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質問です。

1早川太基:2009/01/22(木) 13:26:01
謹啓。
 初めてお目にかかります。質問、卒爾ながらお許しくだ
さい。
 サンスクリット詩の韻律法について知りたいのですが、何か
詳説してある書物、ご存知ないでしょうか。日文、英文どちら
でも。
 僕は、中国文学専攻の人間です。じつは中国の近体詩の韻律法
について興味があるのですが、それとサンスクリットの方法とは、
どの程度かかわりがあるのか調べたいと思いましたので・・・。
 両者が、すくなくともインドの声明の点で、関わるというのは
(インド言語学が、中国語四声を自覚させ、韻律法「平仄」を生み
出したこと)、文献からも追え、昔から言われていることです。し
かしながらサンスクリット作詩法とは、果たして関係いかなるもの
なのかは、すくなくとも現今の中国学では、論及を見ません。
 ご意見、書物など、ご教示いただけますと幸いです。
 敬具。早川太基拝。

2近藤 貴夫:2009/01/24(土) 03:02:14
私には分かりかねますので、どうか一線の研究者の方に問い合わせて
いただけますようお願いいたします。
私個人としては、アプテの梵英辞典の付録Aにある韻律分類表を
見るくらいのことしかしていませんので。

入門書にも書いてあることを申しますと、サンスクリットの韻律法は、
(1)各脚の音節数+長短音節の配列パターン によるもの

(2)各脚の発音にかかる時間単位数の分配規則 によるもの
に分かれますが、(1)の方が大部分です。
詩型の種類は何百あるか私は詳しくありませんが、とにかく多いです。
なので、個人的な感覚からすると、最も多く使われるアヌシュトゥブ
(狭義のシュローカ)と、七言絶句あたりの関係など、何かあるかも
しれない所に焦点を絞っていったほうが良い気はします。

ご研究の発展を祈ります。

3近藤 貴夫:2009/01/24(土) 03:13:11
> アプテの梵英辞典の付録Aにある韻律分類表を

失礼、これは「表」にはなっていません。32ページにわたる列挙と
説明です。
サンスクリット韻律に使われる用語、韻律の名称と定義などが分かり
ますが、デーヴァナーガリー文字が読めることが最低条件です。

4近藤 貴夫:2009/01/24(土) 07:46:20
「原語の韻律と漢訳の韻律の対応関係」については、基礎的な研究は
もうあるのでしょうか?
「サンスクリットのトリシュトゥブのうち、○○%は漢語訳の仏典で
五言で訳され、次いで△△%は七言になっている。それを第二音節が
長音節の場合で見ると、漢訳の第二字は※声になり……」というような。

5早川太基:2009/01/31(土) 14:31:19
拝復
 ご返事ありがとうございます。
 さっそく参照してみたいと思いますが、そうですか、デーヴァナーガリー
文字が問題ですね。勉強します。
 「4」のような、基礎的研究は管見の範囲では、見当たりません(大学生
の守備範囲ではありますが)。第一に、漢梵両者に、韻律にまで精通すると
いうのが、困難であるゆえんでしょう。

 仏典の「偈」の部分の五言・七言の訳には、なにか梵文原典の差異
はあるのか・・・興味深いですね。
 いまの僕が、仏典の漢訳のほうの特徴だけいいますと――
 ①五言・七言には漢語韻律では元来「2・3」「2・2・3」という言葉
の区切れがありますが、仏典では時として破格が用いられること。(多くは
、この規則に従っています)。
 ②漢語の韻律では根本的である、語尾の「韻」はまったく用いられないこ
と。
 ③漢字音の一字一字の声調による韻律、というような配列による規則性は
見られないこと。

 さて「近体詩」(絶句、律詩など、「平仄」の規定があるもの)の成立
には、「声明」(言語学のほうです)が一役買い、梁の沈約(441〜513)
が規則立てたのは先人の指摘もあるのですが、どうもその「一役買い方」
がよく分からないのが現状です。
 説明はあっても――漢語と梵語の差異に注目し(当然でしょう・・・)、
漢語独自の「声調」をうまく組み合わせることによってリズム感が生じる
ことに気づいた(彼は、一からここまで到達したのか??すこし凄すぎない
か??なにか依拠したものが、想定できないか??)ということ位です。
 この梁というのも、すこし曲者です。梁の武帝がいるような仏教王国です
から。まだ為されていないと思われる、仏典の梵語と漢訳との比較など、叩
いたら何がでてくるか分からないという箇所だとおもいます。

 自己紹介が遅れましたが、僕は現在、中国文学科の学生です。卒業論文で
は、「宋代の詩話」(これも同じく未研究分野の一つです)を取り扱ってい
ますが、いづれは、この「漢語韻律の成立」の問題にも取り組みたいと思っ
ています。
 むかし弘法大師は、恵果和尚をして「漢梵たがふことなく・・・」と賛嘆
せしめたと聞きますが、これ位の才力でないと、手のつけられぬことでしょ
う。
 今後とも、ご教示ねがいます。
                  早川太基 九拝

6近藤 貴夫:2009/02/02(月) 18:26:38
漢語については、歴史的にも多くの研究者がいて研究されつくしている
イメージを持っていましたが、先史時代はともかく、紀元後の文学史で
そんな未開拓の分野があるとは驚きです。

梵語の音節の長短の記号と、漢語の平仄の記号が似ているとも思えないし、
手がかりに出会うのが難しいかもしれませんね。

梵語側でも、仏教混淆梵語(Buddhist Hybrid Sanskrit)の文法書や
語彙集を、標準的古典サンスクリットのテキストの他に持たなければ、
仏典を読みこなせません。

ちょっと見たところ、法華経の如来寿量品の自我偈は、基本的には
トリシュトゥブ系ですが、字余りが散在しています。
(11音節×4のうち一節が、12音節になる)
対応する漢訳の妙法蓮華経の字数は、大体において五言绝句的ですね。
しかし、トリシュトゥブ一つに五字×6句が対応する箇所が幾つかあって、
ずれていきます。

7近藤 貴夫:2009/02/02(月) 22:16:09
仏典で、訳経者が底本にした原典の形が正確に分かっている経典は
ないだろうと思うので、こういう方向の基礎研究にかなりの量をこなして
傾向性を読み取ることに、学問的に意味があるのかが疑問に思えて
きました。
アヌシュトゥブ(4拍子×8)が伝承でトリシュトゥブ(6拍子×8)に
変わったりするようなことが、どの程度あるのかが問題ですね。
想像としては、そういう変化をすることは難しい(韻文は保守的)だと
思うのですけれど。

8早川太基:2009/03/04(水) 16:04:28
拝復
 ご返事ご無沙汰しました。
 さて漢語の未開拓分野などは恐ろしく存在し、僕の専攻である文学方面ひ
とつとっても、たとえば以下の通りです。
 ・『詩経』『易経』『書経』の解釈。
これは未開拓というより、起源、そして中世、近世以来
解釈のブラックホールですね。語学的にも、民俗学的にも、歴史資料学的にも何とで
も読める、こうも、ああも、といううちに生きながら阿鼻地獄へ直行。
 ・漢代における五言詩の誕生。「四言」の次に、なぜ五言か。そして
七言につながるのか。
 ・「楽府」。音楽と詩との関連。「詩」はメロディーに乗せ、歌われ
るものであった歴史過程が不明です。これは実は、「平そく」など漢語
詩規則の成り立
ちとも時代的にかぶる問題なのですが、いまいち手がつけられていない
のが現状です。

 願わくはこのうちの一つでも解きたい。ことに最後の、六朝期における
詩の成り立ちは面白い問題だと思います。当然のものとして受け入れられ
ている現行の規則が、もとを質せば質すほど不可解というのは、どういう
ことなのでしょう。

 「自我偈」。ありがとうございます。
 「原点の形が正確に・・・」→僕の
聞き及んだところでも、中国には梵経
翻訳に用いられたと考えられる経典は一冊も
残存していないと。
面白そうではあっても、どうも前途多難ですね。

9近藤 貴夫:2009/03/12(木) 23:04:12
言語一般に、資料が消失すると歴史の闇の中に消えてしまうという点は、
致し方ないところとは思いますが、光明の見えることを改めて祈ります。


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