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最近読んだ本 PART2

1管理人:2004/01/09(金) 01:36
復活

2管理人:2004/01/27(火) 21:54
芥川賞の2作品……
気にはなるものの、読んでもついていけないかもしれないという危惧ありw
特に金原の方。
綿矢の本は数年後に文庫化されたら読んでみよう。

3管理人:2004/02/12(木) 00:59
遠藤周作『キリストの誕生』(新潮文庫)
イエスが死んでからキリストと呼ばれるようになるまでの話。『イエスの生涯』の続篇にあたる。
日本を代表するキリスト教小説家が書いたものだけあって、
我々には理解しがたい当時のユダヤ世界について、分かりやすく書かれてある。
使徒達の人間臭い心理描写が親しみやすく、またそれがこの作品の重要な部分を成している。
キリスト教がユダヤ教の枠内を超えて世界宗教となるに至る原因について、
イエスの死後数十年という短い間にその萌芽をあらわしており、興味深い。

夏目漱石『文鳥』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』所収)
漱石に珍しい一人称の短篇。
他の作品群に見られる孤独やら苦悩やらの深遠さと比べると一見浅く感じるが、
何気ない悲哀の裏に、筆者自身が持つ孤独が垣間見える。(一人称で、実在人物が登場するからだろう)
初期短篇にも通じる幻想的な描写もあり、良い。
孤独を書き続けた漱石が書いたものだから意義もある、とも言える。

4管理人:2004/02/18(水) 23:21
夏目漱石『夢十夜』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』所収)
漱石の夢日記。面白かったよ。
原罪意識が見え隠れする「第三夜」や、西欧世界との対峙に疲弊する「第七夜」なんかは
研究者にとってはこの上ない材料になりそうなもの。
ちなみにワシは、次々やってくる豚の鼻をステッキで打って崖下に落としていくという話である「第十夜」が好きです。

夏目漱石『手紙』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』所収)
漱石流のユーモアがあってよろしい。それだけだけどね。

5管理人:2004/02/24(火) 00:57
アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』(ハヤカワepi文庫)
全体主義政権下でのハンガリー?の話。『悪童日記』の続篇である。
強烈で深刻な登場人物が印象深く、あまりの面白さに一気に読めてしまう。
是非とも読まれることを激しく推奨。

武者小路実篤『友情』(新潮文庫)
この歳になって読むような作品ではないかもしれません(笑)
そういえば以前交際していた女性が
この作品の三人の登場人物(野島、大宮、杉子)について以下のように評していた。
「どいつもこいつも理解しかねる。しょうもない連中ばっかりで反吐が出るぜ!」(誇張)
まあわからんでもないが、私は野島のヘタレっぷりが大変気に入っている。
この作品は同じ武者小路の『お目出たき人』と並んで、ヘタレ文学の佳作であろう。
ヘタレ万歳!

6管理人:2004/03/01(月) 23:28
アゴタ・クリストフ『第三の嘘』(ハヤカワepi文庫)
『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く第三弾。
前作のふたりは実はふたりじゃないんだけど、ではふたりじゃないのか?
と問われればふたりじゃないというわけではなくふたりなんですよ、といった具合の話。
とにかく面白いんで三作まとめて読まれることを推奨。

夏目漱石『門』(新潮文庫)
漱石お得意の三角関係の話。
『それから』のように若々しくもなく、『行人』のように狂的にもならず、
『こころ』のようなカタストロフもない。ただひたすら仲の良い超然的な夫婦の日常が描かれている。
しかしその生活にも過去が暗い影を落としており、参禅したりするものの結局悟ることはない。
最終的に救済も破滅もない。異色と言えば異色、現代的といえば現代的な作品。

7管理人:2004/03/10(水) 01:16
平野啓一郎『日蝕』(新潮文庫)
題材としてはありがちなんだろうけど、そのベタさ加減ゆえに
誰も手をつけたがらないところに、敢えて反復を挑んでみた、という具合。
典型的という批判を超えれるくらいの様式美は備わっていると思うよ。
修辞に関しては、けったいな漢字や語彙を多用しとるとの前評判だったので
読む前は身構えたが、全く問題ナッシング。
ルビが多くてウザイことを除けば、読みやすいです。

8管理人:2004/04/21(水) 23:46
ここ数年のトレンドは【純愛モノ】と【漢モノ】のようだね。
現状を反映してるのか、それとも、現状がそれらを渇望しているのか。
屈折したヘタレの物語とかは流行らんのか? そういうのが大好きなのだが。

9管理人:2004/05/06(木) 00:18
最近読んでない

10リーダー:2004/05/18(火) 03:52
ちょいと前になりますが、野間宏の『暗い絵』(講談社文芸文庫)。内容は、書かれた時代が戦後間もなくということもあって左翼だのブルジョア革命だの古臭い内容です。しかし、時代に抗って命を燃焼させ尽くした青年達の生き様が静かな筆致ですが青白い炎の様な熱さで描き出されています。著者の、己の人生と与えられた時代へと向き合う真摯な姿勢が伝わってきます。今では余り読まれない作品だとは思いますが、是非とも読んで頂きたい秀作です。現代文学の失ったものが此処にはありますよ。

余談ですが、講談社文芸文庫は何故かお高いです。文庫なのに350ページの本が1100円とは…。

11管理人:2004/05/18(火) 23:57
>>10
野間宏とはしぶいですな。
講談社文芸文庫は商業的に生き残れず絶版になったものばかりを復活させているので非常に高い。
学生時代に同文庫所収の坂口安吾の短篇集を読み漁っていたことを思い出しました。

12リーダー:2004/05/19(水) 00:15
そういう経緯があってお高いのですか。中々に良作揃いの文庫だとは思うのですが、そういう作品群が絶版とは勿体無いですねえ。坂口安吾の同文庫収録『夜長姫と耳男』は良いですな。『堕落論』も今となっては古臭いかも知れんですが、考えさせられますなあ。

13管理人:2004/05/19(水) 01:55
『夜長姫と耳男』は安吾の最高傑作ですな。

14管理人:2004/07/10(土) 01:52
手塚治虫を読み直している。
手塚の描く恋愛は、一目惚れがやたらと多く、展開は残酷で、どことなく倒錯している。
おすすめなのは『陽だまりの樹』
幕末から明治期にかけてが舞台の長篇。下級武士と蘭方医の二人が主人公なのだが、
蘭方医の手塚良庵は実在の人物であり、手塚治虫の三代上の祖先にあたるというから興味深い。
『やけっぱちのマリア』も面白いね。青少年向けの学園コメディなのだが、男子高校生が
エクトプラズムの子供を産んでダッチワイフに乗り移らせたりと、とにかく物凄い展開なのだ。

15リーダー:2004/07/11(日) 14:06
手塚治虫は『きりひと賛歌』がかなり良いっすね。

医療物というジャンルでは個人的に『ブラックジャック』凌駕してると思いまっさ。
少年誌・青年誌と連載されていた母体の差かも知れませぬが。

16管理人:2004/08/12(木) 01:34
ワシは結構短篇志向だから、少年誌向けの作品の方に好きなものが多いかも。
『BJ』にしろ他の作品にしろ、毎回毎回ヒネリの効いたエピソードが
数頁に収められているのを見ると感動する。

17クロウン:2004/08/18(水) 23:17
有栖川有栖 「海のある奈良に死す」
ミステリ読みまくりです。

18管理人:2004/10/28(木) 22:40
そういや本なんか全く読んでないなあ。
新聞もとってないから活字に触れることすらない。
最近仕事以外で目を通した活字といえば出走表くらいか。

19管理人:2005/02/20(日) 22:18:18
酔っ払いながら中島らもを読んでます

20管理人:2005/03/21(月) 23:11:57
中島らも『今夜、すべてのバーで』(講談社文庫)
この人は本当に酒が好きだったんだなあ。
面白かった。長生きするような人とは到底思えなかったが、
もう新作を読むことが出来ないのは誠に残念である。

高橋源一郎『日本文学盛衰史』(講談社文庫)
この人は本当に文学が好きなんだなあ。
"Who is K ?"の章が特に面白かった。
断片の連続、パロディ、緻密且つ膨大な調査、いかにも高橋らしい作品。
確かに面白いんだが、何か物足りん。デビュー作のような作品をもう一度読みたい。

21管理人:2006/05/26(金) 23:24:29
一年以上放置していたのか。

太宰治『右大臣実朝』(新潮文庫『惜別』所収)
古文の読解力も随分と落ちたものだ。
語り手の独白が延々と続くが、公暁との会話シーンだけがちょっと浮いてて妙に目立つ。
公暁の台詞は太宰の台詞でもあるわけですな。シミジミ。

綿矢りさ『インストール』(河出文庫)
こういう言葉遣いは結構好きです。シミジミ。

22管理人:2006/05/27(土) 07:02:21
今日は眠れませんでした。

太宰治『惜別』(新潮文庫)
テクニカルで緻密、太宰流のユーモアもあるにはある、悪くない、
が、全体的にどうにも平べったい印象を受けるなあ、ってのが読後の第一感。
で、何の気もなにし巻末の奥野氏の解説を読んでたら、意外な事実を知った。
この作品は当局の要請を受けて書いたものであり、太宰にとっては唯一ともいえる国策小説であるらしい。
(その割りに政治思想的には普通。それらしい箇所もあるにはあるが。
 これでいいのか?文学報国会(笑)という気がせんでもない)
内容は魯迅の仙台留学時における交友を描いたお話。
政治・芸術・科学のはざまで揺れる魯迅の独白は、太宰の思想の代弁でもあったわけだ。
と同時にこの作品自体が抱えている政治と芸術の葛藤、時代の制約を伝えていてもの悲しくもあり、
読者は何だかシミジミしてしまうのだよ。あーシミジミ。

23管理人:2006/06/06(火) 21:11:57
太宰治『畜犬談』(新潮文庫『きりぎりす』所収)
こんなのも書いてるのね。普通に面白かった。

24管理人:2006/06/27(火) 19:59:08
太宰治『嘘』『雀』(新潮文庫『津軽通信』所収)
珠玉、というのはこういう作品のためにある言葉やなあ。
短篇小説の面白さが味わえるテクニカルな二篇。

菊池寛『忠直卿行状記』(新潮文庫『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』所収)
教科書か現代文の問題で読んだことがあるような。
なんちゅうか、哀しいお話でした。妙に記憶に残る一篇。

菊池寛『恩讐の彼方に』(新潮文庫『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』所収)
これも教科書か何かで読んだことがあるぞ。
ラストシーンで泣いてしまった。

25管理人:2007/05/05(土) 14:58:59
島田雅彦『フランシスコ・X』(講談社文庫)
高校生くらいの頃に好きだった作家。
なぜ好きだったのか今となっては全くの謎なんだが。
まあそこそこ面白かった。

綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出文庫)
最年少芥川賞受賞作。まあまあだったけど個人的には処女作の方が好きかも。
全然関係ないが、このタイトルを見ると野中三嶌事件を思い浮かべてしまう。

久しぶりに本を読んだので、どうにも気の利いた感想が思いつかん。

26リーダー:2007/05/07(月) 01:41:08
万城目学(まきめ まなぶ)
最近売り出し中の作家。『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』
デビュー作と第二作。
ややキャッチーな作風と荒唐無稽なストーリー展開だが、うまく作り込まれて
いるので中々面白い。京都・奈良などご当地の特性を最大限に活かしているので
その土地を知っている者は読んでいて楽しめる。荒削りな面もあるが、今後どう
作風を定着させるのかが楽しみな作家。次回作は大阪が舞台なそうなので楽しみ。
難点を挙げるとするなら、主人公の境遇(学生やら教師)の描写が甘いところと、
純文学が好きな人には受け入れられ辛いというところか。

27管理人:2007/06/03(日) 12:50:02
島田雅彦『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』(いづれも新潮文庫)
>>25でも書いたが、昔好きだった作家。
なんでも著者が命運を懸けた渾身の大作であるらしい。
それはともかく『彗星の住人』は大学生協の書店で単行本を見かけたことがあるから、
文庫化まで随分と時間がかかっとるなあ。三部作だからまとめて文庫化しようとしたんだろうけど、
文庫化してもどうせ売れないだろうから新潮も勇気あるなあ、
などとどうでもいいことを考えてしまう。
確かに面白かったし、この著者の作品の中では最も優れていると思われる。売れないだろうけど。
せっかくだからお情けで今年くらいは夏の100冊に入れてやってください新潮さん。
すぐ絶版になるかもしれんから、興味のある人は早いうちに買っておいた方がよい。
一応中身についても紹介しておくと、大時代的な恋愛物語となっております。紹介終了。

28管理人:2007/07/08(日) 22:40:44
やっぱり夏の100冊には入らんかったか……。
新潮も慈善で出版やってるわけじゃないんだから仕方ないわな。
今、10年位前に読んだ『夢使い』を読み直しておる。


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