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おしゃべりルーム

24Sekko:2006/04/23(日) 08:00:44
マインドコントロール罪法案のその後
 2000年の6月に全員一致で国会を通過したマインドコントロール罪法案は、その後すったもんだして、2005年だかに、結局、やや尻つぼみの、L’abus de faiblesse という代替案に差し替えられました。CPEじゃないですけど、宗教側の、マインドコントロールの境界線を決める決定的な基準がない以上、司法の自由裁量は、信仰や精神活動の自由を侵すリスクがあるという主張が通った結果です。その議論の時に何度も出てきたのは、我々はピューリタニズムに陥ってはならない、という言葉でした。こういう法の適用は、いくらでも逸脱していく可能性があるから、その強権の危険を冒すくらいなら、法を先にガス抜きしといた方が賢明という感じです。ある意味、フランスらしい結論です。そしてここでも、アングロサクソン・ピューリタンを反面教師として意識してるのが面白いです。しかし、フランス人的には、カルトが弱者(未成年者、一人暮らしの老人、病者、障害者etc・・)を食い物にするのはどうしても許せないので、「弱みに付け込む」ことの違法性だけは成文化しときたかったということでしょうね。
 まあ、そんな国ですから、「共謀罪」なんてとんでもないですよ。「愛国者法」なんて、ユニヴァーサリズムがピューリタニズムによって逸脱していく典型で、アメリカは建国以来、こういう傾向(インディアン抹殺、魔女狩り、マッカーシズム・・・)を繰り返してます。でも、まあ、それに対抗して本来のユニヴァーサリズムのために戦う人たちも必ずいて、それに期待したいです。
 しかし、共謀罪が、適用の範囲の自由裁量の幅を大きくしといて、勝手に使えるようにするのを許すのは、何とかに刃物の状況もあり得ますよね。日本はピューリタンじゃないんだから、もうちょっとは良識を残して、アングロサクソンの魔女狩りの真似はしてもらいたくないです。
 このことが分かりやすい面白い本があります。ハヤカワミステリ文庫のエラリー・クイーン『ガラスの村』です。読んだことがある人も、もう一度読み返してください。ヤンキーのピューリタニズムの理想と現実、絶え間ない逸脱とそれに抵抗して建国のユニヴァーサリズムの理想に何とか帰ろうとする人たちの努力が実によく書かれていて、志の高い名作です。そこにも、国会の煽動家が腕を振るうのは民衆の責任だと書いてあります。日本で悪法が通るとしたら、国民の側に、すでに思考や判断の放棄があるから、それを通してしまうのでしょう。共謀罪なんて、人の自由や尊厳の根を深いところで蝕む、絶対このまま通してはならないものです。限定や保留条項を付けまくって骨抜きにする可能性はあるんでしょうか。メディアもきっちり論議して欲しいです。でも日本では、路上の論議やストやデモの対象にはならないのでしょうね、きっと。




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