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最近読んだ本 PART2
22
:
管理人
:2006/05/27(土) 07:02:21
今日は眠れませんでした。
太宰治『惜別』(新潮文庫)
テクニカルで緻密、太宰流のユーモアもあるにはある、悪くない、
が、全体的にどうにも平べったい印象を受けるなあ、ってのが読後の第一感。
で、何の気もなにし巻末の奥野氏の解説を読んでたら、意外な事実を知った。
この作品は当局の要請を受けて書いたものであり、太宰にとっては唯一ともいえる国策小説であるらしい。
(その割りに政治思想的には普通。それらしい箇所もあるにはあるが。
これでいいのか?文学報国会(笑)という気がせんでもない)
内容は魯迅の仙台留学時における交友を描いたお話。
政治・芸術・科学のはざまで揺れる魯迅の独白は、太宰の思想の代弁でもあったわけだ。
と同時にこの作品自体が抱えている政治と芸術の葛藤、時代の制約を伝えていてもの悲しくもあり、
読者は何だかシミジミしてしまうのだよ。あーシミジミ。
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