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最近読んだ本 PART2

3管理人:2004/02/12(木) 00:59
遠藤周作『キリストの誕生』(新潮文庫)
イエスが死んでからキリストと呼ばれるようになるまでの話。『イエスの生涯』の続篇にあたる。
日本を代表するキリスト教小説家が書いたものだけあって、
我々には理解しがたい当時のユダヤ世界について、分かりやすく書かれてある。
使徒達の人間臭い心理描写が親しみやすく、またそれがこの作品の重要な部分を成している。
キリスト教がユダヤ教の枠内を超えて世界宗教となるに至る原因について、
イエスの死後数十年という短い間にその萌芽をあらわしており、興味深い。

夏目漱石『文鳥』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』所収)
漱石に珍しい一人称の短篇。
他の作品群に見られる孤独やら苦悩やらの深遠さと比べると一見浅く感じるが、
何気ない悲哀の裏に、筆者自身が持つ孤独が垣間見える。(一人称で、実在人物が登場するからだろう)
初期短篇にも通じる幻想的な描写もあり、良い。
孤独を書き続けた漱石が書いたものだから意義もある、とも言える。


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