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おしゃべりルーム
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イギリス人
イギリス人っておもしろいですね。ステファン・フリアースはコノ映画が成功を博したことについて、女王は全国民のお母さんみたいなものだからリスペクトするように気を使ったと言ってました。これで、イギリスの専売テーマは、ヒュー・グラント系のロマンチック・コメディ、ハリー・ポッター、007に次いで、4つ目の金鉱を見つけたとかも言われてます。 この映画では、カリカチュラルなのは、フィリップ殿下です。現実とまったく遊離してて、狩のことしか頭にない。もっともこの人が現実を凝視し始めたら、かえってやっかいでしょうが。そして、広大な狩場が王族や貴族同士で隣り合ってるのを見ると、イギリスには、マルチ・カルチャーの都市と、貴族の田園とのふたつがあるのだと納得します。フランス人のエリートは結構都市の中のエリート空間に満足していて、「田園に逃げ込む」という完全二重生活は少ないですね。ヴァカンスでもヴァカンス先の社交場でまた同種の人とつるむという感じです。イギリス貴族は本気で自然の中で犬と馬と狩に打ち込めるんですね。
昨日は『ナポレオンと私』というイタリア映画に行きました。Paolo Virzi 監督です。Dniel Auteuilのナポレオンが見たかったので、ストーリーにそんなに期待していなかったのですが、鮮烈でした。エルバ島の20歳の青年教師が、ナポレオンの秘書に雇われるのですが。彼はナポレオンの戦争責任を問い、暗殺をねらっているのです。観客は、ナポレオンがエルバ島から脱出する史実を知っているので、ヒーローの青年に暗殺されないことが分かっているのですが、心理劇にはまってしまいます。
夜はTVでシラクについてのドキュメンタリーを見ましたが、そこで、どんな政治家でもここまで上り詰める人は、みんな「人間好き」の一面を持っている、というコメントがありました。「人間好き」の匂いのしない人は、どんなに優秀でも多くの人の心を捉えないのでしょう。それで、軍事の天才ナポレオンも、何万人もの兵士を殺したり殺されたりしたにもかかわらず、その孤独にもかかわらず、「人間好き」だった。コルシカから泣く泣くパリにやられ、フランス語が下手でいじめられていた男が、「人間好き」を捨てなかったのは天性のものだったのでしょう。そして、20歳の暗殺者はその魅力にまいってしまいます。
彼には、各論の人間好きが総論で残酷に人を殺せることがあると思いつかなかったのです。理想と現実、若い凡人と老練の天才の出会いの妙が楽しめます。そして、「人間好き」を表に出すというのは、何か、自分に対するすごい信頼のある人の特権のような気もします。たいていの人は、失望したり裏切られたり、他人からの評価を忌避したりしているうちに、「人間嫌い」になったり、「人間好き」を隠したり、身近な人だけ無難に愛したりするようになるのに。そんな中で、手放しで「人間好き」を感じさせる人がいると、それは他者にとってすごく魅力的に思えたりするのですね。「人間好き」な悪魔だってよくいるんですが・・・ しかしナポレオンとの関係でも、イギリス人はそこまでナポレオンを殉教者にすることを恐れていたのか、と不思議ですね。何で二度も莫大な費用をかけて「島流し」になったのか、普通の説明以上に、イギリス人のメンタリティの何かが関係してるような気もします。
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