-A」から見て、「-I」はシャープ一つ、「-U」はシャープ二つ上である。
他の母音については、付く子音によって示す高低関係が違ってくる。
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